2010年1月31日日曜日

DOBET GNAHORE


コート・ディヴワール出身の女性歌手、DOBET GNAHORE (ドベ・ニャオレ・画像)をご存知でしょうか。

http://www.youtube.com/watch?v=rvSwxK5PWjk (←曲名は「Woman」の意。)

このところわたしは、彼女のCDと、彼女が参加している「Acoustic Africa」というアルバムをよく聞きます。

まずドベ・ニャオレのCDは、Na Afriki です。このCD が面白いのは、色んなアフリカの言葉(ディダ語、ウォロフ語、マリンケ語、リンガラ語など)で歌われていることです。(フランス語は使われていません。)もちろん、音も好き。

で彼女、この3月に、日仏のイベントに登場するらしいんです。楽しみです!

(そういえば、以前ここで Bisso Na Bisso をご紹介しましたが、このグループ名はリンガラ語だそうです。この前のアフリカ・ナイトの時、教えてもらいました。)

そしてもう1枚が、Acoustic Africa 。こちらも、まさにアコースティックなアフリカです。(そのまんまかい!)わたしは好きです。(ただこちらは、You Tube にいいのがありません。CDはYou Tube にあるものより、はるかに繊細です。)

いつか勉強しようかなあ、リンガラ語!

2010年1月28日木曜日

色々と

去年、左右社から同時刊行された3冊のうち、『本は読めないものだから心配するな』が重版になっています。(パチパチパチ!)気持ちは「シリーズ本」なので、こちらも嬉しいです。書評もとてもたくさん出ているし。

たとえば、火曜発売の「週刊朝日」の今週号。とても深く内容にコミットした、それ自体が一つの「島」であるような書評が出ています。どうぞご覧になってください。

そしてそして、管さんは早くも! 新刊の登場です。タイトルは『斜線の旅』。これがね、いいんです。装幀もそそられるし。

この本に収められた「旅」の中で、ここを読んでくださっているみなさんに特に読んでいただきたいのは、やはり「冬のフランス」です。ぜひ読んでください。紋切り型とは程遠い「パリ」です。

毎週顔を合わせる同僚ながら、このごろ管さんの文章の、密度というか、凝集というか、凝集ゆえの爆発というか、そうしたものがとりわけキラキラして見えます。まったくもって、他にない書き手です。

で今日、「現代詩手帖・2月号」がついに発売になったのですが、そこでは、管さんの書評(今福龍太編『アルフレッド・アルテアーガ+高良勉 詩選』)と、シリーズ本の仲間・波戸岡景太さんの(二十億光年ならぬ)「八・六光年の孤独」と並んで、わたしの大連旅行記の連載も始まっています。

この連載、当初3回ほどの予定だったのですが、都合で6回程度まで伸びることになりました。だんだん面白くなります(!)ので、よろしかった立ち読みでもしてくださいませ。(大きい書店には置いてあるはずですが、慎重を期すなら確認したほうがいいかも。)ちなみに、本文中に使われている二枚の写真も、旅行中に撮ったものです。(そのうち一枚は、たしかブログにアップしたような気がします。アカシヤの花のやつです。)

そして、2月4日のトーク・イベントが近づいてきたのですが、清水哲男さんがゾウハイで、「カラカラ天気つづきの東京。父の問題でこちらの心身もカラカラ状態。」とお書きになっていて、少し心配しています。

ゾウハイ: http://zouhai.com/

そうそう、じゃあついでにプチ報告を1つ。「フラ語シリーズ」の末っ子、「フラ語会話、恋ってどんなものかしら?」が重版です。この本、わたしも気に入ってるので、嬉しいです。よかったね、タケちゃん!(この本の巻末の<歌>を1つ2つ、「ナミの東京日記」でレナさんに歌ってもらう予定です。ナイス企画! と自画自賛。)

2010年1月26日火曜日

Indigènes


手元にあって見ていないDVDの中から、
『デイズ・オブ・グローリー』を見ました。

ご覧になった方はご存知ですが、
まだご覧になっていない場合、
このタイトルからどんな映画を想像なさるでしょうか? 
『栄光の日々』。
パッケージから戦争ものと分かるのですが……

これはよくあるアメリカの戦争映画に似て、
何らかのミッションを達成するために、
仲間の何人かを失いながら、
それでもなんとか「栄光」を勝ち取る、というような、
まああってもなくてもいいような映画じゃないか、
と疑ってしまいます。

(*以下、ネタバレあります。
でも、これはネタバレしてもしなくても、
そんなに変わらないと思います。)

