2011年4月29日金曜日

WELCOME


今日もまた、去年暮れに日本公開されたのに見逃していた
WELCOME (『君を想って海をゆく』)
を見てみました。
映画内の言語は、印象で言うなら、
60%が英語、30%フランス語、10%(多分)クルド語、
そして監督と主演はフランス人で、舞台もフランスの港町カレーです。
一応、「フランス映画」に入るのでしょう。
予告編です;

http://www.youtube.com/watch?v=z_bQXkIvonk

カレーに暮らす中年夫婦、
夫シモンは水泳のコーチ、妻マリオンは難民の支援活動をしています。
二人はすでに別居中ですが、シモンはあきらめきれない様子。
そんな「世界」に現れるのが、イラクからのクルド人難民、
17歳のビラルです。彼は3ヶ月かかって、
イラクのモースルから、歩いてここまでやってきました。



カレーから海を渡れば、そこは恋人の待つロンドンです。
でも、国境警備はとても厳重。
トラックに隠れた彼と仲間たちでしたが、果たせず、逮捕されてしまいます。
(このあたり、とても緊迫した描写が続きます。)
そしてビラルは、泳いでドーバー海峡を渡ることを思いつき、
通い始めたプール教室で、シモンと出会うことになるのです……


クルド人は、2500~3000万人、
かつてのユダヤ人に似て、自分たちの「国家」を持っていません。
イラクでは、20%がクルド人なわけですが、そのイラクでも、
トルコでもイランでも、クルド人は苦しんできました。
そしてビラルがやっとたどり着いたフランスでは、
不法移民に手を貸すこと自体、違法行為と見なされているわけです。
スーパーは入店を拒否し、
アパートの住民は、彼らの存在を警察に通報します。
(しかも彼の部屋の玄関マットには、皮肉にも、WELCOMEの文字が。)

主役のVincent Lindon(ヴァンサン・ランドン)は、
コリーヌ・セローの作品で何度か見ましたが、今回が1番いいかも。
中年男のさびしさ、いい加減さ、やさしさ、強さ、よく出ていると思います。
雑な言い方ですが、男受けする男優じゃないでしょうか?

この作品、7月には日本版のDVDが発売されるようです。
社会問題と、卑近な問題をうまく結びつけた、いい作品だと思います。

http://www.femail.com.au/vincent-lindon-audrey-dana-interviews.htm

2011年4月28日木曜日

DES HOMMES ET DES DIEUX


この3 月に日本でも公開されていた『神々と男たち』、
見逃していたので、DVD(フランス版)を見てみました。
まずは予告編。ここで見られます;

http://www.ofgods-and-men.jp/

長くはない予告編なのに、最初の 1 / 3 が聖歌だなんて、
なかなか思いきった編集だと思います。
でもたしかに、映画全編を支配しているのはあの雰囲気です。

この映画は、実話に基づいており、
この事件を知っていれば、結末はあらかじめ分かっているわけです;

http://fr.wikipedia.org/wiki/Assassinat_des_moines_de_Tibhirine

1996年、アルジェリアの貧しい山間部の修道院、
そこで自給自足に近い生活を送る、8 人の修道士たち。
彼らのほとんどは、老年期に差しかかっています。
そして医師でもあるフレール・リュックは、
老齢をおして、近隣の病人の診療に明け暮れています。

そんな修道院と村人に襲いかかったのは、
イスラム過激派、Jamaa Islamiste です。

http://fr.wikipedia.org/wiki/Jamaa_Islamiya_(Liban)

もちろんアルジェリアはイスラム国ですが、
極端に原理主義的なイスラミストたちは、
たとえば、15歳の女子生徒達に向かって、
あなたたちもそろそろ恋する年頃ね、
と言った女性教員を、殺しさえします。

修道士たちは、当然身の危険を感じ、
それでも村にとどまるべきか、それともフランスに帰国するか、
あるいはアフリカのもっと安全な修道院に移るか、
選択を迫られます。

現地の知事は、彼らに出発するよう強く要請します。そして、言います;

Je suis triste et fatigué de ne pas nous voir devenir adultes.
Et moi, je dis que c'est la colonisation française,
ce cambriolage organisé, qui nous a retardés.

「アルジェリア人は、なかなか成熟してくれない。
この悲しい現実を目にするのは、もうあきあきなんだがな。
だが言っとくぞ、おれたちがこんなに後れちまったのはな、
フランスに植民地にされたせいさ、
あの組織だった強盗のせいなんだよ」

フランスによる植民地化がなければ、
あの場所に修道院が存在することもなかったでしょう。
たしかに院は、村人の医療に貢献しています。これは大きい。
でも知事の言葉に、修道士たちは言葉がありません。
(もちろんここでは、知事の側にも、
自分たちの権力を維持する意図があったのも事実でしょうが。)

ただこの映画は、そうしたことを告発しようとするものではありません。
ポイントは、ムスリムに貢献し、ムスリムに頼られる修道士たちの見せる、
聖職への献身、ということになるのでしょう。

この映画は、フランスで大ヒットしたそうです。
静謐な、淀みの少ない、抑制された映画だと思います。
でも、たとえばアルジェリア系のメディが見たら、同じ感想ではないかもしれません。

