2009年9月30日水曜日

H3K9



3週間ほど前、ネット上にこんなタイトルの記事がありました。(日経プレスリリース)

東大先端科学技術研究センターなど、
生活習慣病の発症に重要なエピゲノム制御を解明
生活習慣病の発症に重要なエピゲノム制御を解明
肥満をもたらす遺伝子修飾
-ヒストンH3の9番目リジンの脱メチル化制御分析により明らかに-


ただしこの記事は、準備なしで読んでもチンプンカンプン。そして昨日、朝日新聞の朝刊に、まさにこれと同じ内容、しかもそれをかなり噛み砕いた形にした記事が出ました。すごくうまく整理されている、とまでは言えませんが、記者が苦労して噛み砕こうとしているのは伝わってきます。(29日付朝刊・18面)

あれは20世紀の終わり近く…… 人間(だけじゃないですが)にはDNAというものがあり、それが「すべて」を決めているので、それを解読できれば、ほんとにたいていていのことは分かるかもしれない。ただ1人1人のDNAは長大で、それを全部読むのはほとんどムリだろう…… なんて言われていました。

ヒトゲノム計画が終了した今から見ると、なんだかずいぶん昔のことのような気がします。そう、DNAは読み解かれ、しかし、「すべて」が分かるなんてことは、まったくないのでした。

で、エピゲノムです。このエピゲノムは、そもそも定義からして難しい。

エピゲノム=DNA塩基配列以外の(1)DNAのメチル化 と (2)ヒストンの修飾で維持・伝達される遺伝情報。

素人の理解では…… 1つのDNAが、1つの役割に対応しているわけじゃない。たとえば、遺伝子Aは心臓、遺伝子Bは爪、などとなっているわけじゃない。そうではなく、DNAの配列は同じでも、働く遺伝子の組み合わせを変えて、いろんなものが作られている。たとえば、心臓は遺伝子A, C, M、爪なら遺伝子A, F, G という具合に。

だとすると次の問題は、この働く組み合わせやタイミングは、どうやって決められているのか、ということですね。そこで登場するのが、メチル基という分子です。このメチル基がDNAにくっつくと、それはいわば鍵のかかった状態になり、そのDNAは活動することができません。(転写されることはない、ということなんでしょう。)

そしてまた、DNAが巻きついている「糸巻き」ともいえるヒストン(という名のタンパク質)。このヒストンがみっちりひっついて並んでいる部分でも、DNAは活動できないそうです。

たとえば、あるメチル基を外す酵素を持たないマウスがいるとします。つまりそのマウスは、ある部分のDNAにカギがかけられ、使えない状態になっているわけです。そしてその遺伝子が、もし脂肪燃焼の促進に関わるものだったら…… マウスは太っていくのでしょう。

DNAは変わらない。でもエピゲノムは、栄養状態によってさえ変わるそうです。ということは、薬が効くかもしれない、ということだそうです。なるほどね~

理科、面白いです!

2009年9月29日火曜日

From where...


ゼミ初日、「東京詩」は14名、「フランス映画」は定員一杯の20人です。

今日は、とりとめなくわたしがしゃべった後、自己紹介をしてもらいました。それぞれ、東京への思い、映画への思い、を含めて。

とはいえ、その「思い」がマイナス向きの人、つまり、東京は嫌い! なんて学生もいるんですね。ただ、それでも数あるゼミの中から、しかも必修でもないのに履修するからには、プラスにしろマイナスにしろ、ある種の感情的反応が自分の中で起きてはいるのでしょう。(ですよね?)そういう意味では、「嫌い」も歓迎です。まあ、そういう意味じゃなくても、歓迎はしますけど。(映画は嫌い、という人は、さすがにいませんでした。)

「東京詩」のほうでは、出身地も尋ねたのですが、ず~っと四国、ず~っと板橋、大阪生まれでNY育ちで現在渋谷、という学生までさまざまです。そう考えると、大学もまた、いろんな出会いの場所でもあるわけですね。いろんな場所、いろんな時間……

ゼミは楽しいです!

2009年9月28日月曜日

次の旅


気がついてみると、すでに大学の後期授業が始まっています。今年もあと3か月ちょっと。あら~、いつの間に!

今日は授業はなかったのですが、もろもろの仕事を片付けに大学へ。で、4時半、待ち合わせしていたレナさんが研究室に来てくれて、そのすぐあと、モントリオールでお世話になったパコも到着。2人は初対面です。

レナさんと進めている新企画、そろそろ本気にならなければならない時期になってきました。ところがこの仕事、実は当てにしていた重要メンバーが抜けざるを得ないことが判明し、レナさんもわたしもかなりショックを受けています。それでも、締切はどんどん近づいてくるので、進めないことには仕方ありません。進めます!

で今日話して、パコにも少し協力してもらうことになりました。パコは、カナダ風のアクセントでも、フランス風のアクセントでもフランス語を話せるのですが、今回はそれが役に立つ予定です。(なんだかあいまいですみません。もう2カ月もしたら、大公開させていただきます。)

さて、明日は後期のゼミの第1回です。新メンバーと、こんどはどんな旅でしょう? 