実はこれ、
フランス・アルジェリア・ベルギー・モロッコ共同制作の作品で、
原題は Indigènes。
辞書には
「(植民地の)現地人」
とありますが、この語は、
フランスの「アフリカ植民地軍」の通称でもありました。

映画の舞台は1943年。
アルジェリアやモロッコで徴集された4人を中心的に、
物語は進みます。
彼らのうち3人は、
貧しく、文盲で、金のために志願しています。
残る1人はやや知的&自覚的な人ですが、
フランスを愛し、
同時に植民地の独立を夢想しています。
つまり、ナイーブすぎる……

そして彼らは、訓練らしい訓練も受けないまま、
戦闘の最前線に放り込まれます。
言ってみれば、フランス人兵士の盾として。
彼らが属しているのは;

http://fr.wikipedia.org/wiki/7e_r%C3%A9giment_de_tirailleurs_alg%C3%A9riens

であり、これはさらに

http://fr.wikipedia.org/wiki/3e_division_d%27infanterie_alg%C3%A9rienne

に組み込まれています。
そしてこの wiki のページの1行目に書かれているのは

... elle s'illustre particulièrement en Italie en 1943, puis en Alsace.

そうです、このイタリアとアルザスでの戦いが、
映画の主要場面にもなっているのです。
でも、 彼らがどんなに活躍しようと、
昇進はフランス人のもの。
「醜いアラブ人」はのけものなのです……

この映画は2006に公開され、
フランスでは300万人が見たそうですが、
日本では未公開でした。
映画としては、やや粗いところもなくはないと思いますが、
このテーマを作品化したこと自体、素晴らしいと思います。

13万人いたという Indigènes。
彼らの子供たちはまだ生きているでしょう。
タクシー・シリーズのサミー・ナセリ、
「アメリ」や「アンジェラ」のジャメル・ドゥブーズらが出演しています。

2010年1月25日月曜日

上寿司は700円



今日の東京は暖かく、いい日和でした。だいぶ陽も伸びて、それはなんとなく嬉しくなる自然現象ではあります。

で今日は、「ナミの恋する東京日記」の収録日でした。朝10時から3時まで。いつもの通りNHKの中のスタジオでの作業でした。で……

昼食は(と、すぐ食べ物の話になって恐縮です!)、NHK内の社員食堂。ここで食べるのは1年半ぶり。編集などを担当してくれているナオコさん、レナさん、そしてわたしの3人は、みんな仲良く上寿司・お吸い物付き(700円)。チーフのケンちゃんだけは、変わり揚げ定食・みかん付きです。

社食で700円というのは、やや高いのかもしれません。(まあ、今日はごちそうになったんですが。)でも、ちゃんと人が握ってくれるんです、機械じゃなくて。わりにスーパーの寿司を食べる機会が多いわたしの場合、その違いは嬉しいものでした。やっぱり、人が握ってくれたもののほうが、ずっといい感じですね。

その後スタジオに戻り、みなさんが再開前の打ち合わせしている間、わたしは録音の技術さんとちょっとおしゃべり。話は、NHKで使われているスピーカーに。

なんでも、現在使われているスピーカーを導入する際、その選定には3年もかかったとか。数十社の中から、まずメンテナンスや生産体制などがしっかりしているメーカーを選び、その上で、何回も何回もブラインド・テストを重ねたのだそうです。その時は、その日スピーカーを運び込んできたトラックと出会わないように、通常の駐車場には行かないようにまでしたと言います。ほら、たとえばトラックに「○×音響」なんて書いてあったら、ああ今日はあそこのメーカーのスピーカーか、と分かってしまうからです。う~ん、厳密です。

で、無事収録も終わり。その後は、ちょっと隣のスタジオに顔を出しました。というのも、そこでは中級編の収録が行われていたからです。ご担当は、澤田直先生です。

初級編がおちゃらけている(!)のに控え、中級編はとても知的で、格調高い番組になっているようでした。金曜日が楽しみですね!

それからもう1つ。NHK宛で時々お便りを頂くのですが(Merci !)、今日頂いていた中に、「ナミパリ」から勉強して、なんと仏検準2級の口頭試問までたどりついたという方がいらっしゃいました。これはねえ……すごいです。準2級といえば、大学のフランス文学科が1つの目安とするレベルです。もちろん、ご自身で相当お勉強しなければ、これはあり得ないことなのですが、まあほんの少しでもお役に立てたなら、とても嬉しいことです。ありがとうございました!

というわけなんですが、また来週早々には収録があります。さ、準備準備!