ちなみに、タイトルの「男たち」というのは、
修道士たち、イスラミストたち、アルジェリアの軍隊、ないし政府関係者たち、
ということになるでしょう。
そして「神々」。
これを複数形にしたということ自体、
1つのメッセージになってしまうようです。
キリスト教の「神」と、イスラムの「神」はちがうというのが、
監督の立場なわけですね。

祝! 『スナップショット』


去年発売された、倉石信乃さんの『スナップショット -写真の輝き』が、
日本写真協会学芸賞を受賞されました。
いやー、素晴らしいですね!

http://www.psj.or.jp/psjaward/2011.html

つい先日は、管啓次郎さんが読売文学賞を得、
わが同僚たちは受賞続きです。
わたしにとっては、もう自慢の同僚というほかありません。

ただ普段、倉石さんや管さんの、
研究に対する、というか、生き方に対する、というか、
世界と「ここ」の関係に対する、というか、
とにかくその真摯な態度に触れていると、
もちろん「賞」も素晴らしいけれど、
やはり本当に素晴らしいのは、
鉄/哲の日常のほうだなあと思います。
いつも仕事している2人……

『スナップショット』、写真に興味のある、すべての方に推薦します!

6 課終了


というわけで「テレビでフランス語」、5課が終わりました。
(ちなみに来週はGWなので、夜もまた5課です!)

今回の1つのポイントは、やっぱりリエゾンですね。
これ、6 課で登場するアンシェヌマンと、似てるんですが別のルールです。
6 課が終わった時に、ここでも少し補足しますね。

今日は、1仕事終わった後、
アルジェリアを舞台にした映画を見始めたのですが、
半分も見られませんでした。
体力なし!
ま、明日見ます!

2011年4月26日火曜日

新システム


今日は大学で、予定通り、
CALL教室に設置された「新システムの使い方講習会」に参加しました。

基本的には昔のLL教室と変わらない感じ、
と思ったら、
どうやらわざと、そんな「顔」を持たせているようです、設計者側が。

まあたしかに、大学の先生たちは、
みんながみんなPCに強いというわけでもありません。
というか、弱い人も多いです、わたしを含めて。
そうした先生たちにもどんどん使ってもらうようにするには、
あまり新しすぎる「顔」をしていると、敬遠されてしまうのかもしれません。

今年度、わたしはこの新システムの教室を使う予定はないのですが、
なかなかおもしろい体験でした。

たとえば、書画カメラで手元のテキストを写し、
それを学生2人の真ん中にあるセンター・モニターに映し出しながら、
各学生のモニターにはDVDを流し、ヘッドセットからは別のCDを聞かせる、
なんてこともできるし、
学生が授業の途中でログインしたりすると、
自動的に「遅刻」のマークが付けられたりもします。
反応がなくなれば、「早退」のマークが付くし。

実際どんな授業になっているのか、今度見学に行きたいと思っています。
T 先生、よろしくお願いします!

2011年4月25日月曜日

ZONE


今日は25日月曜日、
授業開始まで、やっとあと1週間になりました。
今は、いわゆるガイダンスの時期ですね。

今の東京の様子を見ると、
計画停電もしてないし、静かと言えば静かですが、
それはやっぱり結果論なのでしょう。
東北出身の新入生たちも必ずいるはずだし、
校舎の傷んだ個所の補修もあるし。

とにかく今は、なんというか、未知のゾーンを歩いている感覚です。
被災した方々へのさまざまな支援も、
まだまだ長いスパンで考えるのが当然だし、
放射能汚染の問題は、始まったばかりだし。

1つ1つの局面では、過去の知恵が生きることもあるでしょう。
でも総体として、今日本で暮らす人誰にとっても、
未知のゾーンに入っているのは間違いない気がします。

手探りで、といういい方がありますけど、
ほんとにそんな感じです。手探りで。

          ◇

明日は大学で、新システムについての説明会があります。
ローテクなわたしですが、
とりあえず参加してみるつもりです。
わっかるかなあ、
わかんねえだろうなあ……

2011年4月23日土曜日

Little Senegal


この春、日仏学院の「アフリカ特集」で上映予定だった、Little Senegal、
建物が被災したため、中止を余儀なくされました。
でもやっぱり見たい! という(自分の)声に応えて、
今日やっと見ることができました。

セネガルのダカールにあるゴレ島、
この島が「奴隷島」と呼ばれるのは、
そこがかつて奴隷貿易の「積み出し港」だったからです。
主人公のAlloune(アルーン)は、そのゴレ島にある、
「奴隷の館」でガイドを務める老人です。彼はこう自問します、
ここから連れ去られた自分の祖先たち、
彼らの子孫は今、どこで何をしているのだろう……

http://www.youtube.com/watch?v=x7l5Xr-8vXk

「館」には、奴隷たちを船へ「積み込む」ための、小さな戸口があります。


そこに佇んで泣いていた黒人女性に向かって、アルーンは言います;

Your past begins here.

