2011年12月3日土曜日

『天空の沈黙』


移動中には、
いわゆる洋楽、ないしワールド・ミュージックを聞くことがほとんどですが、
家で仕事をするときには、
やっぱりクラシックが多いです。
今日はこんな天気だったので、
古楽器を使ったモーツァルトをかけていました。

わたしの好みはいたってフツーで、
ヴァイオリニストならG.クレーメル、I.パールマン、
格は違うけれど、若手のH.ハーン、
ピアニストなら、M.ポリーニ、A.ブレンデル、V.アファナシエフ、
などが好きなミュージシャンです。

この中ではアファナシエフが、
やや「コアなファンを集める」タイプかもしれません。
わたしの印象では、指揮者のチェリビダッケにも似て、
独特のテンポ感覚の持ち主であるように思います。
でも、そのしっくり来ないところが、
それぞれの曲の新しい面を見せてくれることがあるので、
そのまま魅力に変わるわけです。
天才的、と言われるのも、うなずけます。
こんな「ノクターン」、他にありません;

http://www.youtube.com/watch?v=MWaiFCGT-kc&feature=related

彼の演奏には、「沈黙」が感じられますね。

最近、そのアファナシエフのエッセイの翻訳が出ました。その名も、
『天空の沈黙』(未知谷)
です。
このエッセイを読むと、
アファナシエフは相当な読み手であるのが伝わってきます。
なにしろその引用の多様さが尋常じゃありません。
レヴィナス、キルケゴール、ニーチェ、プルースト、サルトル、
キーツ、ショーペンハウエル、ハイデガー、クレー、
トルストイ、ナボコフ、ドストエフスキー、ショーレム、
もちろんわたしの知らない作家もたくさんいて……
ロシア出身でフランスに住んでいる彼は、
どうやらこれらのほとんどを、原語で読んでいるようなのです!
Mmm... ピアノの練習はいつするんでしょう……

もしみなさんの中に、アファナシエフ・ファンがいらしたら、
お勧めできると思います。