2010年1月23日土曜日

waves



大変申し訳ありません、「夜10時」ではなく、「朝10時」でした、ストリーミング放送! というわけで、わたしも完全に見逃しました……(涙) まあその時間は、ちょうど大学で打ち合わせ中で、どうせ見られなかったんですけど。

そうです、今日は土曜日でしたが、2つに会議と、3つの打ち合わせがありました。大学はそろそろ入試臨戦モードに入り、わたしたちも業務が増えてきてます。ただ今日は、2つの会議が両方とも短かったので、大変じゃなかったですけど。

ところで、このごろ vaio で「恋する東京日記」関連の仕事をする時、ほとんど流しっぱなしにして音だけ聞いている You Tube があります。これです;

http://www.youtube.com/watch?v=50_p7H-OYlk&feature=PlayList&p=C57B7E4A1A24DE7A&index=0&playnext=1

自然音の場合、わたしは音楽が入っていないタイプが好きです。CDも少しは持っていて、こちらももちろん使います。今は、蝉に鳴いてもらったりすることはありませんが、時には、部屋に雨を降らせたりはします。雨は、「心のシャワー」という面があります。(マジで。)洗われた、という感じです。

で、その後最初に聞く音楽! これがいいんですよねえ……

2010年1月22日金曜日

源流へ



昨日みたいに暖かいかと思えば、今日の東京はまたフツーに「冬」でした。でも、日差しはやはりありがたいもの。

今朝日新聞のスポーツ欄では、「源流をたどる・W杯の主役たち」と題された記事が連載中です。今までに、エトー、ロナルド、ルイスファビアーノ、メッシと、まさに「主役」級が並んでいます。

この記事は、彼らが生まれ育った町を歩いた印象や、その当時の彼らを知る人たちへインタビューなどで構成されています。これが彼らの「源流」だというのでしょう。そう、こうした彼らの源流を垣間見ることは、間違いなくカメルーンやブラジルの生活を想像するきっかけになります。

印象的だったのは、エトー(画像)の生まれ故郷、ギニア湾に面したドゥアラにある彼の生家と、その家の前に伸びる「サミュエル・エトー通り」です。

この通りの写真を見ると…… それは未舗装の、大小の石が転がる狭い道です。そしてそこここには水たまりができ、それは記事によると雨水と生活排水の混合物のようです。

まあ、エトーの雄姿とこの道のギャップに、ことさら驚いてみてもしかたないでしょう。でも、やはり彼にプレーの背後に、今後はこの「エトー通り」を想起しないわけにはいきません。

父親を知らないブラジルのエース、成長ホルモンの障害をかかえていたアルゼンチンのエース、平らな場所といえば水が引いた溜池しか知らなかったポルトガルのエース……

さあ、早くコートディヴワールのエースを紹介してほしいです!!

            ◇

明日の夜10時、われらがワイクリフ・ジョンやジョージ・クルーニーが音頭をとったらしい、MYVのハイチ・チャリティー・コンサートがあるそうです。下記でストリーミング放送するようです。豪華メンバーですこと!(もしかして、Imposs も出ないかなあ。)

http://www.mtvjapan.com/tv/program/sp_hopeforhaiti_now

そう、ハイチの記事はたくさんたくさんでましたが、印象に残ったのはこれでしょうか。(フランス語です。)

http://www.jeuneafrique.com/Article/ARTJAJA2558p018-019-bis.xml0/democratie-elikia-m-bokolo-independance-esclavagehaiti-fille-ainee-de-l-afrique.html

Lorsqu’on demande aux Africains ce qu’Haïti représente pour eux, beaucoup évoquent aussitôt l’indépendance de l’île caraïbe qui, en 1804, devint la « première République noire de l’Histoire ». Ils en conçoivent une fierté d’autant plus grande que cette indépendance a été acquise à l’issue d’une défaite coloniale, celle de l’armée française en l’occurrence.

アフリカの人たちに、彼らにとってハイチとは何か、尋ねてみるといい。多くの人がただちに想起するのは、あのカリブ海の島の独立なのだ。それが、1804年の<歴史上初の黒人共和国>誕生につながっていった。この独立は、植民地の破産と、当時この地を支配していたフランス軍の敗北なしには達成されなかったものだ。だからこそ、彼らが独立に対して抱く誇りはいっそう大きなものとなっている。

アフリカの人たちが、この「アフリカの長女(=ハイチ)」を誇り思うというのには、ちょっと打たれました。

2010年1月20日水曜日

焼き芋



昨日の火曜日で、わたしの今年度の授業は全日程を終えました。最後の授業は「フランス映画ゼミ」で、学生のみなさんに色々語ってもらおうと思っていたのですが、ついわたしが多めにしゃべってしまいました。学生のみなさんには、すみません!

