2008年8月31日日曜日

ナイス・バッティング!


ついに、8月もあと1時間足らずで終わりです。暑かったし、最後は雨も多かったし…… でもわたしとしては、いつもよりいい夏だった気がします。

それに合わせたわけじゃないんですが、今日は近所の買い物のついでに、バッティング・センターに寄りました。実はそのBC、時々行くんです。

BCに行き始めたのは、小学校低学年のとき。当時父親はプロ野球のセントラル・リーグに勤めていました。まあ、野球が好きだったんですね。というわけで、月に1度か2度、隣り街のBCまで歩き、そこで2人で打つ! という習慣がありました。

今日も、ちょうど小学生くらいの男の子と、その父親と思われる男性がいました。男のほうは、なかなか上手な感じ。慣れた様子で打っていました。が……

問題はお父さんの方。なにしろ一球打つごとに、「体の開きが早い!」とか、「もっとコンパクトに!」とか、「腰で打つんだ!」とか、それはもうなかなか豊富なボキャブラリーで、必ずなにか言わないではいないのです。そしてどんなにいい当たりであっても、決して言わないのは、

「ナイス・バッティング!」

これ、言ってあげて欲しかった!

で考えてみると、わたしはな~んにも言われませんでした。まあ、それぞれにコインをもったら、あとは自由行動だったこともありますけど。

さて、で今日の打撃はと言いますと…… これ、自分で言うのもナンなんですが、わりとBCで打つのはうまいんです。今1番打ちやすいのは、110キロというゲージです。120に入ると、ほんとに本気でやっても、けっこう空振りしちゃいます。ま、うまいって言っても、その程度ですけど。(150キロなんて、きっと恐ろしくてベースに近寄れないでしょう!)

今年もあと4ヶ月ですねえ。でもまあ、年を越えるためには、お互い、色々色々、やらなきゃなりません。なんとか、楽しくやれたらいいですね。「まいにちフランス語」のほうも、あと3週で終わりです。ということは…… そろそろ、ほんとに「難」な項目も出てきちゃいます。とにかく、逃げ切りましょう!

今週も、元気で過ごしましょう!!

2008年8月30日土曜日

どこどこ行くの


渋谷という街は、今は「若者の街」、特にセンター街や109あたりは、そういう扱いですね。で実際、歩いていると、そういうある種の「若い」エネルギーが充満しているのを肌で感じます。「若い」というより、「幼い」と感じることもないではないですけど。

ちょっと前に明治の渋谷のことを書きましたけど、実はまだちょっとすっきりしないことがあって、しつこく追求してみました。(いやあ、ネットはほんとに便利!)それは、渋谷川と宇田川が、どこを流れている(いた)か、ということです。

渋谷川のほうは、すぐに分かりました。まあ、渋谷周辺に限っていうなら、まずキャット・ストリート、そう、あの表参道から渋谷方向に伸びている道の地下を、渋谷川は流れています。(「渋谷川遊歩道」ですものね。)あの道は、冬になると焼き芋屋さんが来て、なかなか繁盛してるみたいです。こぎれいなブティックが並ぶ中、仲良く焼き芋を頬張るカップルたち。きっと今年も見られるでしょう。

で、川はそのあと、山手線に沿って、つまり宮下公園の地下を流れます。そして駅近くでは、かなり線路に接近し……

渋谷駅ビルともいえる東急東横店の東館だけは、地階が妙に狭苦しいのにお気づきでしょうか? そう、東館だけは、建物がやや出っ張っているために、地下で渋谷川にかかっているのです! でその後は、恵比寿方向に。

では宇田川は? これはまず目立つ場所から言うと、公園通りを少しだけ上って、西武のA館とB館の間の道(井の頭通り)、実は宇田川はこの通りの地下を流れています。(だからA,B館の地下には、連絡通路が作れませんでした。)

で線路側は、そのまま山手線と直交して、渋谷川と合流。上流方向は、井の頭通りをやや進むと、宇田川交番のところで道は2又に分かれています。このやや静かな左手方向。これが宇田川の暗渠で、代々木八幡までさかのぼることができます。まあこの道は、いかにも暗渠というクネリかた&狭さです。(NHKからの帰り道、いつもレナさんとこの道を歩きました。)そうそう、この上流が、「♪春の小川はさらさらいくよ」の舞台だそうです。(歌碑もあります。)

さて…… 実はここまでは簡単に分かるんです。見つかりにくかったのはこの先です。

宇田川は、今でこそ上に書いた通りの流れなんですが、これは大正の初め、流れを変えた結果なんです。そうでもしないと、洪水は多いし、駅前開発はできないし、というのが理由だったようです。

じゃあ本来の宇田川はどこを流れていたのか? みなさまお手数ですが、24日の地図をもう1度ご覧くださいませ。これが、流路変更前の宇田川です。つまり、代々木から宇田川交番までは同じなのですが、そこからなんと109の横に出てきます。そして今のガードをくぐったあたりで、渋谷川にぶつかっているのです。

いくつか文章を読んでいて、どうも話が見えないと思ったら、書かれた時代によって、宇田川の位置が違っているのでした!

それにしても…… みなさん今度渋谷へ行らしたら、ちょっと耳を澄ましてみてください。地下を流れる水の音が、聞こえるかもしれません。(多分聞こえません!)

2008年8月29日金曜日

4年11ヶ月と2日


わたしの住んでいる東京の多摩地区では、昨日の午前2時過ぎ、もう本当に恐ろしいくらいの雷でした。その聞いたことがないほどの雷鳴に、ちょっとカーテンを開けて外を見ていました。

今いるマンションは、V字型の谷の片側の斜面の上の方にあるので、向き合う斜面はよく見えるのですが…… その豪雨に煙る真っ暗な斜面が、稲光が空を走る一瞬、真昼のように浮かび上がったのです! 

音もまた、耳慣れたゴロゴロだけでなく、あのメリメリメリという引き裂くような音、そしてこれは今回初めて聞きましたが、シャー! という、恐竜の鳴き声かと思うような音も混じっていました。お隣のうちのリンタロウ君(1歳)が泣き出したのも、むべなるかな!

それにしても、このところほんとによく降りますねえ。

4年11カ月と2日、雨は降り続いた。(……)水気などあるはずのない機械までが、3日ごとに油をくれないと歯車のあいだから黴を吹いた。金銀糸が錆びつき、濡れた衣類にサフラン色の苔が生えた。魚がドアから中へはいり込んで部屋じゅうを泳ぎ回り、窓から外へ抜け出せるくらい、空気は水を含んでいた。

ガルシア=マルケスの『百年の孤独』です。これに比べたら、まだまだ……

そういえば、ボードレールにも、こんな詩があります。「憂愁・77」の冒頭です。

Je suis comme le roi d'un pays pluvieux,
Riche, mais impuissant, jeune et pourtant très vieux,

ぼくは雨降る国の王のよう、
豊かで、けれど無力で、若く、そしてまたおいぼれている……

pluvieux は、rainy にあたる形容詞。動詞は非人称の pleuvoir 、名詞は pluie でしたね。「梅雨」は、la saison des pluies と雨が複数になるんでした。

でも今、空はなんとか持ちこたえています。でも、いつ降ってもおかしくないような…… 大丈夫、きっと4年11ヶ月と2日は続きませんから!

2008年8月28日木曜日

Do you like... ?


みなさん、アメリカ(合衆国)、好きですか?