2009年9月27日日曜日

脆弱性の窓


福岡ハカセ本、これで6 冊目となるのは、『もう牛を食べても安心か』(文春新書)です。

福岡本はいつもそうなのですが、そしてそこが魅力なのですが、本の内容は、単に「もう牛を食べても安心か」どうかということに収斂するというよりも、それを考えるスリリングな過程に重点が置かれています。もちろん今回もそう。正直言って、このタイトルだけでは手に取らなかったと思いますが、そこは福岡本、やはりおもしろいんですね。

たとえば、なぜ狂牛病が消化機構をすり抜けたか、つまり、どうやったら消化されずに消化管から体内に入り、リンパ節に滞在し、やがては脳にまで侵入できたのか、というテーマについて語る場面では、牛の赤ちゃんの免疫システムについて書かれています。(もちろん人間の場合も。)それによると……

「すべての生物には、その発達プロセスにおいて、「脆弱性の窓」があると考えられている。臓器や組織における細胞分化や発達の途上、あるいは神経系や免疫系などのシステムの構築途上にあるとき、特に環境からのストレスや侵襲、干渉をことさらうけやすい、ある特別なクリティカル・ピリオド(=決定的な期間)が生物にはある……」(p.118)

牛の赤ちゃんは、初乳に含まれる高濃度の抗体を効果的に受け取るため、消化管のタンパク質分解酵素のレベルを下げ、さらに、消化管壁にある細胞間隙のバリアーを部分的に開いて、抗体を急速に体内(血液内)に取り込めるようにしているのだそうです。(なんだか、美しいですね!)

ところが、かつてイギリスでは、こうした牛の赤ちゃんたちから母乳を奪い、しかも、水で溶いた肉骨粉を飲ませていたのです。そしてもし、そこに狂牛病(をもたらすモノ)が含まれていたら…… そのモノにとって、子牛たちの体内に侵入するのは、とてもたやすいことだった……

基本的には、人間の赤ちゃんも同じ。赤ちゃんの免疫力が高まり、腸内細菌が増えるまで、やっぱり母乳がいいようです。はやい乳離れは、危険かも……

ほんとにすごいですね、生物というシステムって! (そしてそのシステムは、もちろん、動的平衡そのものなのですね。)

2009年9月26日土曜日

もっと浜辺を!


土曜日、東京はいい天気でした。

今日は、慶応大学で行われた日本フランス語学会の例会に、参加してきました。テーマは2つ;

1)「フランスの広告の中の言葉遊び」 
2)「直接目的語に現れる文照応詞 ça と le の比較考察」

1) のほうは、具体例が豊富でおもしろかったです。たとえばこんなのはどうでしょう。easyJet という航空会社(画像はスタッフ)の広告だそうです。

En juin, elles sans foot ! Sous les talons, la plage !

このキャチコピーの後ろには、ハイヒールがサッカー・ボールを踏みつぶしている画像があるんだそうですが、だとすると;

「6月、彼女にサッカーなんていらない! ヒールの下は、浜辺!」くらいでしょうか? つまり、elles sans foot は elles s'en foutent (「~はどうでもいい」)でもあるんですね。もちろん「6月」は、ワールドカップの季節で、その熱狂にウンザリしている女性たちをターゲットにしているのでしょう。6月なら、ヴァカンスも近いし。

そしてさらに、後半部分の背後には、このセリフが見えますね。

Sous les pavés, la plage !  「敷石の下は、浜辺だ!」

これは、1968 年の5 月革命の時壁に書かれていたという、有名なセリフです。学生たちは、敷石を投げて戦ったんでしょう。でその後には、浜辺、つまり「自由」が! ということだったんでしょう。

短いキャッチコピーですが、色々隠れてますね!

2009年9月25日金曜日

すてっぷ表


さて、月曜からの再放送ですが、batayam が「すてっぷ表」を作成してくれるそうです。Merci !  みなさんも、どしどしご利用くださいませ。

BEP !!!


23日の夜、ついに見ることができました、Black Eyed Peas 日本公演です。

場所はさいたまスーパーアリーナ。席はわりとステージに近くて、メンバーの表情もよく見えました。そのメンバーというのは、もちろん、

・will.i.am(ウィル・アイ・アム)    アフリカ系
・apl.de.ap(アップル・デ・アップ)  フィリピン系
・Taboo(タブー)           メキシコ人とネイティブ・アメリカンの両親
・Fergie(ファーギー)         メキシコ、スコットランド、アイルランド系

ですね。この中のアップルとタブーは、今までそんなに注目していなかったのですが、ナマで見ると、2人ともかっこよかったです。アップルはニコニコしてるし、タブーは精悍。隣の女の子は、タブーのファンのようでした。

開演直前、大音量で会場に流れていたのは、あのJ.B.のSEX MACHINE 。BEPもJ.B.が好きなんですね。(J.B.の曲を、取り上げてもいるしね。)

