2018年4月22日日曜日

La Villette

カレーの難民キャンプは撤去されましたが、
この数か月、パリのラ・ヴィレットに、
新たなキャンプができつつあるというニュース。
現在は、エリトリアやスーダンなどからの難民が、1500人ほど。

http://www.dailymotion.com/video/x6i5d9x

これは、ラ・ヴィレット門の近く。
アリエ通りと、
ペリフェリックが交差しているあたりですね。

パリ近郊には、いくつかの難民収容所があるのに、
彼らはそこに行かない……
そう言われているけれど、それは真実ではないと、
支援グループの代表者は言っています。
そもそも、収容人数は750人でしかないし、
ずっといられるわけでもありません。
ただニュース自体は、
行政側の無力を問題にしているのですが。


2018年4月21日土曜日

Les combattants

アデル・エネル主演の、
前から気になっていた映画、

Les combattants (2014)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=hyT4gEKn-ck

タイトルは、「戦士、戦闘員」。
これが何を指しているのか……。

フランスの田舎。夏。
プール付きの広大な家に住むマドレーヌは、
マクロ経済学の修士を持つ女性ですが、
その行動はエキセントリック。
遠からず世界の終わりが来ると信じていて、
どうすれば「生き残る」ことができるか、
日々考えています。
当然、体は鍛えていて、
近く、フランス軍の2週間の研修を受け、
「生き残る」を身につけようと考えています。
一方アルノーは、これといった未来も描けないまま、
父が亡くなった後の家業(外装業)を、
兄とともにこなしています。
そしてそんなマドレーヌとアルノーが出会います。
始めは、マドレーヌの「変人」ぶりに当惑していたアルノーですが、
次第に彼女に魅かれ始め、
彼女が行くという軍の研修に、
自分も参加することにします。
そしていざ研修が始まると、
マドレーヌは浮きっぱなし。
軍での生活が、
イメージとは違って「楽」だったため、
マドレーヌは不満なのです。
そしてある行軍のトレーニングの時、
事件は起こります。
仲間割れをきっかけに、
2人は勝手に別行動をすることになるのです……

最初は、
おもしろいのだけれど、
どういう映画か分かりませんでしたが、
見終わってみると、
これは風変わりな青春映画なのでした。
そしてその背景には、
人間と自然の多層的な関係も描かれています。
軍は出てくるけれど、
ナショナリズムは関係ないのでした。

アデル・エネルは、いいですね。

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/07/la-fille-inconnue.html

2018年4月20日金曜日

『セールスマン』

今や世界的に知られるようになった、
アスガー・ファルハディ監督。
彼はイランの映画監督としても、
もっとも有名なのでしょう。

http://tomo-524.blogspot.jp/2015/03/une-separation.html

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/06/blog-post_75.html

その彼の 2016年の作品、

『セールスマン』

を、遅ればせながら見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=2pzMyDpOijk

高校の国語の教師で、
生徒にも人気のあるエマッド。
そして彼の美しい妻、ラナ。
2人は小さな劇団に属し、
アーサー・ミラーの傑作、
「セールスマンの死」の上演に向けて熱心に取り組んでいました。
そんな折、
なんと住んでいた建物が倒壊しかかり、
やむなく引っ越すことに。
で、劇団仲間が紹介してくれたアパートに越すのですが、
そこで事件は起こります。
「セールスマンの死」のこけら落としの日の夜、
シャワーの準備をしていたラナは、
建物の入り口で鳴らされたチャイムに、
てっきりエマッドだと思い込み、
無防備に鍵を、そして玄関まで開けてしまいます。
が、やってきたのは……
実は、その部屋の前の住人は売春婦で、
男が彼女を訪ねて来たのでした。
事件は起こり、ラナは深く傷つきます。が、
警察に行く気にはどうしてもなれない。
一方エマッドは、残された軽トラックなどを手掛かりに、
独力で犯人を探し出そうと奔走。
そしてついに……
というお話。

前半は、むしろ淡々と進むのですが、
後半になると、その淡々とした感じが、
俄然暗い炎を上げ始めます。
そうなるともう、見るのを止めることはできません。

この映画から何を読み取るのか、読み取れるのか、
それは、見終わったばかりの今は、
まだはっきりしません。が、
後半の磁力は凄まじいものでした。
イスラム社会における、
普遍的な物語でした。

ヒロインのタラネ・アリドゥスティは、
『彼女が消えた浜辺』にも出演していました。
もっと見てみたいです。タラネ・アリドゥスティ

2018年4月19日木曜日

11万部突破!

去年は、
「10万部突破!」
の帯を作っていただいたわけですが、
今年は、
これを作っていただきました。


Merci beaucoup !!



2018年4月16日月曜日

parodier

これはたしかに、
parodier してますねえ。

https://fr.style.yahoo.com/celeste-barber-instagrameuse-détourne-photos-slideshow-wp-145441533/photo-p-celeste-barber-actrice-australienne-photo-145441191.html

Ses parodies lui permettent de montrer la normalité de sa vie de tous les jours.

彼女はこうしたパロディによって、
自分の日々の暮らしがいかに「ふつう」であるかということを、
見るものたちに示すのだ


2018年4月15日日曜日

パリ気分な

日曜の夜、
奢ってくれるという奇特な人がいて、
しかも好きな店でいいと。
それなら、ということで、
比較的近場のおいしい店、
立川のビストロ・フラットカフェへ。

ここはまず、前菜盛り合わせが楽しいです。
リエットもパテも自家製で、
すっきりした味。
まったくしつこくありません。
キャロット・ラペはオレンジ風味。
チーズは香草と生クリーム(?)でふんわり。
鴨にはブルーベリーが1粒ついて。

次はホワイトアスパラのソテー。
炒め方が変えてあって、
2通りの歯ごたえ。
味もしみじみしています。

今日のメインはぜいたくに2つ。
フランス産(とは珍しい)ラム。
このソースが、ムール貝のカレー風味とは、
ひねれてます。
きっちり塩が入っていて、
もちろんソースなしでも十分おいしいです。
で次もまた肉。
今度は牛ヒレ肉とフォワグラ、ソース・ペリグー。
これもナイスな組み合わせで、そりゃうまいです。

この店、ワインは150種あるんだそうです。
ラムは、冷やしたロゼと。
店内には、ZAZがずっと流れ、
いっとき、パリ気分でした。
こんなぜいたくでおいしい食事、
ごちそうさまでした!

