2009年8月30日日曜日

幸運・2!



今年の1月20日、オバマ大統領が誕生しました。これはもうそれ自体、1つの事件でした。

今日、日本の選挙はこんな結果になって、なんだか革命的な印象さえありますが、これが特別な一日になるかどうかは、もちろん今後次第ですね。(でもまあ、最初の1年くらいは、どうしてもドタバタするでしょう。そして投票した方々は、そんなことも、きっと「折り込み済み」なのでしょう。)

今世界に、理想の国家があるでしょうか? もちろんありません。じゃあ過去にあったか、あるいは未来になら存在するのでしょうか? 答えは、全部 NON ですね。そんなものはありはしないと、わたしは思います。

今の政治が40点くらいだとすると、これからの4年間が、そうですねえ、もしも50点にでもなれば、とてもよかったと言えるのでしょう。なんなら、45点くらいでもいい気がします。(大学て言えば、全部「不可」の評価にあたるわけですが。)それにしても、マスコミのはしゃぎようは、スゴイですねえ。

                 ◆

さてさて、選挙のことは置いといて、今日は1ついいことがありました。(一昨日もあったわけですから、これは「幸運・2」と呼べるでしょう。)実は白水社の改訂版のカバーラフが出来てきて、これがなかなかステキなんです! ぜひみなさんにも見て頂きたいのですが、まだ出版前なので……(Désolé !)

可愛いタイルを並べる、というイメージだったのですが、カオリンが見事に作ってくれました。1つ1つのハートも、グラデーションがあるので、全体に動きが感じられます。カオリンに、感謝♥

東京は、明日、台風接近とか。でも明日は、渋谷の左右社まで行く予定になっています。電車、止まらないでね! みなさんも、どうぞお気をつけて!

2009年8月29日土曜日

アフリカ


今日は土曜日。わたしはちょっと大学(ガラガラ!)に行ってきましたが、わが同僚たちは清里で学会です。


司会役の管さん、波戸岡さん、それに院生の宇野澤君やパコも参加しています。いい学会になることを祈っています。(それにしても、環境文学なんてのがあるんですねえ。)

そういえば、明治大学がやっている市民講座があるのですが、その中のある人気講座が本になっています。(画像)

アフリカ本はたくさんありますが、この本は、歴史意識を持ちながら、常に現代を意識しているところが素晴らしいです。しかも、いろんなエピソードのそれぞれも面白いし。アフリカを救え、というんじゃなく、アフリカから学べ、という姿勢も、他の本とちがうところ。世界中に「アフリカ」はあるんだ、というのも、ここに集まったメンバーならではの切り口。コンゴ人宣教師(学者でもある)の話もとてもリアルで、しかも読みやすい。アフリカのことに興味があるなら、これはとてもいい本です!
      ♥
さあ、明日はついに投票日。♪ 行かなくちゃ、投票をしに行かなくちゃ、雨の中を……

2009年8月27日木曜日

幸運!


10日ほど前、『東京詩』のオビのことを書きました。わたしにすれば、「夢のような人」にお願いしている、と。

これがなんと、まさか実現してしまいました! 書いてくださったのは、吉本隆明さんです。(こうやってお名前を打つだけでも、ちょっと緊張します。)『言語にとって美とはなにか』を一所懸命読んでいた学生時代のことを思うと、とてもとても、フシギというか、モッタイナイというか…… それに吉本さん、今はお身体が絶好調というわけではないのに、きちんと書いていただいて、嬉しいやら、申し訳ないやら……

そしてこれが実現したのは、左右社の小柳さんのおかげです。(この前の日曜も、小柳さんの署名批評をご紹介しましたね?)小柳さんの行動力がなかったら、このオビはありえませんでした。ありがとうございました! 

『東京詩』のことは、ここでも何度も書いてしまいましたが、最終的には、組みもきれい、フォントもきれい、装丁も素晴らしい、そしてオビまで完璧! という、とんでもなくいい結果になりました。J'ai eu de la chance ! 幸運でした!

