2008年9月12日金曜日

本棚


書こう書こうと思いつつ今日になってしまったのですが……

私が今使わせてもらっている小さな研究室は、なかなか高い建物の5階にあります。ただこの建物、辛口の先生の中には「プレハブ」と呼んでいるかたもいるくらいで、もちろんホテルのようなものとは違います。(ほんとにプレハブなわけじゃありません!)

実はこの部屋、私の前に使っていたのは、堀江敏幸さんです。え、あの!? とお思いになりましたか? でもほんとにそうなんです。壁には、多分本棚でこすったと思われる小さな傷があり、床にも、やっぱり本棚があったとおぼしい跡がついています。ふだんは忘れていますが、ふとそうした「記憶」に目が留まることもあります。なんだか、フシギな気もします。

堀江さんは、文章がうまいのは今さら言うまでもないですが、おしゃべりもとっても上手です。もう10年以上前ですが、ある大学で毎週顔を合わせることがありました。で、しょちゅうおしゃべりをしてたんですが、話の引っ張り方、寄り道のさせ方、ずらしかた、そしてオチ、おそろしくうまいのです! 

で、数ある堀江さんの本のうち、『回送電車』というエッセイ集が、中公文庫になりました。648円+税。これで堀江さんの語りが楽しめるなんて、なんて安いんでしょう! フランス関係の話題ももちろんあります。読書の秋は目の前です!