2018年4月14日土曜日

In the fade

新学期が始まってまだ1週間も経ちませんが、
授業はもちろんのこと、
すでに会議は4回、
院生との打ち合わせ1回、
事務的な種類提出数件、
そして理工学部の新任教員歓迎会もあり、
なかなか目まぐるしい今週でした。
しかも、
その合間を縫って、
大谷選手の活躍をチェックしたり、
ベイスターズの連勝を応援したり。
さらには、
今は珍しく、「見たい」と思う映画が複数劇場公開されていて、
結局行けずに終わってしまったものもありますが、
(つまり、DVDを待つわけですが、)
まだ上映中のものもあり、
行きたい気持ちだけが募ります。
特に見たいと思うのは、
『女は二度決断する』
です。
これは、これですね。

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/05/cannes-2017_28.html

あるインタヴューで、
Diane Kruger は、
「この役はわたしの中に残る」
と発言していました。
これは見ないと。

2018年4月10日火曜日

新学期開幕!

というわけで、
ガイダンスが終わり、
入学式が終わり、
ついに今日から、授業開始です。
新入生にとっては、
人生最初の授業だったわけです。
いいなあ、これから大学生活!
わたしももう1回やりたいです。
で、もっとちゃんと勉強して……
まあ、それはともかく。

そして午後は、
大学院の新入生2人が、
研究室にやってきました。
約束はなかったのですが、
生田の授業に来たついでに、
履修の相談もかねて、という感じ。
いいなあ、これから大学院生活!
これももう1回やりたいです。
で、もっとちゃんと……

まだ1日なのに、
始まった感満載の日でした。
明日は、「フランス語」の初日。
そして、リバティー・アカデミーも初日です。
張り切っていきましょう!

2018年4月8日日曜日

入学式

今日は、武道館での入学式。
わたしも、総合文化教室の代表として、
午前の部に参列しました。
(まあ、参列といっても、
演壇に登るわけでもなく、
その脇の、3列に並んだ椅子に座っていただけですが。)

新入生とそのご家族で、
武道館はほぼいっぱい。
客席を見渡していると、
ボウイや、ディープ・パープルや、クラプトンや、
スタイリスティックスや、ビヨンセや、
クイーンや、ブライアン・フェリーや、ウタダや……
のことが、
なんなら走馬灯のように、
よみがえってきました。
でもそんな感傷も束の間、
明治のオケによる校歌の演奏が、
すぐに現実に引き戻してくれます。

学長の祝辞の中では、
バルトの言葉が引用されていました。

ただ、始めることだけが楽しい

専門に閉じこもらず、
なんでも始めてみればいい、
と学長は言うのでした。

ただ、始めることだけが楽しい

ちょっといいですね。

2018年4月6日金曜日

ヴェネズエラからの先生

新年度になり、
今日は駿河台で初会議。
午前10時に集まり、その後ランチ懇親会でした。
その席では、
ヴェネズエラ人の先生と
(スペイン語の先生に通訳してもらって)話し、
指揮者ドゥダメルのことや、
マドゥーロ大統領のことなどを話しました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/05/je-leve-ma-voix.html

( ↑ これが11か月前)

今かの地では、
大学教員では、食べていくことができないそうです。
で、
多くの先生たちが国外に仕事を求めて、
出ていってしまうと。
ただもちろん、
ヴェネズエラのことは「とっても心配」だと……

会議では、
大学の制度上の不備の改善について話し合ったのですが、
まったくレベルが違いました。

2018年4月5日木曜日

どこまで続くぬかるみぞ

NHKの中で何が起こっているかなんて、
もちろんわかりません。が、
あの証人喚問の時、
答えるより先にテロップを流し、
事前に内容を知っていたんじゃ?
と視聴者に思わせたのものNHKなら、
このニュースもNHKです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180404/k10011390911000.html

どうも、
複数の勢力があるようにも感じられます。

それにしても、
役人が、
口裏合わせなんてみっともないこと、
進んで頼むなんて思えません。
しかも断られるという屈辱ぶり。

守るなら、
守るに値するものを、と思います。

2018年4月4日水曜日

リテラシー

今日は理工学部のガイダンスがありました。
わたしの仕事は、
「総合文化科目」、
いわゆる一般教養科目について、
10分間しゃべること。
でも……
ふつーにタラタラしゃべっても、
から来たものを受け流す
ことになるだけでしょうから、
少しでも記憶にとどめてくれればいいと思って、
キーワードを決めることにしました。
しかも一つ。それは

リテラシー

です。
この「読み書き算盤」を意味する単語は、
比喩的に言えば、
「読み取る能力」とも言えそうです。
サッカーでも、将棋でも、歌舞伎でも、音楽でも、映画でも。
4年間に、
どれだけリテラシーのチャンネルを増やせるか、
深められるか、
ということを、
ときに思い出してみて、
という感じで話したのでした。

そして……

今日は大谷選手が、
記念すべきメジャー1号HR。
「いつか、大谷選手が引退した時、
今日のこのHRのヴィデオが必ず流れます。
そしてみなさんは、
ああこの日はガイダンスだった!
あの日からン十年、
おれのリテラシーは……
と振り返ってください!」
とも、話したのでした。

2018年4月2日月曜日

私の好きな民藝 (趣味どきっ!)

総合芸術系の同僚である鞍田さんが、
Eテレのこの番組の案内人を務めます。

http://www.nhk.or.jp/syumidoki/syumidoki-tue/index.html

哲学(ハイデガー)から出発して、
環境学を経て、
現在は道具とか、もの作りに関心を寄せているという鞍田さん。
いつも話が明快で、
教えられることが多いのですが、
この番組も、
まちがいなくそうなると思います。
地方の現状を知るという意味でも、
勉強になりそうです。
明日から放送開始です。
ぜひ!!

