2012年2月29日水曜日

「落下」


今日の東京は雪!
小さな予定があったんですが、それをやめて、1日PCの前にいることに。
でも部屋にいても、寒い!

で、今日のYahoo France のtop page、そのまたトップ・ニュースの見出しは、

Une chute de reins à tomber par terre

でした。でそれについてる写真が、上に挙げてあるものです。
これは訳しにくいですねえ。

まず1番のキモは、chute です。
これはパラシュートのシュート。
つまり「落下」です。
(ラジオ講座のごく最初の頃、パラシュートの話題が出ましたね?
「パラ」が「防ぐ」で、「シュート」が「落下」。)

ただこの場合の「落下」、何を指すのかかと言えば、
それは腰(というか、背中の終わりからヒップの上半分にかけてというか)の斜面のこと。
たしかに、「落下」してますね。
でさっきのフランス語は、
この「落下(しているヒップ上部)」があまりに急斜面なので、
地面まで落ちちゃうぜ、くらいなところでしょうか。
つまり chute が、体の部位を指しつつ、
同時に「落下」というもとの意味をよみがえらせてる、ってことなんでしょう。
そして日本語には、chute に当たる部分は、名づけられていないんですね。
(まあ「くびれ」は近いのかもしれませんが、
それは体の「部位」というより、ある種の運動ですよね?)

体の部位の表現は、日本語もフランス語も色々ありますね。
そういえば中学校の頃、
どこまでが foot で、leg はここね、なんて、授業でやった記憶もあります。
意味論への、最初の1歩、という感じ?

たとえば「足」でも、
「ふくらはぎ」も「くるぶし」も「膝小僧」もありますが、
「ひかがみ」というのもありますね。
たしか金子光晴に、この「ひかがみ」を見つめる詩があったはずです。
もとは「引き屈み」。
たしかに、あそこが要になって屈むわけですね。

でも考えてみたら、「ひかがみ」ってフランス語でなんて言うんでしょう?
そもそも名づけられているんでしょうか?
知りません!
(明日レナさんに会うので、覚えてたら訊いてきます!)

2012年2月27日月曜日

やっぱり


なんだか今日の東京は、まだ寒さが戻ったようでした。
そんな中、
図書館からリクエストした本が届いたと言うお知らせがあり、
午後から大学へ。
(学食のほかに、「麺処」という店があり、
今、「春の大サービス期間!」で、
通常250円の「きつねそばor うどん」が、なんと200円!)

そして通勤の行き帰りでは、
たくさんのたくさんのクルマを目にするわけですが、
クルマのデザインって、
たとえば服のデザインに比べると、なんというか、こう、
ヴァリエーションが少ないものだなあと感じてしまいます。
(まあ、服と比べるのはムリかもしれませんけど。)

わたしが独断的に分類するなら;

1) オジサン美学を体現する“カッコイイイ”タイプ
2) 都市的な、中性的な、バランス感覚のいいタイプ
3) スポーティーで、ちょっとオブラートに包んだ“イケイケ”感のあるタイプ
4) 家族向け
5) 軽自動車

日本車の、やや値の張るものは、ほとんどみ~んな 1) じゃないでしょうか。
VWや、peugeot や、1部の日本車が 2) 。
3) は、いわゆるSUV。パジェロ・ミニからBMW・Xシリーズまで。
4) はミニ・バン。今は1番人気とか。
5) の軽もとても多い。

ただ「走り」について言うなら、おおむね 1) のCP が高いのでしょう。
かつて「間違いだらけの~」では、
メルセデスを15年乗れ、とか、ゴルフは抜群、とか書かれていた記憶がありますが、
いずれも安くはないんですね。

クルマは値が張るので、
好きなものが買えるわけではないし、
そもそもクルマを持つのかどうかも考えどころではあるでしょう。が、
デザイン、という目で眺めると、
Mmm... ミョーにヴァリエ―ションが少ない気がするわけです。
(と言いつつ、なにかピント外れのことを言っている気も……)

で、値段に関係なく、どのクルマのデザインが好きかと訊かれれば、
わたしなら、やっぱりポルシェ911 ですかねえ。(←結局ベタ)
(子供時代に、911 的なデザインを、「ステキなもの」として刷りこまれた、
という気もしています。)

