2008年11月9日日曜日

私小説的


東京は、だいぶ寒くなりました。もう11月も半ばなので、当然と言えば当然ですが。

今日は日曜ですが、ふと気が向いて学校に行ってきました。もちろんガラガラ、ではあるんですが、そこは理工学部、研究室がある5階のフロアーには、今日も(多分)実験に来ている学生の姿がありました。

実は2,3日前、研究室用の小さな電気ストーブをスーパーで買いました。机に向かっている時でも、足元に置いておけるくらいの小ささです。今日が、そのストーブの début となりました。

で今日読んだのは、『耕治人全詩集』です。この本は、約1ヶ月前、「バルベリ&谷口」の準備に入る直前に、1度読みました。が、1ヶ月も経つと忘れちゃいます。(ほんとにこの頃、どんどん忘れます!「としゃあとりたくねえねえなあ!」 by Shimura) とはいえこの本は、厚くもないし、作品も難解ではないので、読むのは楽です。

ちょっと面白かったのは、「自筆年譜」です。いや、面白かったというのは語弊があるかも。(たくさんの別れがあります。)なんだか、私小説を読んでるような感じなんです。

ああでも、「私小説」なんて言うと、それってどうよ、と感じるかたもいらっしゃるでしょう。私小説をけなすのは簡単です。でも、私小説の良さももちろんあります。

耕治人の年譜は、ほんとに小さな、ごく個人的なことがらが中心になって進んでいきます。でもその流れをよく見ていると、背後に戦争や、治安維持法や、結核の脅威や、社会的としか言いようのないことがらが滲み出してくるのです。

個人を書くときには社会を意識すること、社会を描くときには個人を意識すること……。これ、小説を書くときの、心得の一つだそうです。

さて、またまた一週間が始まります。だんだん年末も近づき、みなさんお忙しいことでしょう。今週も元気に過ごしましょう! 暖かくして!(ああ、でもまだ衣替えしてなかった……)