でも1番最後の「全員一言」のコーナーでは、(もちろん「学生」という立場の習慣づけられた気の遣い方もあるのでしょうが)それなりに発見や相対化があったようで、嬉しく思いました。先週の映画は、厳密にはフランス映画とは言いにくい『シリアの花嫁』を選んだのですが、どうしても彼らにこれを見せておきたいなあと思ったからでした。わたしにとっては、去年見たベスト1です。

話は変わりますが……

近所のスーパーに買い物に行ったときは、そこで売っている焼き芋(¥120)を買って帰ることがよくあります。屋台で流して売っているものに比べると、やや味は落ちるとは思いますが、「やや」といってもほんのちょっとです。値段はずっと安いし。

で、焼き芋を買う時、みなさんは重くて大きいのを選んでいませんか? 実はそれ、必ずしも正解じゃないみたいなんです。

これはお店のお兄さんに以前教えてもらって、それ以来実行しているのですが、彼が言うには、焼き芋はむしろ太すぎないほうがいい、適度な太さのほうが甘いことが多い、のだそうです。

屋台ものには当てはまらないかもしれません。でも、スーパーの機械で焼いているものについては、わたしもたしかにそんな気がします。

そして芋を食べると、かつて某大学の控室でよくおしゃべりした、「農民作家」でもある年長の先生のことを思い出します。農家出身の彼のおやつは、毎日毎日、山盛りになったふかし芋だったそうです。その先生の語る午後の縁側の風景は、妙に心に残っています。

そうそう、わたしも小学生の時は、枯葉のたき火で焼き芋に挑戦したことがあります。もちろん、そんなにうまくできませんでしたが。

というわけで芋をかじりながら、「ナミ」の原稿は1歩ずつ進んでいます!

2010年1月18日月曜日

ご報告です



今日は18日。ラジオ講座テキスト2月号の発売日です。で、それに合わせて、ひとつみなさんにお知らせがあります。

今、『まいにちフランス語・ナミのおいしいパリ日記』が再放送中ですが、実はこの4月から、その続編である、『ナミの恋する東京日記』が始まります。担当は、レナさんとわたしです。なんだか変わり映えのしない2人ですみませんが、どうぞよろしくお願いします!(といっても、まだ2カ月以上先のことですが。)

年末年始、何度か「収録」に出かけていましたが、実はこの番組のためでした。そうです、もう4月分は半分以上収録しました。

新番組で、今までと1 番違う点は、放送が「月・火・水・木」となり、1日増えたことです。全部で24週あるので、そのまま24回増えることになります。(全部で96回!)

そして木曜日には、音楽をかける予定です。ただし、ポルナレフもピアフもグレコもアズナブールも出てきません。みんな21世紀に発表された曲です。期待してください!

そしてタイトルからも察せられるように、今度のスキットはいわば「ガールズ・トーク」です。とはいえ、ナミちゃんも今度は仕事をするようです。働くってことは、それだけで、リアルですね。

スタッフは、前回同様優秀な人揃いなので、わたしは彼らの足手まといにならないよう、なんとか頑張っている次第です。しかもみんな若い! 驚いちゃいます。

それからついでにご報告しておくと、4月からのテキストでは、連載のコラムも書かせてもらえることになりました。フランス語のこと、フランコフォニーのこと、そして今年はワールド・カップのことまで、旬な話題を取り上げる予定です。どうぞこちらも読んでみてくださいませ。

というわけで、やっとここでご報告できて、こちらもすっきりしました!

2010年1月17日日曜日

脱力



冬の東京は、いわゆる冬晴れが続きます。冬よりは夏が好きなわたしですが、この好天は悪くないなあとも思います。

人の住む所って、不思議ですね。東京みたいにごちゃごちゃしたところが好きな人間もいれば、砂漠に住む人も、氷の世界に住む人もいます。他人から見れば、何が悲しゅうてあげなとこに、と思いますが、それはお互い様。「そういうもの」として、人はどこかに住むのでしょう。

昨日の朝、ほんの少し中央高速を走りました。八王子インター手前では、真っ白な富士山が、行く手の正面に輝いていました。

今日の午後は、ほんの少し動物園へ。トラは唸り、カンガルーは(いつも通り)日向で昼寝です。あれがほんとの脱力系ですね。でも今日は、いつもは寝ているコアラがみんな起きてユーカリを食べている真っ最中。おいしそう。(コアラは、ミネラル摂取のために、時に土も食べるそうです。)


でコアラ館の出口には、サンプルのユーカリが。ためしにちぎって揉んでみると、これがなかなか強い香り。少しミントにも似ています。

冬の動物園。静かな休日でした。(でもまた今から仕事だけど!)