今日、ABCニュースのナイトラインを見ました。もちろん、民主党の党大会は、どんな雰囲気だったかな~、と思って。クリントン夫妻、もう割り切って盛り上げ役を引き受けたように見えました。(もちろんわたしはド素人なので、その点をおふくみおきください。)

でやっぱり、黒人が正式に大統領候補者になるっていうのは、かなり大きな事件だと受け止められているようでした。たしかに、人種隔離政策は、そんなに昔のことじゃないですものね。まだヒラリーと争っていた最初の頃、意外にも黒人票が伸びない時期がありましたが、その理由が、年長の黒人層の「どうせムリ」という諦め感にあったというのも、だいぶ前ですがどこかで読みました。

(そういえば、100メートルを10秒以下で走った人類は全員黒人だと、オリンピック中に言ってましたねえ。また別の時には、黒人に向かってだけ「身体能力が高い」という表現を使うのは、逆差別ではないのか、という意見もありました。)

そうそう、これはつい最近見かけた小話。メキシコで反米デモがあり、その大きなプラカードには、「ヤンキー、ゴーホーム!」と書いてある。けれどもその同じプラカードの裏には、小さな文字で、「わたしも連れてって」と書いてある、というんです!

つまりこれ、アメリカに対する相矛盾する感情を表している、というわけです。う~ん、うまい小話ですこと!

もしもアメリカ音楽と、アメリカ映画と、MLBがなくなったら、これはずいぶんとさびしいでしょう。かといって、世界中が「アメリカ」になったり、市場原理万能主義だけが真理だということになったりするのは、ちょっと遠慮しときたいです。それにまあ、色んな歴史的事実もあるし。

でもそうなると、そもそも「国」ってなに、ていう話になっちまいますねえ。

吉本隆明が、「国」についてこう言ってました。歴史の途中で、必要に応じて作られたものは、必要がなくなれば、当然消えてなくなるべき。もし人類の平等を本気で目指すなら、「国」を捨てることが前提になるはず。

たしかに、外務省にいる知り合いは、二言目には「国益が……」と言い出します。その先に、人類の平等はありえないですよね。

おお、今日はなんだかマジメでした! ま、たまにはね!

2008年8月27日水曜日

L'automne, déjà !


今、マンションの外から、虫の音が聞こえています。これは、今年初めてです。このところ雨が続いていたので、彼らも「やっと!」という思いまもしれませんね。

そういえば昔、多摩湖の近くに住んでいたときも、毎晩庭で虫たちが競って鳴いていました。である日、何を思ったか父親が、「虫の声」だけ入っているレコード(その時代ね)を買ってきました。そして何度も何度も聞くと、今度は立って行って庭に耳を澄まし、また戻ってきてターンテーブルを回して…… ということを繰り返すのでした。

わたしとしては、「どれでもいいじゃん!」としか思えませんでしたが、今なら、その「分析」にちょっと付き合ってみたい気もします。で、結局父親が到達した結論のひとつは、

「邯鄲(かんたん)がいいね」

でした。どんな声なのか…… わかりません!(そうだ、グーグル・サウンドもあればいいのに!)

              ◇

今日学食で「鯖定食(350円)」を食べていたら、なんとマリエ・ディグビー(ほら、前にカバー特集のときにご紹介した歌手です。)の歌が聞こえてきました。で、実はそれはラジオで、今来日中だということが判明しました。しかも明後日、ライブ・ハウス出演! しかもその時間、わたしは珍しく約束が!(涙)

でも、ちょっと気になっていた歌手が売れてくるのって、なぜか嬉しいものですね。くどいけど、もう1度同じものを挙げておきます。


              ◇

そうそう、今日は歌のお姉さんでしたね。L'eau vive です。

Ma petite est comme l'eau, elle est comme l'eau vive
Elle court comme un ruisseau, que les enfants poursuivent
Courez, courez vite si vous le pouvez
Jamais, jamais vous ne la rattraperez

これはうまい具合に、作詞・作曲をした Guy Béart の歌が見られます。


歌ってみてくださいね!

2008年8月26日火曜日

夢に出る麺?


8月も終わりに近づいてまいりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 今日コインランドリーの前を通りかかったら、すごい混みようでした!

昨日、仲間の英語の先生である波戸岡さんとおしゃべりしていたとき、こんな展開になりました。

「でも今は、夏休みで授業がないから」と波戸岡さん。「日々のプレッシャーは少ないですよね」
「残り少ないけどね」
「でも、夢は見るんですよ」
「どんな?」
「なんだかね、明日授業があるのに、全然準備してない、みたいな」
「ええ?」
「見ません?」
「全然見ない! じゃあもしかして、入試の夢も見る? もう時間がないのに解答用紙真っ白け、みたいな」
「それはないですねえ。ああでも、学会の発表が迫ってるのに、準備が終わってない、みたいなのはみますよ」

はあ、驚きです! わたしはそういう「時間がない系」の夢は、ここ10年以上見てません。でもこれは逆に言うと、それだけ波戸岡さんが、授業や発表をマジメに考えている証拠なのでしょう。(あれ? じゃあわたしは……?)

で、たまたま今日話した別の人にも聞いてみると、
「あるある。締め切りきてるのに全然できてない、みたいなやつ!」

なるほど。でも、わたしはそれもないんですけど……

            ◇

昨日は、日清チキンラーメンの50歳の誕生日だったそうです。同僚の管さんは、もうよくわからないくらい食べた、とのこと。ただわたしは、基本「チャルメラ」派なので、そっちのほうが圧倒的に多いです。初代チキンラーメン・キングは、管さんに決定しましょう!

それで思い出しました。そういえばむか~し、ヤクルト・ラーメンを食べたことがあります。(あのヤクルトです。)少年野球の参加賞でもらったのですが、そのまずかったこと! 子供はあんまり「まずい」なんて思わない気もしますが、その時は思いました。しかも、ヘンな黄緑なんです! ただそのラーメン、お店で見かけたことは一度もありません。今思うと、試作品だったのでしょうか……? (あれはまずかった!)

2008年8月25日月曜日

電車に乗った男


今日は一日雨でしたねえ。なんだか明日も明後日も、らしいですけど、まだ月曜日。今週もなんとか乗り切りましょう!

さて、さっきレナさんから業務連絡があったんですが、そのついでにちょっとしたエピソードを聞きました。

今日レナさんが代官山にいると、

-あのー、すみませんが、ラジオのフランス語の……
-はい、レナジュンです。
-あ! 歌のおねえさん!
-(歌の可愛いおねえさんです!)
-アシスタントの方にもよろしくお伝えください。
-Pas de probleme !  Vous vous appelez comment ?
-Je... Je m'appelle Shonosuke.

という出会いがあったようです。もう8月の終わりですから、ここまで続けてくださればもう大丈夫ですね。ショーノスケさん、練馬のチカコさん(Merci !)、そしてみんさんも、一緒に楽しみましょうね!

それにしても、レナさんはよく声かけられますねえ。みなさん、わたしも避けないでください!

               ◇

今日は、以前から見ようと思っていた『電車に乗った男』L'hoome du train という映画を見ました。銀行強盗をたくらむ若くはない男が、ある田舎町を訪れる。そしてそこで、退職して1人暮らしをする元教師と出会い…… という話です。監督は、パトリス・ルコントなので、ご覧になった方も多いでしょう。

さて、この映画についてなにか言おう、かと思ったんですが、とても言いにくいんです。というのも、なにかちょっとでも言うと、それがすぐ「ネタバレ」になってしまいそうだからなんです。

ただひとつ。フランス語の勉強にはちょっといいかも。特に、風来坊がパンを買いに行く場面があるのですが、このときの会話は、まさに教科書的。(ただし、ユーロではなく、まだフランでしたが。)

フランス映画って、意外によくしゃべりますよね。セリフに与えている重要さが、アメリカ映画などよりは大きいのかもしれません。で、そのやりとりの幾分かでも分かれば、映画を見る楽しみが増えるのはまちがいないです。ここまで勉強してくださったかたなら、当然もうそれができるでしょう。おめでとうございます!