というわけで盛大に開幕。まあ当然ですが、アリーナ席はいきなり総立ち。(このあと2.5時間立ちっぱなし!)もちろん最新版のThe E.N.D.からの曲が中心ですが、途中には、Monkey Business やElephunk からも、ヒット曲を演奏してくれます。本音を言えば、やはりMonkey Business が好きなわたしは、Don't Phunk With My Heart やPump it が聞けて、うれしかったです。そうそう、中盤には4人それぞれのソロも挟まれ、われらがファーギーは3曲歌いました。(ここは残念ながら、聞きたかったLondon Bridge は登場せず。)

そしてwill のソロでは、なんというか、1人DJ のパフォーマンスです。これがねえ、すごい! DJって、これ だったんですね。もう、リズムと揺らぎの神が憑依したよう。そしてその波動が、こちらにも伝わってくるんです……

ライブって、やっぱり楽しいです。アルバムを聞いたり、ヴィデオ・クリップを見たりしただけでは分からない、ミュージシャンの「世界」みたいなものが見える気がしました。(ちなみに、ファーギーはかなりセクシー、というか、きわどい感じで踊ったりもするのですが、その踊りも踊るときの表情も、なんともプロっぽい感じ。パフォーマンス、というか。ああいうプロっぽい感じ、わたしは好きです。)

BEP のメンバーは、もちろんみんな年下ですが、ちょっとあこがれちゃう感じでした。次に生まれるときは、will.i.am がいいかな!?

では最後に、スマップも2人飛び入りしました。(これいいの?)

そしてこれも。Pump it !!

2009年9月24日木曜日

『キャラメル』


先日の『シリアの花嫁』は、イスラエルとシリアの国境あたり、ゴラン高原を舞台としていましたが、今回見た映画『キャラメル』の舞台は、レバノンのベイルートです。

レバノン、と聞いただけで、いまだに戦闘の記憶がついて回りますが、この映画の主要場面は美容院であり、3人のヒロインはそれぞれ元気に美しく、かつての戦闘のイメージからはずいぶん離れています。予告編はこちら。


ストーリーとしては、この3人のヒロインの恋の行方が中心になります。恋? まあそう言っていいと思います。映画としては、画面もきれいだし、飽きるところはないし、見ていて楽しいです。フランス人らしき老紳士も登場し、彼が出てくる場面は主にフランス語での会話になります。そういえば、美容院の店名は "SI BELLE"です。(ただし看板のBは、いつも逆向きに垂れ下がっています。)

3人の女性の中でも、中心となるのはラヤーナ(画像・左)なんですが、実は彼女(Nadine Labaki)、この映画の監督でもあります。まだ30台前半なのに、大したものですねえ。

彼女は、これまでにいくつものヴィデオ・クリップの監督もしてきたそうです。その中には、アラブ世界のスターたちも交じっています。たとえば、こんな作品。Nancy Ajram の Enta Eih という曲です。


画面の艶が、『キャラメル』とそっくりです。そもそもNancy Ajram がスターになったのは、以下の Akhsmak Ah のヴィデオ(もちろんLabaki 監督)が切っ掛けだという見方もあるようです。


岐阜県ほどの大きさというレバノンから来た、チャーミングな映画のご紹介でした。

2009年9月22日火曜日

もうすぐ再放送


まいにちフランス語「ナミのおいしいパリ日記」、と打つのも久しぶりな気がしますが、来週月曜日から再放送が始まります。再放送ではありますが、ゲラを見直したり、季節に合わせて内容を変えたりして、準備を進めてきました。少しでも、新しいリスナーのみなさんの役に立てればいいのですが。

もちろんNHK講座の場合、リピーターの方も多くいらして、なんだか2度も聞いていただくのは気が引けるんですが、まあ、タダなので、いいか!?(ラジオは、受信料いらないんだそうです、テレビとちがって。でも考えてみれば、ラジオなんて、その辺の家電店で買うだけで、すぐに聴けます。契約も何もいりませんね。)

思い出すと、初めのころは、硬かったんですよね、特に女性講師のかたが! しばらくしてから、なんであんなに緊張してたんだろう? とご本人も言ってました。

ちなみにテキストは、すでに配本済みです。どうぞよろしくお願いします!

ça か le か?


秋は学会のシーズンですが、今週末、慶応大学でも、日本フランス語学会の例会が開かれます。学会に入っているかどうかは関係なく、誰でも入場自由&無料のようです。

◇◇◇◇258回例会◇◇◇◇
9月26日(土)15:00-18:00    

慶應義塾大学 三田キャンパス 西校舎525A室
【研究発表】  
(1) 志村佳菜子(慶応・院)「フランスの広告の中の言葉遊び」 
(2) 稲葉梨恵(筑波・院)「直接目的語に現れる文照応詞 ça と le の比較考察」

http://lapin.ic.h.kyoto-u.ac.jp/belf/seance21.html  (←2か月未更新ですが)

2つ目のテーマ、これはわたしにとって、この2年くらい気になっていて、イマイチうまく説明できた試しがないものです。ちょっと聞いてみなくてはなりません!

