2010年11月7日日曜日

こ!


行ってきました、昨日の「20世紀フランス文学と写真」。
(他にまわるところがあり、第3セッションのみとなってしまいましたが。)

一言で感想を言うなら、「こ!」(「濃い」の意。)となるでしょう。
発表者のこれまでの道のりが偲ばれる、とても濃く厚い時間でした。
すごいですね~、優秀な人たちって!
圧倒されました。

気になること、はあ~、と思うことはたくさんあったのですが、
中でいくつか挙げるなら、まずは、野崎歓さんが紹介してくださった、
ギベールの一節;

...à chaque seconde, sur chaque mètre carré de tous les points du globe,
il se forme une situation photographique qui se transforme en petit désespoir
si on ne possède pas.

(……)毎瞬、地球上のあらゆる地点のどの一メートル四方においても、
写真的なシチュエーションが生じ、それをわがものとできないとしたら
ひとは軽い落胆に捕らわれるだろう。

こんなこと、考えたこともなかった気もするし、
さんざん思ってきた気もするし…… 
そしてこんなことが、すでに79年に書かれていたんですね。

そして管さんの詩の一節;

一瞬ごとの音はそれをリアルタイムで耳にしているとき、まだ音楽ではないだろう
ただ音が消えて次の音にその場を丸ごとゆずりその連なりが瞬間ごとに
もやもやした回想として組み上げられたなら
消えた音の印象をわれわれは音楽と呼び
(……)
だが写真の感動だってむしろ回想の中にあるのではないか
くりかえし回想される写真、目の前にない写真、思い出の中で
次第にぼやけ薄れゆく写真、忘れてゆく輪郭や色彩
薄れながらなおも人にいつまでも呼びかける何かの痕跡、存在の名残
(「ラジオのように/消えてゆく」)

……そうだったのか……

そして休み時間には、
「サルトルのイメージ論 ―不在の写真論をめぐって」を発表なさった、
そして大好評だった「応用編」の講師でもある澤田先生と長めの立ち話。
番組通り、とても暖かい先生です。

で帰り道には、ばりばり現役の写真家、藤部明子さんと同じ電車に。
「上海万博いったんやけど、これがねえ、パビリオンとかより、
人がおもしろいの~! 見あきひんかったわ~!」
さすがです。

というわけで、濃さの一端をお伝えできたでしょうか?

           ◇

Tété が来日して、新宿のタワレコでミニライブをやるそうです。
今タワレコで彼のCDを買うと、その入場券が付いてきます。
ファンは急げ!

http://www.youtube.com/watch?v=BFcBHbHdbsg