2008年8月24日日曜日

渋谷の地平線


雨の日曜日。今日は一日外にも出ず、まあPCの前にいる時間が長かったです。

なんだか古い話が多くて恐縮ですが、今日は、国木田独歩の『武蔵野』のことを調べてみました。武蔵野、というと、そうですねえ、まあ吉祥寺とか、国分寺とか、あの辺を思い浮かべますよねえ。でも、独歩の言う「武蔵野」は、実は渋谷のこと。これはご存知の方もおおいでしょう。わたしも「渋谷」だということは知っていたんですが、今日は、じゃあ渋谷のどこなの? という感じで迫ってみました。

で、ネット上で発見したのが上の地図です。渋谷駅は、今よりかなり南にありますが、道玄坂のあたりとか、一応わかります。そして独歩の家は……

「まいにちフランス語」の収録は、NHKの中のスタジオで行なわれました。が、事実上この番組を取り仕切っているのは、NHKエデュケーショナルというグループ会社です。(「おかあさんといっしょ」なんかもここです。)で、なんの偶然か、実は独歩の家は、ほぼ現在のNHKエデュケーショナルがあるあたりなのです!(東急ハンズの下側の道を、駅と反対方向に2, 3分。)

で、この当時(明治29年)の渋谷は、畑と、川と、水車があり、遠く地平線が見渡せたというのです。地平線ですよ、渋谷で!

なんとか想像しようとするのですが、すぐに109やセンター街やパルコがよみがえって、なかなか地平線が思い浮かべられません。でもまあ、そういうものだったんですね。

国木田独歩なんていうと、文学史でしか出会わない、とおっしゃるあなた。岩波文庫の『東京の三十年』というエッセイ集の中の、「丘の上の家」を立ち読みしてください。当時の渋谷、そこに住んでいる「国木田君」が、とてもリアルに迫ってきます!

2008年8月23日土曜日

プラタナス


雨の土曜日。ちょっと気が向いて、啄木の『一握の砂』を再読してみました。

短歌が551首。まあ、じっっっくり味わいながら読めば何日もかかるのでしょうが、うんうん、あ、そうなの? まあそういうこともあるかな? いや、それをいっちゃあおしまいよ! などとツッコミながらだと、数時間で読めました。

中で、お、こんなのがあったか、というのが、

思出のかのキスかとも
おどろきぬ
プラタナスの葉の散りて触れしを

なんだか、「じっと手を見る」人とは似合わないようにも、いやだからこそ、という気もします。

プラタナス、というと、わたしなどは、あのロス・プリモスの歌、『たそがれの銀座』の中の、

プラタナスの葉かげに ネオンがこぼれ
おもいでがかえる 並木通り

を「思出」してしまうので、この啄木の歌もきっと銀座だろう…… と思いましたが、待てよ、明治40年頃に、プラタナスはもう銀座に植えられていたのでしょうか?

で、ちょっと調べてみたら、始めて銀座に街路樹が植えられたのが明治6年。ただこのときは、主にサクラと松だったよう。でそのあと、明治17年頃に、例の「銀座の柳」が植えられ、プラタナスは…… これはどうも明治43年の、スズカケノキまで待たなくてはならないようなのです。う~ん、惜しい! でも『一握の砂』は明治41年なので、これはムリ。つまり、銀座の歌ではないのでした。

ここまで書いたので、銀座が出てきた歌を1つだけ。

春の雪
銀座の裏の三階の煉瓦造りに
やはらかに降る

2008年8月22日金曜日

モノ


今日は東京は涼しかった、というか、朝方はちょっと寒いくらいでしたね。

ここ数日まじめに仕事をしていたので、今日は(勝手に)調整日ということにして、久しぶりに大学に行きました。で、注文してあった本をパラパラ見たり、図書館に行ったり。でまた図書館でひっかかってしまいました!

明治40年頃に出ていた雑誌で、「趣味」というのがあるらしいのですが、その中のどれかに載った、森鴎外の詩を確認したいなあ、と思っていたら、なんと、わが生田校舎にある図書館の保存庫に、その実物があるじゃありませんか! さっそく行って出してもらうと……

やっぱり実物って、「リアル」ですねえ。たとえば広告も、「ゼム」とかいう聞いたこともない食べ物が出てたり。ある会社の電話番号が、「赤坂3番」だったり。そうそう、与謝野鉄幹たちが出していた「明星」の新刊の広告もありました。

(「明星」の出版元である新詩社は、渋谷道玄坂の途中にありました。もちろんそのころは、豊多摩郡渋谷村だったわけですけど。)

で、書き手のラインナップを見てみると、これが坪内逍遥から国木田独歩、三木露風、夏目漱石まで、かなり豪華。う~ん、これはわたしが知らなかっただけで、実はそれなりに有名な雑誌なのかもしれません。

インターネットの便利さには、もう降参するしかないけれど、図書館には、こういうリアルな「モノ」があるので、やっぱりこれはどうしても必要ですね。そもそも、雑誌「趣味」の目次なんて、どこかにアップされてるとも思えないし。

というわけで、色々本を借りて、買った本も受け取って、身辺が賑やかになった一日でした。

2008年8月21日木曜日

幾何学


というわけで昨日は、午前中にコローを見て、昼食を挟んであのオランダの画家を見てやろうという魂胆だったのですが……

実は11時過ぎに上野に着いてみると、「フェルメール展・60分待ち」のプラカードを持った係員の女性が! う~ん、この暑さの中で60分は…… パス! と思ってコローを見終えると、うまい具合に「10分待ち」に。それくらいなら苦しゅうない、ということで、都美術館に向かいました。

(実は昨日は、「シルバーデイ」に当たっていたらしく、それで込んでいたようです。それはコローも同じ。)

フェルメールは、全部で30数点しかないというのが、まあなんというか一つの「ストーリー」として機能しているので、今回のように7点(だったかな?)も集まると、なんだか大騒ぎになるのですね。

わたしはフェルメールのことはなにも知らないので、ただ虚心で絵を見ただけなのですが…… まず、その幾何学的な印象の画面構成に面白さを感じました。(同時代の画家の中に、だまし絵を試みた人もいるそうなのですが、ああやっぱりねえ、という感じ。)それからもうひとつは、ややレンブラント風の光と影の対象、そして結果としての画面の輝き、とでも言えばいいのでしょうか。わざと「くすませる」コローの後に見ただけに、余計その印象が強まったかもしれません。まあたしかに、350年前の絵とは思えない、なんともいえない「近さ」を感じたのは事実です。

というわけで昨日は、足を棒のようにして帰ってきました。(地元のタリーズで飲んだ、カフェモカのうまかったこと!)ただ今回は「ダブルヘッダー」だったわけですが、同僚の先生たちの話をきいていると、4つ5つは当たり前! というノリなので、それに比べたらまだまだです。

でも、絵を見るのはやっぱり楽しいですね。自分ではまっっっったく描けないけれど、それでも好きになれるって、ちょっとフシギな気もしますね。

2008年8月20日水曜日

やっと会えたね!


今日は相変わらずの暑さの中、上野の「コロー展」に行ってきました。

習作から始まって、深い緑色を堪能した後、ついに「真珠の女」と初対面。ああ、やっと会えたね…… という感じ。というのも、

まだ小学生の頃、自宅にあったポケット・サイズの本の表紙が、彼女だったのです。子供にとってさえ、彼女はなんとなく気になる女性でした。フランスで会ってもよさそうなものなのに、なぜかなかなかおめもじ叶わず、やっと今日…… というわけです。

まあなんというか、やっぱり素敵な女性でした。コローが晩年まで手放さなかったのも、よく分かる気がします。

コローは生涯独身だったわけですが、もし結婚して、もし子供を持っていたら、どんな絵を描いていたでしょう? これはまちがいなく、生命感に溢れた、玉のような子供を描いていたことでしょう。とても見てみたかった!