2009年9月21日月曜日

Yの旅


理系本5冊目は、おなじみ福岡ハマセの『できそのないの男たち』(光文社新書)。なんとまあ、あきれるほど面白かったです。

タイトルだけだと、なんだかストレス社会の男たちへの挽歌、という趣ですが、実際は明らかに理系本です。この「できそこない」というのは、生物学的に、ということにほかなりません。

男と女を比べると、それは女のほうが丈夫なんだ、っていうような話は、たびたび目にします。この本の中でも、それはもう徹底的にその点が明らかにされます。たとえば、男女の平均寿命の差は、本当に環境因子(ストレスが多い、とか)だけなのか? もしそうなら、なぜ、世界のあらゆる地域で、そしてあらゆる年齢階層で、常に女が長命なのはなぜなのか? それは、そもそも生物学的な出発点がちがうからではないのか? ということにもなります。

でもこの本は、そこいらで断片的に耳にするような話のレベルではまったくありません。特に、「Y染色体の旅」、つまり人類以上における「男」の旅を、Y染色体に注目して読み直すあたりは、感動します。もしかして自分も、チンギス・ハーンの子孫か? なんて想像したりして。そうなんです、Y染色体を調べれば、それが分かるかもしれないんです!

スリリング、とは昨日も書きましたが、これは今日も書かなくてはなりません。きわめてスリリングです!

2009年9月20日日曜日

スリリング!


理系本4冊目は、またまた福岡伸一、『プリオン説はほんとうか?』です。この本、「タンパク質病原体説をめぐるミステリー」と副題がついているのですが、まさにその通り、質のいいミステリーを読んでいるときの興奮に似たものを強く感じます。

狂牛病が話題になったのは数年前ですが、この問題はまだまだ終わってはいないようです。つい数日前にも、全頭検査の是非をめぐっての長文が、朝日新聞に掲載されていました。

わたしは知らなかったのですが…… 人間の細胞は、1ミリの1/30くらい。で、それを「人間の拳」くらいに置き換えたとすると、いわゆる細菌(コレラ菌とか)は「米粒」くらい、そしてウイルスは鉛筆で書いた「点」くらいなのだそうです。

ところが、伝達性スポンジ性脳症(羊ならスクレイピー病、牛なら狂牛病、ヒトならヤコブ病)の場合、その病原菌はウイルスよりもはるかに小さい、そう、遺伝情報を乗せる核酸を持てないほど小さい、ということが分かったのでした。でも待てよ、その病原菌、増殖するんじゃ? そのためにはDNAがいるんじゃ?

しかもこの病気に対して、生物は免疫反応を示さない、ということは…… 病原菌というより、それは生体内由来のもの? がん細胞みたいに?

で、登場したのが、異常型プリオンタンパク質犯人説。生体内にもともとあった正常型プリオンタンパク質が、この異常型と接触することで、ドミノ倒しのように次々に異常型に変わり、それが脳にたまる、そして神経細胞を死滅させる。なるほどそれだと、上記の条件に合っているようにみえます。そしてこの説を提唱したプルシナーは、ノーベル賞を受賞します。でも……

福岡ハカセは、この「プリオン説」を丹念に検証します。そのプロセスはまさにスリリング。導き出された結論も、は~、なるほどね~、と、素人なりに深いため息を誘われます。いや、なかなかすごい本です。

というわけで、完全に福岡ハカセにハマッテしまいました! もっと読んじゃお!

(この『プリオン説はほんとうか?』は、とてもおもしろいのですが、ベストセラーになった新書に比べると、だいぶ固いです。もしも福岡本を試すなら、2冊目以降にしたほうがいいかもしれません。)

2009年9月19日土曜日

i-pod CF


土曜日ですね。

2006年の11月と言いますから、それなりに「前」のことですが、その頃の i-pod のCFです。フランス語の歌が使われてました。


Prototypes(画像) の、Who's gonna sing ? という歌です。よろしければ、上記のYou Tube の近くにヴィデオ・クリップがあります。(でも、Prototypes って、最近あまり聞きません。わたしが知らないだけ?)

2009年9月18日金曜日

コッテリ


今日はちょっと涼しかったので、たまにはラーメンでも、と考えていた時、思い出しました、最近、わりと近くにラーメン「花月」ができたことを。

その場所には、実は「吉野家」があったのですが、その店が撤退し、今は「花月」になっているわけです。「花月」は、名の知れたチェーン店ですね。わたしもクルマで走っていて、時々見かけます。ただ、今までに1度しか入ったことがありませんでした。

♪ あれは10年前、夜中、少し、おなかすいて~
 クルマ飛ばして行った、池袋の店

(もちろん「喝采」のメロディーで。)

で、行ってみると、わたしと入れ違いで、5人の大学生(全員男の子)がドヤドヤと出て行き、するとなんと、小さな店は貸し切り状態に。新しいから清潔だし、静かでいいです。ゆっくり夕刊も読めるし。

お味のほうは、まあフツーにおいしいかなあ、と思って食べていたのですが、そこに生ニンニクを3個搾り、あの「激辛壺ニラ」を投入すると、オオ! ぐっとおいしくなりました! こんなにコッテリしたラーメンを食べるのは、ほんとに久しぶりですが、たまにはいいですねえ。

これは、また行くことになりそうです。(ただし、翌日に人と会う予定がないときのみ!)

