2017年9月21日木曜日

Safe migration cannot be limited to the global elite.

Antonio Guterres (アントニオ・グテーレス)国連事務総長の、
昨日の演説から。

I myself am a migrant, as are many of you in this room.
But no one expected me to risk my life on a leaky boat
or to cross a desert in the back of a truck
to find employment outside my country of birth.

Safe migration cannot be limited to the global elite.
Refugees, internally displaced persons and migrants are not the problem;
the problem lies in conflict, persecution and hopeless poverty.
I have been pained to see the way refugees and migrants have been stereotyped and scapegoated – and to see political figures stoke resentment in search of electoral gain.
In today’s world,

all societies are becoming multicultural, multiethnic and multi-religious.
This diversity must be seen as a richness,

not as a threat. 
But to make diversity a success, we need to invest in social cohesion,
so that all people feel that their identities are respected
and that they have a stake in the community as a whole.

                                     ◆

Je suis moi-même un migrant, tout comme beaucoup d'entre vous dans cette salle.
Mais personne n'attend de moi que je risque ma vie sur une embarcation incertaine
ou que je traverse le désert à l'arrière d'un camion
pour trouver un emploi à l'extérieur de mon pays natal.
Une migration sûre ne peut pas être limitée à une élite mondiale.
Les réfugiés, les déplacés, les migrants ne sont pas le problème.
Le problème vient des conflits, de la persécution et de la pauvreté désespérée.
J'ai été très peiné de voir à quel point les réfugiés ont été stigmatisés.
De voir aussi à quel point ils ont été utilisés par des personnalités politiques
en quête de victoire électorale.
Dans le monde d'aujourd'hui,
toutes les sociétés deviennent multiculturelles, multiethniques et multiconfessionnelles.
Cette diversité doit être perçue comme une richesse,
pas comme une menace.
Mais pour faire de la diversité un succès,
nous devons investir dans la cohésion sociale
afin que tous les gens sentent que leurs identités sont respectées
et qu'ils ont une place dans la communauté dans son ensemble.

(原文は英語。翻訳は RFI)




2017年9月20日水曜日

秋学期開始!

9月20日、
ついに秋学期が始まりました。
さっそく今日は、1時間目のフランス語から全開(?)です。

また、リバティー・アカデミーも今日から開講し、
こちらはいい生徒さんたちばかりで、
いろいろな話題に興味を持ってくれるので、
ついいろいろ話してしまいます。
まあ、夏の旅行から帰ってきて、
あまり誰かにその話をするという機会もなかったので、
思いつくまま話してしまうのですが、
こちらの勝手な希望としては、
そうしたたくさんの「点」が、
いつかどこかで、
なんらかの「線」になってくれたらいいなと思っています。
それはもちろん、学生も同じことですが。

秋学期も、がんばりましょう!







2017年9月18日月曜日

『海は燃えている』


あの、ランペドゥーザ島を舞台にしたドキュメンタリー、

『海は燃えている     イタリア最南端の小さな島』(2016)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=-IgaGgZbuwQ

この島には、
手作りのパチンコで鳥を取ろうとする少年、
漁師、穏やかに暮らす敬虔な女性……など、
いわば「ふつうの」生活があります。
が、同時にこの島は、
アフリカ各地から、
そして中東からも、
多くの移民が小舟で押し寄せてくる場所でもあります。
けれど、
こうした移民・難民の中には、
途中で命を落とす人も多く、
またなんとか島についても、
ボロ船の化学燃料を浴びて大火傷を負っていたり、
重い脱水症状だったりします。
多くの子供たち、多くの女性たちもいます。

彼らを懸命に助ける島のある医師は、こう言います。

「こうした人々救うのは、すべての人間の務めだ」

ただし映画の中で、
島の人々と移民・難民たちは、
接点さえないのですが。
(医師だけを除いて。)

ドキュメンタリーとして、
これは撮られなければならなかった作品だと感じます。

Une famille syrienne

フランスでは、先週から公開されているこの映画、

Une famille syrienne  (『シリアの家族』)

https://www.youtube.com/watch?v=8fMnXFlxAO4

もちろんまだ見ていないのですが、
ついに出たか、
という気持ちになります。
シリアの状況を内部からとらえた映画を、
ずっと待っていました。
これは期待しています。
ヒアム・アッバスも出ているし。

2017年9月17日日曜日

Une Estonienne à Paris

見ようかなと思ってなかなか手が出なかった作品、
先日ジャンヌ・モローが亡くなったというニュースを見て、
ここはやはり見ておこうと手に取りました。
それは、

Une Estonienne à Paris (『パリのエストニア人女性』・2012)

です。
この映画の邦題は、なんと
『クロワッサンで朝食を』。
邦題についてとやかくいうのはやめておこうと思うのですが、
これはあまりといえばあんまり。
配給会社は、一人でも多くの人に届くように、
的なことを言うのでしょうけれど、
内容を裏切ってはまずいでしょう。
せめて、『パリ16区、故郷(ルビで「エストニア」)を捨てた女』
くらいでいいんじゃないでしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=tZ0K42OTYtQ

(邦題はひどいですが、
この予告編はちゃんとしてますね。)

映画自体は、清潔で、初々しくて、よかったです。
話自体はシンプルで、
2人の子供を育て上げ、
12年前に離婚し、
最近介護していた母親を亡くしたエストニアの女性アンヌが、
やはりエストニア出身で、
もうずっとパリで暮らしている老女フリーダのもとに、
家政婦としてやってくる、という設定です。
(監督はエストニア人です。)

ここには、へそ曲がりの老女とやさしく強い女性の和解、
という物語以上のものがあります。
それは、性にまつわることなんですが、
その表現がとても抑制的で、
それが清潔な印象をもたらすのでしょう。
アンヌが、短めのスカートにハイヒールで現れたとき、
とても勘のいい観客なら、
なにかを予感するのかもしれません。
(わたしはその時は気づきませんでした。)

そうそう、
わたしはDVD で見たのですが、
特典映像の中の「美術」担当の人の話がおもしろかったです。
décor は、音楽の休符と一緒で、
沈黙で(観客に)語りかける、というのです。
そして、観客が室内の見取り図を思い描ければ成功だと。
ああ、そんなことを思っているんですね。

9.11 × 3

9.11 から、数日が過ぎました。

今 9.11 と言うと、
あの同時多発テロのことを思い浮かべますが、
わたしが知っているだけでも、
あと2つ「9.11」があります。

1つは、1973年のチリ・クーデター。
あのピノチェトが「君臨」するきっかけになったのですね。
ピノチェトの悪名は、
わたしより上の、学生運動に関わった世代には、
とても良く知られているようです。
『戦争より愛のカンケイ』の中にも、
活動家たちが、
反ピノチェトの署名を集めている場面があります。

もう1つは、カタルーニャの日。
最近は、カタルーニャの独立がよく話題になりますが、
1714年、スペイン継承戦争のときにバルセロナが陥落したのが、
この日でした。
で、今では 9.11 が、カタルーニャの日、になっているようです。
独立の住民投票のとき、
もしバルサの選手たちが賛成を呼びかけたら、
けっこうな効果があるでしょうね。

Critiques Presse

映画関連サイトの ALLOCINE には、
個別の映画に関する、
メディアの批評が集められていることがあります。
昨日見た Raid dingue もそうした1本でした。

http://www.allocine.fr/film/fichefilm-238378/critiques/presse/

予断を持つのがイヤなので、
映画を見る前に読むことはありませんが、
後から確認してみることはあります。
で、
今回ものぞいてみたんですが……

これが意外にキビシイ評価で、
たとえば Le Nouvel Observateur は、

A la fin, un carton rend hommage
"à toutes ces femmes et tous ces hommes
qui risquent leur vie afin de protéger notre joie de vivre".
Et rien, pas un mot pour nous, spectateurs,
qui avons tenu jusque-là. Raide, en effet !