今回の展覧では、コローの作品がインスパイアしたと思われる絵も並列されていて、それも面白かったです。シスレーの描く、まさにコローと印象派にまたがる感じの森とか、コローから出発して、点描を指差す感じのルノワールとか。ごくごく初期の、まだ具象的なモンドリアンとか。「現実じゃなく、心、感情を描く」というコローに共感していたというカンディンスキーこそありませんでしたが、コローがひとつの「揺りかご」になる様子が、よく分かりました。

吉本隆明がどこかで、「<派>なんてものはないんだ。<個人>がいるだけだ」と書いていましたが、まさにその通り。それぞれの画家が、それぞれの資質にあったナニカを、コローから受け取っているようでした。

そして実は、そのあとダブル・ヘッダーで、あのオランダの画家にも会ってきました。(つづく)

2008年8月19日火曜日

おお 季節よ!


今日はもう、みなさんの予想通り、ランボーに触れないわけにもまいりますまい。テキストに一部を挙げた詩、とりあえず全文を。

Ô saisons ô châteaux,
Quelle âme est sans défauts ?

Ô saisons, ô châteaux,

J'ai fait la magique étude
Du Bonheur, que nul n'élude.

Ô vive lui, chaque fois
Que chante son coq gaulois.

Mais ! je n'aurai plus d'envie,
Il s'est chargé de ma vie.

Ce Charme ! il prit âme et corps.
Et dispersa tous efforts.

Que comprendre à ma parole ?
Il fait qu'elle fuie et vole !

Ô saisons, ô châteaux !

Et, si le malheur m'entraîne,
Sa disgrâce m'est certaine.

Il faut que son dédain, las !
Me livre au plus prompt trépas !

- Ô Saisons, ô Châteaux !


う~ん、これはとっっっっっても難しいです。仏文科の学生だった時授業でやりましたが、その時もとっっっっっても苦しんだ記憶があります。で、ここは助っ人に登場願いましょう。小林秀雄訳です。

季節が流れる、城砦が見える。
無傷な魂が何處にある。

俺の手懸けた幸福の
魔法を誰が逃げよう。

ゴオルの鶏の鳴くがごとに、
幸福にお礼をいふことだ。

ああ、何事も希ふまい、
生は幸福を食ひ過ぎた、

身も魂も奪われて、
意気地も何もけし飛んだ。

季節が流れる、城砦が見える。

幸福が逃げるとなつたらば、
あゝ、臨終の時が来る。

季節が流れる、城砦が見える。


(小林訳は、上のフランス語とは別のヴァージョンを訳しているので、行数が違います。)
……はっきり言いましょう。ランボーは分かりにくいです。1回読んで全部分かるなんてことはありません。さらに言えば、「正しい解釈」なんてものもないんです!

じゃあどういう「意味」なの、いったいこれは? と思いますが…… たとえばこの詩が収録されている本のタイトルは、Une saison en enfer と言います。『地獄の季節』。(あるいは『地獄の一季節』)いったい「地獄」って何で、「季節」って何なんでしょう? たくさんの、たくさんの解釈があるでしょう。実際、専門の研究者の間だけでも、実に多くの見方があります。そして Une saison en enfer の「意味」は、それらすべてを合わせたもの、と以外言いようがないのです。ランボー自身、そうした「ミラーボール」のようなものとして、詩を捉えていたと思われます。

でも、これは詩のゼミなどでも言うのですが、詩は、いわば「音楽」のようなもので、端から端まで分からなくていいと思います。たとえばピアノ曲を聴いて、悲しそうだ、とか、楽しそう! とか思いますよね? それと同じ、と言ってしまっていい気がします。もちろんいつか、「言葉」が「言葉」として立ち現れるなら、それはやはり悪くないとはおもいますが。

なんだかマジメな話になっちまいましたが、最後に1つだけ。上には小林秀雄訳を挙げましたが、もしもランボーに興味のある方がいらしたら、わたしなら「ちくま文庫」版(写真)をお勧めします。1100円で、ランボーがあなたのお部屋に!

2008年8月18日月曜日

晩柑


早いもので、もう9月号の発売日です。これで最後かと思うと、正直、さびしいです。まあみなさんは、また藤田先生の名講座が聞けるので、楽しみですね? ただ、放送時間が5分短いので、多少編集が必要になるようです。で今ごろ、編集の鬼・シゲピョンが、お菓子をポリポリしながら作業を進めているのでしょう。期待しましょう!

                   ◇

もうしばらく前ですが、朝は必ずグレープフルーツ、と書きました。実はその日からオレンジに切り替え、これがなかなかヒットで、ここのことろは朝はまずオレンジ、で始まります。近所のスーパーだと、6個で258円。ということは、1個40円ちょっと! 助かります。

で先日、愛媛のエミさんからお便りをいただきました。愛媛の「愛南ゴールド」(関西では「河内晩柑」)が、和製GFと呼ばれている、とのこと。で、スーパーでキョロキョロして見ましたが……

どうやら東京のスーパーでは、並んでいないようでした。(専門店などに行けばあるのでしょうが、ちょっと手が届かない気が……)残念!

まあ考えてみると、日本の中でも、スーパーで売ってるものってけっこう違いますね。ましてや外国のスーパーにおいておや! きっとみなさんの中にも、海外ではとりあえずスーパーに行く、という方もいらっしゃるでしょう。他人とは思えません!

というわけで今日もまた、オレンジ2袋買ってきました。でも安いとなると、昼にも夜にも食べてしまうので、減るのが速いです。ま、おいしいからいいか!?

2008年8月17日日曜日

結果は?


さて、今日の試験、いかがでしたか? さっそく答え合わせしましょう。

Oh là là... Pardon mademoiselle, très très sympa, votre portable !
C'est un portable Softbank.
Il parle, super !
Donc c'est Softbank.
Oui.
Oui, c'est ça.
Tiens, la communication ?
Tadatomo, c'est gratuit.
Le Japon, フシギ!

できましたか? なんだか、決めセリフやらスキットやらに出てきた表現が多いですね? ちなみに(これはまだ出てきてませんが) gratuit は「無料の」という形容詞。旅行中などには、使える単語です。もし今度テレビで出会ったら、どうぞまた聞き耳を立ててくださいね!

              ◇

オリンピックも前半終了。ついでにお盆休みも終了、でしょうか? でも明日は、幸いそんなに暑くないようですね。今週も元気に過ごしましょう! 明日は、12日ぶりにナミちゃんにも会えます!

トライ!


突然ですが、今日はちょっとむずかしいテストです! このソフトバンクのCM、


を見てください。で、そのフランス語の部分のセリフについて、カッコを埋めてください。解答は夜に!


Oh là là... (   ) (   ) , très très (   ) , (   ) (   ) !
(   )(   ) (   ) (   ) Softbank.

Il (  動詞  ), super !
Donc (   )(   ) Softbank.
Oui.

Oui, (   )(   ) (   ).

Tiens, la communication ?
Tadatomo, (   )(   ) gratuit.

(   ) (   ), フシギ!


なんだかSoftbank の回し者みたいですが、もちろん違います! では、bon courage !(カッコの大きさは、単語の長さに比例しません。)

2008年8月16日土曜日

シェルブールのクロ猫


わたしとレナさん宛に、月に何通かお便りを頂いています。ありがとうございます。とても励みになります。

中で先日、なんだかフシギな「変奏曲」のような事件を教えてくださったのは、福島のユーコさんです。事後承諾ですみません。ちょっと引用させてくださいね。

魚料理をしていると、匂いをかぎつけて、うちの猫(クロ、1歳)がやってきました。うちには、他に2匹猫がいて、そちらは平然としているのですが、クロは生後6ヶ月のノラだったため、ノラ心と自制心の葛藤でもう大変。

葛藤の果て、「ああん」と鳴いてみたり、遠慮しいしい手を出してみたり、匂いのついていそうなところを舐めてみたり。

その時私は、クロと対面式のキッチンで流しをはさんで向き合い、(……)「シェルブールの雨傘」を歌っていたのですが、まさに、映画の再現シーンが!