そういえば最近、ダニエル・コーエンの、
フランスでベスト・セラーになった『迷走する資本主義』の翻訳を読んだのですが、


その中で紹介されているエピソードで、

ブラジルにあるVWの購買部の部長は、車の主要部分を外注させ、
残る仕事は車の前面にVWの貼り付けるだけで喜んでいる……

というのがありました。
これは「ニュー・エコノミー」の例として語られているのでした。

2012年2月24日金曜日

朗読です


この前の日曜日の、『混成世界のポルトラーノ』イベント、
締めくくりの朗読部分が、YouTube にアップされました。

http://www.youtube.com/watch?v=Jnw95SNNElg

http://www.youtube.com/watch?v=ZHGYO5Z45mg

よろしければ!
(画像は 2 / 2 に登場の倉石さんです。)

2012年2月23日木曜日

「カリブ・世界論」


去年も一昨年も、
パリで一緒に楽しい探索をした中村さんが、
ネットで連載を開始しています。(上の写真も。)

http://mangrove-manglier.blogspot.com/

これはいい連載ですね!
今後が楽しみです。

(人文書院と言うと、わたしなどは、
どうしても「ボードレール全集」を思い出してしまいます。
あの臙脂のクロス装の4巻本。
メチャメチャよく読みました。)

         ◆

ところで中村さんが、2月10日付けで触れている、ゲアンの話題。

http://www.lemonde.fr/election-presidentielle-2012/article/2012/02/05/claude-gueant-declenche-une-nouvelle-polemique_1639076_1471069.html#xtor=EPR-32280229-[NL_Titresdujour]-20120205-[titres]

「文化はどれも等しく価値があるわけではない」
とか、
「人間性を守らない文化は劣った文化だ」
とか。

彼があてこすってるのが移民文化だとするなら、
つまり「右翼ウケ」狙いということなんでしょうか。
「フランス」の大臣ともなると、エライんですねえ。(と皮肉も言いたくなります。)

食感


ラジオの「ナミ・恋」も終わりに近づいたせいか、
何通か大学のほうにお便りをいただいています。
(Merci bien !)
リエさんは「ナミ・パリ」からということなので、
もう長いですねえ。
『ポルトラーノ』も買っていただいたんですね。
どうぞ堪能して下さいませ!

また以前「発寒」からお葉書を頂いた方から、
北海道ならではのお菓子を頂きました。(画像)
初めての食感で、おもしろかったです。
こちらも、ありがとうございました!

室蘭で生まれ育ったという彼女は、小学校で、
アイヌの歴史について、詳しく習ったそうです。
わたしの(先輩)同僚の中に、沖縄出身の先生がいらっしゃるのですが、
彼はアイヌの研究もしています。
ご自身では、冗談交じりに、
「端っこから端っこへなんだよ!」なんておっしゃってますが。
先日は、アイヌの方を招いて、レクチャーも開催されていました。

一応フランス語圏のことなんか調べてますが、
ほんとはもっと身近なことだって、知らないことだらけなんですよねえ。

……というわけで、
嬉しいお便り、ありがとうございました!

2012年2月22日水曜日

Nicolas Anelka, un premier but !


チェルシーの、と言うべきか、
元フランス代表の、と言うべきか、
あのニコラ・アネルカが、
上海申花という中国リーグのチームに移籍したのが去年暮れ。
そして早くも、「最初のゴール」のニュースがありました。

http://www.youtube.com/watch?v=oeQN69GcPIs

開始わずか40秒。でも、
スタジアムの雰囲気は、プレミアとはまったく違いますねえ……

3 月号発売中


今日2月22日は、猫の日、らしいですね。
ニャン× 3、だそうです。(ダジャレかい!)
もうすぐ3月なんですね。

で、NHKのフランス語テキスト、3月号が発売になっています。
「まいにちフランス語」は、いよいよ最終月。
条件法や接続法もお目見えします。
レナさんが作った練習問題も、残らずこなしてくださいね!

また「テレビでフランス語」のほうの「パリは燃えているか?」。
こちらは第12回。1年間、お付き合い頂いた方には、
un grand merci を送らせて頂きます。


今月のテーマ地区は、シャトー・ドー。
そして今月はテーマ曲があって、それはこれです;

http://www.youtube.com/watch?v=ZcBEedFhbVQ

このヴィデオ全体が、シャトー・ドーに捧ぐ、という感じ。
詳しくは本誌で!