と言っています。
ここで引用されているオマージュは、
映画の最後に出るもので、
たしかにこの映画は、
Raid というエリート警察組織の人たちに捧げられていて、
ここはわたしも、
ちょっとひっかかりました。
要は、この Nouvel Obs も、そして Le Monde も、
この警察集団に対する無条件の賛辞に対して、
違和感を表明しているのでしょう。

以前日本でも、いくつかの映画について、
これに近いコメントがありました。
国のために命を捨てることを賛美していいのか、
戦闘集団としての自衛隊を英雄的に描くのはどうなのか、
というわけです。
ただ日本では、
こうした指摘が、
大メディアで発せられることはほとんどなく、
そこがフランスにおける映画批評とのレベルの違いだと言えるでしょう。
飛躍しますが、
先日も France 2 のニュースを見ていたら、
「政治的正しさ」を求めすぎることの弊害について、
という話題がありました。
日本ではまだ、
「政治的な正しさ」を理解していないと思える政治家も多く、
こうしたニュースが流れるのはまだずいぶん先のように思えました。

話を Raid dingue に戻せば、
わたしはやはり、
ミソジニーを対象化したこと、
コメディーの主役に女性を置いたこと、
を評価したいと思います。
エリート警察の無条件の賛美はたしかに余計ですが、
弱点はむしろそれよりも、
ミソジニー男の救済が、
わりと安易に達成されてしまったことではないでしょうか?

Raid dingue

そもそも、
なぜこの映画を見る気になったのかが思い出せないのですが、
とりあえず今日見たのは、
ダニーブーン監督・主演の

Raid dingue (『イカレタRAID』2017)

です。
Raid とは、「フランス国家警察特別介入部隊」と訳される組織で、
まあ、警察のエリート部隊で、


Recherche, assistance, intervention, dissuasion

を任務としています。
(この頭文字が、名称になってます。)

https://www.youtube.com/watch?v=jJzZ5idFxxY

これ、おもしろかったです。
というのも、ベタな恋物語ではなく、
物語の中心に「ミソジニー」が置かれていたからです。

ヒロインのジョアンナは、
使命感に燃えた警察官。
そして彼女の夢は、Raid に入ること。なんですが、
いつも失敗ばかりの彼女は、
まったくRaidの選考にひっかかりません。
それでも、婚約者がとめても、
両親がとめても、
彼女の気持ちは変わりません。
で、内務大臣である彼女の父親は、
Raid のチーフに頼むのです、
研修生として参加させ、
うんざりさせて、自分から辞めるように仕向けてくれと。
でも、そこはコメディー、
ケガの功名がジョアンナをさらに勇気づけ……
というお話。

ダニ・ブーンは、
弟が奥さんに駆け落ちされ、
いわば二重に人間不信。
特に女性不信はひどく、ほとんどミソジニー状態です。
で、そんな彼が、
ジョアンナの教育係に指名され、
そこから騒動が始まるわけです。

マッチョで女性蔑視の表現としては、
たとえば「女性」と言うときに、
femme ではなく、gonzesse と言ってみたり。

フランス語について言うと、
ダニー・ブーンの役名は Froissard なんですが、
奥さんに逃げられた彼のことを、
陰ではみんな poissard と呼んでいます。
この poissard 、wiktionnaire によれば、

https://fr.wiktionary.org/wiki/poissard

つまり、

Malchanceux, poursuivi par la déveine, la poisse.

で、「ツキのないやつ、不運に見舞われる人」
くらいの意味もあり、
ここはまさしくそれなんですが、
この用法が、ロワイヤル中辞典にも、ロベール大辞典にも、
出てないんですね。

それからもう1つ。
これはまあ、日本でもまあまあ知られた用法だと思いますが、
たとえば、

Elle est bonne.

というと、
これはほぼ完全に、
性的な視線で女性を見ているときの表現になるようです。
英語なら、

She is hot.

なんでしょう。
ダニー・ブーンはジョアンナに、
意図せず

Tu es bonne.

と言ってしまい、彼女は、

Ah bon ? Je suis bonne ?

と訊き返します。
あなた、セクハラですよ、という感じで。
もちろん彼は、
あわてて否定するわけですが。

この映画は、
ミソジニーをはっきり(否定的に)意識しているので、
まずそれが安心。
そしてヒロインが元気で、好感が持てる。
さらにセリフが、気取らず、おかしみもあり、
飽きがこない。
というわけで、
B級コメディーに見えますが、
なかなかおもしろかったのでした。

2017年9月16日土曜日

「東京、リオ五輪で買収」

ガーディアンのこの記事、

https://this.kiji.is/281001472756302945

日本でも、
報道されてはいます。

https://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK40642_U7A910C1000000/

ただし、日本のメディアには、
この問題を独自に追及する様子は感じられません。

的屋が、縁日の正統性を問うことはない、
ということでしょうか?

Châtelet

先日の、
Villejuif でのテロリスト逮捕に続いて、
今日は、
今もっともパリらしい場所の一つ、シャトレで、
刃物を持った男が兵士を襲う事件がありました。

https://fr.news.yahoo.com/paris-militaire-lop%C3%A9ration-sentinelle-attaqu%C3%A9-homme-arm%C3%A9-dun-063743162.html

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170915-00000040-jij_afp-int

シャトレは、
使っている人がめちゃめちゃ多い駅ですね……

いつかまた、
大きなテロがあるんじゃないかと心配です。
早く「平等な」社会が出現することを願っています。

2017年9月15日金曜日

『皆殺しのバラッド』

昨日は、
大学で防災訓練があり、
避難、煙体験、地震体験、
などをこなしました。
地震は、起震車を使って、
震度7を体験。
これはヤバイです。
また煙が充満して何も見えない部屋では、
とにかく壁伝いに行き、
早く出口を見つけることが重要だそうです。

で、今日は、
夏休みの課題として出したレポートの締め切り日で、
それらのレポートを読みました。
(まだ半数ぐらいですが。)
あえて難しそうな本を選んでいる学生もわりといて、
好感が持てました。

そして映画は、
先日見た『闇の列車、光の旅』の補強として、

『皆殺しのバラッド  メキシコ麻薬戦争の光と闇』

というドキュメンタリーを見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=neyQm0bSNb0

子どもたちが、ギャングをヒーロー扱いするのは、
とてもマズイことだと思います。
子どもたちの気持ちもある程度理解できるだけに、
それをさせないようにする方策が必要でしょう。
自分は安全地帯にいて、
ギャング賛歌を歌って儲けるなんて、
まったくゲスですね。

2017年9月13日水曜日

La route d'Istanbul

信頼できる監督の一人、
Rachid Bouchareb の

La route d'Istanbul (2016年 9月)『イスタンブールへの道』

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=1XCEwbjjR5I

これは……
そうです、
「ふつう」の家庭の少女が、
突然、シリアのテロ組織(つまりIS)に加わるため、
家を出ていくというお話です。
こうした物語は、
すでに2つ、ここでも取り上げました。

Ne m'abandonne pas (2016年 1月)
http://tomo-524.blogspot.jp/2016/05/ne-mabandonne-pas.html

le ciel attendra (2016年 10月)
http://tomo-524.blogspot.jp/2017/07/le-ciel-attendra.html

3本の公開が、これだけ近接しているということは、
お互いの作品を見ないで作っているということでしょう。
結論から言うなら、これら3本は、
どれも ◎ だと思います。

舞台はブリュッセル郊外。
静かな湖畔の一軒家に暮らす、エリザベスとその娘、エロディ。
エリは訪問看護師として、
地域の人に頼られる存在。
平和に暮らしていると信じていた彼女ですが、
ある日、エロディが帰ってきません。
2日後、警察に相談するも、
18歳で成年に達しているため、
警察も動きようがありません。
そしてある日、エロディの友だち、
アフリカ系のクリスタルのところに、
エロディから連絡が入ります。
彼女は、カレシ(=リクルーター)のカデールと一緒に、
キプロス島にいました。
そこからトルコに入ると言っています……
それを知ったエリザベスは、
いてもたってもいられず、
トルコに向かいます。
けれども、見つかるはずもなく……