そして「過去」を探す旅が始まるわけです。

彼はアメリカ(サウスカロライナ州)のチャールストンにやってきます。
そしてそこで色々調べ、ある家族の系図を追ううち、
やがてNYにたどり着きます。
NYには、彼の甥がいます。ハーレムの中の、リトル・セネガル地区に。
アルーンはそこに居候し、あの家族の子孫を見つけ出します……

映画の前半、ああこれは(わたしの好きな)ロードムーヴィーなんだ、
と思って見ていました。でも、
いったんNYに着き、子孫を見つけて以降、
映画の様相は変化します。
描かれるのは、たとえば、移民たちの生活の苦しさ、
アフリカ系アメリカ人と、アフリカ系移民の軋轢などです。
アルーンには愛があるます。
でも、現実はそれを受け止める準備ができていません……

この映画の監督は、ラシッド・ブシャール。
彼の作品は、以前ここでも紹介したことがあります;

http://tomo-524.blogspot.com/2010/01/indigenes.html

順番でいえば、Little Senegal のあと、『デイズ……』を撮っています。
才気煥発というタイプではないけれど、
描くべきことを持っている監督だと思います。

最後に蛇足を。
「今週の1曲」でも取り上げたこの曲;

http://www.youtube.com/watch?v=8Kve3cWM5QI

これがゴレ島です。

2011年4月22日金曜日

Le Nom des gens


このところ見ているDVD は、幸運(?)なことに、、
わりとおもしろいものに当たる確率が高いように思います。
そうした中でも、今回見た作品はとにかく強烈でした。
これです、Le Nom des gens (『人々の名前』);

http://www.youtube.com/watch?v=SQUqffgJvKY

んん、このbande-annonce を見ると、
なんだか「からみ」シーンの多い、ドタバタ映画の印象ですね。
たしかにそうも言えるでしょう、表面だけ見れば。
でもこの映画、1時間40分と表示されているのですが、
わたしは、全部見るのにその倍以上の時間がかかりました。
なぜか? 
それはもちろん、映画の中に、
調べなければ意味が分からないセリフが多かったからです。
それは地名や、単純に知らない単語から始まって、
たくさんの固有名詞の言外のイメージや、
問題になっている時代の背景などまで、
色々ありました。
こんなに調べながらでも、途中でやめる気にはまったくならず、
それどころか、先が気になる! という感じでした。

主人公は、Arthur Martin(アルチュール・マルタン) と、
Bahia Benmahmoud(バイア・ベンマウード)。
そして映画の冒頭、Atthur Martin という名前はフランスに15207人いること、
そして Bahia Benmahmoud はフランスに1人しかいないことが告げられます。
タイトルは、このあたりと関係しているわけです。


Arthur の母親はユダヤ人であり、彼女が持っていた姓、Cohenは、
親がナチに連行された後 Colin に変えられ、さらに、
原子力発電所で働いていた男性と結婚して、Martin に変わります。


Bahia の母親は白人「闘士」であり、父親はアルジェりアからの移民です。
Bahia の外見はまったくの白人ですが、
よくブラジル系と間違われます、バイアですからね。
そして彼女は、自分の「政治的敵」=「ファシスト」と、
ベッドを共にすることをためらいません。
それによって、男たちを「回心」させることができると信じているからです。


Bahia は、(大人の)お伽噺の世界にいるようです。
そして彼女の、いろんなばかげた行動が、
Arthur(=観客)には、どこか正当なものと思える瞬間があるのです。

たしかにドタバタで、とても政治的で、エロチックで、
ファンタジックで、ブラックで、きわめて現代的、現実的で、
心理的で、肉体的で、映画らしい映画です。
(だから、言葉で説明するのはいかにもムリなんです。)

この映画、実はジャニックさんが勧めてくれたものです。
ジャニックさん、ほんとにいいのを勧めてくれました。
Je te remercie !

2011年4月20日水曜日

FRANÇAISE


昨日見た La graine et le mulet で輝いていたHafsia Herzi、
今日は勢いで、彼女が直後に主演した映画、
FRANÇAISE  『フランス人』(←女性形ですね)
を見てみました。
結論:……平凡でした。

話は単純です。
フランスに生まれ、フランスに育ったモロッコ系の女の子、
彼女が10歳の時、父親が仕事に失敗したため、
一家はモロッコへ夜逃げします。
彼女はもちろん、モロッコなんて行ったこともないし、
行きたくもなかったのですが。

そして10年後、大学で勉強している彼女は、
フランスに「戻りたい」と言いだします。
でも家族も、恋人も、友だちも、
彼女の出発を、現実のものとは考えないのです;

http://www.youtube.com/watch?v=VFh19dMI3gg

この作品がなぜ平凡なのかと言えば、
キーになる感情が単純で、エピソードの作り方もスケールが小さくて、
伏線の張り方も驚きがないからです。

フランスにいればアラブと呼ばれ、
モロッコではフランス娘扱いされ、
どこにもアイデンティティーを見つけられない……
ということが言いたいのでしょうが、
その描き方にも、解決のつけ方にも、
説得されませんでした。

でもまあ、1時間20分という短さだし、
イヤな感じのところはなかったので、
最後まで見るのに、辛さは感じませんでしたけど。

La graine et le mulet


今回見たのは、2時間30分を超える長めの映画、
La graine et le mulet
です。
2008年に、セザール賞「作品賞」、「監督賞」などを、受賞しています。
結論:いい映画でした。