さあ新学期!

いよいよ明日(というか今日)、
ついに新学期が始まります。
で、
さっそく総合芸術系のガイダンスがあり、
新入生たちとゴタイメンの予定です。
楽しみです!

春になって、
庭のチューリップなども咲いてきました。




花がきれいなのか、
それとも、
そもそも人間の「きれい」の基準は花だったのか……?

2018年3月31日土曜日

『フラ語練習』改訂版へ

フラ語シリーズの中では、
『入門』、『動詞』、『ボキャブラ』
は、すでに改訂版が出ています。
順番的には、次は『練習』(2005)なわけですが、
今、実際この改訂版作りに取り組んでいます。

でも、言葉の感覚っていうのは、
特にいわゆる「饒舌体」的な日本語の場合、
ほんの10年でずいぶん変わるものだと感じています。
時事ネタが古くなるのは(ある程度)仕方ないとして、
それにとどまらない変化を感じます。
(ほんとは、言葉じゃなく、
価値観が変わっているのかもしれません。)

とにかく、
がんばります!

2018年3月29日木曜日

さくら

今年の春は、
特にさくらがきれいに咲いているような気がします。
いい天気が続いているからでしょうか?

家の近くの川沿いにも、
桜並木があります。
こんな感じ。



そして、夜。


どうしても、
外装工事中のビルを、
一緒に入れたくなるのでした。

書評

『ふらんす』4月号に書いた書評、
ネットで読めるようになりました。

https://webfrance.hakusuisha.co.jp/posts/525


2018年3月26日月曜日

卒業式

今日は明治大学の卒業式。
わたしは、大学院の学位授与式だけ参加してきました。

新領域創造専攻・デジタルコンテンツ系

は、2008年に船出して、
今日の卒業式をもって、
(基本的には)
発展的に解消します。

(で、その発展形の1つが、
われらが「総合芸術系」で、
こちらは2017年の春から始動し、
今春から2年目に入ります。

http://pac-meiji.tumblr.com/

留学生も含めて6人が入学する予定で、
ちょっとにぎやかになりそうです。)

学位授与式では、
先生たちが何か一言、
はなむけにしゃべるのが恒例です。
これが、聞いているうち、
なんだか自分も卒業する気分になってくるから不思議です。
同僚のことを褒めるのもなんですが、
どの先生の言葉も(掛け値なしに)深みがあって、
いいなあ、と思いました。
卒業生たちが、
いつかどこかで、
今日の言葉を思い出すことがあればいいと思いました。

卒業、おめでとうございます!

2018年3月25日日曜日

「友達に国境はな~い!」

この

「友達に国境はな~い!」

というのは、
あの「ちびまる子ちゃん」の映画の、
キャッチコピーだったそうです。
なんというか、もちろんそうだとね、
と思うわけですが、
こんなのはいかん、と思ったのが、
あの自民党文科部会長の議員。


「国際社会とは国家間の国益を巡る戦いの場であり、
地球市民、世界市民のコスモポリタンでは通用しない」
というのが、この議員の意見です。

まったく賛成できません。

2018年3月23日金曜日

19e

卒業式シーズンです。
わたしも26日には、
院の卒業式(というか、修了式)に出る予定なんですが、
その数日後には新入生ガイダンスや、
武道館での入学式が控えています。
なんとなく気忙しい、今日この頃です。

で、そんな時、
白水社からいいお知らせが届きました。
『フラ語入門』が、19刷となるそうです。
ありがたいです!
使っていただいているみなさんに感謝です。
お役に立っているといいんですが……

「ふらんす」4月増大号、発売!


フランス語を勉強する人たちの頼もしいパートナー、
雑誌「ふらんす」の4月号が、
ついに発売になりました。
今回の特集は、

「フランス語、どこで学びますか?」

です。
アンスティテュ、NHK、などはもちろん、
さまざまなサイト、音楽や映画など、
さまざまなアプローチ方法が紹介されていて、
充実の案内人ぶりです。
そしてその中には、
なんと拙著「フラ語シリーズ」の紹介ページもあります。
(っていうか、わたしが書かせてもらったんですけど!)

連載では、
「ヨシとクニーのかっ飛ばし仏語砲弾」
が、ついに3年目に突入。
これはわたしも楽しみなコーナーなので、嬉しいです。
今回は、「辞書を愛する」です。
どんな「愛」なんでしょ!?
(あ、タイトル、「砲弾」じゃなくて「放談」でしたね!)

そして新連載もいろいろヴァラエティーなんですが、
わたし的には、
「マグリブ中毒者たちの告白」
という、モロッコにまつわるあれこれが楽しそう。
先日ここでも取り上げた映画、Much loved もモロッコでしたが、
モロッコについては、もっと知りたいと思っています。
期待しています!

そして今月の書評欄では、
先日、著者の金井さんとイベントをした
『パリのすてきなおじさん』
の書評を、書かせてもらいました。
ほんとの面白さを伝えきれていないかもですが、
本自体はおもしろいので、これはオススメできます。

「ふらんす」4月号、
1年分の音声データの入ったCDもついて、
チョーお買い得です。
ぜひ!