<以下ネタバレです>
しかしそんな時、地元警察が、
監視カメラに映ったエロディを発見します。
彼らは、シリアのラッカに向かったようだというのです。
1人、シリアに向かおうとするエリザベス。
しかし、シリアの国境はすべて封鎖されていて、
ついにはトルコの国境警察に連行されます。
そしてついた先は、またしても地元警察。
そこで告げられたのは、
ラッカで、「連合軍」によるドローン爆撃があり、
死者が出ている、ただしエロディは、
命を取り留め、イスタンブールの病院にいる……
もちろんエリザベスは、病院にやってきます。
娘は、そこにいました、
傷だらけで、右足首を失って。
エリザベスは言うのです、
「もう大丈夫。わたしが家に連れて帰るから。
ぜんぶ面倒みてあげるから……」
そしてエロディは、なんと答えたでしょう?
「ママ、お願い、
わたしを兄弟たちのもとに返して。
彼らが、全部世話してくれるから。
ねえママ、手伝ってくれる……?」
母親は Oui. と答えます。
そして病室を離れ、
暗い階段で泣くのです……

そして、この映画にあって、
他の2本にはなかった視点、
それは、トルコのおじいさんの言葉の中にありました。
彼は、エリザベスに向って言うのです、
「あんたたちは、自分のこどものためならここまでくるんだ。
でも、おれたちが死にかかっていたときは、
見向きもしなかった」

これは、ロードムーヴィーだと言えるのでしょう。
でも、こんなに厳しい道行きは、
そんなにあるものじゃありません。
さすが Rachid Bouchareb です。

18e

そろそろ秋学期の始まりが近づいてきました。
で、
『フラ語入門』も、
おかげさまで18刷りが決定しました。
いつもながら、merci beaucoup !
今回は、例の新しい帯(「10万部突破!」)を
作ってもらったおかげでもあるでしょう。
全方位的に感謝です!

Taularde

昨日に続いて、
Audrey Estrougo 監督の作品、
今日は、

Taularde  (『囚人』・2015)

を見てみました。
よかったです。

https://www.youtube.com/watch?v=LQSyvg2FsN0

主演はあのソフィー・マルソーなんですが、
ここでの彼女は、ドレスとも、パーティーとも、
イケテル男性とも無縁です。
彼女は囚人なのです。

高校の文学の教員であるマチルドには、
24歳になる息子がいます。
でも彼女は、
「無実だ」という夫の言葉を信じて、
彼を刑務所から脱獄させるのに成功します。
ただその代わり、彼女が逮捕され、
4年の刑を言い渡されます。
(実際は、2年で出所できると踏んでいます。)
つまり、夫と立場を入れ替えたわけです。
ところが、
いざ刑務所に入ってみると、
そこはマチルドの想像を絶する世界で、
同房の若いアフリカ系女性カンテには、いきなり、
わたしのものに触ったら殺す、
と脅されます。
しかも、これが大事なんですが、
脱獄したはずの夫から連絡がありません。
脱獄に協力した夫の弟からも。
さらに彼は、逃走中に人を殺したらしく、
それに使われた銃を用意したマチルドは、
最悪10年の懲役を食らいそうです。
マチルドは、いろいろ策を弄しますが、
結局、夫とは連絡が取れないまま。
しだいに夫不信に陥ります。
刑務所では陰惨な事件も起こり、
ついに彼女が、弁護士の忠告に従い、
すべてを話そうと決意した時、
事件は起こります……

この監督の作品には、
独特の緊張感があります。
特に、刑務所内ですべての物語が進むこの作品では、
その緊張が全編に漲っています。
ソフィー・マルソーはいい演技で、
見直しました。


新宿で『ラ・ブーム』を見たのが、
遠い遠い昔です。

またこの作品は、
女性群像劇の様相も呈していて、

所長 :アフリカ系女性
   (昨日見た、Une histoire banale で、ヒロインを助けるMarie-Sohna Condé)            
看守1:アラブ系女性
   (『パリ警視庁未成年特別保護部隊』にも出ていたNaidra Ayadi)
看守2:ヨーロッパ系女性
   (昨日見た、Une histoire banale の主演であるMarie Denarnaud)
看守3:ヨーロッパ系女性
   (『戦争より愛のカンケイ』で、活動家の母を演じたCarole Franck)            

囚人1:ヨーロッパ女性
   (『最強のふたり』の Anne Le Ny
囚人2:アラブ系女性
   ( つい先日見た Chouf で、主人公の恋人役だったNailia Harzoune )                    

囚人3:アフリカ系女性
   (Regarde-moi に出ていたEye Haidara)




彼女ら以外にも、
特に囚人には、
いろんな人がいました。
結婚して10年、
夫に殴られなかった日はなく、
ある雪の日に外に放り出されたとき、
夫を銃で撃ち殺した女性も。
(彼女は、警察が来るまで、
幼い息子を抱きしめていました……)

看守1と囚人2は、ともにアラブ系ですが、
激しくやり合います。
看守のNaidra は、
そうした態度を所長にとがめられると、
アラブ系ってひとまとめにしないでください、
わたしはあいつとは違うんです、
と答えます。

<以下ネタバレ>
物語の終わり、
マチルドがある騒動の結果入れられた独房から出されます。
所長は彼女に、
逃亡中だった夫の死を告げます。
そして、死んだ今となっては、
もう隠す必要はない、と言って、
夫からの大量の手紙を受け取るのです。
夫は、連絡していたんですね……

特に印象に残ったセリフは、
所長がマチルドに言う、このセリフ。

... tu n'es pas plus forte que le système.
あんたは(ここの)システムより強くはないんだよ。

そしてまたこの所長は、
映画全体のラストのセリフとして、
こうも言います。

C'est 10 ans ou pas, tu sortiras avant moi.
10年かかるるにしてもそうじゃないにしても、
あんたはわたしより先に(ここを)出ていくんだ。

刑務所に関わる女性たちは、
それぞれにそれぞれです。が、
少なくとも今は、
このシステムのもとで生きてゆくしかありません。
たとえPQ(トイレットペーパー)が足りなくても、
三つ編みが許されなくても、
男がいなくても、
毎晩シラミにやられても。
そして看守だけは、仕事を止めれば、
出ていくこともできます。
(実際看守2は、「暴動」の真っ最中に、
もう無理、と言い残して帰ってしまいます。)
でももちろん、外には外の、
別の「システム」があるのです。

わたしたちは、みんな、taulard(e) なのでしょうか?

2017年9月12日火曜日

Une histoire banale

Audrey Estrougo は、
気になる監督の一人です。
彼女の作品は、2作見ました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/09/regarde-moi.html

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/01/toi-moi-les-autres.html

これらは2作ともおもしろくて、
しかも雰囲気がまるで違っていて、
この監督の幅の広さに感心しました。
で、
ちょっと見るのが遅れてしまったこの作品、

Une histoire banale  (2014)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=MVABkdGrjgE

これは…… なかなか厳しい映画でした。
30歳で、
アフリカ系の恋人もいて、
仕事もあって、
友だち関係も充実している、
ヨーロッパ系の女性、ナタリー。
でも、
そうした幸福な日々が、
ある晩の事件をきっかけに、
壊れてゆきます。
彼女に付きまとっていた同僚の男性に、
レイプされてしまうのです。
人間恐怖症になり、
手首を切って危うく死にかかり、
恋人には、
わたしはあなたにふさわしくないから別れて、と泣きます。
見ていてつらいです……。

その後も彼女は、自棄的なこうどうに走ったりもしますが、
最終的には、
相手を告訴し、
自分の生活を再構築し始めるのです。
(よかった…… がんばれ……)

上に挙げた予告編にも使われていますが、
ベートーヴェンの交響曲7番の、
あの美しい第2楽章。
これが、
ラストのシークエンスで、
「事件」を乗り越えようと決意した彼女の背景で流れるのです。
この第2楽章は、
美しいだけでなく、
たしかに、
決然とした響きがこもっていることに、
今頃気づかされました。

いいとか悪いとか言えない、
リアルで強い映画でした。

https://www.youtube.com/watch?v=bqtPVEuAbzM

2017年9月11日月曜日

Bon anniversaire, Manon !