2009年9月17日木曜日

おくりびと、他


来週、ついに地上波にも登場するという『おくりびと』、遅ればせながら、昨日やっと見ました。

以下、ネタバレにならない程度に書くとすると…… 約2時間の映画ですが、まったく飽きることなく、堪能できました。なんとなく、もう少し重いものを想像していたのですが、とても風通し良く作ってあって、感心しました。回想を含めた時間の処理も、伏線の張り方も、まったく正攻法。それも好感が持てました。全体として、いい映画だと思いました。

DVDで見たのですが、音の響きが、特にチェロを弾く場面では、ライブ過ぎる気がしました。ただ監督は、「音に対する繊細なアプローチ」が達成できたと言っているので、映画館だと違うのかもしれません。

わたしは昔から山崎努が好きなんですが、今回もよかったです。彼はいいですね。(というか、一番良かったかも。)

そういえば、来月、アヴィ・モグラヴィの特集が日仏会館であります。これ、見たいです。


で、彼の最新作が上映される山形国際ドキュメンタリー映画祭では、ギー・ドゥボールの特集上映もあるそうです。これは日本初とか。


今、4部屋向こうの倉石研究室のドアには、この映画祭の大きなポスターが燦然と輝いています。ギー・ドゥボールは、たとえばこんな感じ。(本編が始まるのは、1分35秒あたりです。)

2009年9月16日水曜日

シグモイド・カーブ


そして次に読んだのは、同じ福岡真一著の、その名も『動的手平衡』(木楽舎)です。

これは、前回挙げた新書のキーワードでもあったので、もしかしたら、あまり新しい内容はないかな、とも思いましたが、いえいえ、全然そんなことはなくて、こちらも充実した内容でした。この『動的平衡』はハードカバーなのですが、むしろ2冊の新書より読みやすいかもしれません。

本の場合、あまりネタバレ的なことを書くのもなんなので、やや中途半端な書き方になってしまいますが、たとえば……

第1問! コラーゲン、お肌にいいという噂のあのコラーゲンは、サプリで摂った場合、どれほどの効果が期待できるのか、それが低分子化されていれば、効果はアップするのか、はたまた、コラーゲン入りの軟膏を、肌に直接塗ったほうが効果的なのか……?

答えは本を見て頂くとして、ヒントは…… タンパク質は、どれもアミノ酸の組み合わせでできているそうです。アミノ酸は20種類あるわけですが、それをいくつもいくつも繋げるわけなので、タンパク質の種類は数千万に及んでいると。で、人間が摂取したタンパク質は、すべて、消化酵素もろともアミノ酸に分解され、つまり、タンパク質(文)はアルファベ(アミノ酸)に分解され、その後体内に吸収され、今度はそれらのアルファベ(アミノ酸)を繋ぎ直し、意味も長さもまちまちな文(タンパク質)を再合成する……

第2問! 同じ量(カロリー)を食べるとして、一気のドカ食いと、チビチビ食いでは、どちらが太る? その理由は?

ヒントは…… 画像(シグモイド・カーブ)です!

福岡先生(青学だそうです。)の授業、受けたくなってきました!

2009年9月13日日曜日

理系本、2冊


2年前くらいにベスト・セラーになった『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一)、なんとなく読むきっかけを失っていたのですが、最近続編の『世界は分けてもわからない』が出たので、これはいいチャンス、まとめて読んでみました。分子生物学、というもののようです。(両方とも、講談社現代新書。)

今回読んだ2冊は、かなりおもしろかったです。前者は、60万部出ているそうで、読んだ方も多いと思いますが、「動的平衡」をキーワードに、スリリングな論が展開していきます。生物は、静的なシステムではなく「動的平衡」なんだ、しかもその「平衡」は、エントロピーの増大に反して保たれているのだ、でもそれはどうやって? という話。いいですねえ。

後者は、計算されたとりとめなさで、論が進められていきます。そのいくつもの断片が、とても刺激的。で、昨日「Borders」のことを書きましたが、偶然(?)、この本の中でも、いくつもの「境界/界面」にスポットが当たっています。そして引用されるのが、「Border and Sight」という、渡辺剛の写真集でした。(画像。「スイスーフランス」)

この写真集は、たとえばメキシコとアメリカの国境の柵を、その両側から映して並べたものなどが含まれています。でもこれ、その柵そのものを跨ぐことはできないので、いったん飛行機に乗って、2つの空港間を移動し、また柵まで戻らなければならなそうです。う~ん……

具体的な、そして目に見える境界、具体的で、でも(人間の)目には見えない境界、観念上の、無数の境界…… 

2冊が面白かったので、もう少し「理系本」を続けるつもりです。そういえば今朝の朝日の書評欄にも、生物を「モノ」ではなく「コト」として、つまりプロセスとしてとらえている本の紹介がありました。書評の言っていることがビンビン分かったのは、この2冊のおかげです。

2009年9月12日土曜日

Lemon Tree


東京は雨の土曜日です。この1週間で、ずいぶん気温も下がりましたね。

昨日、「シリアの花嫁」のことを書きましたが、アラン・リクリス監督(画像左)は、すでに次の作品を公開しています。「Lemon Tree」です。


主演は、「シリア」と同じヒアム・アッバス(Hiam Abbass ・画像右)。う~ん、とても見たい感じですねえ。でも、今ちょっと調べた限りでは、日本公開の情報が出てきません……

「シリアの花嫁」については、こんな番組もありました。(Merci, Batayam !)