2018年3月22日木曜日

Jour J

もう、4年も前になりますが、
印象に残るコメディー映画がありました。
これです。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/12/paris-tout-prix.html

パリで活躍していた女性が、
突然モロッコに強制送還されてしまう話でした。
で、
この映画で、監督・脚本・主演をこなしたリーム・ケリシが、
やはりこの3役をこなして作り上げた映画、

Jour J (2017)

を見てみました。
タイトルの Jour J というのは、
英語で言えば D-Day で、
もとはノルマンディー上陸作戦の決行日を意味していたようですが、
今では、もっと一般的な、
大事な行事の開催日、
くらいの意味で使われるようです。
特に、結婚式の意味ではよく使われるようで、
実は今回もそうなんです。

https://www.youtube.com/watch?v=SpS0Tysi2MQ

ジュリエットは、独身のウェディング・プランナー。
といっても、同僚のクラリスと一緒に運営する小さな会社です。
このジュリエット、
ある仮装パーティーで見かけたハンサム君を速攻ナンパし、
そのまま……へ。
で、また会いたいジュリエットは名刺を渡し、
その夜は別れます。
さてそのハンサム君、マティアスには、
富豪のお嬢さんであるカノジョ、アレクシアがいます。
(もちろんジュリエットは、
マティアスにカノジョがいるなんて知らなかったわけですが。)
そしてアレクシアが、
マティアスのポケットに例の名刺を見つけたからさあ大変。
マティアスにしてみれば、
数年間付き合っていて初めての浮気です。
しどろもどろの言い訳をするんですが、
その時アレクシアが、突如言いだすのです、
「あ、わかった、
わたしに内緒でウェディング・プランナーに会ってたってことは……
もちろんOKよ、結婚する!!」
仕方なくマティアスは、
その誤解に乗っかり、
結婚話は進んでゆきますが、
なんと、実はジュリエットとアレクシアは、
小学校時代の同級生で、
当時太っていたジュリエットは、
アレクシアとその仲間たちにさんざんいじめられていたのでした。
ジュリエットはこんな仕事はしたくないのですが、
同僚のクラリスは許してくれません、
この仕事がないと、つぶれちゃう! と言うのです……

一見重くなりそうな話ですが、
ぜんぜんそうはならず、
話しは軽快に、笑いをとりながら進んでゆきます。
下ネタも満載です。
いくつものコントラストがあるのですが、
中心にあるのはもちろん、
ジュリエットとアレクシアのそれです。
見てわかるアラブ系で、
父親はおらず、気はいいけどアル中の母親を抱え、
子ども時代は貧しく、
そして今はカレシもなく、
でも、仕事をバリバリやりながら、
自分なりに自由に生きているジュリエット。
それに対して、
金髪のヨーロッパ系白人で、
父親は富豪。
まさに何の不自由も知らず生きてきて、
カレシもいて、
インスタグラマーとして3万人のフォロワーを従えるアレクシア。
でも、
アレクシアは、ジュリエットを見ているうち、
ある疑念を抱くようになります。
わたしってほんとに「自由」なの?

そしてもろもろもろもろあったあと、
アレクシアはジュリエットに言うのです。

T’es ni la fille de, ni la femme de. 
Toi, t’es toi. T’es libre.

あなたは、の娘でも、の奥さんでもない。
あなたはあなた。自由なの。

アレクシアは、目覚めたのですね。

マティアス役は、ニコラ・デュヴォーシェル。
いつも通りのハンサムです。
アレクシア役を演じたジュリア・ピアトンは、
『最高の花婿』の中の、
4姉妹の一人でした。

http://tomo-524.blogspot.jp/2015/07/quest-ce-quon-fait-au-bon-dieu.html

「ヨーロッパ系白人」の、
典型的とされる容姿に近いのでしょう。
そして彼女は、この映画では、
予審判事をしていました。

2018年3月20日火曜日

ニュース × 4

昨日から今日にかけて、
ちょっとおもしろい(?)ニュースが続きました。

まず、日本のワイドショーあたりでも取り上げそうな、
ドラクロワ関連ネタ。

https://m6info.yahoo.com/facebook-censure-une-representation-du-tableau-quotla-liberte-guidant-le-peuplequot-175215722.html

Facebook に、
「民衆を導く自由の女神」を使って、
ある芝居の広告を載せたところ、
「裸だからダメ」と言われ、
怒った主催者が、
「facebook による検閲」と胸に貼り付けて再投稿。
結局、facebook 側が謝罪した、ということのようです。


そしてこれも小ネタですが、
ロシア籍を持っている彼が選挙で投票したと。

http://www.europe1.fr/international/election-presidentielle-russe-gerard-depardieu-a-vote-a-paris-3602453

当時彼は、「税金逃れ」とか「裏切り者」とか言われ、
まあ、今もその印象は残っているのでしょう。

次。
ニューカレでは、
フランスからの独立住民投票が。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180319-00000070-mai-int

今年この住民投票を実施するということ自体は、
20年前に交わされた「ヌメア協定」で決められていました。
その投票日が決まったというニュースです。
ニューカレには、
現地の人と結婚したいとこが住んでいます。
話を聞きたいところです。

で、
1番興味深かったのはこのニュース。
実はわたしも、
この動きに違和感を感じていましたが、
もっとちゃんとそれを感じていた人がいました。

http://www.afpbb.com/articles/-/3167528?cx_position=41

2018年3月19日月曜日

『フレンチ上海』

上海のことを、
少しずつですが勉強しています。
今は、猫カフェもあるんですね。

http://www.afpbb.com/articles/-/3167463

で、
今日は1日かけて、

『フレンチ上海  東洋のパリを訪ねる』 にむらじゅんこ

を読みました。
教えられることの多い本でした。
写真満載の、130ページほどの本なので、
急げば2~3時間で読めそうですが、
あれこれ追加で調べながら、
じっくりゆっくり読みました。
だから、上海に、
それも1920~30年代の上海に、
1日旅行に行ってきたような気分です。

上海にフランス租界は、
アヘン戦争後の1849年から、
第2次大戦中の1943まで、
約100年間続きました。
そして、イギリス租界とアメリカ租界が、
経済的合理性を求めて共同租界になったときも、
フランスはそれに参加しませんでした。
著者によれば、それはフランスが、
経済力や軍事力ではなく、
文化、芸術や言語という、
いわばソフト・パワーによる支配を目指したからであり、
共和国精神に基づく共生を優先させたからでもある、
とのことでした。
なるほど。
そう考えると、腑に落ちます。
(もちろん、たとえどれほど共和国精神が素晴らしいとしても、
今の場合、その背中にはぴったり植民地主義が張りついているのを、
忘れることはできませんが。)