というわけで今日は、吉本さんと小柳さんに、感謝……

可愛い生徒たち


というわけで、高校生プログラム、今日はわたしが担当させていただきました。

まあなんというか、とてもいい感じ ♥ の生徒さん達で、わたしとしてはとても楽しく時間を過ごすことができました。参加してくれた生徒のみなさん、どうもありがとうございました!

1時間半の予定だったのですが、結局 2時間50分やってしまい、生徒さんのみなさんはお疲れ様でした。話としては、世界でフランス語が通用する地域、から始めて、その歴史的背景である植民地主義の話、wiki が言語ごとに書かれている内容が違う話などに進み、その後は「あなたのフランス度チェック」をして、締めには「シェリーに口づけ」をちょっと歌ったりしました。

今日出会った生徒のみなさん、あっちこっち飛びながら色々だべってしまいましたが、昨日今日のみなさんを見ていると、とても羨ましく思います。みなさんは可能性そのものです!(いや、ほんとに!)どうぞこれからも、色んな機会をとらえて、どんどん吸収していってください。「就職のために、なにか資格でもとろうか」なんて小さなことは考えず、これを勉強すると就職に有利だ、なんて考えず、思うままに吸収していってください!(本気で言ってるんですよ。)

高校生プログラム、とても楽しかったです!

2009年8月25日火曜日

今シーズン


今日は涼しいという予想で、実際涼しかったんですが、まあそれでも動けば汗が出る程度ではありましたね。

そろそろ秋のコンサート・シーズンが近づいて来ました、というか、それに合わせてチケットを探す季節が、ということですけど。

今シーズン、わたしにとってハズセナイのは2つ。まずは9月のBEPです。BEPはさんざん聞いたけれど、まだライブを見たことがないので、だいぶ楽しみです。つい2,3日前、やっとYahoo オークションで買えました。値段は、そんなに上がっていません。

もう一つは、11月の新国立、「ヴォツェック」です。これは、もしかしたら1番好きなオペラかもしれません。話自体は、浮気した奥さんを殺すという暗~いものですが、作品はすごい。そしてこれもまだライブは見たことがないので、ぜひぜひ行きたいです。(さっきYahoo オークションで見たら、D席が4000円前後で出ていて、オペラお試し価格としても、かなりリーズナブル。)

これだけでも、少しは雰囲気が感じられるでしょうか?


う~ん、やっぱり面白い! 

もう1つ、もちろんビヨンセも見たいです。でもこれ、チケットが高すぎるような…… VIP席とやらが20.000円です。(オークションだと25.000 円くらい。)だいたい、VIP席っていうネーミングもイヤだし。どうしましょう。

高いと言えば、まあ仕方がないけれど、ウィーン・フィルもいつも通り高いです。でもまあ、明らかに横綱だし、人数も多いですからね。ライプチヒ・ゲヴァントハウスも来て、これはそんなに高くないし、11月4日は、バッハのvl コンツェルトとマーラーの1番。わたしにとっては魅力的な曲目です。

5月に行ったコルテオが、11月以降再演されるそうで、これもできればもう1度見たいです。

こうやって並べると、並べるだけでも楽しそう! そしてもちろん、こういう予定を手帳に書き入れるときは、やっぱり、会議の予定を書くのとは気分がちがいます!(そりゃあねえ)

2009年8月24日月曜日

100歳

昨日、テレビのクイズ番組の問題で、「今年で生誕100年を迎える、さよなら、さよなら、で知られる映画評論家は?」という問題がありました。

もちろん、淀川長治のことなんですが、ああ、彼は生きていれば今年で100歳なのか、と、ちょっと不思議な気がしました。

都心に行くと、いわゆる有名人を見かけることは珍しくないですが、淀川さんは特に、3回以上見かけた気がします。まあ、いつも四ツ谷駅でしたから、そんなに偶然じゃあないのかもしれませんが。

