2011年8月10日水曜日

MIRAL


今日の東京は久しぶりに暑くて、
夏!
という感じでした。
でもやっぱり、夏はこうじゃないとね。

でその熱気の中、渋谷のユーロスペースで、
『ミラル』という映画を見てきました;

http://www.miral.jp/

結論から言いましょう。
素晴らしいです。
もしお盆に特にご予定がない場合、
ぜひこの『ミラル』を組み込んでみては?
と言いたくなるくらい。
ストーリーなどは、どうぞ上の公式サイトでご覧くださいませ。

大好きと言ってもいいヒアム・アッバスは、
いつもながら抑制された力強さ。
彼女が出演をOKし、実際に出ている作品なら、
もうハズレということはないのでしょう。
そして他にも、知った顔がたくさん。
特に『シリアの花嫁』に出ていた俳優たちが、3人。
また『キャラメル』で輝いていた美しい娘・ヤスミンは、
打って変わった重い役柄。
でも彼女、見事に彫りあげました。打たれます……
もちろん主役のミラルも、
一途な若さを好演していると思います。

……という風に、俳優さん達のことを書いてしまいましたが、
この映画はもちろん、祈りにも似た強烈なメッセージを発散しています。
それは、パレスチナに和平を、ということ以外ではありません。

物語は、オスロ合意あたりまでを時間的舞台とし、
9.11以降の混乱の深まりなどには、触れていません。
ただわたしたちは、知っています、
オスロ合意は未だ和平に繋がっていないこと、
ユダヤ教過激派がラビン首相を暗殺したこと、
そしてわたしたちは、忘れてはいけないのでしょう、
370万人ものパレスチナ難民を生んだこの中東戦争が、
どうして起き、どんな風に進展したのかを。

(中東戦争は、英語ならArab–Israeli conflict、
フランス語ならConflit israélo-arabe。
日本語でも、「イスラエル-アラブ戦争」のほうがわかりいいんじゃ?)

ガザは、ガーゼの語源にもなった古い土地です。
パレスチナ、という言葉を発する時の、
ミラルの声の強さが、印象的です。