で、ここでお知らせがあります。
この「パリ燃え」、あと半年間、連載延長させていただくことになりました。
(NHK出版に感謝……)
ここまでは、ユダヤ人地区から初めて、
アラブ系、アフリカ系、それぞれの濃い地区を巡ったわけですが、
パリと言えば、やっぱりこれを忘れることはできません、
そうです、13区の中華街です。
というわけで、4月からは、この13区に突入する予定です。
どうぞご期待下さい!

2012年2月20日月曜日

イベント終了


昨日のイベント、
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
お話しはできませんでしたが、
以前にもいらしたいただいた方が、何人か来てくださったのもわかりました。
Merci !
(近く、一部がYouTube にアップされるかもしれません。)

来てくださったみなさんはよく分かって頂けたと思いますが、
今回一緒に出演した4人が、
わたしにとっては最高の、同僚たちです。
彼らがいなかったら、最近わたしが発表していることの大半は、
存在しなかったに違いありません。

このブログそのものも、管さんの勧めだったし、
(それがなければ100%やってません!)
管さんの思想には色々影響を受けているし、
また倉石さんには、知らなかった世界をいくつも覗かせてもらったし、
林さんには「旅人として生きる」ことの潔さをしみじみ感じるし、
波戸岡さんはわたしよりずっと若いけれど、
実質論文指導してもらってるありさまだし……
こう考えてくると、
ほんとにまあ、自分1人じゃなにもできなかった気がしてきました!
(ま、多分ほんとにそう。)
ほんとにラッキーでした。

『混成世界のポルトラーノ』、
もしも熟読してくだされば、彼らの世界のエッセンスが、
伝わるものと信じています。

というわけで、おそらくは最初で最後の5人イベント、
左右社のみなさん、会場となったビブリオテックのみなさん、
そして繰り返しますが、日曜の午後に来てくださったみなさん、
ありがとうございました!

2012年2月18日土曜日

じゃ明日!


さてさて、『混成世界のポルトラーノ』刊行記念イベント、
いよいよ明日になりました。

ついさっき左右社さんが呟いていたのですが、その内容はと言うと;

********************************************

明日19日午後4時から、
旅をめぐる管啓次郎・林ひふみ・清岡智比古・波戸岡景太・倉石信乃によるイベント

「私たちが海の向こうで学んできたこと」

ぜひお越しください。
予約無でもOKです。

会場はビブリオテック/最寄駅は原宿駅、副都心線北参道駅
http://bit.ly/y99yWi

********************************************

だそうです。

A demain !

2012年2月17日金曜日

『ドーミエ諷刺画の世界』


ドーミエ、という名前、聞き覚えがあるでしょうか?
1808年生まれですから、ボードレールより13歳年上です。
版画家、と言っていいのでしょう。
作品はこんな感じ;

http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=honor%C3%A9%20daumier&lr=lang_ja&rlz=1I7ADFA_jaJP461&um=1&ie=UTF-8&tbm=isch&source=og&sa=N&tab=wi&ei=PFY-T46NOvGjiAe_n7njBA&biw=1680&bih=875&sei=P1Y-T8nhLIuImQXmwIi6Bw

で、なぜボードレールを引き合いに出すかと言えば、
わたしにとっては、大学のボードレールの授業の時に初めて知ったからです。
とても褒めてるんですね、ドーミエを。

そして今までに、ちょっとは本も買ったし、
日本でもフランスでも色々見た気がしますが、
今度この本を読んでみて、
ああ、もっと早く読んでおくんだった!
と思いました。それは、これです;

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%82%A8%E8%AB%B7%E5%88%BA%E7%94%BB%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%96%9C%E5%AE%89-%E6%9C%97/dp/4003356810/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1329484166&sr=8-1

品切れ中。「1円より」??