映画を見るとき、あるいは小説を読む時などもそうですが、登場人物のうち、比較的自分に近い人に感情移入する、という傾向があるようです。そしてその延長として、たとえば「わたし」が若い男だとしたら、若くてきれいな女優さんに注目してしまう、ということも、起こるかもしれません。けれど、淀川さんはちがった、という文章を読んだことがあります。

彼は、たとえば女優さんの美しさにも、男優の美しさにも、なんならそれ以外の美しさ(だけではないでしょうが)にも、同じように敏感に反応した、というのです。だから彼の批評は、いわば「女だけ見てる男」の作品理解に比べると、はるかに自由、はるかに闊達だった……

根底には、もちろん、映画への愛があるのでしょうね。

2009年8月23日日曜日

朝刊より


処暑ですね。東京は曇ってます。

さて、今日の朝日新聞の朝刊に、我らが左右社の敏腕編集者、小柳学さんの署名書評が掲載されています。(書評欄)対象になっている本は、あのコミックエッセイ、『日本人の知らない日本語』。これを、水村美苗の『日本が亡びるとき』と比較したりしています。どうぞご一読を!
というわけで、『日本人が知らない日本語』、夕方出たついでに買ってきて、今読み終わりました。う~ん、たしかになかなか面白いですね。880円ですから、やや厚い文庫と同じくらいかな。ということは、読むのに2時間はかからないので、文庫ほどお得ではないけれど、高いわけでもないのでしょう。(本というのは、「基本、安い娯楽」という面があるのは否定しがたいですよね。)
                                               今日は、先日収録したCDの見本版ができてきた(はや!)ので、それをチェックしたりしてました。今週は木曜日に、高校生を対象とした授業の第2弾があります。さ、今週も元気でまいりましょう!

2009年8月21日金曜日


まあこういうこともあるのね~、と思ったのが、ついさっき。何の気なしに、古本の検索を次々に試していたのですが、もう1年以上出なかったある本が、ついにありました! 大正14年発行なので、半分以上あきらめていたのですが、ラッキーでした。到着が楽しみです。

ここまで書いたので書名も書きますね。それは、『鳶色の月』(梶浦正之)です。すご~くマイナーな詩人です。なにしろ、明治大学図書館にさえ1冊もありません。東京では、法政の図書館にありました。……というくらいマイナー。で、3500円でした。高いのか、安いのか? まあ買える値段でよかったです。

それで思い出しましたが、買えない値段の欲しい本の代表が、黒田三郎の『小さなユリと』です。この本に収められた詩は、他の本(思潮社文庫とか、全詩集とか)でも読めるのですが、オリジナルは、美しい挿画が入っています。これがね、状態にもよりますが、たいてい5~7万! します。これじゃ買えないです(涙)。

いつからか(というか、だいたい30年くらい前から)、本が大量生産大量消費される時代に入った、と言われます。本が読み捨てられる時代、というわけです。個人的には、そういう流れには抵抗があります。が、(たしか金井美恵子が書いていたのですが)読んで捨てられるなら、それは幸福なこと、なぜなら、返本&裁断の憂き目にあう本も多いのだから、という(書き手からの)意見も読んだことがあります。たしかにね、とりあえず読んでもらえたら、一応幸福だと考えるべきなのかもしれません。

でへんな連想ですが、面白い本というのは、こちらに何かを考えさえる本だ、何が書いてあるにせよ、考えさせない本は面白くない、という見方を読んだこともあります。たしかにね。

で、そういう面白い本は、手元に置いておきたい気もするし、考えた時点で、もう自分の一部になったとも言えるし…… Qu'en pensez-vous ?(どう思いますか?)