マノン、ついに2歳になりました!
(パチパチパチ!)
これは今日の午後、
冷蔵庫の上でくつろいでいるところです。
いつまでたっても可愛いです。

Les deux amis

ゴルシフテ・ファラハニと言えば、
『彼女が消えた岸辺』や、
Just like a woman(『マリリン&モナ』)
が思い出されます。
で、今回は、
彼女を頂点とした amour à trois (三角関係)を描く、

Les deux amis

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=MSMuPZERoYE

この映画は、ちょっと変わった設定で、
ゴルシフテ・ファラハニ演じるモナは、
今刑務所に収監中で、
週末に外出を認められている、という状況にあります。
だから、門限に遅れることはゼッタイできません。
もう外出できなくなってしまうからです。
で、そうして外出したモナは、
パリの北駅構内で、売り子の仕事をしているのですが、
その彼女を見かけたクレマンは、
彼女に一目ぼれ。
でもモナのほうは、恋愛どころじゃありません。
困ったクレマンは、親友のアベルに相談。
アベルはモナに会いに行ってくれるんですが、
そこで、この二人は魅かれ合い……
というお話。

ゴルシフテ・ファラハニは、
芯が強くて激情を抱えている感じが、
体全体から発散していて、
すぐれた女優だと感じます。
ただ物語自体は、なんというか、小さい印象でした。








ドームへ

今日(というかもう昨日ですが)は、
久しぶりに野球を見に行ってきました。
ライオンズ vs. ファイターズ
です。
(残念ながら、お目当ての大谷選手は出場せず!)

7回裏の攻撃前

ホームランが4本出て、
それは独特の味わいがありました。
ただ、ライオンズにはエラーが多く、
一方ファイターズの下位打線(5番以降)は、
あまりに打率が低い!
中には1割を切っている選手もいて……。
選手層の薄さが気になるところです。

席は、一昨日HPで、残り物を買ったわりには、
なかなか見やすかったです。
(わたしは、S席より、むしろA席が好きです。)


結果は8対7で、
一般に「一番面白い」と言われるスコアでした。
前日の試合が1対0だったことを思うと、
やっぱり、点が入ったほうがおもしろかった、かな?

2017年9月9日土曜日

Dégradé

2007年に、
ガザ地区でライオンが盗まれ、
ハマスがそれを助け出す、
というニュースがありました。
かすかに記憶があります。

http://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-26811420070710

で、今日見た映画、

Dégradé (2015)

は、この事件にヒントを得て作られたそうです。
ライオンを盗んだのは、
地元のワルの親分で、
見世物にして金を稼ぐだけではなく、
自分の力を誇示するためだったようです。
で、
フィクションとしての映画の中でも、
ライオンを盗んだのは、
やっぱりワルの一人なんですが、
ただし映画のほとんどの時間は、
このワルが住む家の、
わりと広い道を挟んで正面にある、
美容室(兼エステ・サロン)が舞台です。

https://www.youtube.com/watch?v=7HVf0A2Ntqk

このサロンは、
ロシアからの移民であるクリスティーヌが経営していて、
今日は彼女の小さな娘も来ています。
そして、1人だけの従業員ウェダッドは、
実はライオンを盗んだ男のカノジョです。
さらに今日は、このサロンに10人のお客さん。
たとえば、


みんな一癖ありそうで、実際あります!
このほかにも、
今日これから結婚式を迎える花嫁、
その母親、義母、義妹、
陣痛が始まった妊婦さんとその姉、
そして我らがヒアム・アッバス演じる、
ちょっと正体不明の、
でもその電話の内容からすると、
これから駆け落ちでもしそうな「熟年」の女性もいます。

サロンの中は暑いし、
なかなか順番は来ないし、
アシスタントのウェダッドは仕事そっちのけで電話ばかりだし、
店内の空気は次第に重く、ヒステリックになってゆきます。
そんなときです、
なんと、店の正面で激しい銃撃戦が始まるのです!
これは、
ライオンを奪還に来たハマスと、
ワルたちとの戦いでした。
女性たちは、身動き取れなくなり……

ちょっと舞台じみたこの映画、
わたしは、とてもいい! と思いました。
全体として何かが沸騰していく感じも、
個々の人間の描き分けも。
そして新鮮だったのは、
なんといっても舞台がガザであること。
ここで暮らす市井の人たちが、
ハマスをどう考えているか
(→マッチョなバカ者だ)、
イスラエルをどう考えているか
(→エルサレムの、ちゃんとした医者に行きたくても、
なかなか通行証を出してくれない意固地)、
ここガザでの暮らしを、どんな風に送っているか
(→この暮らしに慣れて、
満足じゃないけど、なんとか暮らそうとしている)
というようなことが、
言葉の端々に現れていて。

『オマールの壁』のハニ・アブ・アサド監督。
彼の『歌声にのった少年』もまた、
ガザが舞台のようです。
こちらも近々見てみましょう。

*Dégradé は、
「フランス・カタール・パレスチナ映画」です。
言語はアラビア語。
わたしはフランス語字幕版で見ました。

*このタイトルは、ふつうは、
「堕落した(←グレードを下げた)」
くらいの意味でしょうけど、
ここでは、表面上は、ある髪型のこと。
「段カット」ですね。

*同じDVDに入っている
短編は、セリフが一切なく、
赤ちゃんと夫婦がいるだけ。
そして、夜の砲弾の音に、
赤ちゃんが泣くのです……

*監督は、Arab とTarzan の、 Nasser兄弟。
パレスチナ出身で、これが長編第一作。
次が楽しみです。

「元経済ヤクザだからわかる、北朝鮮の……」

一見キワモノ的ですが、
けっこう穿っている見方だと思いました。
国家というのは、
暴力装置だと言われます。
(やや学生運動っぽい言い回しだとしても。)
だとすれば、
この記事の比較はイケテルことになるでしょう。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170907-00052816-gendaibiz-int

2017年9月8日金曜日

『並木道』


モンマルトル博物館の、
「映画の舞台としてのモンマルトル」展
で紹介されていて、
気になった映画、

『並木道』(Boulevard, 1960)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=yipNsX6TeIs ←冒頭部分

ジュリアン・デュヴィヴィエの監督・脚本なんですが、
これほどはっきりミソジニーが示される映画も、
珍しいんじゃないでしょうか?
あきれました。

主人公は、まだ大人になりかけというくらいの少年、ジョジョ。
彼は、ピガール広場に面した建物の最上階、
といっても一間しかない煤けた部屋に住んでいます。
というのも、彼には、
やもめになった父親が、
新しい恋人を家に連れてきたことが気に入らなくて、
彼女を殴って家を飛び出したからです。
ジョジョは、日々の食事にも事欠く状態です。

ジョジョは、同じ階に住む年上のヌードダンサーに憧れていますが、
まったく相手にされません。
そして彼女は、
チャンピオンになりそこなった元ボクサーと恋に落ち、
それを知りボクサーに殴りかかったジョジョは、
返り討ちにされます。

(以下ネタバレします。)

その後ジョジョは、
やはり同じ建物に住む、
イタリア系の少女と付き合い始めます。
(建物の屋根の上でのデートのシーン、
これはとても魅力的でした。上の本の画像。)
が、ジョジョがデート代がないため約束をすっぽかした時、
退屈しきった少女は別の少年とデートに出かけ、
それを見かけたジョジョは怒り狂い、
屋根に上ってネオンを叩き壊し始めます。
彼は、自殺する気なのです。
でもその時、
彼の父親が駆け付け、ジョジョに言うのです、
あの女を平手打ちして、追い出してやったぞ! と。
それを聞いたジョジョは急に笑顔になり、
映画の中で一番という笑顔で高笑いします。
そして、その笑い声の中、
映画は終わるのです。
ひどいですね。

ジュリアン・デュヴィヴィエって、こんなにミソジニーでしたっけ?
そういえば、
『我らの仲間』はまったくホモソーシャルな映画だったし、
『殺意の瞬間』も、ミソジニー的でした。