1930年、上海の人口は300万人を越えます。
そこは、パスポートもヴィザもなしで入れるレアな場所だったので、
ボヘミアンも、
移民も難民もやってきたのです。
そいてまさに混成的な状況が生まれました。
まちがいなく、当時のアジアでは、
もっとも混成的だったでしょう。
タイムマシンがあったら、
ぜひ行ってみたい(時間の中の)「場所」です。

2018年3月18日日曜日

『女っ気なし』

ava という映画について、
もう何度か書きましたが、
その ava の中で少女のお母さん役を演じていたのは、
ロール・カラミでした。
彼女は、MFFF の作品では、
『ヴィクトリア』にも『サマー・フィーリング』にも出ていました。

で、
彼女が出ている別の作品、

『女っ気なし』(2012)

を見てみました。
これは13年に日本で公開されていますが、
わたしは見てなかったので、
今回はフランス版のDVD 、

Un monde sans femmes (『女性たちのいない世界』)

で見ました。
(日本版は、なぜか出てないようです。)

https://www.youtube.com/watch?v=Ek3nituJb3g

1時間に満たない映画で、
要は、ヴァカンスにやってきた母娘と、
現地の冴えない男の交流を描いています。
ロール・カラミは、セクシーな
(「カレシはいないの、わたしと寝たがる男はたくさんいるけど」)
母親役。
冴えない、これはモテないな、と納得させられる男は、
ヴァンサン・マケーニュが演じます。

このヴァンサン・マケーニュ(今年40歳)という俳優が、
わたしはちょっと苦手です。
不器用で、引っ込み思案で冴えなくて、
女性に気後ればかりしている男。
彼の役柄はたいていそんな感じで、
ちょっとパターン化している気がします。
また、ロマン・デュリス(こちらは人気俳優ですが)の場合とちょっと似て、
自分の頼りなさをウリにしているようにも見えるのが、
ピーターパン症候群ぽくって、
ちょっと鼻白む感じなのです。
(とはいえ、頼りがいをウリにするマッチョも、
いかにも古臭くてイヤなんですが。)
もちろんこうした感じ方は、
役柄を俳優自身を半ば混同しているのは否めません。
ただ、こうした役を選択的に演じようとすること自体、
どうかなと思ってしまうのです。

この映画は、飽きずに見ていられます。
ただそれは、母娘が、
特にロール・カラミが魅力的だからなのだろうと、
わたしは感じてしまいました。

Taxi 5

『タクシー』シリーズ第5弾、
Taxi 5
の、フランスでの公開が迫っています。

https://www.youtube.com/watch?v=W_0-4a4kLzA

この予告編を見ると、
サブリナ・ウアザニはじめ、
よく見る顔がたくさん。
(ただちょっと、昔のファンに寄せてる!? という気も。)

このシリーズは、
スピード感があってくだらなくておもしろい、
というのが一般的な評価だと思うのですが、
まずホームグラウンドがマルセイユであること、
シリーズ初期の主演サミー・ナセリが、
フランス人の母親と、
カビリー人(ベルベル人のグループの1つ)の父親を持つこと、
そして彼の恋人の父親が、アルジェリア戦争を戦った軍人であること、
などを考え合わせると、
完全に「おバカ」な映画でもないことに気づかされます。
(ナセリの金髪、そして青い目は、
カビリー人の特徴だとも言われます。
そういえば、彼の兄のビビも、やはり青い目です。)

で、第5弾ですが、
今回の主演は、フランク・ガスタンビッド(Franck Gastambide
のようですね。

彼の長編デビュー作はこれでした。

http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/il-reste-du-jambon.html

これはおもしろい映画でした。
で、ここでフランクは3人組の1人として出ていたのですが、
その3人組が主演したヒット作が、

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/04/les-kaira.html

でした。
これもおもしろかった。
そして、

http://tomo-524.blogspot.jp/2016/07/made-in-france.html

これは日本でも、
メイド・イン・フランス パリ爆破テロ計画』
というタイトルで公開されました。

こうして見てくると、
フランクはなかなかいいポジションにいるように見えます。

Taxi 5、
見ないという選択肢はないですね。
(でも日本では、まだだいぶ先かな?)

2018年3月17日土曜日

引用

永田浩三氏のコメントから。

*****************************************
むかし、渋谷のテレビ局にいたとき、放送前日に、
放送総局長らが安倍晋三氏らに会い、いろんな意見をもらってきて、
編集長のわたしに、
これまで合意していた内容をすべて捨て去り、
改変するよう総局長らが直接指示した。
番組はあまりに変わってしまい、
放送後、大騒ぎとなった。
事件の顛末の調査が行われ、報告書がつくられた。
しかし、現場のわたしなどは、
ついぞその報告書をみせてもらえなかった。
何年もたって、報告書を見る機会があった。
そこには、改ざんを命じた放送総局長や政治家の存在は、
まったく書かれておらず、
現場の混乱とだけあった。
今回の財務省改ざん事件。
とても他人事とは思えない。
だれが好き好んで、
現場が自主的に改ざんに手を染めたりするものか。
*****************************************

でも、NHK、ここ数日、
少し変化を感じます。
がんばれ!