2009年8月20日木曜日

このこ


で今日は、急遽「白水社・改訂版」の装丁打ち合わせを開くことになり、午後4時、神楽坂にあるデザイナーの事務所に集合しました。

このブログもいつの間にか1年以上になり、誰がどんなふうに登場したのか、ほとんど覚えていないのですが、この「デザイナー」とは、もうすでに5回一緒に仕事をしているカオリンです。バリバリやってるフリー・デザイナーで、数年前に流行った「メガネ男子」という企画を最初に始めた女性です。

で、白水社の重鎮を交えて、アーでもないコーでもないと約1時間。なんとか方向を見出せたように思います。キーイメージは、敷き詰められたタイル、です。出来上がりが楽しみです!(しかもここまでくると、わたしは解放された感じ。ホッ)

でそのあと、重鎮と2人で近くのお蕎麦屋さんに。この店、以前は市ヶ谷にあったのですが、人気があったのでしょう、数年前に神楽坂に移転しました。そして、以前通りおいしいです。


この店、肴がほんとにおいしいです。今日は時間も早かったし、まあ軽く一杯だったのですが、食べたのは、生しらす、馬刺し、生湯葉、鱧の湯引き、このこ、です。どれもいいお味。特に、初めて食べた「このこ」は、「このわた」の兄弟(?)で、ナマコの卵巣だそうです。これがねえ、おいしかったです!

もちろん、蕎麦もうまいです。蕎麦屋で飲むのがお好きな方には、ぴったりです。

というわけで、昨日列挙した「お抱え」が1つ減り、他もじわじわ減っています。なんだか昨日は、すごく追い込まれた感があったんですが、ちょっと過剰反応でした。でもまあ、もう少しがんばります!

2009年8月19日水曜日

イッパイ?


今は午後9時半を回ったところですが、涼しいです。やっと夏になったと思ったら、もう終わりそう!

それはそうと、なんだか、忙しいです。まあ、わたしなんかよりはるかに忙しい方々もたくさんいらっしゃること、重々承知しています。が、キャパの狭いわたしとしては、けっこう一杯一杯です。

まず、『東京詩』の最終ゲラ。今日もほぼ1日これでしたが、なかなか終りが見えません。明日も続くでしょう。

それから「まいにちフランス語・10月号」のゲラ、これの締め切りが……明日! がんばらないと!(これに関連して、質問事項が列挙されたメールが来てたような、来てなかったような…… いや、たしかに来てました、だからアキ子さん、知ってはいます!)

それから白水社改訂版の帯。これもずいぶん考えましたが、そんなにいいのは浮かびませんでした。コピーライターの才能、ありません(涙)。でももう少し考えます。(←しつこい)それからこの改訂版の装丁。これはもちろんわたしがやるわけではないんですが、第1案はイマイチだったので、やや心配です。これは忙しさには関係ないんですが、心理的には、かかわってる感じ。

それから、これはレナさんとやるビッグプロジェクト(←おおげさ)の一部で、レナさんが作ってくれたものを、わたしが確認することになっています。これは、とてもたくさんの人がかかわっている仕事で、今はその大事な滑り出しなので、慎重に慎重に進めなければなりません。だから、プレッシャーがかかります。これもほんとは、明日か明後日に、ちゃんと時間をとってやらないとなんですが。

それから…… あれ、たったこれだけ? やっぱり、本人が思うほどはないもんですねえ。しょうがない、がんばります!

2009年8月17日月曜日

放射エネルギー


13日のブログの内容について、白水社からクレームが来てしまいました。団地の盆踊りで売ったビールは、「47杯」ではなく、「470杯」であると!! さすが、クレームのポイントが白水社です(?)。お詫びして、訂正いたします!

さて、今日は気の置けない友人たちと1日遊び、いい1日でした。そして夕方からは、左右社の若手編集者も加わり、半ば仕事の話でも盛り上がりました。なんだかもう、遊びと仕事の境界がチョーアイマイ。ま、それはむしろ望ましいことでもあるんですが。

その編集者が今日届けてくれたのは、封書の束。実は『東京詩』では、約50の詩を引用させてもらっているのですが、まだ著作権が切れていない場合は、当然、引用する許可を著作権者にもらわなければなりません。封書は、左右社が手配してくれた「許諾をお願いする手紙」への返信で、ありがたいことに、お願いした全員(1人だけまだ返信なし)に許可を頂くことができました。