タイトルは、直訳すれば『種子と(魚の)ボラ』となりますが、
これは、「ボラを使ったクスクス」を指しているようです。
南仏の港町セットを舞台とした、チュニジア出身の2つの家族の物語です。

家族Aは大家族で、すでに独立している5人の子供たちがいます。
彼らの中には、結婚して子供を持つものもいます。
家族Bは、母と娘のリムだけ。
ただし母は、小さくて古いながらも、ホテルを経営しています。
そして主人公スリマンは、61歳の港湾労働者で、家族Aの主でした。
でも今は離婚して、家族Bと共に、ホテルの一室で暮らしています。
物語は、彼が35年働いた現場を、冷たく解雇されたところから始まります;

http://www.youtube.com/watch?v=IJiP3pBNCn8&feature=related

スリマンは、一大決心をします、
退職金を使って古い船を改装し、そこでクスクスのレストランを始めよう、
というわけです。
ここで1番親身になって、本気で手伝ってくれるのは、
家族Bの娘リム(Hafsia Herzi)です。
彼女は、以前ここで紹介したイラクを舞台にした映画で、
ヒアム・アッバスの義理の娘を演じて印象的だった女優です。

http://tomo-524.blogspot.com/2011/01/laube-du-monde.html

彼女はこの『種子とボラ』で、セザール賞の「新人賞」を得ています。
実際、圧倒的な存在感があります、若いのに!


監督のチュニジア系フランス人、
アブドゥラティフ・ケシシュAbdellatif Kechiche(1960~)は、
インタビューで言っています、

わたしが描きたかったのは、労働者階級なんだ、
わたしが属しており、よく知っている労働者たちの生活。
描かれている家族は、いわばわたしの家族であり、
スリマンはわたしの父だ。
彼は、本人が意識しないうちに、自分を犠牲にしてしまう……

映画の中で、スリマンはレストランの開業を試みるわけですが、
それは自分のためではありません。
家族の、子供たちのためです。

……こう書いてくると、なにか「ヒューマン」な映画に聞こえるかもしれません。
そう、たしかにすごく「ヒューマン」です。
ただこの監督の人物描写は巧みで、
強さと弱さ、情愛と酷薄、頑迷さと慈悲、意志と惰弱、など、
一見相反する要素を、おそらくは計算して、
1人の人物の中に注ぎ込んでいます。
それが、この映画を落ち着いた、地に足のついた作品にしているのでしょう。

国際的にもとても評判の高かった作品ですが、
なるほどいい映画でした。

2011年4月18日月曜日

Il reste du jambon ?


勝手に続行中のDVD 見て見てシリーズ、
今回見たのは、
Il reste du jambon ? 『ハム残ってる?』
という、正統なコメディらしいタイトルを持つ映画です。
結論から言うと、とてもおもしろかったです。
パリを舞台にしたこの映画、一応「ラブ・コメ」に入ると思うのですが、
カップルがフランス人女性とアラブ人男性だという点が見所です。

http://www.youtube.com/watch?v=0P1RN7g-6MY

テレビ・レポーターのJustine は、仕事中に試食したドッグフード(!)がもとで、
病院に運ばれます。そこで出会うのが、長身の色男、Djalil です。
2人は、とてもいい感じ。
ルックスは華奢だけど、言うときはビシッと言う女性、Justine、
一方 Djalii は、本来やさしい人なのだけど、それでも、
アラブ的習慣に絡めとられていた部分もあり、
それを「ハム・ドレス」を着たJustine に指摘されると、最終的には、
自らの態度を改めて「寛容」を実践しようとします。
やっぱり、口だけじゃね。


ところでこの映画の監督、Anne De Petrini は、
現実世界での Djalil (Ramzy Bédia )のパートナーのようです。
(これが監督第1作。)
そしてRamzy は、もともとは「お笑いコンビ」Eric et Ramzy の1人です。
こんなネタも;

http://www.youtube.com/watch?v=E6MocxWY5H8&feature=related

ちなみに péridurale は、「硬膜外の」(!)という形容詞みたいです。

ちなみにEric のほうも映画に出演していて、
アラブを差別する黒人警備員の役です。

最後になりましたが、実はTout ce qui brille の2人、
Géraldine Nakache(Justine の同僚)とLeïla Bekhti(Djalil の妹)の顔も見えます。
やっぱり2人はいいです。

2011年4月17日日曜日

「自由」


何日か前に、
Les Nubians の新譜、 Nü Revolution をご紹介しましたが、
その中の1曲に、Liberté 「自由」という曲があります;

http://www.youtube.com/watch?v=cKMYmeqxfwE

そしてこの曲の歌詞、なかなかいいです;

Léger, le cœur léger / My heart is light
Mon esprit est clair / My spirit's bright
Je suis prête / I am ready !
Changer, vois le monde changer / I had a dream
à la faveur d’un rêve / I see a change
Es-tu prêt ? / I'll be ready

(……)

Où étais- tu ? / Where are you ?
J’t’avias perdue de vu / I am searching for you
Où étais- tu ? / I need your company
J’t’avais perdue de vu

I wanna be free

Où étais- tu ? Tu m’as manqué
LIBERTE

この曲、大統領選挙の時には、オバマ候補への応援歌として歌われたそうです。
「君」とは、「自由」なんですね。
はるかエリュアールの、同じタイトルの詩も思いだされます。