(ちなみに、
いわゆるヌーヴェル・ヴァーグの監督たちも、
多くがミソジニーだという指摘もあります。

https://www.amazon.fr/Nouvelle-Vague-cin%C3%A9ma-masculin-singulier-ebook/dp/B00MX0G2WK/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1504839544&sr=8-1&keywords=Genevi%C3%A8ve+Sellier%2C+La+Nouvelle+Vague+%3A+un+cin%C3%A9ma+au+masculin+singulier

また、この映画が公開された960年には、
『勝手にしやがれ』も公開されています。
時代感覚が、ずいぶん違います。
(ただ、『勝手にしやがれ』の主人公は、
19世紀的ロマンチストだと、言えば言えるでしょう。)



ジャン・フランソワ

今まで、
東京でフランス風のバゲットを探す、
ということはしてこなかったのですが、
なぜか今回は、
そういう感じのバゲットが食べたい気分で、
今朝は、
表参道エチカにあるパン屋、
ジャン・フランソワで買ってきてもらったバゲットを。

Mmm、これはおいしい。
まあ、有名な店なので、
何をいまさら、ということなのかもしれませんが、
かなりおいしいと思いました。

探せば、
おいしい店はまだいろいろあるのでしょうね。
グルニエ・オ・パンとジャン・フランソワのバゲットを試してみて、
そう感じました。



photos parfaites d’Instagram

ここしばらく、
インスタ映え、
なる表現を耳にすることも多いです。
また、メディアを通して、
スター達のインスタを目にすることもあります。
(フランス語ならアンスタです。)

その完璧な写真……
をからかっている人がいました。
そんなの作り事でしょ!?
というわけです。

https://fr.style.yahoo.com/blogueuse-moque-photos-parfaites-d-slideshow-wp-125759226/photo-p-chessie-king-montre-l-photo-125759217.html

まあね、
そんなもんだろうとは、
みんなうすうす気づいてはいるのでしょうけどね。

2017年9月7日木曜日

「高まるスー・チー氏批判」

このニュース、
日本での取り上げられ方がかなり弱い気がします。

https://jp.reuters.com/article/rohingya-suu-kyi-idJPKCN1BH0R9?rpc=122

正確なことはわかりませんが、
往々にして、国家が、
自分に都合の悪い集団を「テロリスト」と呼ぶのは事実でしょう。

それにしても、スー・チー氏に対しては、
期待が大きいだけに、
批判も大きいのかもしれません。

****************************************

追記>

この後、ついにスー・チー氏の発言がありました。

https://www.cnn.co.jp/world/35106892.html

ちょっと頼りないような……。

そしてエルドワン。
反動的で強権的なところは賛成できませんが、
こうした行動力はなかなかです。

外交というのは、
何かと言えば、
断固抗議する、
などと力み返って見せることではなく、
思想を持ち、
そして具体的な窓口、チャンネルを、
つねに作っておく作業なのでしょう。

2017年9月6日水曜日

Le Grenier à Pain

昨日、写美に行ったついでに、
恵比寿駅のアトレ西館にある、
Le Grenier à Pain(ル・グルニエ・ア・パン)に寄って、
バゲットを買ってきました。

パリから帰ってから、
家の近所のパン屋さん、
5軒くらいでバゲットを買ったのですが、
それらは、あくまでバゲット・ジャポネーズなのでした。
(バゲット以外なら、おいしいパンがあるお店なのですが。)
で、
ここはやっぱりフランスの店、
ということで、
アトレに寄ることになったのでした。

結論からいえば、
これはたしかにフランセーズだと思いました。
最大のポイントは、
クラム(中の白い部分)の食感と味でしょうか。
実は、バターを保冷バッグに入れて持ち帰ったので、
これと合わせて食べてみたところ、
やはりいい感じではありました。

恵比寿の、フランセーズのバゲットは、
たしかにやや高いとはいえ、324円。
たまには許せる範囲ですね。

Le Petit Locataire

「幸福な家庭はどれも似たものだが、
不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸な ものである」
と書いたのはトルストイでしたが、
どうでしょう、
幸福な家庭もまた、それぞれに幸福なのかもしれません。

カリン・ヴィアールが主演したこのコメディー、

Le petit locataire (2016)

は、そんな後味を残す作品です。

https://www.youtube.com/watch?v=GCRZVoj56io

49歳になるニコル(カリン・ヴィアール)は、
なぜか体調が悪いと思っていたら、
まさかの妊娠! でした、
孫ももうすぐ小学生になるというのに。
ニコルの夫は、かつては体操のフランス代表候補だったのですが、
ここ2年、正規の仕事に就けていません。
長男のヴァンサンはフランス軍の潜水艦で炊事係、
長女のアリエルは、子供がいるにもかかわらず、
毎晩遊びまわって午前様。
ニコルの母は、だいぶボケが始まっています。

話しとしては、
この妊娠を進めるのか諦めるのか、
進めるなら、この先どうすればいいのか、
ということに尽きるんですが、
そんなまあ他愛無い話なのに、
面白く仕上がっていました。
それはなんといっても、
カリン・ヴィアールの存在が大きいです。
ほんとに、好きな女優です。

ジハーディストになった息子に

麻薬がらみの犯罪を犯し、
その罰として刑務所にいる間に洗脳され、
出所後、アルジェリアやトルコなどを経てシリアに向かった息子。
その息子から、
もうフランスに帰りたいから金を送って欲しい、
と言われた母親は、
もちろんお金を送りました。
そしてそのことが、
テロリストを支援したとして、
罪に問われています。

http://www.non-stop-zapping.com/actu/tv/la-mere-dun-djihadiste-jugee-pour-financement-du-terrorisme-se-confie-video-62244

このような例は、
彼女だけではなく、
たくさんあると言います。
これは娘に送ったという母親です。

http://www.lavoixdunord.fr/213566/article/2017-09-05/oui-j-ai-envoye-de-l-argent-ma-fille-en-syrie

もちろん、この母親たちが悪いなんて、
まったく思いません。
でも、いったんこうした送金がOKとなると、
テロリストがこれを悪用するのは目に見えていて……
難しいですね。

強制送還へ

トランプ大統領が公約に掲げていた、
DACA(移民救済制度)の撤廃。
当初言っていた「即時」ではないものの、
ついに、撤廃の方向がはっきり打ち出されました。
この結果、ドリーマーと言われる、
子どもの頃不法移民としてアメリカに来た人たち(80万人)への、
滞在許可が下りなくなり、
強制送還になるかも、という話です。
オバマ元大統領は、
はっきりこれを批判。
各地でデモも起きています。
当然でしょう。
一方で保守派の中には、
まだ手ぬるい、という政治家もいます。
移民が仕事を奪っている、という、
きわめて根拠の薄い物言いに固執しています。
移民たちがいなくなったら、
アメリカが回っていかないことは明白なんですが。

ドリーマー、というのは、いいですね。
もちろんこれは、
アメリカン・ドリームという表現と繋がっているのでしょう。
彼らは、故郷を捨て、
今はもう20年もアメリカで暮らす人もいるわけで、
強制送還なんかされても、
出身国にはもうなにも残っていません。

ドリーマーたちの多い都市としては、
ヒューストンが挙げられます。
先日見た映画、『闇の列車、光の旅』でも、
ヒューストンの名前が聞かれました。
今は洪水で大変ですが……。

アメリカが閉じていくのは、とても残念です。

2017年9月5日火曜日

「センチメンタルな旅 1971ー2017ー」

写真美術館で公開中の、
これに行ってきました。

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2795.html

私小説、
という言葉は、
もちろん死語ではないですが、
以前に比べると、
目にする機会が 1/10 くらいになった気がします。
わたしは基本的には、
私小説は嫌いではなかった、
というかわりと好きでした。
葛西善蔵の『子をつれて』なんて、
当時(というのは30年くらい前ですが)とてもグッときました。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000984/files/47059_30421.html

私小説の背景には、
社会や、階層や、時代があって、
それらが、
出そうとしていないのに行間からにじみ出てくるとき、
前景で語られる物語もまた、
いわば立体的に立ち現れるのでしょう。
まあ、当たり前ですけど。