Tu sasi bien que ce n'est pas possible.
(これはあなたのお魚じゃないの、わかってるでしょ)
Je ne te quitterai pas.
(でも、離れられないの)


飼い主が言うのはなんですが、クロの声は、カトリーヌ・ドヌーヴ顔負けの細い高音です。
そのあと、ちゃんと我慢できたクロを、

Je te chacherai et je te garderai.
Mon amour, ne me quitte pas.
(いつまでも一緒ね!)

とほめました。

ユーコさん、merci bien ! オチまでちゃんと付いて…… 見習わないと…… クロちゃんにも、よろしくお伝えください!

(そうそう、ただ「シェルブール」のドヌーヴの歌声、実はあれ、最近も話題の「吹き替え」なんです。とはいえ、泣けるものは泣けますけど!)

2008年8月15日金曜日

Get down !


3年ほど前に引っ越す以前は、徒歩5分のところにシダックスがあったので、まあ時々行ってましたが、今のところは「陸の孤島」なので、なかなかカラオケに行く機会がありません。そう、もう2年くらい行ってないかな?

というわけで、昨日は久しぶりのカラオケでした。レナさんとは、当然何十回も会っていて、飲みにも何度も行きましたが、今度カラオケも、がなかなか果たせずにいたので、やっと一緒に行くことができました。スーさんとは、だいぶ前に1度、荻窪あたりで行ったかな? で、アミちゃんは初対面で、会って10分でカラオケへ、とフシギな展開。

スーさんは、ミドルネームが「ピーターパン」で、大人になるのを拒否するという、気楽と言えば気楽、リスキーと言えばきわめてリスキーな選択を継続中なので、こういう場では、とても自然に盛り上げる(盛り上がる?)ような空気を作ってくれます。また彼は、ボサノババンドのヴォーカルでもあるので、そのためにだけベンキョーしたポルトガル語で歌えます。で、ベサメ・ムーチョなどが歌われるわけですが、彼の最近の基本は「昭和歌謡」。たとえば、ちあきなおみ、とか。またかつては、わたし同様ロック小僧だったので、英語のロックも好きなんですね。

アミちゃんは、スーさんの影響か、なんと奥村チヨなども登場しましたが、やはりCoccoとか、ヤングミドル世代の歌。とても感情をこめて歌うので、こちらが心配になることも! そんなにつらいことがあったはずはないはずですけど。

レナさんは演歌。これ、埼玉のおばあちゃんに教えてもらいました、って、ジェロみたい! それ以外に英語のポップスも歌っていましたが、わたしたちのリクエストに応えて、フランス語の歌も歌ってくれました。(「夢見るシャンソン人形」)やっぱり発音がきれい(って当たり前!)まあ、誰でもそうなのでしょうけど、歌いやすい音域ってありますよね? レナさんの場合は、平原綾香版の「翼をください」、これが1番合っている感じで、みなさんにも聞かせたかったです。(でもまあ、これからもまた、歌のお姉さんコーナーはあります!)

わたしは、新しい曲をばんばんいきました、と言いたいところですが、実際は程遠く、昔のロックを少し、という感じ。

で、あっという間の2時間。レナさんいわく、

みんな polyvalents ですねえ。

polyvalent, 辞書を引くと「多目的の、種々の機能をもった」とありますが、要は、色んな傾向の歌を歌うのね~、ということなんでしょう。そう、たしかに polyvalents カラオケでした!

1夜のタネ


今日の新宿は、お盆期間中のせいでしょう、人出も多く、なごやかな印象でした。

で、打ち合わせ。参加したのは、レナさんとわたし、それから白水社の編集者2名、といっても、これはもう友達のスーさんと、雑誌『ふらんす』を1人だけで切り盛りしているアミちゃん。アミちゃんとは(メールの行き来は何度もありましたが)お目にかかるのは今日が初めて。なんと、若くてチャーミングな女性なのでした。

とはいえ今日の打ち合わせは、特に「コレ」といった差し迫ったものがあるわけではないので、ま、取り合えずカラオケへ。(ってそれ打ち合わせか?)ま、これについてはまた書くとして、

そのあとは南口の美々卯(みみう)へ。まあ、うどんすきやさんとしては、有名店ですね、特に関西では? ふだんスーさんと打ち合わせるときは、もっと「飲み屋」っぽいところが多いんですが、今日は女性もいるし、「食べる」ところになりました。

レナさんは、いつも通り梅ソーダを連発。もう途中から数えなくなりました! (放送中に言ってることは、ほんとなんです!)でも、全然酔った感じじゃないところが、さすがです。

で、何を話したかというと…… まず大事なのは、昔白水社で出した参考書の、リニューアル版の話。これは、一応進める方向で。(まだいくつか越えなければならないハードルがあるのですが。たとえば、なるべく値段を上げないようにするには、とか。)それから、新しい参考書の話。これもやる気はあるので、今かかっている仕事が秋(か冬)に一段落したところで、もう1度時期を調整する感じで。

とまあこう書くと、たしかに打ち合わせみたいですが、話はとにかくあっちこっちに飛びまくり。アミちゃんがフランスにいた頃、窓口の対応に怒りが収まらず、持っていた傘を折った!話とか、レナさんもまた、フランスにいるときは気が抜けない、日本はほんわかしていてラクチン(すぎる?)だとか、結婚後、それでも男と女であり続けるためには、子供をベビーシッターに預けてレストランに行くほうがいいのかどうか、とか…… 

これはまあ言われつくされていることですが…… 日本では、子供がいる家庭では、奥さんは亭主を「パパ」ないし「おとうさん」と呼ぶけれど、これってどうよ? と女性たちは言います。もちろんね、あんまりロマンチックとは言えないかも。でもアジアでは、子供の視点で家族を呼ぶ方法は決して稀なケースではないようですから、単純にココだけを切り出すわけにもいかないかもしれません。

それ以外にも、編集者と仕事請負人の垣根を越えた、個人史に関わる発言も多く聞かれました。そして、実はこういうたわいもない話の中から、じゃあ今度それとあれをくっつけて、なんとか形にしてみようか、という話になることも少なくないんです。(ということになってます!)そういう意味では、タネに満ちた1夜でした。

さあ、なにか生まれるかなあ……?(がんばれ、レナさん!)

2008年8月13日水曜日

7つ道具


さっきPCを眺めていたら、「特に旅行にも行かないまま夏が終わりそうなあなたへ!」という広告が目に飛び込んできました。まさに、ドキッ! って感じです。う~ん……

今日は朝イチで分厚いゲラが届き、なるべく見ないようにしていたのですが、昼過ぎにはNHK出版のA子さんから電話があり、どうしても封を切らないわけにはいかなくなり、結局それからずっと校正ばかりしていました。(でも量が多くて、まだ半分ちょっと。Ouf !)

ちなみに校正の7つ道具は、まず4色ボールペン、シャープペン、消しゴム、修正液、それから30センチ定規、蛍光ペン、ポストイットです。おお、ちょうど7つです! これとゲラをもって、行くならスタバかなんかに行くわけですが、この頃は暑くて、家から出るのがメンドクサイのでした。

明日は新宿で、レナさんを含めた4人で打ち合わせです。といっても、酒も出る打ち合わせ。楽しみです!

(今日のバドミントン…… よくがんばりました!)