2018年3月16日金曜日

Pour une femme

ブノワ・マジメルとニコラ・デュヴォーシェル、
タイプの違う二枚目二人が共演する、

Pour une femme (2013)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=AjKorgWU00Y

映画の中の「現在」は、1980年代。
タニアとアンヌの姉妹は、
3か月前に亡くなった母の形見分けをしています。
作家である妹のアンヌは、その遺品の中に気になるものを発見し、
両親(ミッシェルとレナ)の過去を調べ始めます。
一家はユダヤ人です。

ミッシェルとレナの出会い、それは第2次大戦中、
南仏の、あの悪名高きリヴザルト収容所でのことでした。

この収容所は、時代によって、
「望ましからぬものたち」を収容してきました。
スペイン内戦を逃れてきた人たち、
戦中は、外国から来たユダヤ人、ロマ人、
戦後はアルキ(=アルジェリア戦争時、対仏協力したアルジェリア人)、
そしてその後は不法移民も。

https://www.youtube.com/watch?v=EkHyxk6Bi6A

映画の冒頭の雰囲気は、
どことなくレトロなんですが、
そこがリヴザルトであると分かると、
単なる懐古趣味の映画じゃないことに気づかされます。

さて物語です。
まずミッシェルは、ウクライナのコーヴェリ生まれで、
1925年、ユダヤ人であった両親とともにパリにやってきます。
(彼は15歳でした。)
第2次大戦が始まると、ミッシェルは従軍するも、
両親は捕らえられ、ドランシーの収容所に送られ、
その後アウシュヴィッツへ。
一方ミッシェルは、41年に復員してフランスに送還され、
ユダヤ人であったため、リヴザルト収容所に送られます。
そしてそこで、レナを見初め、
(この部分は、映画内で曖昧にしか語られないのですが)
ミッシェルはレナを(またさらに他の人たちをも)助け、
収容所から脱走するのです。
それは大変な難事でしたが、なんとか成功させます。
そして、回想の最初の場面は、1945年のリヨンです。
ミッシェルとレナは、フランス国籍の取得申請に来ています。
(係官が質問することで、
上に書いた内容が示される仕掛けです。)
実はこの時、レナは妊娠中で、
とにかくミッシェルは、フランス人になることを望み、
その願いは叶うのです。
ミッシェル夫婦はフランス人になることができました。

そして戦後まもなくの1947年。
子供も育ち、平穏な暮らしをしていた二人のもとに、
ミッシェルの弟、ジャンが現れます、
お互い、兄弟はナチに殺されたものと思っていたのに。
2人は再会を喜びますが、
このジャン、どこか不審なのです。
コミュニストであるミッシェルは、仲間たちから、
ジャンはスパイじゃないのか? と疑われもします。
が、
(これはおいおい分かってくることなのですが)
実はジャンは、アメリカ大陸に逃亡しようとする元ナチを追い、
さらにはその協力者たちも抹殺する仕事を遂行する、
ユダヤ人組織の工作員で、
ある銃撃事件に関連してフランス警察に追われているのでした。
(この時点では、まだイスラエルは成立していませんが、
ジャンが最後に逃げ落ちてゆくのは、パレスチナです。)

コミュニストになった兄と、
元ナチを追い続ける弟。
そして、恩義から妻となることを承諾したレナは、
今、ジャンに惹かれ、その胸に飛び込みそうです。
兄弟の運命は、三角関係の行方は、
そしてアンヌの本当の父親は……
というお話。

戦前~戦後のフランスにおける、ユダヤ人の問題。
また、もっと広く、ヨーロッパにおけるユダヤ人の問題。
そこに、
兄弟、姉妹の愛憎と、
親子の葛藤と、
三角関係と、
コミュニズムとをからめ、
人生における選択について語った映画、
ということになるのでしょう。
ふつうはバラバラに散ってしまいそうなこれだけの要素を、
とてもうまく繋ぎとめていると感じました。

監督はディアーヌ・キュリス。
彼女の作品は、見なきゃ見なきゃと思いつつ、
まだほとんど見られてません。
見ていこうと思います。

*レナが、義弟ジャンのいるホテルに向かおうとする瞬間、
彼女は、やはり三角関係を生きている女友人に訊くのです。

Je fais une bêtise ?
Peut-être. Mais il y a des bêtises à regretter de ne pas avoir faites.

わたしバカなことしてるの?
多分ね。でも、やらなかったことを後悔するバカなこともあるのよ。

Peut-être...

2018年3月15日木曜日

「写真家 荒木経惟 77歳の切実」

今週の日曜日、夜10:50~ です。

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92608/2608126/index.html

実はこの番組、
われらが倉石信乃さんも協力なさったと聞いています。

楽しみに待ちたいと思います!

2018年3月14日水曜日

Vol spécial

スイスの不法移民収容センターを舞台にしたドキュメンタリー、

Vol spécial(2011)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=qSRDnIiYI3s ←全編版

舞台は、ジュネーヴ郊外にある、
不法移民収容センター。
ここには、
コソヴォ、
ナイジェリア、
コンゴ共和国、
カメルーン、
ガンビア……
などから来た不法移民たちが収容されているのですが、
事情はそれぞれです。
コソヴォから来た男性は、
20歳の時にスイスに来て、
40年の人生のちょうど半分をそこで過ごしました。
奥さんも子供もいます。
犯罪なんて縁がありません。
でも、滞在許可証だけがないのです。

ここに入れられた時、
彼らは告げられます。
「これからの可能性は3つだ。

1・釈放されて、自由の身になる。
2・自発的に、自由な人間として、故国に帰る。そのあとは自由。
3・拘束され、特別便(Vol spécial)に乗せられ、強制送還される。」

でも、このドキュメンタリーの中で<1>の結果を得たのは、
たった1人。
ほとんどは<3>なのです。

収容所内は、快適とは言えなくても、
劣悪な、というほどではなく、
食事も十分あります。でも、
「入居者」が求めているのはそんなことではなく、
子供や恋人と会ったり、
自由に働いて、自由に暮らすことです。
もちろん税金だってちゃんと払います。
でも……
強制送還が決まり、
大の男がしゃくりあげる姿は……

フィクションで言うと、
『サンバ』との共通点が多い作品です。
DVDには、たくさんの言語の字幕が付いていました。
(日本語はありませんが。)

『太陽の帝国』

スピルバーグの、

『太陽の帝国』(1987)

を見てみたのは、
1990年代に再開発される前の上海が、
映像化されているからでした。

https://www.youtube.com/watch?v=VnRkV1aStV0

舞台は、1941年と1945年の上海。
主人公は、上海の共同租界の大豪邸で暮らす大金持ちの息子、
ジェイミーです。
彼が、日中戦争突入後、
親とはぐれて日本軍の捕虜収容所に入れられ、
生き延び、
そして両親との再会を果たすまでの物語です。
設定としては、
(というか、原作の自伝的小説があるそうなのですが)
ジェイミーは嫌味なボンボンで、
日本の零戦が大好きな少年です。
租界にいたイギリス人(やアメリカ人)は、
この映画に従えば、基本的にお金持ちばかり。
ただ彼らは、その後日本軍の捕虜となるわけです。
最後は、アメリカが原爆を落とし、
日本は負け、捕虜たちは解放されます。