荒木の写真は、
ご本人もおっしゃっているように、
「私小説」に見えます。
ただし荒木の場合は、
カメラの後ろにいる彼の存在そのものが、
写真の背景とは別なレベルで、
もう一つの背景を形作ってもいるようでした。

違うフロアで行われている、
「コミュニケーションと孤独」
もおもしろかったです。
「らしさ(stereotype)」とコミュニケーションの関係というもの、
わたしには新鮮な視点でした。

「スクープドキュメント 沖縄と核」

これは見ないと。
今度の日曜です。

「スクープドキュメント 沖縄と核」

http://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/trailer.html?i=11492

2017年9月4日月曜日

Pigalle

Bye-bye と Chouf がおもしろくて、
『熱砂の恋』がまったくおもしろくなかったKarim Dridi 監督。
どっちやねん! 
ということで、もう1本見てみました。

『ピガール』(1994)

です。
これは彼デビュー作で、
翌1995年には、 Bye-bye が公開されています。
(95年は、『憎しみ』の年でもあります。)

https://www.youtube.com/watch?v=VoSyUPIyMzc

舞台は全編ピガール。
それもほとんどが夜のピガールです。
(ピガールは、歌舞伎町みたいなものでしょう。)
フィフィという青年は、
2人の女性と「三角関係」になっています。
一人は、ヌードダンサーのヴェラ。
もう一人は、麻薬を売り歩くディヴィンヌ。
でも二人の女性たちは、
ワルの組織におどされ、利用され、
ピガールから逃れることができません。
で、小さないざこざや対立が重なってゆき、
彼らの関係も破綻してゆくのですが……
というお話。
もちろん、夜に蠢く怪しい男たちはたくさん出てきます。

結論から言うなら、
あまり引き付けられませんでした。
歓楽街を舞台にしたこの手の話は、
もういくらでもあるし。
フィフィの弟分のアラブ系の少年、
ヴェラの踊りが好きな黒人の中年男、
フィフィに二人で田舎で暮らそうと持ち掛ける年老いた同性愛者など、
注目して分析すればそれなりにおもしろいのかもしれませんが、
作品自体に、
そういう気を起させる力が足りない気がしました。

本筋ではないところで注目したのは、
ディヴィンヌ役を演じていたのが、
アンダルシア出身の有名振付師&ダンサー、
Blanca Li だったことです。
彼女は、とてもたくさんの仕事をしていますが、
たとえば、
ミッシェル・ゴンドリーが監督した、
ダフト・パンクの Around the world 。
この振り付けも、彼女が担当しました。

https://www.youtube.com/watch?v=_JPa3BNi6l4

あと、映画出演に関していえば、
実はこの映画でも、フラメンコを教える先生として、
顔を見せていました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2016/08/le-code-change.html

Blanca Li は、ほかに映画を撮ったりもしているし、
ほんとに多才な人です。

2017年9月2日土曜日

「ふらんす」9月号

発売から10日ほど経ってしまいましたが、
「ふらんす」9月号、
おもしろかったです。

巻頭には、「フランス映画祭25年」の特集が組まれ、
イザベル・ユペールと是枝裕和監督の対談もあります。
また、いつも巻末の映画シナリオを担当なさっている中条志穂さんによる、
1993~2017年のフランス映画(私的)ベスト10!
が紹介されています。
ああ、こういうベスト10もあるわけですね。

もしわたしが(あくまで私的な)ベスト10を選んだら、
少なくとも、
『憎しみ』と『最強のふたり』を外すことはないでしょう。
あとは、『戦争より愛のカンケイ』とか、
Tout ce qui brille(『キラキラしてる』)とか、かな?
ほんとに「私的」ですけど。
(でも同じ監督なら、『最強のふたり』ではなく、
Tellement proches を入れるというものアリだしなあ……)

そういえば、若いころは、
自分の「オールタイム・ベスト10」を選ぶときには、
『若者のすべて』(ヴィスコンティ)を入れるんだ、
と思い決めていましたが、
数年前久しぶりに見て、
もちろんいい映画なんですけど、
今は、もっと好きな映画が増えちゃったなあ、
と思ったことでした。

『闇の列車、光の旅』

先日、Hope という映画のことを書きました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/07/hope.html

これは、最近見たものの中では、
特に印象に残る作品でした。

こうした移民の移動を扱った映画と言えば、

http://tomo-524.blogspot.jp/2014/04/in-this-world.html

などが思い出されますが、
先日そんな話をしていて教えてもらった映画、

『闇の列車、光の旅』(2009)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=Q0ZKlsn720Q

この映画は、もちろん、この予告編が示したがっているような、
「愛と希望」の物語ではありません。

ストーリーラインは2つ。
一つは、メキシコの少年、カスペルの物語。
マラという、実在の強力な麻薬組織のメンバーである彼は、
掟を破って恋人を作っていました。が、
それを知ったリーダーは、彼女をレイプしようとし、
抵抗された弾みに彼女を殺してしまいます。
カスペルは、それが行われることを知っていて、
何もすることができません。
刃向かうことは、殺されることなのです。

もう一人は、ホンジュラスの少女、サイラ。
母を亡くし、祖母と暮らす彼女のもとに、
ある日、(おそらくは出稼ぎに出たまま)
10年以上不在だった父親が戻ってきます。
サイラは、この父親と、父親の弟三人とで、
アメリカに向かうことにします。
そこでは、父親の新しい妻と、
子どもたちが待っています。

そしてカスペルとサイラは、
アメリカへ向かう列車の屋根で出会います。
一方は、ギャングのリーダーとともに、
移民たちの金品を奪うつもりです。
一方は、新しい生活を求めて、
過酷な移動の途上です。
けれどもサイラを見たリーダーは、
その美しさに驚き、
すぐにレイプにかかります。
ただそのときカスペルは、
ついに自分を抑えられず……

この映画は、世間の評判も高く、
実際見ているときは、
はらはらのし通しで、
その引き込まれ具合は強烈でした。
サイラもカスペルもいいし。
もしまだ未見だったら、
これが見るべき一本なのはまちがいないでしょう。
(後期の授業では、これを見せようかとも思っています。)

ただ、2つのストーリーライン、
つまり「ギャング」と「移民」について言うと、
監督がこの2つを絡ませようと心を砕いているのはよくわかるのですが、
最終的には、
「ギャング」のほうがより強く印象に残るように思えます。
それは1つには、
旅立つサイラの日常や背景の描写が、
ほとんど皆無であるせいでしょう。
ディテールは、明らかに「ギャング」のほうが豊富なのです。
となると「移民」は、
ステレオタイプの中で認識される傾向が強くなってしまいます。
ここが、この映画の弱点だと、
わたしは感じます。

フランスでのプレスの評価は、
全体にとても好意的なものでした。
ただ、数少ない批判派の1つ、Le Monde の映画評は、
ハリウッドの映画文法に入れ込み過ぎたために、
内容が空疎になった、と指摘しています。
それも、わかる気がします。

METRO

メトロでのマナーに関するポスター。
おもしろいです。

http://www.designstoriesinc.com/panorama/marie_ebersolt1/

これを読んで、ふと思い出したのは、
品川にある有名企業に勤める人から聞いた話。
朝、品川駅から西に向かって、
サラリーマンたちが大河のように進む道があるのだそうです。
そしてその様子を、
外国人旅行客が写真に収めていると。

東京にも東京の呼吸がありますね。

2017年9月1日金曜日

「犬は不浄?それとも友達?」

イランで、犬を飼うのがはやり始めているそうです。
変化というものは、
思わぬことろから始まることもありますね。

http://www.asahi.com/articles/ASK8Z5RNXK8ZUHBI017.html?ref=yahoo

フランスも首位に

ワールドカップ予選、
フランスは、オランダに勝って首位に立ちましたね。

https://fr.yahoo.com/sports/news/les-bleus-surclassent-les-pays-bas-210040854.html

https://www.youtube.com/watch?v=Rhiaql56SrY ハイライト動画

スウェーデンがブルガリアに負けたので、
doubler la Suède (スウェーデンを追い越す)
ことになりました。

[グループA]
1.フランス(16)+10
2.スウェーデン(13)+7
3.ブルガリア(12)-2
4.オランダ(10)+3
5.ベラルーシ(5)-8
6.ルクセンブルク(4)-10

それにしても、オランダ、大丈夫でしょうか!?