『東京詩』という本は、はっきり言って、わたしの書いた部分などどうでもよくて、引用された詩を味わって頂ければ、それが1番。わたしが少しでも役に立ったとしたら、それは、とりあえず詩を探してきた、ということくらいです。そういう意味で、全員に許可してもらって、ほんとにホッとしています。詩人のみなさん、著作権者のみなさんに、感謝。

そしてそうした詩人の1人に、あの鈴木志郎康さんがいらっしゃるのですが、今、彼の展覧会が開かれています。


詩は「意味」なのか? 「音」なのか? 「音楽性」なのか? 鈴木さんの詩が登場したことで、詩を「放射エネルギー」においてとらえる、という感覚が生じたと言われています。ああ、たしかに!

2009年8月16日日曜日

オビ


今日、東京はついにカンカン照りで、わたしとしては、この夏1番夏らしいと思える天気でした。もちろん暑いですが、夏はこうじゃないとね。

なにごとも、実現するまでは実現していないという、しごくもっともな事実が、もういい加減身に沁みているわたしではありますが、それでもやっぱり、つい実現を期待してしまう事柄というものはあるんですね。で、今、まさにそういう状態にあるのが、『東京詩』の帯なんです。

帯は、たとえば担当の編集者が考えたり、著者自身が案を出したりして、未来の読者に向けてメッセージを書くわけです。が、時に、今言った場合とは違い、別の作家、多くはビッグネームが、「これ読んでもいいかもよ」というようなメッセージを、著者たちになりかわって書く場合というのもありますね。

実は今、この後者の方向で、ある交渉(というかお願い、というか一生のお願い!)が進んでいて、うまくいけば、書いて頂けそうなんです。その人の名を、すごく発表したいんですが、さすがにまだ「実現していない」今、それはやめておいたほうがいいですね。実現すれば、わたしにとっては夢のような出来事です。

帯と言えば、先日CD収録した白水社の場合は、まさにケース1で、今担当者とわたしで、あーでもないこーでもない、と考えています。ついでに自画自賛すれば、このCDなかなかデキがいいので、そのへんのことを書こうとしています。どうなるでしょう!?

さて、お盆も終わり、だんだん日は短くなり、虫の声もだんだんかまびすしくなり、そろそろ北国からは雪の便りも……(←ウソ) とにかく、今週もはりきってまいりましょう!!

2009年8月15日土曜日

le 15


今日は図書館も行きたかったので、ちょっと大学へ、行ったはいいけれど、図書館はお休み! そうでした。今週はお盆休みでした。ま、いいんです、来週でも。

で15日の今日は、終戦記念日、と日本では言われていて、中にはあえて、敗戦記念日、なんて言う人たちもいますね。

さっきNHKのニュースを見てたら、韓国の大統領が演説していて、今日は「日本の植民地支配を脱した記念すべき日だ」と話していました。これを聞くと(というか聞かなくても)、終戦か敗戦か、とは、別の視点があることが分かります。

そしてその後NHKでは、(出だしの数分を見ただけですが)核の問題を取り上げていました。今だったら、(プラハの演説の後で)、廃絶か抑止かという感じの論議になるんでしょうか? もしそうなら、安保の問題も議論されたのでしょうか? (多分、されてないでしょう、いつも通り。もちろん、されてたほうがいいと思いますけど。)

こうなったら、『東京詩』にも使わせてもらったこの詩を、ここでも引用しちゃいましょう。64年前の、今日です。



   昭和二十年八月十五日午後東京駅
   正面降車場広場                     及川均

だまつていた。
だまつて拡声機の前に立つていた。
壁がくずれていた。
赤錆びた鉄骨の間から空が陥ちていた。
莫大量の重さをせおつて。
そして風呂敷包をさげておれは歩き出した。

2009年8月14日金曜日

KIRIKOU


18日まで、タダ(Encore !)で『キリクと魔女』が見られます。


これは昔、たしか恵比寿の映画館で見たような。また見ます!