実話に基づいている、
というエクスキューズがなければ、
この映画はちょっとよくわからない。
ジェイミーはたしかにたくましい子供ですが、
戦争について、
なんならアヘン戦争について、
階級について、
中国の庶民について、
日本軍について、
原爆について、
どう考えているのか、伝わってこないのです。
これもまた、
主人公が子供だからというのが、
「考えてない」ことの理由とされるのでしょうか?
それでは不十分なのでは?
と、わたしには感じられました。

ただ、上海の街は見るという目的は達しましたから、
よしとすることにします。

《Nous ne tolérons pas la polituque de Shizo Abe.》

Le Monde の、金子兜太追悼の記事。

《Nous ne tolérons pas la polituque de Shizo Abe.》

が、彼の揮毫だったことも紹介されています。

http://www.lemonde.fr/disparitions/article/2018/03/02/le-poete-japonais-tota-kaneko-est-mort_5264871_3382.html#meter_toaster


2018年3月13日火曜日

パリジェンヌ展

パリジェンヌ展、
やっと今日行くことができました。
この展覧会は、正確には、
ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00187

と題されていて、
つまり、ボストン美術館の所蔵作品の中から、
「パリジェンヌ」という文脈に乗る作品が選び出されているわけです。
だからなんでしょう、
やはりそこここに「アメリカ」的視線、
つまり、パリジェンヌについての「アメリカ」的な幻想、
といったものが感じられる気がしました。
たとえば、これは目立つのですが、
アメリカ独立戦争の時に活躍したフリゲート艦をモチーフにした髪型(!)、
の女性のイラストとか。

また、ルノワールの「アルジェリアの娘」という絵が展示されているのですが、


この女性、あんまりアラブ女性っぽく見えないと思ったら、
どうやらモデルは白人らしく、
しかも解説によれば、
顔はルノワールの描く「パリジェンヌ」的だと。
で、この展覧会にも並んでいるわけです。
この選択は、大胆ですね。

さらに、ジョセフィン・ベーカーのヴィデオも流れているのですが、
このヴィデオを「パリジェンヌ展」で流すというもの、
なかなかです。
リアルなジョセフィンはアメリカ人で、
ただしフランスでは「アフリカの女王」、
つまり植民地からやってきた、
エキゾチックで「いい女」ということになっていたわけですから。

https://www.youtube.com/watch?v=wmw5eGh888Y

というわけで、
そういうつもりはなくても、
自然に、ちょっとメタな(?)見方になってしまう、
挑戦的な展覧会でした。

2018年3月12日月曜日

Comment j'ai rencontré mon père

フランソワ=グザヴィエ・ドゥメゾンとイザベル・カレ。
この二人の組み合わせと言えば、
わたしも大好きなこの映画です。


この映画には、
ヴァンサン・エルバズもオマール・シーも出ていたわけなので、
今考えれば、豪華メンバーでした。
(ただオマール・シーは、これを撮った後、
同じ監督による『最強のふたり』に出演し、
ブレークするわけですが。)
で、今日見たのは、これ。

Comment j'ai rencontré mon père(2017)

Tellement proches では兄妹だったふたり、
フランソワ=グザヴィエ・ドゥメゾンと、イザベル・カレが、
今度は夫婦役で登場します。


舞台はブリュッセルとその近郊。
エリオットとアヴァ夫婦は、
黒人の男の子を養子にしています。
そしてその息子が小学校に入学。
でも彼、アンゲランは、どこかで、
本当の父親に会いたがっています。
そしてある時、海岸で、
アンゲランはある黒人の青年と出会います。
実は彼はガーナ系の不法移民で、
ダンケルクでの一斉検挙を逃れてきたのです。
でも、幼いアンゲランは、
彼こそ自分の父親だと思い込んでしまい……
というお話。

主役の夫婦は、とてもいい感じ。
とりわけイザベル・カレは、品があって、
颯爽としていて、いい雰囲気です。
また、イギリスに渡りたがってる不法移民というのも、
今風の題材で、それ自体はいいと思います。
が、
物語の中心にある父と子の問題と、この移民問題とが、
今回は、そんなにうまくリンクしなかった気もします。
そしてエリオットには、超わがままで金持ちの父親がいて、
つまり、ここにももう一つの父―子があるわけなんですが、
2つの父―子関係のコントラストも、
イマイチ機能していない印象でした。
さらに、このエリオットの父親が、
超豪華な老人ホームにいて、
その入居者が変わり者ぞろいというのも、
ちょっと緩かったように思います。

いいコメディを作るのは、難しいですね。

2018年3月11日日曜日

retweet

中島岳志さんの tweet。
橋下徹の政治手法を見てきた者としては、
今後、安倍首相が財務省批判に転じ、
改ざん問題を追求する側に回ろうとすると予想する。
これに誤魔化されてはならない。」


B&B 終了!

というわけで、
金井真紀さんのご本の刊行記念イベント、
無事終了しました。
予約の段階で30名ということでしたが、
結局ほぼ満員になったようで、よかったです。
来ていただいたみなさま、
ありがとうございました!

それにしても、
どうもパリの話になると、
いろいろお話したことが多すぎて、困ります。
『パリのすてきなおじさん』についても、
まだまだまだお話しできます。
というか、なんならこの本を教科書にして、
半期の授業だってできそうです。
映画や音楽を混ぜて。
おお、ちょっと楽しそう!