2017年8月31日木曜日

La Vérité ou presque

カリン・ヴィアールが出ているとなると、
ちょっと見たくなります。
で、そんな単純な動機で見始めたのが、

La Vérité ou presque  (2007)『真実、あるいはほとんど(真実)』

です。
2007年の公開なので、
つい最近の作品、ではありませんが。

冒頭は、人間関係の込み入った、
「おフランス」的&心理小説的なものに見えて、
失敗か? と思いましたが、
少し進むと、少しおもしろくなり、
見終わると、こういうのもあるかな、と思いました。

主な舞台はリヨン。
中心にいるのは、二人の男女で、
アンヌ(カリン・ヴィアール)とヴァンサンです。
アンヌは、実業家を気取るマルク(フランソワ・クルゼ)と離婚し、
トマと暮らし始めて10年。
トマの息子とも、なんとかやっています。
仕事はテレビのディレクターですが、
担当番組が打ち切られる予定で、
しかも新番組の企画がありません。
そしてヴァンサンは、
60歳過ぎの、評伝物を得意とする物書きです。
彼は同性愛者で、
若いリュカと暮らしていますが、
リュカはなかなかのイラチです。
さて、こんな二人が出会うのは、
あるリヨン出身の女性ジャズヴォーカリストを巡ってです。
ヴァンサンはこの歌手の評伝を企画しており、
それを知ったアンヌは、
それをドキュメンタリーとして番組を制作することを思いつくのです。
この、とうに死んだと思われていた歌手が、
実は……というあたりはおもしろいし、
かつての夫と関係を持ってしまったアンヌが、
そのことをヴァンサンに打ち明けると、
ヴァンサンンもまた、
自分の傾向に気づいたころのことを話します。
この二人のシーンは、
性的な関係を予感させない男女の会話として、
いい感じのものでした。

ラストのシークエンスで、
意を決したアンヌが、夫に向かって、
「実は、話してないことがあるの……」
と言うと、夫は、
C'est très bien comme ça.
「それでいいじゃない」
と答えるのです。
ちょっと大人な夫なのでした。

Bowling

マリー=カスティーユ・マンシオン=シャールの作品は、
これまでに3本見てきました。
整理すると、

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/07/le-ciel-attendra.html  ◎

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/07/ma-premiere-fois.html  △

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/03/les-heritiers.html  〇

中では、Le ciel attendra が一番いいと思いました。

で今回見たのが、

Bowling (2012)

https://www.youtube.com/watch?v=55tWykiyK2k

舞台はブルターニュ地方の、カレ。
(パ・ド・カレではありません。)
ここにある唯一の産院が、
経営上の理由から閉鎖を迫られます。
で、そのためにパリから、
人事担当者カトリーヌ(カトリーヌ・フロ)も送り込まれます。
一方その産院では、
マチルドを中心にしたボーリング・チームが結成されていました。
カトリーヌは、
さまざまな「リストラ」を模索する一方、
ボーリング・チームにも加わります。
で、物語は、
産院閉鎖を求めるグローバリズム的論理と、
社会民主的なローカリズムの対決、という構図の中で、
カトリーヌがどう変化していくか、
という点に一つの焦点が据えられます。

実話に基づいたコメディーで、
そこに反グローバリズム的方向が読み取れる、という映画は、
過去にもいくつかありました。
その中でも『ブラス!』は、
かなり近い感じ。
また、『パレードへようこそ』だって、
『フランス、幸せのメソッド』だって、
遠くはないでしょう。

http://tomo-524.blogspot.jp/2016/09/blog-post_99.html

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/02/blog-post_17.html

こうした作品群に比べると、
このBowling は、やや物足りない気がします。
スポコン的要素も、カトリーヌの変化も、
やや甘ったるい印象でした。
いい作品を揃えるというのは、
なかなか難しいものなんですね。

この論理

この国の副総理の発言が、
波紋を広げています。

「麻生の論法によるなら、
日本陸軍も大本営も動機は正しかったかもしれないが、
結果として何百万人の日本人犠牲者をだしたからだめなんだ
ということになる。
戦争から何も学べない、
何も学ばなかったひとの論理だな。
次は勝つぞ~、か」
(平川克美)

そして「日本陸軍」の「動機」には、
あのインパール作戦も、
当然含まれます。
ジャングルの中を、
途方もない距離を歩き、
兵站が途絶した結果飢えた日本兵たちが、
死んだ仲間たちの肉を奪い合い、
食べ、
物々交換し、
売りさえしたあの戦闘も。

そして海外でも。

https://www.theguardian.com/world/2017/aug/30/japan-minister-tara-aso-praises-hitler-right-motives?CMP=share_btn_tw


2017年8月30日水曜日

décalage horaire


時差ぼけ、というものに、
これまであまり縁がなかったのですが、
今回は、おおこれが! という感じでした。

昼間は、なにも問題なかった
(夜9時ごろ、強烈に眠くなるのを除けば)
のですが、
一昨日の夜です、
午前1時に寝て、
ふと目が覚めると、
1:45 !
そしてそこから、しばらく眠れないという……。
眠って、45分後に起きたのは初めてなので、
これが décalage horaire というものなのね、
と思ったのでした。
(そういえば、帰ってきて最初の3日くらいは、
夢が、半分くらいフランス語でした。)

で、やっと今日あたりから、
ほんとにふつうになりました。
(ヤレヤレ!)

2017年8月29日火曜日

Afrikanista

メニルモンタンで開かれた、
Black summer movie
に参加したと書きましたが、
そのとき売れられていたTシャツのお店が、ここです。

http://afrikanista.tictail.com/

欲しかったんですが、
35ユーロというのがちょっと高くて、
手が出ませんでした。
20、せめて25ユーロくらいだったら!

Tシャツは、肩飾り (épaulette) を付けると、+15ユーロです。
それを話した時の会話は……
これ、何に使うの?
肩飾りでしょ。
だから、その肩飾りは、何に使うの?
だって肩飾りでしょ!(と言いつつ爆笑!)

また、アフリカ系の兄弟、
そして家族が写っている写真を使ったTシャツがありますが、
兄弟のほうの小さいほうが、
そのシャツを着ているご本人。
家族のほうも、彼女(=写真家らしい)の家族で、
ピンクの服を着ているのが、
彼女の母親だそうです。
彼女は、モーリタニアの生まれで、
セネガルで育ったと言ってました。

彼女の名前は、Aïssé N'Diaye 。
この人です。

http://www.leparisien.fr/espace-premium/seine-saint-denis-93/aisse-n-diaye-met-l-afrique-a-la-mode-09-04-2016-5698983.php

そして、以下の記事を読むと、
彼女はかつて、
まだ十代だった頃、
フランス代表として、
「ミス・セネガル」コンテストに出たことがあるようです。
ただし、ここで言う「フランス代表」とは、
パリの、セネガル系の人々のコミュニティーの代表、
のことであり、
決して、国としての「フランス」の代表ではないのですが。

http://www.leral.net/PHOTOS-Aysse-Ndiaye-Miss-Diaspora-2010-Je-n-ai-pas-ete-Miss-Senegal-parce-que_a13422.html#

2017年8月28日月曜日

Bronx-Barbès

フランス・コート・ジボワール映画、
とはいうものの、
舞台は全編アビジャンという映画、

Bronx-Barbès

を見てみました。
ケ・ブランリ美術館の書籍部で、
たまたま見つけた映画です。

https://www.youtube.com/watch?v=hRtPgJhy2Q8&list=PLzVPz--bRuzahSZupYbuLJtK8ybWbCzve

