2011年2月17日木曜日

「(笑)」と付けるのは


新書シリーズの続きです。
今日は、新刊ほやほやのこれです。

『大学生からの文章表現 ――無難で退屈な日本語から卒業する』

このちくま新書、著者は黒田龍之助さんです。(「介」じゃないですよ!)

う~ん、たしかにねえ、平均的な大学生の文章は、
やや幼く、文法的に不正確な場合も多くあります。
だからこそ、卒業までには、
チャーミングとは言わないまでも、
正確で読みやすい文章が書けるようになったら、それは喜ばしいことです。
日本語を使う場面は、いくらでもあります。

そこでこの本です。
読んでいると、まるで目の前で黒田さんのナマ授業が展開されていて、
自分もそれに参加しているような気分になってきます。
まさに、ライブな熱気そのもの。
サンプルに挙がっている文章を書いた学生たちと一緒に、
広くはない教室に座っているような。
ああ、学生時代、こんな授業に出たかった!

具体的な内容の紹介は、どうしてもネタバレになるのでしませんが、
アドバイスがどれも具体的で、しかも順々に出てくるので、
「ステップを追って上達していける感じがしマスカット(笑)」
(↑ こういう文、絶対ダメだしされちまいますぜ!)

720円+税で、いきなり川端のような、
内田百閒のような文章が書けるようになるわけではないでしょう。でも、
ああオレはもうちょっとマシな日本語書くべきなんだよなあ、
と、ちらっとでも思ったことのある方なら、
必ずモトがとれる本だと思います。
黒田先生の言葉を信じて、実践してみましょう!

それにしても、ちょいちょい挟まる黒田さんの啖呵は、
いつもながら痛快です。
どこがとは申しませんが、よくぞ言ってくだすった!
という箇所が、いくつもありました。

黒田さんと杉山利恵子さんは、
わたしにとってはNHKの大先輩で、
折りに触れ、貴重なアドバイスをもらっています。
(これは社交辞令じゃありません。)
頼れる先輩が2人もいて、ほんとにラッキーなんです!