2010年1月15日金曜日

しゃぶしゃぶ・3



雑誌「ふらんす」を切り盛りする、颯爽とした女性編集者といえば、そうです、アミさんです。でそのアミさんからも、「しゃぶしゃぶモンゴル起源」についてメールが。

しゃぶしゃぶの語源、モンゴル語で「命」のアミとしては楽しく拝読しました。
ちなみに「アミダル」は「生きる、生活する」だそうで、日々だるいのはそういうことか……などと『エクスプレス モンゴル語』を読んで感心いたしました……。

アミ=命、だったんですねえ。フランス語にも「アミ」はあるし、多層的なお名前です。しかも、さりげなく『エクスプレス』が出てくるところなど、愛社精神もあるのですねえ。

ちなみにアミさんは、全然「日々だるい」感じの女性じゃありません。特に、ライブに出演中のアミさんを見た人は、「だるい」とは対極のアミさんを発見するそうです。なんでも、積み重ねたPAからダイブするらしいです!(誇張あり)

そういえば、『ニューエクスプレス・スワヒリ語』、そろそろ店頭に並ぶ頃でしょうか? 買ってもなかなか勉強しないんですけど、でもちょっと気になります。

          ◇

今日は試験を2つやったあと、会議も2つあったんですが、その後のほうの会議、3:30に始まって、終わったのは7時過ぎ。まあ大事な内容もあり、議論はなかなか白熱したので、長くなっても仕方ないんですけどね。

2010年1月14日木曜日

ハイチが……



それにしても…… ハイチのことが心配です。

マスコミの報道を見ていると、ハイチが「西半球最貧国」であり、それは長く続いた「政情不安」のためであり、したがってインフラの整備も遅れていた、ということは伝えられています。そしてそれは、その通りなのでしょう。でも……

マスコミの報道においては、前にここで「大航海時代」に関連して触れたような内容は、必ずしも前提とされていない印象があります。ハイチがなぜ黒人国家なのかさえ……。もちろん今は緊急事態なので、とにかく救助することが先なのは当然なんですが。

ガンバレ、ハイチ!

しゃぶしゃぶ・2



昨日の「しゃぶしゃぶ」の記事について、中国語の林先生から以下のメールが。「中国、台湾、そして食べ物のことならこの人に訊け!」と、わたしが普段から頼りにしている先生です。

やはりこればかりは、モンゴル系北京料理・涮羊肉(しゅわんやんろう)以外ありえません。
「しゅわん」は「しゃぶしゃぶする」という意味です。
ちなみに台湾では「日本式しゃぶしゃぶ」のことを「日式涮涮鍋」と言っています。

ほ~~、モンゴルから! でもたしかに「しゃぶしゃぶ」って、「京都のとある料亭」より、モンゴル生まれっていうほうが似合いますね。いわゆる日本料理の雰囲気じゃないし。で、今試しに「涮羊肉」や「日式涮涮鍋」をグーグル・イメージで見てみると……

おお、これはいかにも「しゃぶしゃぶ」の元祖感満点です! 林先生、ありがとうございました。いつか「日式涮涮鍋」ご一緒しましょう!(「涮羊肉」ももちろん可。)

2010年1月13日水曜日

しゃぶしゃぶ



「出版ダイジェスト」という新聞を見ていたら、「しゃぶしゃぶ」の語源についてこんなコメントが……

京都のとある料亭で、鍋の湯をくぐらせて食する肉料理を前にした高名な仏文学者、伊吹武彦先生の一言がそのまま料理名になって広まった……「しゃぶしゃぶ」。

これは初耳でした。(ただ、ネットで見た限りでは、同じ「説」は見当たらないのですが。)で思い出したのが、最近どこかで見た、スイスの「新フォンデュ」の記事。

その「フォンデュ(=溶かされた)」は、実は何かを溶かしたようなものではなく、いわば熱した出し汁のようなものに、くるっと丸めた牛肉をくぐらせて、さまざまなタレで食べる、というものなのですが、これって…… しゃぶしゃぶじゃん!? と思って読んでいくと、まさに、しゃぶしゃぶにヒントを得て作り出した料理だといいます。やっぱりなあ。

そういえば、しゃぶしゃぶ、しばらく食べてないです。食べたいなあ~

(スキヤキのことを、la fondue japonaise 「日本式フォンデュ」と書いている記事もありますね。画像も。)

             ◇

昨日白水社から連絡がありました。『フラ語入門・改定版』、発売して3カ月ですが、おかげさまで重版になりました。(パチパチパチ!)使ってくださってるみなさま、そして白水社をはじめ多くのみなさま、ありがとうございました! 