2008年8月12日火曜日

140 ans


今日は友人たちと、立川で中華を食べました。

立川というのは、東京の西郊、新宿から中央線の特別快速で30分弱のところです。この街は、5年ほど前に、吉祥寺を抜いて多摩地区最大の乗降客数となり、その後どんどん差は開いているようです。なんだかそれに合わせるように、わたし自身も、吉祥寺じゃなく立川に行く頻度が上がりました。

立川? あんな田舎? というのは昔の話。今は感覚的に言っても、立派に都会です。充実した駅ビル、家電量販店、HMV、本屋、うまい蕎麦屋、ビームスアローズシップス、イセタン、タカシマヤ、そしてコギタナイ地区、みんなあります。

これだけの装置に、これだけの人がいれば、消費的都会はいやでも成立してしまいます。わたしなどはあまりいい「客」ではありませんが、「立川 walker」の自覚はあります。

とはいえ、もちろん新宿や渋谷は別格です。

そういえば、最初にできた「山手線」て、<品川ー渋谷ー新宿ー板橋ー赤羽>の5駅だけだったって、ご存知ですか? (このときはまだ私鉄でした。)これが1885年のことで、そのあと「の」の字に走った時期などを経て、環状に走るようになったのは1925年、つまり関東大震災の翌々年だそうです。

今年は「明治140年」なんですが、まったくこの140年間に経験した変化って、ものすごいもんですねえ。

今から140年後の世界なんて、想像もできません。(ていうか、10年後もあやしい……)

2008年8月11日月曜日

リアル・タイムで


今朝テレビでバドミントンを見て、おおなんておもしろい! と思ったので、夜のオグシオも楽しみにしていましたが…… でもがんばりました。お疲れ様!

さて、昨日今日で古い本を1冊読みました。『討議近代詩史』という、1976年に出た本です。タイトルからして、ちょっとむずかしそうですね? で、実際簡単じゃありませんでした! 

この本は3人の鼎談形式、つまり「おしゃべり」感があるので、その点はいいんです。じゃあなぜ簡単じゃないかと言うと、本の中で話題なる詩集を読んでないことがままあり、それでイマイチぴんとこないのでした。でもまあ、タマに頭使うのもいいもんです。(タマじゃだめです!)

でもこの本は、わたしも好きな詩人の1人である北村太郎さんが、「勉強になる」と書いていたので、わたしが知らないことが多くても、これは当たり前なのでした。

感心するのは、鼎談の出席者である3人(吉本隆明、鮎川信夫、大岡信)が、とてもよく「過去」を勉強していること。誰にとっても、「明治」は過去なのに、みんなよく読んでます! 

そういえば、ああそうか、と思ったこと。たとえば今萩原朔太郎を読もうとすると、まあ、彼の全集があって、全作品がいわば横1列に並んでいるわけですね。ところが、世代的に少しかぶる鮎川などは、萩原の新刊が出るたびに買って読んだ。友達の評判はこうで、同じ頃出たこんな本にも惹かれた、みたいなことを言っているわけです。

なるほど。当然当時は、『月に吠える』も『氷島』も、「新刊」だったわけですね。なんだか、考えたこともなかったので、フシギな感じがします。

もちろん、何人かのエッセイに萩原は登場していて、エビスでビールを飲んでた、とか、バスに乗って渋谷へ行ったようだ、なんて書いてはあるんですけど、そうした「作品」の中でとは違う、なんともいえない現実感が感じられたのでした。

よく、「六代目円生と同時代でよかった」なんていう言い方をしますが、まあ、そういうことってあるのでしょうね……

2008年8月10日日曜日

Sleep in the stones


みなさん、お元気ですか? 明日もお休みの方も多いのでしょうか?

さっき、柔道の内柴選手が金メダルを取りましたね。Bravo !

で、ここでテレビの表示に小さな「?」を。決勝戦の相手は、フランス人の Benjamin Darberet 。ところがテレビでは「ベンジャマン」。う~ん、やはりここは「バンジャマン」がフツーでしょう。日本ではあまり知られていないシュルレアリストの1人に、Benjamin Péret という詩人がいるのですが、彼の名前の表記も通例「バンジャマン」です。(写真は彼の詩集、Dormir dans les pierres

というわけで、ここまで勉強してくださった中には、あれ? と思った方もいらっしゃるでしょう。まあ、テレビの表示は、当てにならないこともありますので、自分を信じてください!

           ◇

今日、「まいにちフランス語」9月号の見本が届きました。もうすぐ、みなさんにも見ていただけると思います。最後です。よろしくお願いします!

中国版ロードムービー


始まりました、オリンピック。

昨日の開会式、これはまあ、素晴らしかったと言わざるをえないですね。チャン・イーモウ、恐るべし!

わたしは実は、チャン・イーモウ作品のファンの1人です。特に好きだったのは、『秋菊の物語』。これはほとんど中国版ロード・ムービーでした。

同僚の中国語の先生が、「中国映画を見る」というゼミを開講しています。彼女によると、チャン・イーモウやチェン・カイコー(『覇王別姫』の監督)がビッグ過ぎて、なかなか彼らに続く世代にいい監督が出てこない、とのことでした。そういえば最近は、あの頃ほど中国人監督の名前を耳にしませんね。

中国に限らず、色んな国や地域の映画を見るのは、いいですね。開会式を見ていても、世界の広さを感じました。ほんとに、たくさんの魅力的な「顔」がありました。

さて、来週は特別編成で、「まいにちフランス語」はありません。みなさん、たまった練習問題、やっつけるチャンスです! Bon courage !

2008年8月8日金曜日

ボディービル部


なんだか行く所もない(涙)ので、またもや大学へ。もちろん普段に比べれば閑散としてますが、それでもそこそこ学生はいます。なにしろ理工学部なので、実験が続いている研究室もあるし、文系に比べれば院生も多いです。学食も開いてます。

そういえば、今日のお昼の地震のとき、みなさんはどこにいらしたでしょうか? わたしは学食をでて、大学の購買部でノートを物色しているところでした。驚きましたね~

さてそのあと、先生たちの溜り場でもある資料室によると、大先輩の英語の先生がいらっしゃいました。で、なんだかんだで小1時間だべったのですが……

昔はこの理工学部にも、ボディービル部があり、先生はその顧問だったそうです。なにしろ、みんなで飲みにいくと、どんな店であろうと必ず筋肉自慢大会が始まるだろ、周りの客が引いて困ったもんだよ…… まあ3人いた女子部員は、さすがにそれはしなかったけど。

そういえば! みなさん the world of golden eggs をご存知ですか? 最近では、トヨタのCMにも出ていたし、先週のイロモネアでは、小島よしおがマネしてましたから、これはもう相当の認知度のはずですね。

あそこに登場するフランス語のミッシェル先生、ちょっとおもしろいですね。もちろん、フランス語の勉強には、まったくなりませんけど! Je vous présente Michelle;


そして知り合いの女性(28歳)が「シリーズ中1番好き!」と言ってはばからないのが、例のボディービル部です。


まあこれは、なにを今さら、という気もしますが。こういう「繰り返しのギャグ」、わたしは好きです。

とまあ、なんでもないフツーの日でした!

2008年8月7日木曜日

タイムスリップ・2


今日も昨日に引き続き、ややタイムスリップ気味でした。しかも今日は、明治時代。

今はこのあたりも「東京都」ですが、「都」になったのは比較的最近で、戦争真っ只中の1943年らしいのですが、じゃあそもそも「東京」という名前は、いつ出現し、どういうプロセスで「都」まできたのか、はっきりと知りたくなったのです。

「東京」が初登場するのは、これは予想通り明治維新の時でした。ただこれは「東京府」であり、読み方も、「とうきょう」と「とうけい」、both OK. だったようです。(「とうけい」は、M.20くらいまで。)

その後M.22に、「東京府」の中心部が「東京市」になります。(15区に分けられていました。)ただ、これが今の23区の元かというと言うと、そうではなく……

昭和7年、「東京市」は15区を取り囲んでいた5郡を合併します。(この5郡は、20区に再編成されました。)で、合計で35区。これがいわゆる「大東京市」と呼ばれるもので、今の23区の元になっているようです。

この合併された5郡の中には、新宿も渋谷も含まれています。つまりそれらは、江戸から明治・大正にかけては、「東京」の中心ではなかったということなのでしょう。(もちろん新宿は、宿場町として栄えていましたが。)また、この旧来からの15区は、「江戸」として定義された場所と、完全に一致していたわけでもありませんでした。(このへんは、東京都公文書館のHPに地図もありました。)

そしてこの約10年後、最初に言った「都」に変わる、ということのようでした。

きっと、よくご存知の方もいらっしゃるでしょう。わたしは曖昧だったので、はっきりさせたかったのですが、なんだかこれだけ調べるのに、ずいぶん時間がかかってしまいました! でも、面白かったです。(そうそう、M.2の人口調査では、「東京府」の人口、50万人でした。あと、大正2年の車の台数が、350台。なんか可愛いです!)