2009年8月13日木曜日

無事終了


昨日は、無事収録を終えることができました。

まずは2時に銀座(というかむしろ築地でした)のスタジオに集合。レナさん、彼女の友達のドゥテさん、元局アナで今はフリー・アナウンサーのレイコさん、そしてわたしを含めた4人が、音声吹込み担当で、あとは白水社から2人。大御所&若手(女性)のホープです。

まずは、CD用の、テキスト本文の収録。これは4人でやりました。最初の驚きは、レイコさん。それまで話している時は、とりわけアナウンサーという感じもなかった(失礼!)のですが、これがいったんマイクに向けてしゃべりだすと、え? 同じ人? というくらい、誰が聞いてもアナウンサーという声。これにはレナさんもびっくりしてました。プロって、すごいもんですねえ。

聞けば彼女、ここで、「誕生、~~~」と言っているのは、レイコさんだそうです。


う~ん、昨日の今日だから、お顔が浮かんで変な感じ!

これ以外にも、飛行機内のアナウンスとか、こちらが意識しないところで活躍なさっているようです。おもしろそうな仕事ですね。

で話を戻すと、本文の収録(3時間ほど)が終わった後、今度はわたし以外の3人で、テキストにある練習問題の答えを収録します。これはCDには収まりきらないので、白水社のHPで公開の予定です。もちろんタダ! です。

で、ここでレナさんとドゥテさんはお役御免。まだこれから用事があるというので、2人とはここでお別れ。

で最後、今度はわたしが、どうでもいいような「おしゃべり」を取ります。これはまあ、完全にあってもなくてもいいようなものなんですが、せっかく練習問題の答えをアップするから、じゃあついでにあいつにも少ししゃべらせて、枯れ木も山のにぎわいにしよう、ということになったのです。これも、もちろんタダ。(そりゃあね。)でもなんだかんだで、30分くらいはしゃべったでしょうか。

練習問題の答えも、この「おしゃべり」も、これから編集して、たぶん10月末にはアップされるでしょう。そのときはまたお知らせいたしますので、よろしければちらっと聞いてみてください、なにしろタダですから!

その後、太っ腹な白水社のおごりで、近くの寿司屋へ。なんでも築地で1番うまい、という評判の店。さすがに行列ができてます。

で、もちろん寿司もおいしかったけれど、レイコさんや、スタジオのスタッフなど、初めての人たちとの会話は、もっとおいしかったです! 1つ、なぜかその流れになったのは、「8月1日土曜日」、どこで何をしていたか、です。一人は団地の盆踊りで生ビールを47杯(!)売り、一人はショーの司会をやり、一人は下高井戸で成瀬巳喜男の映画を見、一人は生田で2つの会議に出ていた(涙)というわけです。

みなさんはその日、なにをしてらしたでしょうか? (彼は、大学院の入試だったはずだな。)

2009年8月11日火曜日

サン・パコ


今日はひさびさに大学に行き、パコと昼御飯を食べました。ま、モントリオール反省会、という感じで。

前にも書きましたが、「パコ」というのは、「フランシスコ」の短縮形だそうです。ということは…… 

「パコ・デ・ルシアは、じゃあ、フランシスコ・デ・ルシアなの?」
「そうです!」
「じゃあもしかして、ザビエルは、パコ・ザビエル?」
「そうですね、それでいいと思います。でも、彼は聖人だから、まあ、サン(セイントですね)・パコ、かな?」

サン・パコ! なんか可愛いです♥ 

さて、明日は銀座でCD収録です。フツーこういうときは、ただ見てればいいんですが、今回はそれなりに読むところがあるんですよねえ。まあ、なんとか頑張ってきます! 

2009年8月9日日曜日

パチパチ!


今日の東京は、メチャメチャ蒸し暑かったですね。

今週の水曜日、ある参考書の改訂版につけるCDの、収録があります。でついでに、出版社のHPに短いおしゃべりもアップしようということになり、今日はそのための原稿を作っていました。ただ、原稿と言っても、そもそも「おしゃべり」ですからね、そんなにきっちりしてる必要はないんです。どうせその場で、違うこと言いそうだし!

