2011年10月5日水曜日

『記憶のための殺人』


いや~、今日は冷たい雨でしたねえ。
急に肩が凝ってきました。(って関係ない!?)

今日は、ディディエ・デナンクスという作家の
『記憶のための殺人』(Meurtres pour mémoire)
という小説を読みました。
たしかこの小説に、ペリフェリックの話が出てきたような気がして。
で、たしかに出てきてたんですが……

http://www.amazon.co.jp/%E8%A8%98%E6%86%B6%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E6%AE%BA%E4%BA%BA-%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A8-%E3%83%87%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4794206232/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1317825424&sr=8-3

この翻訳、出てすぐ読んだ覚えがあります。
1995年には、話題の小説でしたし。
そして16年ぶりに読んでみて、
あの頃は全然読めてなかったことに、はっきり気づきました。

当時は、サスペンスとしてもおもしろいと思ったんです。
もちろん今回もそうは思いましたが、
このサスペンスという点では、
やはりアメリカやイギリスの熟練の書き手には及ばないかな、
という気もしました。

でもその代わり、
デナンクスには「歴史性」への意識があって、
それはとても貴重&稀少なものです。
そしてもう1つ。
デナンクスのパリの描き方が、その正確で微細なところが、
なかなかいいんです。
95年にはなかったけれど、今あるもの、
それはストリート・ヴューです。
まったくこれのおかげで、
小説の読み方が変わった気さえします。
ちょっとした坂も、石段の数も、分かるんですからね。

巻末の解説(堀茂樹)も充実しているし、
楽しみながら学べる本です。