*この曲は、フリー・ダウンロードできます;
http://www.lesnubians.com/

2011年4月14日木曜日

Satin rouge


わたしが好きな女優の一人に、ヒアム・アッバスがいます。
ここでも、『シリアの花嫁』、『扉をたたく人』、The Lemon Tree などを通して、
何度も名前が登場しています。
で、今回見たのは、2002年の作品、Satin rouge 。
ヒアムが主演です;

監督はチュニジア人女性、Raja Amari 、
1971年生まれの彼女にとって、これが長編デビュー作だったそうです。

今回の舞台はチュニスです。
(やがて「テレビでフランス語」でも、チュニジアが取り上げられます。)
とにかく、予告編を;

http://www.youtube.com/watch?v=B4CJEzmsXOI

まじめで堅物で、口うるさいママでもあったリリア(ヒアム)は、
帰宅の遅い娘を探してキャバレーに乗り込み、
そこで目にした白熱の踊りと解放された雰囲気に、魅了されます。
踊子の一人と仲良くなったこともあり、
やがてその店で踊るようにさえなります;


一方、年頃の娘には恋人がいて、
彼は学生ながら、リリアが通うキャバレーで太鼓を叩いてもいます。
なんと彼は、(恋人の母親とは知らず)リリアに接近してきます。
リリアのほうでは、彼が娘の彼氏だと知りながら、
彼の想いに応えるかに見えます……

チュニジアは、ほぼ完全にイスラム国家です。
となれば、キャバレーのような場所は、
男たちにとってさえ、家族には隠して行くような場所です。
女性にとっては、いわずもがな。
リリアの近所のおかみさん達は、
リリア(や娘)の行動に眉をひそめます。
でもリリアは、たしかに解放されてゆくのです。
それは、リリアの表情を見ていれば分かります。
ヒアムはそれを、いつも通り見事に演じています。

チュニジアの、とりわけ海沿いの家は、白と青で構成されているようです。
とするなら、リリアの部屋がどこか青味がかっているのは当然なのでしょう;


とはいえ、この部屋の雰囲気があるからこそ、
キャバレーの「赤 rouge」は際立ちます。


で、ややしつこく言えば、
青の中に、「赤」はすでに用意されてもいました;


なかなか美しい映画でした。
これなら、日本で公開しても、十分受け入れられると思いました。
(DVD には、フランス語字幕が付いています。
Amazon France で買うと、DVD は高くないです。
今回は15€=約1800円 でした。)

2011年4月13日水曜日

La vérité si je mens 2


かつて日本でも『原色パリ図鑑』のタイトルで公開されたのが、

La vérité si je mens.

このフランス語タイトル、直訳すれば、
「もしわたしがウソをついているなら、真実(だ)」
という、思いっきり「?」な感じ。

si をmême si (=even if )のことだと考えて、
少しそれらしくすると、
「たとえわたしがウソをついているとしても、真実(だ)」
ウ~ン、少しは近づいたような、そうでもないような。

そこで何人かフランス人に訊いてみたところ、
「分かるんだけど、よく分かんない」というお返事が複数。
でも大きなヒントが一つ得られて、それは、
「la vérité, la vérité って、ユダヤ人は口癖のように言うんですよ」
という指摘。ほ~、そうなのか。

だとすると、これはやっぱり基本さっきの和訳、
「たとえわたしがウソをついているとしても、(これはやっぱり)真実(だ)」
でいいような気がしてきました。
つまり、「ほんとにほんとにほんとのことだよ」、という感じ。
(まあ多分そうだと思うのですが、違ってたら教えてください!)

前置きが長くなりましたが、
この La vérité si je mens 2 のDVD が発売されていて、
やっと見ることができました。
状況は、前作の終わりの所を受け継いでいますが、
もちろん「事件」は今回新たに起きるわけです。
予告編です;

http://www.youtube.com/watch?v=35RM1WPn10w

このシリーズは、はっきり言うとB級です。
金儲け、美女、陰謀、ロールス・ロイス……

でも、たしかに大ヒットするだけあって、
見終わるとあるカタルシスが感じられます。
わたしとしては、
パリのユダヤ人社会を描いているところに注目して見始めたわけですが、
途中からは、テレビの2 時間ドラマを見ているような感じでした。

とはいえやっぱり、ユダヤ社会の要素は少なくありません。
たとえば、あるカップルがライブを見に行く場面があるのですが、
これは Lara Fabian のものでした。

http://www.youtube.com/watch?v=Gm5S43YC2uo

調べてみると、彼女、ユダヤ人歌手として知られているんですね。

また、「おめでとう!」の意味でみんなが使っているのは、
Mazel tov !
です。
ヘブライ語からきたイディッシュ語で、
今もユダヤ人コミュニティーでは、よく使われているようです。

そして今回新たに登場の「マドンナ役」は、
なかなかチャーミングな Elisa Tovati 。
彼女のモロッコ人の父も、ロシア系ポーランド人の母も、
ともにユダヤ人だそうです;