この収録は、レナさんも手伝ってくれます。それ以外にも、ネイティヴの男性と、女性アナウンサーも1人ずつ。うまくいくといいんですが。(ま、いくでしょう!)

そしてそして、「モントリオール旅行記」、一応65枚で終了いたしました! (パチパチ!)一応、というのは、引用の部分をうろ覚えで書いているので、これからモトを確認しなければならないからです。でもまあ、これは時間さえあればできるので、大丈夫でしょう。

(発表はいつになるか? それはこれからなんです。というのも、これはあくまで共同研究の枠内の仕事なので、みんなの原稿がそろってから、やっとその相談に入る、という感じでしょう。なにしろ、現地調査に行ったのはわたしが最初で、これから出発というメンバーもいるからです。気長にいきます!)

さて……

これで一段落したので、次は『東京詩』の最終ゲラ直しです。これは今週半ばに到着する予定。早く来ないかな~

さて、今週はお休みもあるのでしょうか? とにかく、元気にいきましょう!

2009年8月8日土曜日

彼女のいる背表紙


時に、手元にあるのだけれど、ちょっと空いた時間に読むっていうのがもったいなくて、時間があって体調もいい時に読もうと思って大事に取っておくうち、結局なかなか手に取れず、いつもいつも気にかかったまま、という本があります。

最近では、『彼女のいる背表紙』(堀江敏幸)がまさにそんな本でした。(それにしても魅力的なタイトル!)で、今日やっと読み始めたのですが…… 

堀江さんの本は、もう安心して読めるのに、それでもこちらに、いい緊張感を強いてくるところが素晴らしいです。ちょっと、ピリッとします。

わたしは商売柄、こういうエッセイ集からネタを頂くこともあります。まるで、10年前から知ってたような顔をしてしゃべる(!)わけです。はっきりいいましょう、ネタ満載です! だからみなさんは、決して読まないでください!(←まさか本気にしないですね?)

最初のほうに、ああ、これは今は無き「高田馬場パール座」かな? と思う文章があります。パール座は、もう閉館して20年くらい経つでしょうか? 今の学生諸君にはピンとこないでしょうが、わたしたちが学生だった頃は、そもそもレンタル・ビデオなんてものが存在しなかったので、映画を見るのは映画館でした。で、お金もないし、当然パール座のような、2本立て3本立てで、しかも面白そうなものがかかっている「小屋」(なんて言い方は、わたしはしませんでしたが)に行くことになります。

パール座で見た映画は随分ありますが、一番印象に残っているのは、『天井桟敷の人々』です。映画を見た、という気がしました、長いしね。(後になって、パリでアルレッティを見かけるなんて、その時は考えもしませんでした。)

本を読んでなにかを思い出すってのは、悪くないですね。

2009年8月7日金曜日

1791年


今日はやっと、東京は夏らしい天気でした。ま、立秋ですけど!

昨日今日と、「モントリオール旅行記」を書いてます。今、50枚ほど。まあ、シェイプ・アップすると、少し減るでしょうけど。あと10枚くらいで終わる予定です。(なんと、予定よりだいぶ早いです!)

それに関連して、ハイチの歴史を調べていた時、今まで見過ごしていた事実に気づきました。それは……

ハイチは、最初の黒人共和国として、1804年に独立します。ナポレオン軍を破った、というのが、「歴史」という感じがします。まあそれはいいとして。

ただ、考えてみたら、1804年というのは、1789年より後です。革命前の王様たちに多くは望めませんが、革命後の国民議会は、その理念からいって、ハイチの奴隷たちも解放したのでしょうか? これが、残念ながらそうじゃないんですね。

国民議会は、島からの「アガリ」(=利益)を確保するためには、奴隷制は必要だ、と考えていたようです。ヤレヤレ。

さて、数日前にブックマン・エクスペリアンスをご紹介しましたが、この「ブックマン」というのは、1791年、奴隷のリーダーたちを集めて、反乱を組織したヴードゥー教の司祭、ブックマン・デュッティの名前からとられているそうです。彼自身は、まもなく白人に捕えられ、殺されてしまいますが、彼の運動が1804年につながっていくわけです。(画像の右端がブックマン)