2008年8月6日水曜日

タイムスリップ


今日の放送の、レナさん初のノリツッコミ、いかがでしたか? (わたしは受けました!)ちなみに、「ボケ」とか「ツッコミ」とかは、フランス語にならないそうです。そりゃあね、そういう役割分担システムそのものがないんですからね。(6月17日にもその話題あり。)
                     ◇
今日の午後は、ずっと大学の図書館で過ごしました。といっても、最初そのつもりだったわけじゃないんですが。

なんだかすごく細かい話で恐縮ですが、前にも触れた大好きな詩集に、清水哲男の『東京』というのがありまして、その中に、「連作・東京」と書かれているものが含まれています。が、実は連作すべてが本に収められているわけではないんです。で、残りのものを読みたいと思って、図書館に行ってみると……

幸運なことに、その連作が載った「現代詩手帖」の1978~80のバックナンバーは、わが理工学部の図書館の倉庫で待っていてくれました。(まあ実際は、御茶ノ水の図書館の倉庫が一杯で、こちらに回ってきているようです。)で、倉庫から出してもらい、机に積み上げ、「連作・東京」を探し始めたのですが……

なんとまあ、ちょっと読んでみたくなる記事の多いこと! もう途中からは、探し物のことはすっかり忘れ、こっちの作品、あっちの対談と、目に付くページをめくっていたら……、あっという間に夕暮れに。

わたしはどちらかいうと、「今」のものに惹かれるほうなのですが、今日ばかりは、どっぷり30年前の世界に浸りきりました。なんだか、顔を知っている詩人たちが若くて、へんな感じ。プチ・タイムスリップ感満点でした。

で、帰り道には本屋で、これは何年ぶりかで、月刊「プレイボーイ」を購入。今月号の特集は、「詩は世界を裸にする」。あのプレイボーイが、なんと「詩」の特集です。これって、もしかして「詩」が「来る」ってことなんでしょうか??

さっきパラパラめくっていたら、今日浸っていた「現代詩手帖」の生みの親、小田久郎氏のインタヴューが出ていました。なんだかフシギな巡り合わせ。でも小田氏によると、最近「詩集」のラインナップは増えているんだそうです。そうか。じゃあ、読もう、とりあえず、「新しい詩人」シリーズから!

ちょっとお高い(780円)ですが、つまみ食いとしてはおもしろいです。(おなじみの nude グラビアもあります。ランボーやボルヘスと同居!)そうそう、こちらはタダで詩を楽しめます。


ぜひ!

2008年8月5日火曜日

アガトとマックス


今日の「まいにちフランス語」の途中で、ボードレールのこんな1行が登場しました;

Dis-moi ton coeur parfois s'envole-t-il, Agathe(...)
                                                ここで使われている s'envoler は、以前このブログでも、Le temps s'envole.(時は飛び立つ→飛び去る)のときに初出演を果たした動詞ですね。心が、地面を蹴って空に向かう鳥のように、飛び立つことはあるのかい、と聞いているわけです。とても「映像的」な1行です。

これは実は、「悲しくてさまよいの」という詩の冒頭なんです;

Moesta et errabunda

Dis-moi ton coeur parfois s'envole-t-il, Agathe,
Loin du noir océan de l'immonde cité
Vers un autre océan où la splendeur éclate,
Bleu, clair, profond, ainsi que la virginité?
Dis-moi, ton coeur parfois s'envole-t-il, Agathe?

語れ、きみの心は時に飛び立つか、アガートよ、
穢(けが)らわしい都会の真黒な海原を遠く離れ、
処女(おとめ)の心のように青く、明るく、深く、
燦然と光の輝く、もうひとつの海原へと?
語れ、きみの心は時に、飛び立つか、アガートよ? (阿部良夫訳)
                                              この詩の1行1行は、どれも12音でできています。日本人にとっては、七五調が、もうほとんど集団的無意識にまで入り込んでいると思えるリズムですが、フランス人の場合は、おそらくこの12音のリズムがそれにあたるのでしょう。(1行の中で、6-6の場合も、4-8などの場合もあります。)よかったら、ちょっと数えてみてください。みんな12音です。

ついでに言うと、各行の最後、音が2パターンなのにお気づきでしょうか?(1, 3, 5は「アットゥ」、2 ,4は「イテ」。)いわゆる、「韻を踏む」ってやつですね。

たとえば、「気楽にな!」と言うとき;

Relaxe, Max. (ルラックス マックス)

と、「クス」で韻を踏んだりもします。もちろん、相手は「マックス」君じゃなくてもいいんです。これは英語でも、「じゃ、あとで」と言うとき;

See you later, alligator. 

なんて言ったりもするようですね。もちろん、相手がアリゲーターじゃなくてもいいんです!

わたしの好きな「シリーズ物小説」の1つに、ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズがあるのですが、この中の登場人物の1人は、もうほとんどいつでも、こういう韻を踏みながら話しています。ちょっとおもしろいです。

でもそれを言うなら、エミネムを筆頭にラッパーたちはみんな、韻は踏まずにはいませんね。外国語の場合、その韻の踏み方が、カッコイイのかダサイのか、なかなかそこまでは分からないんですけど。ただ、これは英語の先生から聞いたんですが、たとえばRolling Stone みたいな雑誌には、ラッパーの韻の踏み方についての詳論が載ったりするようです。う~ん。日本にもそんな雑誌があるんでしょうか……?

というわけで、今日は韻を踏むお話でしたね、ナタネ。(ナタネって誰?)

2008年8月4日月曜日

レナパンマン


今日の東京は、すご~~く蒸し暑かったですね。太陽は出てないのに、ムワ~ッとして。

そんな中、ついに「まいにちフランス語」最終収録を済ませてきました!(ま、取り直しとかで呼び出される可能性は残っていますが。)放送はまだまだ続いていますので、リスナーのみなさんとのお付き合いあはこれから! ですが、まあ言ってみれば、さよなら401スタジオ、さよなら社員食堂の「にぎり寿司」、さよなら4Fの男子トイレの鏡の小さなひび割れ、といったところです。

この前も書いた通り、この仕事の開始は去年の8月7日だったので、ちょうど1年経っています。色々ありましたが、リスナーのみなさんや、スタッフのおかげで、なんとか穴は開けずに、後期にバトンを渡すことができそうで、ほっとしています。デキ? それはみなさんに判断していただくよりないんですが、わたしとしては、「フランス語の先生」としてのすべてを投入しました。少しでも楽しんでいただけたらいいんですが……

さて、今日も結果的には5課収録したのですが、またしても2課終わったところで、レナさんが「休憩、休憩!」と言って立ち上がり、ブースから出たかと思うと、まさにその時、ちょうど美人ディレクター・アヤちゃんがスタジオに登場。

「なんだか、いっっっつも休憩してません?」

けれどもアヤチャンは、差し入れの「くずもち」をもってきてくれました。しかもこの「くずもち」がうまい! で聞いてみると、5Fの食堂前に、今だけ出店している「住吉」(有名店らしいです。ミキサーさんは、包み紙だけで分かっていました。)のものだとか。もちろん、お土産用を買って帰ったのは、いうまでもありません。

で、なんとアヤチャン、「まいにちフランス語」の担当を外れてしまうのです! う~ん、せっかくここまで育てて(ウソ)、これからフランス語教育界で大輪の花を、と思っていた矢先、「英語でしゃべらナイト」にヘッド・ハンティングされてしまったのです。まさかモエちゃんと2枚看板のつもりじゃ!? 