(もちろんわたしも、古本は買います。
同僚たちも、買ってます。
実際上絶版なら、古本で買うしかないからです。
でもご存知の通り、古本がどんなに売れても、どんなに高くても、
著者には出版社にも、1銭も入りません。
この本のようなすぐれた本の場合、なぜ復刊しないのか不思議です。)

そうなんです、いい本なんです。
上でサンプル画像のリンクを挙げましたが、
いかがでしたか、おもしろそうだけど、
イマイチ意味が取りづらいですよね?
それがこの本では、
なんとなく眺めているだけではほぼゼッタイ分からないような、
絵についての解説がしてあるんです。

なんだか「1円」(+送料)なので、
勧めていいものかどうかちょっと迷いますが、
本としては、明らかにその1000倍以上の価値があると思います。

で、みなさん、イベントは明後日です!!

2012年2月16日木曜日

途中で


文藝春秋という雑誌がありますが、
今日風呂でそれを読んでいて、
ちょっと「ああ」と思うセリフがありました。

「内向の世代」という文学グループ(?)がかつてありましたが、
その中の1人、今年80歳になる黒井千次のセリフです。

「(……)途中で終わることを恐れてはいません。
何かを完成させようという心がけは大事ですが、
人間はいつ死ぬか自分ではわからない。
生きている途中で死ぬのだから、
途中で終わることは人間にとって自然なことなんです」

だから、無理はしないのだと。
なるほどねえ……

ちなみにわたしは、「内向の世代」よりも、
むしろ「第3の新人」に親近感を抱いたほうです。
とはいえ黒井千次はけっこう読みました。
1番印象に残っているのは、短篇、「袋の男」です。
夜、若い女性がゴミ捨て場にゴミを捨てる。
上が縛ってあり、それが、うさぎの耳のように見える。
男は、それをそっと部屋に持ち帰って……
(文庫『石の話』に入っています。)

2012年2月13日月曜日

Grammy


Grammy の季節です。

その会場での Fergie のファッションについて、
「お勧めできない」というコメントが。

La chanteuse des Black Eyed Peas, la sublime Fergie, a intégré un peu trop vite la tendance néon du Printemps 2012. Quelques touches suffisent, un total look est, comme vous pouvez le constater, vivement déconseillé.

文中にある tendance néon というのは、
どうもこの春流行りそうだと言われる、
「蛍光色を使ったファッション」のことのようです。
ただ、にもかかわらず「お勧めできない」理由は、
使いすぎているから、なんでしょう。
どうもこの「蛍光の傾向」は、
アクセント的に使うのがよい、とされているようです。

2012年2月12日日曜日

現代フランス映画の肖像2


またこの季節が巡ってきましたね。

http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2012-2-3/kaisetsu.html

上映作品のあらすじを読むだけでも、
ちょっとおもしろいです。
中には、YouTubeに予告編があるものもありました。
しかも! 
これはおもしろそうだと思ったCHOUCHOU、
これは全編YouTube に!

http://www.youtube.com/watch?v=uJ5xtyb9BMs

フィルム・センターとは違って、字幕はないですけど。

ここで上映されるものは、ほぼ間違いなく、
日本公開されません。見るなら今です!

2012年2月11日土曜日

来年度前期・放送予定

NHKの語学番組、
来年度・前期のラインナップ、発表になってますね。

http://sp.nhk-book.co.jp/text/pdf/gogaku2012.pdf

「テレビでフランス語」と「まいにちフランス語・初級編」は、新作です。
どんな内容になるのか、楽しみですね!

2012年2月10日金曜日

「キルトの家」


今日は、録画してあった山田太一のドラマ、
「キルトの家」(前編・後編)を見ました。

腑分けしたり、分析したりすることも、多分できなくはないけれど、
そういうことじゃなく、なんだか全体として、感動しました。
山田太一は1934年生まれですから、77歳なんですね。
わたしももう(とっくに!)ワカモノではなくて、
老境から発せられる、それでも瑞々しい言葉にハッとしたりホロリとしたり。

年齢と、そして3.11の経験を経て、
今回のセリフは、どこか、何かが違っていました。
いつもの山田節でありながら、
なにかが違っています。それが、
見ているものの胸の深くに木魂するのです。

いつか御隠居さんになったら、
山田太一の作品のDVD を揃えて、
ゆっくり全部見てみたいです。
それまでに、どんどんDVD化が進むといいなあ。

ちなみに、冒頭の場面は、(またしても)池上駅でした!

