2008年10月24日金曜日

スライド・ショー


1時間目の授業は、朝8:50からなのですが、今日だけは8:30から始めました。というのも、『ニキータ』を見せたからです。そしてこの映画は117分なので、早く始めないと終わらないんです! でもまあ一応無事終了しました。

そして夜、今度は明大前の和泉校舎へ。ここに来るのは、この前図書館に来たとき以来2回目。今回は、トヨダヒトシさんのスライド・ショー。楽しみ!

トヨダさんは、「起きていることは、一瞬一瞬すぎてゆくわけだから、プリントして定着させるのは違和感かあるんです」と言うのです。で、作品をスライドで見せることにしたんだそうです。

「スライドは、そこにあるのだけれど、手を伸ばしても触れない。そこが、いい。」

たしかに。で、彼の2作品(それぞれ約90分)を見たのですが……

1枚約5秒で90分。見終わると、なんだか旅から帰ってきた時のような、心地よい疲れが残ります。トヨダさん自身、「映像日記」のようなもの、と言ってらした通り、そこにはゆるやかな物語がいくつか、絡むように寄り添うように映し出されます。見ているわたしたちは、彼の視線の動き、時には凝視する集中力と交感しながら、ある時間を追体験するようです。時間と空間の旅、というと平凡ですが、やはりそういえると思います。

4年間世界を放浪して出家した住職、その山深い禅寺、7年間世界を放浪して、今は警備員の松葉さん、彼のもう1つの顔はキックボクサー(ランキング8位)、ホームレスの人たちの営む養鶏場、そしてトヨダさんの世田谷の実家、ご両親、その朝食、家の前のサクラ、あるいはニューヨーク、9.11、窓辺の子猫、曲がりくねる河……

夜の東京は輝く海のよう。吹き上がる火の粉は祈りのよう。光を孕む湖面は記憶の容れ物……

というわけで、スライド・ショー初体験のわたしには、あっというまの3時間でした!

               ◇

雑誌「ふらんす」11月号に、レナさんの書いた「ふだん着のフランス語」が出てます。読んでみてください!