というわけできょうからアヤチャンは、「英語」の人になってしまいましたが、またあちらでも活躍してくれることでしょう。まあ見方によっては、夫を「まいにちF」から「英語で」に代えただけ、とも言えますが。(一昨日のアヤチャンからのメールは、午前1:45でした、しかも会社から! しかも翌日9時には出社。さすが「NHKと結婚した女」の名前に恥じない生活ぶりです。ああ、アヤチャンよ、どこへ行く!)

そうそう、今日のレナさんは、なんと顔に大きな傷が2つも! さてはDV? 

「ちがいますよ! この前の、雨上がりの夜、自転車で思いっきり転んじゃって…… 翌日なんか顔がこんなに腫れちゃって、みんなにレナパンマンなんて言われるし」

レナパンマン? おもしろい! でもまあ、骨が折れたりしなくてよかったです。

それにしても…… 終わっちゃったんですね……。もうシゲピョンやレナさんのホラ話が聞けないかと思うと、ちょっとさびしいです。みなさんにももっと紹介したかったです。まあこれからは、また1リスナーに戻って、NHKの語学番組と付き合っていきます!

2008年8月3日日曜日

ライ麦畑


みなさん、ミクちゃんと「フランス国歌」練習していただけましたか? まだの方は、昨日の最後のところに入り口がありません。
                                               さて、最後の収録を明日に控え、でも、なんだか全然「終わり」の実感がありません。どうしてかなあ?

チョー有名なアメリカ小説の一つに、『ライ麦畑でつかまえて』がありますが、たしかその冒頭近く、主人公のホールデンが、「終わるときは、終わることを意識している方がいいんだ」という見方を示す箇所があったと思います。だから彼に従うなら、もうちょっと「終わり」であることの実感の中で明日を迎えるべきなのでしょうが……

『ライ麦畑』を初めて読んだのは、中3のときでした。(学校に「感想文」を出したので、よく覚えています。)その後、高校のときと、大学のときに1度づつ読み、最後は数年前、村上春樹の新訳でも読みました。

小説でも映画でも、わたしはあまり「リピート」しないほうなので、この『ライ麦畑』はほんとうに例外的な1冊です。数年前のときは、なんだか読んで面白くなかったらいやだなあ、と思いつつ手に取りましたが、まったくの杞憂でした。

こんな小説が1作だけ書けたら、もうそれで十分。とはいえ、それがむずかしいんですよねえ……(って当たり前!)評論家の佐伯彰一さんも、いいものが何作かあればそれでいい、多作である必要なんてない、って話されていたのを聞いたことがあります。(そういえば、佐伯訳『若き獅子たち』も、とても面白いアメリカ小説でした。)

いつものように話が逸れました。とにかく明日、またレナさんやシゲピョンと張り切ってやってきます!
みなさんも、暑さにめげず、一週間乗り切ってくださいませ!

2008年8月2日土曜日

夜の女王は


今日は土曜日。仕事しに(エライ!)大学に来てます。静かです!

で今日はとにかく、前期の「東京詩」ゼミで読んだすべての詩をリストアップするのが目標です。(なぜ、自分が授業したのに、そんなことがすぐに分からないのか? 出たとこ勝負の授業だからですね!)

で、使ったプリントやコピーをかき集め、研究室の床(!)に並べていきます。中には、床などほとんど見えなくなっている研究室もありますが、わたしのところはまだ大丈夫です、まだ入居4ヶ月ですから。
この、単純に広げて置いて見るのって、わりとよくやります。ノートやPC上で整理する前に、こういう原始的な段階を通るのが好きです。(頭が原始的なんでしょう。別にいいです!)ま、それはいいとして。

この作業をしながら、最初はCDをかけていたのですが、途中から you tube で音楽を流し始めました。で、あっちこっちの曲を聴いていって、ああ、これはここで紹介してもおもしろいかな、と思ったのが、モーツァルトの「夜の女王」のアリアです。

なにを今さら? とお思いでしょうが、実はポイントは歌手です。彼女は人間ではありません。歌うためにだけこの世にやってきた、ヴォーカロイド(ヴォーカル+アンドロイド)です。そう、初音ミクちゃんですね。


彼女は、(「夜の女王」ほどではないにせよ)かなり有名な歌手です。たとえばあなたが作曲家志望で、女性ヴォーカル用の素晴らしい曲を書き上げたとしましょう。でもその名曲を、いったい誰に歌ってもらえばいいんでしょう? 宇多田に? う~ん、それは難しそう。じゃあビヨンセに? それもジェイZ がなんて言うか……

そんなとき、誰の希望にも即刻応じてくれるヴォーカリスト、それが初音ミクちゃんなわけです。

わたしは作曲どころか、(元ロック小僧でありながら)ギターはコードを押さえるのがやっとという体たらくなので、ミクちゃんと出会ったのは、意外(でもないか?)な場所でした。そう、それは去年の秋の、明治大学ディジタル・コンテンツ系のイヴェントでだったのです。そのときは、ミクちゃんの「お父さん」が来られて、彼女の出生の秘密について語ってくれました。

その後学生たちに訊いてみると、2クラスに1人くらいの割合で、ミクちゃんのお世話になっている人がいることが分かり、なぜだか「やっぱりなあ」という感じがしました。

you tube を見ると、いろんな人が、いろんな曲を、ミクちゃんに歌わせています。それはもう、トトロからバッハのミサ曲ロ単調まで、さまざま。よかったら試しに、「夜の女王」視聴してみてください。それはもちろん、グルベローヴァというわけにはまいりませんが、ちょっと面白いです。少なくとも、モーツァルトはやっぱり天才かも、という気にさせてくれる力が、ミクちゃんにはあります。
                                               ついでにもう1つ。ミクちゃんと一緒に、フランス国家を覚えるのはいかが?
                                               http://jp.youtube.com/watch?v=muPQ7hwEYvk
                                               あのフランス国歌の生々しさが、少しだけ薄められているような気もします。

終わりと始まり


今日の会議が終わって、やっと明日から「夏休み」の始まり、ではあるんですが……

なんだか、誰とは言いませんが、11月締め切りの割と大きな話をもってきてくれたので、「夏休み」はそれで消える公算がキワメテ高くなりました!

思えば、この「まいにちフランス語」の仕事に実際に取りかかったのは、忘れもしない去年の8月7日でした。その日、渋谷で打ち合わせして、ついに企画スタートとなったのです。

で、まずスキットの簡単なプロットを考え、時間的に可能な文法事項を選び、それを72課に振り分け、1課の構成を考え…… そしてついに、実際にスキットを書き始めたわけです。

でもそれも、実は来週の月曜日が、最後の収録です。とてもさびしいです!

ただ、仕事ってこういうものなんでしょうね。当然ながら、スタッフのみなさんは、すでに後期の放送の相談に入っているし、どこかでは、来年度への動きも始まっているのでしょう。みんなで集まって、一つのものを作り、そしてまた散ってゆく。振り返っている時間はない……

いや、わたしは場合、振り返る時間はある予定だったのですが、そういうわけで、急になくなってしまいました!(でも、実はそれ、やりたかったことなので、もちろん楽しみでもあります。問題は締め切りです!)

その仕事は、ここでも何度か取り上げた、「<東京>詩」関連のものです。なんとかいいものにして、ここで報告できればと思います。

ちなみにフランス語関連でも、ひとつ企画が軌道に乗ってきました。こちらは、秋には報告できると思います。

ああ、それにしても、今週も速かった! みなさんは、いかがですか?