DVDのジャケットには、
アフリカ系の3人のワカモノが写っていて、
短い解説文には、
2人のワカモノが、
ブロンクスのワル一味に加わり、
その後別れるも、
やがてバルベスで再会する、
というようなことが書いてあって、
おおそれなら、NYとパリを移動する、
なかなかおもしろそうな映画だ、
と思ったわけでした。
で、見始めたところ、
そこはコート・ジボワールの首都、アビジャンらしく、
しかも、10分経っても、20分経っても、
旅立つ気配がありません。
? と思ってもう一度解説文をちゃんと読むと、
(まあ、その時点ではうすうす気づいていましたが)
ブロンクスとは、アビジャンの一角にある、
ギャングが支配する地域で、
バルベスもまた、別のそうした地区であることが判明。
売り場の閉店時間が近づいていたとはいえ、
我ながらザツな読みに笑ってしまいました。
とはいえ、せっかく買ったので、
最後まで見てみました。

2人のワカモノとは、
クリスチャンのトゥーサンと、
ムスリムのニクソン。
学校もやめ、仕事も、未来も、まったく見えない2人。
彼らは、地元のワルに吹っ掛けられたケンカの最中、
事故的に相手を殺してしまいます。
で、かのブロンクスにかくまってもらうわけです。
そこでトゥーサンはめきめき頭角を現し、
ギャング内での地位を上げていきます。
一方ニクソンはうだつが上がらず、
一発逆転を狙って仕掛けた強盗にも失敗し、
あっという間に逮捕。
トゥーサンは、ニクソンの保釈金を払うため、
さらに大きな強盗を仕掛け……
というふうに、暴力の連鎖はとまらず、
人も死に続け、
レイプをきっかけに知り合った(!!)トゥーサンの恋人は、
彼の子を堕ろしてしまい……

こう書くと陰鬱な印象ですが、
なんといってもワカモノたちはエネルギーに溢れているので、
暗くはありません。
ただ、閉塞感は半端ないです。
そう、このエネルギーと閉塞感こそが、
Bronx-Barbès のテーマであるのでしょう。

女性監督のÉliane de Latour は、
人類学者でもあるそうです。
付録のメイキング映像には、
キャスティングの様子も収められ、
俳優たちがすべて地元の素人なのがわかります。
そして映画のタッチは、
とてもドキュメンタリーっぽい。
好みで言えば、わたしは計算されたもののほうが好きですが、
今回は、悪くないと思いました。
彼女は、
「あいまいな人道主義ではなく、
構築と破壊が繰り返されるその段階を追跡したかった、
と語っています。
なるほどね。

ともあれ、
アビジャン映画というのは初めて見たので、
早合点で買いましたが、結果オーライとなりました。



2017年8月27日日曜日

『サハラ、熱砂の愛』

カリム・ドリディ監督の作品、
今日見たのは

『サハラ、熱砂の愛』(Dernier vol)

です。

https://www.youtube.com/watch?v=JvPa4pPrYTI

1933年といいますから、両大戦間。
サハラのフランス領が舞台。
フランス軍の駐屯地に、
1人のフランス人女性が飛行機でやってきます。
冒険家である恋人(ただし彼には妻子あり)が行方不明になり、
その彼を救出しに来たのです。
が、トゥアレグ人たちとの軋轢に悩む部隊は、
彼女の願いを聞くはずもありません。
そんなとき、この部隊の方針から浮き上がっていた中尉が、
彼女を助ける決心をして……
というお話。

はっきり言いましょう、
つまらないです。
見るべきところが、
砂漠の風景以外ありません。
ドリディ監督は、
なぜこの仕事を引き受けたのでしょう??
彼が「マルセイユ映画」を撮るときの、
リアリティも、人物の深さもありません。
もう一つの『イングリッシュ・ペイシェント』、
でさえありません。
残念!

大統領はお化粧が

3か月で、340万円くらい、ということですね。
化粧代、というか、
メイキャッパーの人件費なんでしょうけど、
マクロン、大丈夫?

http://www.bfmtv.com/politique/26-000-euros-en-3-mois-la-facture-maquillage-de-macron-1241564.html

2017年8月26日土曜日

新装なったForum des Halles

2年前に行ったとき、
ちょうど工事中だったレ・アールのフォーラム。
完成したと聞いていましたが、
行ってみるとこんな感じ。


この日はたまたま、
ヨガ教室が行われていました。


屋根はとてもきれいです。
建物自体は、
特に個性的というわけでもありません。
中庭は…… もうちょっとなにかできたような。

ここにはfnac が入っていて、
niveau-3(=moins trois)には、
チケット売り場もあります。
ルーヴルのチケット(時間指定あり)などは、
行く前にここで買うと、
並ぶ時間が短縮されますね。
(もちろんネットでも買えますが、
これから行くか、と思ったときなど、
当日その場で買えて、便利です。)

La maison de Gyros

パリで食事を安く上げようとしたら、
1にサンドイッチ、
2にケバブ、
でしょう。

サンドイッチは、
おいしいパン屋さんのものなら、
ほとんど外れなしな気がします。
というか、積極的に(?)おいしいです。
(駅のスタンドなどのものは、△。)

ケバブは、
そんなに数を試していないのですが、
以前教えてもらった、
Saint Michel のLa maison de Gyros のものは、
味を知っていて心配ないので、
近くにいれば、寄ります。


これはラム・ケバブ。
ソースはやっぱり、タジキですね。

Charlie

シャルリ・エブドです。


中央には、「第3次世界大戦」。
赤いボタンには<A>、つまりatomicで、
核爆弾の発射スイッチなのでしょう。
で、
アメリカ大統領はゴルフ中で、
「また外れた!」
(でも、そのうち当たりそう……)

Le prix du succès

フランスでは、
10月30日からの公開のようです。


ロシュディ・ゼムとタハール・ラヒムとマイウェン。
これ、見たいです!

Chouf

Karim Dridi 監督と言えば、

Bye-bye  
Khamsa

といった作品が思い出されます。

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/05/khamsa.html

そしてこれらと同様、
やはりマルセイユを舞台とした彼の新作、

Chouf (2016)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=fkdCoSdOLLE

タイトルの Chouf とは、
アラビア語で「見ろ」という意味のようですが、
ここでは、
マルセイユの Busserine 地区を根城とする、
麻薬ギャングの名前です。

アラブ系の一家。
両親と、二男二女。
長男は Chouf のメンバーとして金を稼ぎ、
その金は家計を支えるばかりでなく、
リヨンで大学院に通う次男、ソフィアンヌの学費も賄っています。
父親は自分の権威を保とうとしますが、
経済的には家に貢献してはいません。
ソ(フィアンヌ)と兄は、
ソの学業が終わったら、
一緒にレストランを出す計画です。
でも……
ソがリヨンから帰省していたある日、
兄は家の前で射殺されます。
そしてソは、
どうしても学業に戻れず、
兄の復讐を果たそうとします。
ソは、兄の仲間たちに加わり、
兄殺しの犯人を捜します……

まったく飽きるところのない映画でした。
(ただフランス語的には俗語が多く、
またマルセイユ特有の表現などもあり、
調べるのに手こずりました。)
また舞台となった Busserine 地区は、
グーグルアースで見るとまさにそのままで、
しかも、
マルセイユの中心部から3キロほどしか離れていませんでした。

マルセイユは、2年前に行ったきりですが、
パリに比べると小さな町で、
今もその印象は鮮やかです。
Karim Dridi 監督の作品、
明日もう1つ見るつもりです。

Cathédrale de la Sainte-Trinité

アルマ橋のたもと、
ケ・ブランリのすぐ近くに去年できた、
ロシア正教の寺院。
それが、
Cathédrale de la Sainte-Trinité
です。


HPは

http://cathedrale-sainte-trinite.fr/

そして、
造られるまでの経緯においても、
竣工のときにも、
「政治的思惑」が働いていたと、
OVNI には書いてあります。

http://ovninavi.com/817balade/

ここの内部は、こじんまりとしていて、
こんな感じでした。


新名所、とまでは言いませんが、
ケ・ブランリ博物館に行くときには、
ちょっとのぞくのもいいと思いました。