ここでリクリス監督は、「borders」という言葉を使っていますが、実は彼、まさに「Borders」というドキュメンタリーも撮っているようです。これも見たいですが…… 

2009年9月10日木曜日

シリアの花嫁



春に(東京では)岩波ホールで上映していて、行きたいと思いつつ果たせなかった映画、「シリアの花嫁」を、地元の小さな映画館で見ることができました。

結論から言うと、素晴らしい映画でした。公式サイトはここ。


このサイトの紹介をコピペすると……「イスラエル占領下のゴラン高原。若き娘モナがシリア側へ嫁いでゆく一日の物語。一度境界を越えてしまうと、もう二度と愛する家族のもとへは帰れない。それでも、女たちは未来を信じ、決意と希望を胸に生きてゆく。」となります。

この映画、本当に色んな切り口から感想が出てくるんだと思います。政治、国、宗教、民族、ナショナリスム、そして家族、父、母、男、女…… もっとあるでしょう。

でここでは、敢えて(ちょっと無理して)「フランス」に的要素について触れると(というのも、あわよくばフランス映画ゼミで見せられないかな、と思ってしまうからなんですが)…… 映画中に一人、フランス人の若い女性が登場しています。

ジャンヌという役名の彼女(Julie-Anne Roth という女優さんです。)は、ゴラン高原の国連事務所で働く国際赤十字委員会のスタッフです。モナの結婚式が行われる「今日」は、ジャンヌにとっては最後の勤務日、そしてモナをシリア側に移動させる仲介をするのが、ジャンヌの最後の仕事になるのですが……

またジャンヌは、結婚するモナの次兄であるマルワンのex-copine (モトカノ)でもあります。気まじめで、清潔な感じのジャンヌが、絵にかいたような遊び人であるマルワンにどうして引っかかっちゃたのか、そのへんのことは一切描かれていませんが、2人を見ていると、なんだか切ない気もします。

映画の中で、なぜジャンヌがフランス人だと分かるかというと、折に触れ、彼女がフランス語で話すからです。たとえば、電話している時、分からず屋の役人に怒るとき、そして、もう一人の英語話者の女性スタッフと話している時も、ふとした時にフランス語が混じります。

映画全体は、アラブ語とヘブライ語でできているそうです。(わたしには区別がつきませんでしたが。)そこに英語とフランス語が混じってくるのは、とても単純ですが、映画で描かれていることの背後に、厳然と世界がある、あるいは、この映画と世界は切り離せない、というヒントである気がしました。

どうやら、10月にDVDにもなるようです。ぜひ!

新装幀、発表!



先日、白水社の新刊情報コーナーに触れましたが、どうも宣伝部の方(ですよね?)が気を使ってくださいました。で、早くも新装幀がアップされました! Merci !


ね、ちょっと可愛いでしょ!!わたしは気に入っています ♥ 

旧装幀は、やはり緑と黄色を基調にしたストライプで、そこにぼかしを入れ、さらに、その上にガラス細工のハートを置いた感じ、というイメージに合わせて、「歪みのソフト」を使ってストライプを曲げていったそうです。カオリンいわく、「なかなか左右対称に歪まない!」というわけで、たまたま(?)うまく歪んだものが採用になったわけでした。

今回は、すでにご紹介した通り、「ハート型のタイルを敷き詰める」だったので、うま~く映像化してあると思います。すごいですね、デザイナーって。

(なんだか装幀の話をしていると、つい力が入るというか…… これはもう、誰の本とかいうことじゃなく、装幀の話そのものが好きなんですね。でも、みなさん好きですよね?)

で、最後にダメ押しの宣伝もしておくと、今回はとにかく、77分48秒(くらい)入ったCDがウリです。(で、表1にも大きく書いてあります。)もしよろしければ、使っていただければ幸いです!

2009年9月9日水曜日

君知るや


今日はちょっと用事があって府中という街へ。ここは伊勢丹もあって、なかなか栄えてます。

昼御飯は、最近話題になることも多い餃子の王将へ。王将っていうのは、わたしが知る限りでは、どこも繁華街の中心からちょっと離れてるんですね。この府中の店も、かなりひねったところにありました。

で、メニューを眺めると…… おお、「餃子定食」なんてのがあります。餃子(2人前)とご飯、スープ、キムチ。これで700円弱です。(+150円で、餃子を3人前にもできるようでした。名づけて「スーパー定食」。少なくとも2人、頼んでる人がいました!)