Elisa Tovati は歌手でもあるんですね。
 ↓ では、イレーヌ・ジャコブと共演しています;

http://www.youtube.com/watch?v=_g-GftscqIU

パリのサンティエ地区を舞台としたこのシリーズ、
来年早々に、「3」が公開されるそうです。
人気なんですね~

2011年4月12日火曜日

BIG 対談・満員必至


フランス文学に興味のある方にとっては、特別の名前が2つ並んでいます。
最初で最後かもしれない、BIG対談です。
白水社&ジュンク堂だからこそ可能だったのでしょう。

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ぼんじゅ~る、ふらんす 鹿島茂×堀江敏幸トークセッション

 ■日時:2010年5月7日(土)19時〜
 ■会場:ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェ

 □定員:40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順)
 □入場料:1000円(ドリンク付)
 □受付:お電話又はご来店(1Fサービスカウンター)にて先着順に受付。
 
******************************************************
 
http://www.hakusuisha.co.jp/news/2011/04/post_312.html
 
あっというまに一杯だと思います。
 
急げ!!

追記:このページをアップしてから約24h. 後に、予想通り満員となったようです。
  さすがご両人!

Un tramway nommé désir


パリのコメディー・フランセーズで、
あの『欲望という名の電車』がリメイク上演されています。
スライドショーです;

http://www.nytimes.com/slideshow/2011/02/14/arts/20110214_comedie14-1.html

衣装や美術は、日本の dougugaeshi 「道具返し」にヒントを得ているとか。
なるほどね。
でも、6月2日までだから、見るのはムリだなあ……(涙)

一応、あの若きマーロン・ブランド版を;

http://www.youtube.com/watch?v=bmQcX8hE33w

ブルカ禁止法


フランスで、「ブルカ・ニカブ禁止法」が施行されました。

フランス外のメディアは、たとえばこんな感じの報道;

France's absurd ban on traditional Islamic dress strikes at the very freedoms Europeans should cherish.
(The Observer)

A divisive move that Sarkozy may regret /
It is good that no major party in Britain wants to take this country down this path.
(The Independent)

The stupidity of Sarkozy
(Pravda・プラウダ)

「偉大さを失った共和国」(三浦信孝)は、
どこに行こうとしているんでしょうか。

2011年4月11日月曜日

Prendre femme


そういえば、
ロニ・エルカベッツの出演していたDVD があるはずだ、
と思って探してみると、ありました、
Prendre femme 『妻を得ること』です。

http://www.youtube.com/watch?v=8uTxtmej4ic

やはりイスラエルのハイファを舞台にした作品で、
要は(と言ってしまうのはよくないのですが)、
ユダヤ人家庭の妻が、
夫や古いしきたりにがんじがらめになり、
なんとか抜け出そうともがくものの、
結局はうまくいかない…… という話です。

これは残念ながら、ちょっと暗すぎる感じ。
冒頭5分間、狭い夜の台所で、
男たちが、言葉を変え口調を変え、
なんとか夫のもとに戻るよう、妻を説得しています。
冒頭、しかも5 分間ですよ。長いです!

映画の後半、妻のかつての恋人が現れます。
その男性を演じるのが、Gilbert Melki 。
『イブラヒムとコーランの花たち』で、主人公モモの父親役を演じた俳優です。
『原色パリ図鑑』では、金持ちのユダヤ人役だったし。

でも今回のメルキは、寂しげで洗練されていて、かっこいい。
彼が出ている場面は、フ~っと息をつける感じでした。


でもわたしにとっては、トータルで、△くらいかなあ……

Mariage Tardif


イスラエルを舞台にした、Mariage Tardif 『遅い結婚』という映画を見てみました。
(フランス語字幕を頼りに。)

http://www.youtube.com/watch?v=0EHSUGZflw8&feature=related

ストーリーは、単純と言えば単純で……
32歳の大学院生ドゥビーは、
家族から早く結婚するようにせっつかれています。
そして知り合いからは、とても美しい17歳の少女を紹介されたりもします。
でもドゥビーには、彼女(ロニ・エルカベッツ)がいます。
その彼女は、彼より3 歳年上で、離婚歴があり、
5歳くらいの娘のいる、モロッコ人です。


これらのほとんどは、ユダヤ人家庭の嫁としてふさわしくないとして、
家族は猛反対、無理にでも別れさせようとして……
というわけです。

これを見てみようともったのは、アマゾンのレヴューで、
ユダヤ人コミュニティーの持つ残酷さ、
みたいな書き込みがあったからなんですが、
たしかに、頑なさはそうとうでした。

主人公のドゥビーは、テル・アビブ大学で哲学の博士論文を準備中です。
ということは、監督のDover Kosashvili のかつての境遇に近い、
と言っていいのでしょう。
監督は、1966年にグルジアに生まれ、
77年以降はイスラエルに住んでいるのですが、
まさに彼も、テル・アビブ大学で、哲学(と映画)を学んだのでした。

先日見たフランス映画、『リトル・エルサレム』に比べると、
特に主人公の振る舞いが、わたしたちの感覚からしても、
フツーに映りました。
だからこそ、頑なな家族とのコントラストは強まるのですが。
これは当然ながら、監督の資質の差によるところも大きいのでしょうが、
もしかしたら、イスラエル外のユダヤ人コミュニティーにおいてこそ、
より古風な価値観が保存されているという場合も、ありえるのかもしれません。