イベントの様子を、
『パリのすてきなおじさん』の担当編集者である竹田さんが、
あげてくれていました。

https://twitter.com/TJ_paki/status/972357764939853825

イベント終了後、
金井さんと竹田さんと軽く飲みました。
イベント中に、
竹田さんはペルシャ語を専攻なさったと紹介されましたが、
実は、わたしの知っているペルシャ語の専門家の女性が、
竹田さんの先輩だと判明。
やっぱり世間は狭いです。
昨日見た Circumstance が、
たまたまイラン映画だったので、
その話もして、いろいろ教えてもらいました。
世間は狭いですが、
知らないことはほんとに多いです!

ちなみに飲みに寄ったのは、
B&Bから徒歩7,8分の、
「クスクス・ルージール」というビストロです。
仔羊のクスクス、すっきりした味でおいしかったです。
金井さん、竹田さん、
ありがとうございました!

2018年3月9日金曜日

Circumstance

最終的には映画の話になるんですが、
まずは、これが何のためのアプリの紹介か、
お分りになるでしょうか?
20秒です。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=1&v=HlO1VnykBBE

実はこれ、イランでヒットしている、
Gershad (ゲルシャッド)というアプリです。
あの厳しい風紀警察と出会うのを避けるため、
検問場所をみんなで共有しようということなんですね。

これを踏まえて、この記事、
イランにもいるギャル系・おしゃれ女子 風紀警察と駆け引き」
https://withnews.jp/article/f0160831004qq000000000000000W03510801qq000013913A

を読むと、
イランの雰囲気がだいぶ伝わってくる気がします。
特に、この記事の中で訳されている、
スーパーでの告知は興味深いです。
コピペします。

「タイト、スキニー、スケルトン、体の前面でボタンどめされていないコート、
不道徳な図柄、悪魔主義のシンボル、
米国・英国・イスラエルなどの国旗、
ダメージジーンズ、
クロッチの小さなジーンズ、
不適切なブランド名や表現を配した衣類の提供は禁じられている。
衣類組合の監察官が監視し、
違反があれば当該の衣類は没収、提供した店舗は法に従って処分を受ける」

アメリカ・イギリス……あたりのくだりと、
ハリウッド好きということのギャップが、
まあ、イランの現在の形だと言えるのでしょう。

で、ここまでが前置きです。**********************************

今日見たのは、

Circumstance (2011)

というイラン映画です。
(わたしはフランス語字幕版で見ました。)

https://www.youtube.com/watch?v=OH5EAyvlwso

舞台はテヘラン。
主人公はAtefeh と Shireen 。
2人は16歳の女子高校生で、恋愛関係にあります。
Atefeh は、お金持ちで、
自由主義的な家庭のお嬢さんですが、「ギャル」です。
父親は、革命(1979)前の1976年、
カリフォルニア大学(つまり「アメリカ」)への留学経験があります。
(ホームパーティーで、
「バークレー仕込み」のカクテルをふるまうことも。)
また曲者なのが彼女の兄で、
麻薬に溺れ入院していましたが、
今家庭に戻ってくると、
狂信的な信者に変貌していました。
そしてその後彼が、
風紀警察にスカウトされるのです。
Shireen のほうは、両親は教員だったのですが、
反革命的文章を書き、亡くなっています。
(投獄されて死んだ、という意味なのでしょう。)
今は叔父の家に住んでいるのですが、
この叔父は、「ギャル」の彼女を結婚させることに躍起になっています。

2人の少女は、
いっぱしの「ギャル」として、
夜な夜な遊び回ります。
そこには、
ゲイの友達(←イランに居場所はありません)だっています。
お酒もヤクもやるし、
クルマの運転だってやっちゃいます。
(パーティーで乾杯する時は、「ハリウッドに!」)
でもある夜、捕まるのです、
風紀警察に。

警察に迎えに来たAtefeh の父は、でも、それほど怒りません。
若さとは反抗だ、と言ったりさえします。
ただ Shireen の叔父は、
より一層結婚を急ぎます。
そして、彼女は結婚せざるを得なくなります。
相手は、
ずっと彼女に妄想を掻き立てていた、
あの Atefeh の兄です。(キモイ男です!)
レズビアンの2人は、
この状況をどう抜け出すのか、
それとも、抜け出せないのか……
というお話。

イランの状況が、
美しい二人の少女を通して描かれ、
飽きるところがありません。が、
ラストに向かっては、
あの兄のファナティズムが、
映画にやや重い陰を落とします。
でもそれは、監督の意図したことなんだと思います。

青春映画であり、
レズビアンの映画であり、
父と息子の、
父と娘の映画であり、
宗教と近代の、
女性の権利の、
革命と自由の映画でもあります。
おもしろかったです。

*Shireen 役を演じたSarah Kazemy は、
フランス生まれフランス育ちで、
イランとフランスの二重国籍。
とても聞き取りやすいフランス語です。

https://www.youtube.com/watch?v=OL8Y9T-6oHM

また、イランの少女たちにとって、
おそらく最も身近な憧れの、そして「自由」の街は、
「ドバイ」なのだと知りました。

2018年3月8日木曜日

明後日(土曜日)です!

金井真紀さんとのイベント、

「おじさんの向こうに、世界が見える」
『パリのすてきなおじさん』(柏書房)刊行記念


http://bookandbeer.com/event/20180310_paris-ojisan/

いよいよ明後日です。

まだ少しだけ席があるようです。
お時間があったらぜひ!

****************************************

『パリのすてきなおじさん』の中には、
金井さんと一緒に取材に当たった広岡さんのコメントもあって、
その中に、とても印象に残っているものがあります。
それは、難民に関するもので、彼は、
「難民問題の元凶はブローカーだ」
と指摘しているのです。
貧しい難民から大金を巻き上げ、
ボロ船に押し込む……
見落とされがちな点ですが、
なるほどと思いました。

「ブローカー」は、フランス語では passeur なのでしょう。
で、彼らの組織が、réseau de passeurs 。
この語句で検索すると、
たしかにいくつものニュースがヒットします。が、
まだまだ足りないという気が、わたしもします。
でも……
需要がある限り、供給は続くのでしょう。
どうしても、新植民地主義や、
新自由主義の問題を避けては通れないのでしょう。
There is a long way....