2010年1月12日火曜日

満載



今日の東京は寒かった! なんていうと、北国の方には笑われてしまいそうですが、たしかに冷たい雨でした。途中、一時雪にもなったし。

昨日は、午後4時間、収録をしていました。やや多めの量だったので、最後のほうはやや呂律が回らなくなってきましたが、まあなんとか乗り切れたと思います。

今回の収録では、ワカモノタチに囲まれて、かれらの仕事ぶりを感心して眺めている、というか、彼らにいろいろ教わっているとこが多いです。すごいですねえ、今のワカモノタチは!(そういえば大学でも、いつも「若旦那」にいろいろ教わっているのでした。)

そしてその後は、CD制作についての打ち合わせです。といっても、ここでもわたしは、作曲担当のミュージシャンと、発注側の優秀な女性スタッフ(NYのブルーノートでジョージ・ベンソンを、東京のブルーノートでセル・メンを聞いたそうです!)のやりとりを(ぼーぜんと)聞いている、という感じでしたが。

このミュージシャンは、実はわたしが紹介した人で、クラシック音楽の歴史的把握を背景に、広くポップ・ミュージックを操るなかなかの人です。楽器も「一応だいたいは」できるようで……

かつて彼がNYにいた頃、ある「ペイのいい仕事」に呼ばれたことがあるといいます。それは、ハイチ国王の前で演奏する、ハイチ・バンドにトランペッターとして参加することでした。ハイチ・バンドは、本来全員ハイチ人であるはずなのですが、トランペッターが事情で参加できなくなり、代わりのハイチ人ミュージシャンを見つけることができなかったため、彼に仕事が回ってきたのでした。

NYのスタジオでの練習は、1か月に及んだそうです。その後、アメリカ国内でライブをこなし、いよいよ飛行機でハイチへ。到着すると、なんと赤絨毯が!

「でもね、会う人会う人、みんな僕に訊くんですよ、おまえほんとにハイチ人かって!」

ま、そんなわけないですね! そしてその後、予定通り国王の前で演奏して、さらに晩餐会へ。

「でね、そこでも訊かれるんですよ、おまえほんとにハイチ人かって!」

だから違うんです!

……というわけで、打ち合わせと言いつつ、おもろい話満載の時間でした!

2010年1月10日日曜日

世界中のアフリカ 2010


ムンシさんはコンゴ出身。宣教師でありつつ、大学で教えてもいらっしゃいます。


ご存知ゾマホンさん。そのカリスマ性は特筆もの。


右がマリ出身のママドゥさん、左はセネガル出身のボカさん。かっこいい!

これは昨日のものではありませんが、こんな感じです;

http://www.youtube.com/watch?v=vSQpk9RmbSw

                                               ◇

というわけで昨夜は、<世界中のアフリカ 2010>に参加してきました。これはもう、この手のイベントとしては破格の面白さ! 期待以上の夜を過ごせました。

まず第1部は、朗読。旦敬介さんが自作の短編小説(ウガンダ国境の風景!)を、管さんがジャメイカ・ キンケイドの『水底に』(管訳)の短編小説(夢幻的でありつつひんやりリアルな肌触り!)を、そして中村和恵さんはアール・ラヴレイスの『ドラゴンは踊れない』(中村訳)から、やはり短編小説2つ、これは英語での流れるような朗読でした。まあみなさん上手なこと。

そして第2部では、ムンシさんとゾマホンさんのトークです。(司会は中村さん)これは…… 話すと長~くなるんですが、底流にあるのは、アフリカを取り巻く状況が、たとえば日本でもちゃんと理解されていない現実を変えていこうとする、強い意志です。

「日本で報道されるアフリカのニュースは、もう80%ウソです。でもなぜ? それは日本のマスコミが、ヨーロッパやアメリカ経由のニュースを垂れ流しているから。そうしたニュースは、もちろんヨーロッパやアメリカに都合のいいように改変されているのだから」

たしかに、たとえばムンシさんのお知り合い(というのも変ですが)であるシスターが、ほんの数週間前に暗殺されました。彼女は、大国の意図を知りすぎていたためだといいます。

「大国が、直接手を下すわけでも、指令を出すわけでもないかもしれない。でも、知りすぎたシスターだけでなく、国民のための思う大統領は必ず暗殺される。大国に都合のいい大統領だけが、のうのうと暮らしている、家族はみんな欧米に住まわせて」