*離婚歴のあるモロッコ人女性を演じたロニ・エルカベッツは、
『迷子の警察音楽隊』にも出ていました。

http://www.youtube.com/watch?v=bz_FB4B763Q&playnext=1&list=PL3BBFCA1A406FBC79

ロニの両親は、モロッコからイスラエルに移民してきて、
64年、彼女が生まれたようです。

2011年4月10日日曜日

Sidney Lumet


Sidney Lumet が亡くなったそうです。
わたしは好きな映画監督の1人でした。

1番印象深いのは、なんといっても『質屋』。衝撃的でした。

http://www.youtube.com/watch?v=xNL7wno_wOY

見られるんですね。

そして『狼たちの午後』も、忘れがたい作品です。
ラスト・シーンでアル・パチーノが見せる複雑な表情は、
まさに現代的だと思った記憶があります。こちらは予告編;

http://www.youtube.com/watch?v=CF1rtd8_pxA

また、世間での評価は必ずしも高くなかった、
『刑事エデン/追跡者』(A Stranger among Us)や『グロリア』も、
わたしにとっては見所が多くありました。

これら以外にも、ルメットの作品はたくさん見てきました。
思えばわたしは、ウッディ・アレンではなく、このルメットの作品を通して、
ユダヤ人世界と出会った気もします。
ご冥福をお祈りします。

2011年4月9日土曜日

Les Nubians 新譜!


去年のラジオ講座の「今週の1曲」、
あそこで取り上げたのは、
わたしには思い入れのある曲ばかりでした。
そして!
もちろん番組でもかけた Les Nubians の新譜が、8 年ぶりに日本上陸します。
(日本版、19日発売だそうです。)
おそらく彼女らの、ルーツへの想いをこめた「ヌビア人」というコンビ名自体、
惹かれますね。

これはその新譜、Nu Revolution から;

http://www.youtube.com/watch?v=DMqy6fS529A

画面もきれいですね。
 R&B って、なんというか、「馴染むな~」という気がしちゃいますね。

引用します

清水哲男さんの1時間前のつぶやき;

******************************

今日付の東京新聞「こちら特報部」は小出裕章京大助教インタビュー。
学生時代に原発推進派から反対派にギアを入れ替えた人ならではの意見だ。
「事故は進行中で、どれだけ被害が広がるかは分からない。
原発が生み出した電気の利益を全部投げ出しても足りないだろう。
原発はそういうばかげた物だ」。

*******************************

東京新聞、買いに行ってこよう。

Mor Karbasi


土曜日ですね。

Mor Karbasi (モール・カーバシ)という女性歌手がいます。
英語版のwiki によると;

Mor Karbasi はエルサレム生まれ。
現在はロンドンを拠点に活躍するしているシンガー・ソング・ライター。
彼女の音楽のベースには、
Ladino Music (スペインに追放されたユダヤ人の音楽)がある。

とのことです。
このLadino Music は、セファラディック、つまり「セファラードの(音楽)」
と呼ばれることもあるそうで、となると、
まさにスペイン系ユダヤ人そのものですね。
祖父はスペイン系モロッコ人だそうですが、
おそらくはユダヤ人ということなのでしょう。
そして彼女の音楽には、フラメンコなどの影響もあるようです。

まあとにかく1曲。

http://www.youtube.com/watch?v=M5RZGroekMw

可憐な声、細かいヴィブラート、
畑も音域も違いますが、
少しだけキャスリン・バトルを思い出しました。

そしてこの歌は、Mor Karbasi の、
出たばかりのセカンド・アルバム(画像)の1曲です。
魅力的な歌手ですね。

2011年4月7日木曜日

サツマイモ


テテのインタヴュー、いかがでしたか?
ルイジアナの話も、おもしろかったですね。
彼が紹介していた言い回し、

Lâche pas la patate !   (元気でいろよ!)

ですが、最後のpatate は「サツマイモ」です。
(カナダでは「ジャガイモ」にもなるようです。)
ただこの語は、

J'ai la patate.    オレは元気だぜ。(←オレはサツマイモを持ってる。)

なんていう使い方もあり、
つまり「元気」という意味にもなるわけですね。
となると、lâcher 「放す;落とす」と組み合わせれば、
「元気でいろよ」になるのも分かります。
(否定を表すne ~ pas の ne は、省略されています。)
ただ、フツーの辞書には、そのままの形では出てないかも。
こうなると、ルイジアナのフランス語の辞書、欲しくなってきますね。

そして番組の途中では、stereolab の曲などもかかり、
エンディングで(ちょっとですけど)流れるのは、これです;

http://www.youtube.com/watch?v=w8DHpsfjLhE

ほんとにわずかですけど、malik が流れて嬉しいです。
(去年のラジオの「今週の1曲」では、
なるべくフランス本国外で活動するミュージシャンを紹介したかったので、
malik は取り上げられなかったんですよねえ。)

ちなみに、ルイジアナ発のこんな曲もあります;

http://www.youtube.com/watch?v=7WBzRdQ7cqM&feature=related

というわけで、みなさんも、


2011年4月5日火曜日

Tété 登場


明日の「テレビでフランス語」では、
日本でも人気の歌手、Tété (テテ)のインタヴューがあります。
そしてもちろん、ナマ歌を聞かせてくれるのはこの曲;

http://www.youtube.com/watch?v=ZTEQZJPAAWs&feature=related

( ↑ 曲名は、Le premier clair de l'Aube 「夜明けの最初の輝き」が正しいです。)

セネガル人の父親、マルティニック出身の母親を持つ Tété 。
第1回で「フランコフォニー」の話をしましたけど、
今回のゲストTété の話も、
そのへんの事情と深くつながっています。

詳しくは、番組で!

