2008年12月20日土曜日

惑星


今日は土曜日でしたが、大学に行きました。というのも、ディジタル・コンテンツ系大学院の「特別講義」に参加するためです。

今日の講師は、宮内勝典(かつすけ)さん。それに彼のメルトモ(?)であるという、田口ランディさんもいらっしゃいました。(でもお二人は、今日が初対面だそうです。)

とにかく、とてもいいお話でした。色々印象に残ったんですが……

まずはアイデンティティー(以下ID)の話。なんというか、世間では、IDを探したり、IDを確立したりすることが、「よいこと」だということになっています。が、どうしてでしょう? 人はどこかに、たとえば「○○株式会社」や、「○○部」や、「○○サークル」などに、帰属したがるものですね。そしてそれが、IDとなる場合もあるでしょう。もちろん、「○○国民」とか、「○○族」、「○○教団」でも、同じことです。

今、「帰属したがるものですね」と書きましたが、みなさん、そこ、抵抗ありませんでしたか? 

宮内さんは言います、この帰属欲求が、戦争をもたらすのだと。そう、国VS.国、宗教vs.宗教…… それぞれに帰属したもの同士の戦いです。

でもね、今たとえば「東京vs.埼玉」が行われないのはなぜか。そんなことバカバカしいから? いや、それは東京都民も埼玉県民も、より大きな帰属先=「日本」に属しているからのようです。げんに昔は、藩と藩の争いはあったわけです、「日本」がこんなに強大になる前は。ということは……

人間が何かに帰属したがる限り、戦争はなくならない…… 宮内さんはそう言います。ただし、ひとつ可能性があるのは、わたしたちみんなが、「地球」に帰属してしまうこと。少なくとも、精一杯の想像力で、この惑星での出来事を思い描くこと…… そうすれば、夜空を落下してゆく爆弾を見て、「花火みたい」とは言えないでしょう。だってそれが落ちるところにも、誰かが住んでいるはずなんですから。

とにかく、IDについてこんな風に言っているのは初めて聞いたので、驚かされました。宮内さん、すごい人です。

                   ◇

というわけで、わたしはめでたく、年内の大学業務を終了しました。(みなさんより少し早くてすみません! でもどうせまだ研究室には行くし、休み中にやらなきゃならない「業務」も、少なくはないんですけどね。)あしたはとうとう決勝ですね。お笑い芸の真髄を見せていただきましょう!