本当は、焼き餃子より水餃子のほうがわたしは好きです。(その点、大連万歳!)王将の餃子は、まあ、フツー。(なんて言ったら怒られちゃう?)それよりも、食べていて、一つずいぶん昔のことを思い出しました。「餃子定食」、がキーワードです。

その店は、新宿紀伊国屋の地下街にありました。どちらかいうと汚い店で、でも学生の頃は、足繁く通いました。その店の名は、「餃子会館」。ちょっといいでしょ?

この店では、ほとんどいつも「餃子定食」を頼んでいた記憶があります。(ほかに何があったか、覚えてないんです。でも、入口に食券の自販機があったのは確かだから、それなりに色々あったのかもしれません。)

「餃子会館」は、なんということのない店でしたが、餃子好きのわたしには、いい店でした。今、いったいどれくらいの人が、あの店のことを覚えているんでしょう。まったく、季節が流れ、お城が見えそうです……

2009年9月8日火曜日

二人零和有限確定完全情報ゲーム


涼しいかな、と思いきや、昼間は意外に暑かったりして、イマイチ身体がついていかない感じの今日この頃、みなさん、夏バテなど出ていませんでしょうか? 左右社の若手編集者は、おたふく風邪です!(ってこれは夏バテじゃない?)彼の場合は、ちょっと根を詰め過ぎたかもしれません。お疲れ様でした。

わたしも今日、大学に行こうと思って出発したのですが、その前にちょっと1000円カットに寄り、ついでに本屋ものぞいて新書と雑誌を買い、ガソリン(高くなってます!)入れて洗車して、残った水滴を拭き始めたとたん、雨が!

というわけで、なんとなく大学まで運転するのが億劫になり…… そのままスーパーで弁当買って、帰っちゃいました! これもまあ、夏バテの一種なんでしょうか?

で帰ってみると、NHK出版のアキ子さんから速達が。中身は…… 11月号のゲラでした。もうそんな時期ですねえ。

                ◇

昨日だったか、たまたま wiki で見かけたんですが、わたしも時々する将棋って、分類上は「二人零和有限確定完全情報ゲーム」に入るんですね(ってなんのこと?)。全プレーヤーの利得の和が常に「零」で、可能な手の数は「有限」で、麻雀やトランプと違って偶然が入り込まず(=確定)、各プレーヤーがそこまでの相手の手についての「完全」な「情報」を持っている(トランプだと、相手の手が見えないですね。)、そういうゲームだというわけです。なるほどねえ。

そういえば大学でも、教職員「二人零和有限確定完全情報ゲーム」大会、みたいな催しがあるようなのですが、これは場所が、駿河台校舎(お茶の水)なんです。さすがに、二人零和有限確定完全情報ゲームをするためだけに、あそこまで行くのもねえ。これが生田で開催されるなら、ぜひ参加するんですが。二人零和有限確定完全情報ゲーム大会!

2009年9月6日日曜日

Didier Drogba


いくつかのことが一段落し、今は(一昨日触れた直しをしながら、)わりに静かな生活です。一番近い締め切りが10月5日なので、おお、1 か月もあります!(とはいっても、これは1 週間ではとてもできないんですが。)ただ、10月になると、あとは来年 7 月くらいまでずっと(まちがいなく)忙しいのが分かっているので、嵐の前の静けさ、という感じもあるのですが。

で昨日は、サッカー「日本×オランダ」なんかも見たりしたのですが…… 面白くなかったですね。

わたしは「岡田ジャパン」にはほとんど興味がなくて、ただ超人的な、ファンタスティックな、信じられないようなプレーが見たいだけなのですが、昨日の日本チームに、そういうプレーはありませんでした。

でもオランダ・チームには、プレミア・リーグやセリエAで活躍する選手もいて、一言で言えば、日本とはレベルが違います。だから日本のいいところがでないのも、仕方ないかもしれません。

(前節のプレミア・リーグ、何試合か見たのですが、わたしとしては、チェルシーのプレーが見ていて楽しかったです。特にドログバ(コート・ディヴワール)は絶好調の印象。……なんて言ってますが、サッカーのこと、実はほとんど知らないんですけどね。)

そういえば、来年はWカップがあります。きっと盛り上がるのでしょう。ただ……

普段はさまざまな地域のクラブ・チームでプレーしている選手たちが、Wカップの時にだけ、それぞれの属する「国」の代表としてプレーする。しかも多くの場合、その「国」の植民地出身の選手が、旧宗主国の代表として……。こうした状況を、(サッカーの大ファンである金井美恵子は)「グロテスク」と呼んでいたように記憶しています。

でも、もう1カ月もしたら、なかなかサッカー見てる時間、ないだろうなあ……

2009年9月4日金曜日

ユルすぎ


今年の3月頃、「昭和」についてちょっと書いていました。その企画、細々とですが消えることなく着実に進んでいます。

これは以前にも書きましたが、この「昭和」本は元々タケちゃんの企画で、4人のオムニバス形式を予定しています。ボースでブレークし、今や新聞で見かけることも多い中島岳史さん、あの雨宮処凛さん、そしてあの能町みね子さん、そしてわたしです。わたし以外は売れっ子なので、企画がすんなり通ることを願っています。

