2008年8月30日土曜日

どこどこ行くの


渋谷という街は、今は「若者の街」、特にセンター街や109あたりは、そういう扱いですね。で実際、歩いていると、そういうある種の「若い」エネルギーが充満しているのを肌で感じます。「若い」というより、「幼い」と感じることもないではないですけど。

ちょっと前に明治の渋谷のことを書きましたけど、実はまだちょっとすっきりしないことがあって、しつこく追求してみました。(いやあ、ネットはほんとに便利!)それは、渋谷川と宇田川が、どこを流れている(いた)か、ということです。

渋谷川のほうは、すぐに分かりました。まあ、渋谷周辺に限っていうなら、まずキャット・ストリート、そう、あの表参道から渋谷方向に伸びている道の地下を、渋谷川は流れています。(「渋谷川遊歩道」ですものね。)あの道は、冬になると焼き芋屋さんが来て、なかなか繁盛してるみたいです。こぎれいなブティックが並ぶ中、仲良く焼き芋を頬張るカップルたち。きっと今年も見られるでしょう。

で、川はそのあと、山手線に沿って、つまり宮下公園の地下を流れます。そして駅近くでは、かなり線路に接近し……

渋谷駅ビルともいえる東急東横店の東館だけは、地階が妙に狭苦しいのにお気づきでしょうか? そう、東館だけは、建物がやや出っ張っているために、地下で渋谷川にかかっているのです! でその後は、恵比寿方向に。

では宇田川は? これはまず目立つ場所から言うと、公園通りを少しだけ上って、西武のA館とB館の間の道(井の頭通り)、実は宇田川はこの通りの地下を流れています。(だからA,B館の地下には、連絡通路が作れませんでした。)

で線路側は、そのまま山手線と直交して、渋谷川と合流。上流方向は、井の頭通りをやや進むと、宇田川交番のところで道は2又に分かれています。このやや静かな左手方向。これが宇田川の暗渠で、代々木八幡までさかのぼることができます。まあこの道は、いかにも暗渠というクネリかた&狭さです。(NHKからの帰り道、いつもレナさんとこの道を歩きました。)そうそう、この上流が、「♪春の小川はさらさらいくよ」の舞台だそうです。(歌碑もあります。)

さて…… 実はここまでは簡単に分かるんです。見つかりにくかったのはこの先です。

宇田川は、今でこそ上に書いた通りの流れなんですが、これは大正の初め、流れを変えた結果なんです。そうでもしないと、洪水は多いし、駅前開発はできないし、というのが理由だったようです。

じゃあ本来の宇田川はどこを流れていたのか? みなさまお手数ですが、24日の地図をもう1度ご覧くださいませ。これが、流路変更前の宇田川です。つまり、代々木から宇田川交番までは同じなのですが、そこからなんと109の横に出てきます。そして今のガードをくぐったあたりで、渋谷川にぶつかっているのです。

いくつか文章を読んでいて、どうも話が見えないと思ったら、書かれた時代によって、宇田川の位置が違っているのでした!

それにしても…… みなさん今度渋谷へ行らしたら、ちょっと耳を澄ましてみてください。地下を流れる水の音が、聞こえるかもしれません。(多分聞こえません!)