世界でフランス語を使っている人のうち、フランス本国に住んでいるのは、約3分の1のみです。

2009年8月4日火曜日

Lynda Thalie


昨日、「旅行記」を集中して書いたので、今日は「休日」と勝手に決定し、一日オキラクに過ごしました。

午前中は、とりあえず昨日書いたものを推敲。これはむしろやりたいくらいなので、仕事感がありません。で、昼御飯を食べに立川へ。やや奮発して寿司屋のランチ、1360円也。それからHMVで視聴しまくり、先週さんざん迷ってやめといたCDをやはりget し、今度は本屋へ。

今日は気分で、歴史と人類学のコーナーでしつこく立ち読み。なんと読んでない本の多いこと! 一生かかっても、全部は読めません……

そのあと早めに家の近所に戻り、ちょっとスタバへ。で、プリントアウトしておいたものを使って推敲の続き。うまいこと、書いた分については第一次推敲を終了させました。

で、気をよくして、そのまま近所のバッティング・センターへ。暑いのに、カップルやら親子やら来ています。わたしも2回やったのですが、2回目の途中で体力切れ。ちゃんと振れなくなっちまいました!

それから急いで帰ってシャワーを浴び、早くも梅酒に突入! ああ、毎日こうだと楽なんですけど!

ところで、例のハイチ・フェスティヴァルの、別のコンサートに登場していたのが、Lynda Thalie (アルジェリア系カナダ人。詳しくは wiki を!)です。彼女のアルバムも、これはモントリオールのHMVで(13ドルで)買ったのですが、その1 曲目はこれでした。


でもこれって、あの曲ですね?


今見たら、もともとはBee Gees の曲らしい(バーバラ・ストライサンドも歌っていたけど)です。なんだか、面白いですねえ。

2009年8月2日日曜日

あと5か月


今日も東京は一日ジトジト。これはたしかに、フツーではないですね。なにしろ8月2日なんですから。

でも待てよ、8月、ということは、今年もあと5か月! なんだかなあ、がんばらないと。

というわけで今日は、「モントリオール旅行記」、少し進めました。もちろんまだまだ出だしですけど。これは50枚が目安なんですが、最終的には、今回の共同研究の他のメンバーたちの書いたものと、一つにまとめる予定です。まあ、自分のところはともかく、他の4人の箇所は面白そうなので、そういう意味で楽しみです。

実は昨日の2つの会議で、大学の前期日程は一応終了しました。(会議の招集がない限り。)次に大学で仕事をするのは、8月末の「高校生向けプログラム」の授業です。そう、この前やったような1回限りの授業を、今度は別の高校の生徒さん達にすることになっています。でもこれは、むしろ楽しいくらいで、ちっとも苦にはなりません。

で、どんなに遅くても、それまでに「旅行記」仕上げたいと思っています。できれば、本当は20日くらいまでに。(とここに書いて、多少自分へのプレッシャーにしているわけですね。)

明日はやっと晴れそうです。今週もはりきってまいりましょう!(※画像右は、「世界の女王マリア大聖堂」。ホテルのすぐ隣りでした。)

2009年8月1日土曜日

無料ライブ


土曜日ですね。今日はこれから学校です。その前に、「前回の続き」を。

                     ❦

そしてそのCDを買った店を出たのですが、ふとその店のドアを見ると、おお、「ハイチ、大好き!」というフェスティヴァルの告知が。ええと、これは…… 今週じゃん!

さらによく見ると、明後日、公園内の野外ステージで、無料コンサートも開催されます。よし!

というわけで、行ってみました、théâtre de verdure !

お客さんの、そうですねえ、40%くらいが(わたしを含めて)visible minority (見て分かる少数派)です。夕暮れ、風が吹いていい雰囲気。

そして登場したのが、まずは Boukman Eksperyans。やっぱりね、You Tube にどっさり発見。たとえばこれはどうでしょう;


ライブ、よかったです!