で、わたし以外の方の原稿の一部が、「参考」という名目で回ってきたのですが…… これがなかなか面白い。たしかに、この調子で4つの「昭和」が並べば、何かが浮かび上がるかもしれません。でわたしも半年ぶりに、自分の原稿を見てみたのですが…… 

愕然としました、そのあまりのユルサに! たしかに春には、あえてユルク書こうとはした(ターゲットは学生、ということだったので)のですが、これはいくらなんでも、という感じ。で、今日から書き直しを開始しました。1週間もかからないとは思いますけど。

書くのって、難しいもんですね。書きにくいところに差し掛かると、つい「紋切り型」で逃げてしまいそうになりますが、そういう時って、上滑りしているのが自分でもはっきり分かります。だけどだからといって、力をこめて書けばいいというわけでもなくて、そういう場合は、えてして「自己惑溺」に陥る危険が迫っているようです。書きながら、書かれていくものを読むこと、と言うのは簡単なんですけど……

とにかく、全部直します!

2009年9月3日木曜日

ZERO


なんだか、めっきり涼しい東京です。このまま秋になってしまうのでしょうか?

今日は夕方、その涼しさに誘われてバッティング・センター(以下BC)へ。このBC、なんというか、な~んにもない通り沿いに、ポツンとあるのですが、なぜかそれなりに人がいて、秘かな社交場の雰囲気です。

たとえば今日は、2人組の小学生が2組、ニッカボッカ姿の若いお兄さんが2人、明らかに体育会系の男子大学生が2人、ちょっと女性的なファッションの男子大学生が1人、やはり大学生らしい、今風のファッションのカップル1組、そしてさびしげなオジサン1人(アタシだよ!)、というわけでした。

打ち終わった小学生が、ファンタを飲みながら休憩しているのを見ていると、これはどうしても、子供時代の記憶がよみがえります。月に1回程度、わたしは父親と、当時住んでいた大田区池上から、隣駅の蓮沼駅前にあるBCまで、ぶらぶら歩いたものでした。

あの頃は1ゲーム100円。ただし1000円出すと12回できるので、たいてはこれで、6回ずつ打席に入りました。そして…… 終了後の楽しみはファンタ・グレープ。瓶入りのもので、販売機の正面に取り付けられた栓抜きで王冠を弾き飛ばすのですが、これがなかなかデリケート。下手をすると少しこぼしたり、ひどい時は汚れた手がさらに紫に染まったりします。そして手の甲で賑やかに泡立つ炭酸! だからこの時も、バットを握るときとはちがった緊張感がみなぎります……

「これ、始めて飲んだよ」
「なに?」
「ファンタ・ゼロ・サイダー」
「あ、オレ、この前飲んだよ」

オジサンにも一口、とは、言いませんでした!

2009年9月1日火曜日

カルビス


というわけで、昨日は「校正日」だったわけですが、恥を忍んで、編集者に見つけてもらったマチガイをいくつかご紹介すると……

まず、「カルピス」とすべきところを「カルス」、「ホトトギス」とすべきところを「ホトギス」、それから「遍在」とすべきところを「偏在」、などがありました。

まあ最初の2つは「ご愛敬」(ほんとに?)ですが、3つ目のはまずいですね。単にまちがっているだけでなく、意味がちがっているところがイヤです。これは、見つけてもらってほんとによかったです。(というわけで、本編では、もうまちがってません。)

昨日書いた「小さな調整」というのは、帯の表4(正面じゃない側)をどうするかです。昨日は、本の中で登場する詩人たちの名前を何人分か列挙する、という話だったのですが、今日もう1度相談した結果、約50人、登場する全詩人の名前を紹介しよう、ということになりました。400ページを超える厚い本で、この「厚み」そのものが一つのウリなので、特定の何人かではなく全員を、ということに落ち着いたわけです。

さあこれで、本当にやることがなくなってしまいました! あとは出来上がりを待つばかりです。

そしてそして、今日は9月1日、ついに白水社HPの「新刊情報」に、『フラ語入門、わかりやすいにもホドがある! 改訂版・CD付』が登場しました。(10月分のことろ) もうしばらくしたら、ここに表紙がアップされるでしょうから、そうしたら、どうぞ見るだけ見てください。カオリン入魂のハート・タイル、カワイイです!

さて、明日は朝から大学に行きます。雨模様ですが、涼しいからいいか!?

12時間校正


午前11時から午後11時まで、渋谷の(青学の西門の真ん前の)左右社で、ひたすら『東京詩』最終校正にいそしんでいました。疲れた~!

でも、恐れていた台風にはやられなかったので、よかったよかった。これで帰れないなんてことになったら…… 泊まりで校正!? 

とりあえず、これで校了し、あとはごく小さな調整のみです。完全に一段落。フ~~~