2011年4月4日月曜日

Together for Japan


ジェーン・バーキン震災復興支援コンサート『Together for Japan』

場所:渋谷クラブクアトロ
日時:2011年4月6日(水) Open 18:00 / Start 19:00 (21:30終演予定)
入場無料(ドリンク代500円は別途入場時徴収)

観覧応募の方法は、東京日仏学院および渋谷クラブクアトロのHPに掲載。応募者多数の場合は、抽選させて頂きます。

応募期間:4月4日(月)~4月5日(火)16時まで
当選発表:4月5日(火)20時頃、当選者のみにメールでお知らせいたします。

東京日仏学院
http://www.institut.jp/ja/evenements/10786

渋谷クラブクアトロ
http://www.club-quattro.com/shib_info.php?year=2011&month=04&id=158110

女優・歌手のジェーン・バーキンが急遽来日し、東京で震災復興支援のための無料チャリティー・イベントを開催します。

ジェーン・バーキンのコンサートのほか、今回の彼女の復興支援イベントの趣旨に賛同した日本のアーティストたちが音楽、朗読、ダンスパフォーマンスなどで参加。

会場で受け付けた義援金は、世界の医療団(メドゥサン・デュ・モンド)を通じて、被災地の復興のために使われます。

ジェーン・バーキンからのメッセージ
http://www.youtube.com/watch?v=PPNYCP3lBkA

étoiles


東京では、日常が戻ってきています。
たしかに、夜になると街は暗いし、
今日もスーパーに卵はありませんでした。
でも、99%、日常が戻っています。

それに引き換え、
フクシマでは、そして東北では、
とてもそんなレベルではありません。
もちろん、そのことを忘れてはいません。
忘れてはいけないでしょう。

こんな記事があり、驚きました;

Les liquidateurs japonais pensent qu'ils vont mourir dans quelques semaines

«Ils sont arrivés à la conclusion qu'il est inévitable que certains d'entre eux meurent d'ici quelques semaines, ou quelques mois. Ils savent que c'est impossible qu'ils n'aient pas été exposés à des doses létales de radiation.» C'est en larme que la mère d'un des liquidateurs rapporte les propos de son fils .

http://www.slate.fr/lien/36427/liquidateurs-japonais-pensent-quils-vont-mourir-dans-quelques-semaines
 
放水作業を続ける息子について、母親が泣きながら語っています、
あの子たちは死ぬ気なんだと。
放射線に曝されるのを避けるのは不可能で、
数週間、あるいは数ヶ月間のうちに、
仲間の何人かが死ぬのは避けようがない……
息子たちはそう考えているのだと。
 
50キロ圏でも、もちろん安楽とはほど遠いわけですが、
彼らは、原発から数十メートルまで近づくわけです。
その緊張は、想像を絶します。
こんな厳しい仕事……
この地上の星たちに、どんな言葉をかければいいんでしょう。
 
            ◆
 
コート・ディヴワールは、内戦状態に入ったようです。
一方フランス軍はアビジャンの空港を管理下に置き、
サルコジ大統領はさらなる方途を探しているようです。
 
http://www.lefigaro.fr/international/2011/04/02/01003-20110402ARTFIG00379-cote-d-ivoire-invisible-gbagbo-s-accroche-au-pouvoir.php
 
とにかく、ルワンダの悲劇が繰り返されないことを祈ります。 

2011年4月2日土曜日

4月1日(3)


若き仕事仲間で、売り出し中の編集者であるサホコさん。
彼女からさっき受け取ったメールの中に、こんな一節が;

本日から、新入社員が2名入ってきました。
平成生まれです! 
世代差を感じつつ、
後輩たちのやる気と真摯さに負けないように頑張らなくては、と思う
新年度始まりの日でした。

おお、いい話です!
(でもサホコさんも、ほとんど平成組なんですけどね。)

ニュースによると、内定取り消しの新卒者もいるのですね。
どうか、めげずにがんばって欲しいです。
大丈夫、L'avenir est à vous !
未来は君たちのものです!

2011年4月1日金曜日

4月1日(2)


4月1日。

今日わたしは、チュニジアについての短い文章を1つ書き、
収録のための準備をし、
杉山先生のラジオ応用編を聞き、
『フライデーあるいは太平洋の冥界』の続きを読みました。

ああ、若い時にもっと勉強しとけばよかった!(涙)

(がんばれ、ワカゾー! ほんとに!)

4月1日


4月1日です。
新学年、新学期、新入社…… そして桜。
今年は、いつもと違う春ですが、
生徒・学生のみなさん、さあ、勉強しましょう。

        ◆

サルコジ大統領が来日しました;

http://www.youtube.com/watch?v=duHIHSoT5i4

でも、フクシマの状態が落ち着く日が来たら、
原発の是非について、
もう1度考えなければならないでしょうね。