2008年10月27日月曜日

『優雅なハリネズミ』賛


気が向いたので、もう1つ。<ミュリエル・バルベリ&谷口ジロー>の対談、いよいよ来週の水曜日に迫ってきました。ところでバルベリさんの『優雅なハリネズミ』、これ、感動しました!

これ実は、350ページ以上あり、部分的にかなり抽象的な論議もあったりするのですが、はっきり言って、そこは斜め読みでも大丈夫。とにかく途中でやめないで最後までいけば、イイ場面がたくさん出てきます。陳腐で申し訳ないですが、心が暖かくなるのです。

主な登場人物は3人。まず、本当は教養ある女性なのですが、それをひた隠して生きる家政婦のルネ。でもなぜ隠すのか? 隠し続けることがほんとにいいことなのか……?

2人目はパロマ。この12歳半の天才少女は、今度の誕生日に自殺することにしています。だって、生きてたって、どうせ「金魚鉢」に入るだけだから! と彼女はいいます。彼女にはお金持ちのブルジュア両親と、「最悪の」姉がいます。

3人目が、日本人のオズさん。2人がいる高級アパルトマンに越してきます。そして……

正直言って、このまま難しくなったらまいるなあ、と思う箇所もあるんです。が、信じてください、読み続ければ、イイ場面が待っています。そして、それ以上です……

(あんまり言いたくないのですが…… 抽象的な話の部分は、やや訳が荒い箇所があるようです。原文を見たほうが分かりやすいのですが、原書は高いし……。だからちょっと分かりにくくても、ご自分を責めないように!)

では来週の水曜日、日仏学院で会いしましょう!