で、やはり1番大切なのは教育だといいます。

「たとえばベナンで大統領選挙がある、その演説はフランス語だ。でも、ベナンの識字率は25%くらいだし、フランス語がわからない国民はあまりに多い」

教育、特に初等・中等教育は、ものすごく大事です。日本が、曲がりなりにもやっていけてるのは、義務教育のおかげもとても大きいでしょう。

そして、もし<アフリカ>に少しでも興味がおありなら、『世界中のアフリカへ行こう』、これは必読。単純に目から鱗の面白さです。そしてその次の1冊は、『フランサフリック』。これは少し高いけれど、あきれる話満載。この「フランサフリック」という言葉は、今ではほとんど普通名詞に近くて、先日ここで紹介したティケン・ジャー・ファコリーの曲などには、よく出てくる単語なんです。まあ簡単にいえば、フランスがいかにアフリカを食い物にしてきたか、という話です。

そして第3部。ママドゥとボカの癒しの音楽です。これはわたしには、どこかリュートの響きを感じさせるものでした。いいものです……

というわけで、すごく内容充実の夜だったのですが、それ以外にも、昔の同級生には会うわ、「東京詩」にも参加してくださったKさんとお茶はできるは、学生2人とビールは飲めるは、とてもいい夜でした。来年もやってください!!

2010年1月8日金曜日

Afrique



今日から授業が始まりました! といっても、もう来週は試験なんですが。

今日の2限のフランス語の授業に出ているK君(3年生)は、今教職課程を履修してるそうです。そしてその一環として、高校生の「総合科目」を想定した模擬授業的なゼミにも出ているそうです。で……

で彼は、フランス語の授業の雑談中に(割りと頻繁に出てくる)アフリカ問題に興味を持ち、それをテーマとして自分の模擬授業を組み立てたと報告がありました。

「でもやっぱり、ちゃんと調べておかないと質問に答えられないし、かといって調べたものを羅列するだけだと、高校生には<他人事>で終わってしまうかもしれないし……」

そう、そこなんだよ、教員の苦労は! だからその場合には、なるべく高校生の世界と授業内容の接点を探して、なにかしら突破口を見つけてから話し始めたほうが、話し甲斐もあると思うよ……

未来の教員も、十分理解しているようでした、少なくとも頭では、がんばれ、ワカゾー!

                ◆

というわけで、K君もとても役に立ったと言っていた『世界中のアフリカへ行こう』の関連イベント、いよいよ明日に迫りました。わたしはだいぶ前に予約して、けっこう楽しみにしています。いつもわたしの研究室に来る学生2名も来るらしいです。これ、面白そうです!

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《世界中のアフリカ2010》

世界中にある〈アフリカ〉を知ろう!  朗読、トーク、音楽、映像で知るナマの〈アフリカ〉が、 あなたの中に新たな地図を描き出す。


第一部・朗読  中村和恵、管啓次郎、旦敬介

第二部・トーク  
ゾマホン(ベナン共和国出身/IFE財団代表・タレント)
ロジェ・ムンシ・ヴァンジラ (コンゴ民主共和国出身/南山大学講師・宣教師)

第三部・音楽  
ママドゥ・ドゥンビア(マリ共和国出身/ギター・コラ奏者)、他パーカッション

【場所】新宿Naked Loft (東京都新宿区百人町1−5−1 百人町ビル1F)
【日時】2009 年 1 月 9 日 OPEN17:30 / START18:00
【料金】前売¥1,000 / 当日¥1,200(共に飲食代別)

Naked Loft 店頭にて電話予約受付けます
 問:tel. 03-3205-1556 (NakedLoft)

2010年1月7日木曜日

20歳の20冊



今日は今年初めて、大学に行ってきました。明日からは授業も始まるので、それなりに活気が出始めているのかと思いきや、なんとまあ静かなこと! 食堂どころかメイン校舎にも入れません。ただ研究室のある棟は開いていて、一安心。

でなにをしたかというと、管さんと一緒に、先日のワークショップの作品集作りです。簡単なパンフレットみたいなものですが、作品集らしくはできました。(といっても、全作品入力したのは管さんで、わたしはちょこっと表紙を作っただけなんですが。管さんに感謝!)参加者のみなさん、来週にはお手元に届く予定です。お楽しみに!

それはそうと、みなさん、こんなのご存知ですか?

http://www.jpic.or.jp/schedule/books_for20.html

20歳の20冊。見ると…… おお、黒田さんの本が入っています。ルイス・サッカーやカート・ヴォネガットと肩を並べて! 実は、わたしが最初に読んだ「黒田本」もこれです。いい本が選ばれて、わたしも嬉しいです。

そうそう、その黒田さんのトーク・イベントがあります。

http://www.books-sanseido.co.jp/blog/jinbocho/2009/12/128-1.html

黒田さんの話のうまさは定評があり、もう今さらわたしがとやかく言う必要はないでしょう。楽しめるのはまちがいありませんぜ!

ああでも、明日の授業で会う2年生たちの中には、たくさんの20歳がいるわけか。コピーして、まわそうかなあ……

2010年1月4日月曜日

牡蠣とワールドカップ



年末年始、なかなかにちまちま仕事を続けて煮詰まってきたので、今日は「自分へのごほうび」(←ウザ~イ!)に、立川へ昼ご飯を食べに行ってきました。

以前もここで書いた気もしますが、菜香という薬膳風中華料理店です。今回初トライしたのは、1人用の牡蠣鍋です。(1400円)

これがなんと、うまい! 牡蠣だけじゃなく、トンポーロー風の肉と、蓮根、ごぼう、ニンジン、青菜、それに厚揚げやわずかに麺なども入っていて、深い味わい。ちょっと家庭では出しにくい味だと思いました。(これだけじゃ足りない方は、プチ・チャーハン、200円もあります。)

この店は、店内の明るさもわたしにはちょうどよくて、リラックスできます。

リラックスといえば、今風呂で読んでいるのは、前回のワールド・カップに合わせて刊行された、『世界の作家32人によるワールドカップ教室』(白水社)という本です。サッカーを通して、「もっと広い世界について学ぶこと」を意図しているこの本は、たしかに一般のスポーツ雑誌とは違います。おもしろいです。

そしてあとがきを見ると、あら、担当編集者は(いつも帽子を欠かさない)藤波健ちゃんでした。で、さらにこの本に親近感が湧いたのでした。

2010年1月2日土曜日

大航海時代



唐突ですが、今日ふと気付いたことを書きますと……

モントリオールは、フランス語では Montréal 。これはMont + réal (= Mont royal 「王の山」の意)の合成語です。

(この「王の山」、これは今もモントリオールの中心にあります。名前はモン・ロワイアルです。)

小高い山を Mont Réal と名付けたのは、Jacques Cartier だとされています。彼は、モントリオールの「発見」者でもあります。そしてその名付けの年は、1532年です。

1532年。これに近いのは…… で今日思ったわけです、これって、1543年の鉄砲伝来に近いな、と。

鉄砲伝来とは言いますが、これはポルトガルが日本まで触手を伸ばした年、ともいえるわけでしょう。彼らは、この極東で「貿易」(という名の略奪)を望んでいたでしょう。難破して漂着した、ともいわれるようですが、そもそもここまで来ていたわけですから。

つまり…… フランス人がモントリオールまで遡上したころ、ポルトガル人は種子島まで来ていたわけです。「大航海時代」、ですね。

ところでこの「大航海時代」、かつては「大発見時代」と言われていました。でも、さすがに「発見」はどうよ? ということになって、今では「大航海時代」と呼ぶようです。ところが、

この「大航海時代」、フランス語では Grandes Découvertes 「大いなる発見」です。(英語ではThe Age of Discovery あるいは the Age of Exploration )なんだか、ちょっと違和感がありますね。

この「大航海時代」において、(雑に言えば)ヨーロッパはアフリカやアジアなどから略奪するシステムを作り、自らは富を蓄え、その富を土台にして資本主義を作っていくわけです。

ところで大昔、農耕から貧富の差が生まれた、と言われます。真面目なものはより多く、不真面目なものはより少なく収穫し、そこから貧富の差が生まれてくる…… これはまあ、大いにウソくさい話ですね。最初にあったのはおそらく略奪で、そこから貧富の差が生まれてきたのでしょう。だとすると、これは「大航海時代」の状況と、パラレルな状況といえる気もします。

……とまあ、これがわたしの今日の「発見」でした。(でも、もしかして常識?)

色んな年越し




すでにご覧になったでしょうか? 世界の「おめでとう!」、4分20秒あたりからです。( Cliquez pour voir la vidéo. をクリック。)

http://jt.france2.fr/8h/

これを見ると、自分の年越しがどれだけ地味だったか! という気もしますが、ま、地味でもいいか!

2010年1月1日金曜日

Into the new decade !




長風呂から出て、ノンアルコール・ビールを飲みながら、録画したプレミア・リーグを眺めていたら、いつの間にか年が明けていました! みなさま、おめでとうございます。良い年、良い10年になりますように!