2012年2月8日水曜日

寄り道


ユニクロの服、今や「1枚も持ってない」という人は、
ほとんどいないんじゃないでしょうか?
わたしもまた、たった今着ているフリースもユニクロだし、
運転用のごつい手袋もまたそうです。
値段に対する品質でいえば、突出していると言えるのでしょう。

そのユニクロが、大学1年生に対してさえ、
実質的な「内々定」を出す制度を作るとか。
以前は、英語公用語、みたいなことも言ってましたね。
でその結果優秀な学生が減ったとしても、
そもそもそんな学生要らない、と社長は言ってました。

ところで大学には、大学固有の存在意義があって、
どこか特定の企業に都合のいい学生を作る場所ではありません。

もちろん、ユニクロに就職するのを否定する気なんて全然ありません。
ただ、「あなた」がもし大学1年生で、ユニクロを目指しているなら、
さまざまな角度から、さまざまなレベルで、
たくさん考えてみることが大事じゃないかと思う、ということです。
たとえば「ファッションとは何か?」について、
1度本気で考えてみるとか。
そして色々寄り道した結果、
やっぱりわたしはユニクロ! と言うのなら、
それは素晴らしいと思うのです。

1年生で「内々定」を取ることは、
ちっとも素晴らしいこととは思えません。

雑感


玄葉外務大臣は、ほぼ一貫して、
イランの肩を持つかのような発言を続けています。
つまり、イスラエル寄りではなく、ということですね。

イランとイスラエルの問題は、もちろん簡単じゃありません。
イランはウラン濃縮施設を稼働させ、
核爆弾への道筋をつけているようです。
かつて、イランのアフマディネジャド大統領は、
「イスラエルを地図上から抹殺する」
と発言したことがあります。
これは「核攻撃」のことだと言われても仕方ないでしょう。
だからイスラエルは最近、なんなら先制攻撃したろか! と息巻いています。
もし実行されれば、これは第5次中東戦争(アラブ-イスラエル戦争)です。

アメリカとイスラエルが仲良しなのは言うまでもありませんが、
今アメリカはイスラエルを押しとどめようとしています。
(もちろん有事には、間違いなく支援するでしょうが。)
そして同時にイランに対する制裁をしているわけですが、
そこで日本の外務大臣は、
まあ日本は例外にして、とかなんとか、
制裁自体がゆるく見えてくるようなことを言いだすわけです。
これじゃイランは、あ、そんな感じね、と思うでしょう。
逆にこのままでは、イスラエルままた孤立を深めるばかり。
パレスチナ入植問題も、「性懲りもなく」という感じだし。

なにも「アメリカに従え」なんて気はありませんが、
日本の外務大臣、ないし政府は、この問題について、
ある種の独自外交でもする気なんでしょうか?
(石油が欲しいから?)
なにしろ「国家」公務員ですから、
「国益」こそが彼らの最優先事項なのは分かりますけど。
(義務教育の究極の目的は、「国家」に奉仕する人民の育成ですしね。)

ただ、シリア制裁に対する中国とロシアの拒否権行使に対しては、
玄葉大臣も、「深く遺憾に思う」と発言しています。当然です。
そしてアメリカもまた、中国・ロシアを批判しますが、
アメリカにその資格があるのか?
たしか似たようなこと、やってましたよねえ。

……というわけで、とりとめない雑感ですみません!

2012年2月7日火曜日

ゆるむ


今日の東京は、(予報ほどではなかったけれど)
比較的過ごしやすかったですね。
久しぶりに都心まで行ったのですが、
歩いている人たちの表情も、心なしか緩んでいたような。

明日、東京は晴れの予報ですね。
大学に行く予定です。

2012年2月6日月曜日

『中級をめざす人の フランス語文法』


すでにご存じの方も多いと思いますが、
我らが杉山利恵子先生の新刊、
『中級をめざす人の フランス語文法』
が出ています。

わたしも、フランス語の参考書を作る立場として、
いろんな希望を耳にしますが、その中でも、
長らく言われ続けてなかなか果たされなかったのが、
「初級は楽しかったんだけど、そのあとが……
イマイチ伸びてる感じもなくて」というみなさんへ向けての、
内容のある中級向け参考書でした。
それをついに、杉山先生が作ってくださいました!

これは、とてもいい本です。
「まいにちフランス語」の応用編がベースになっていて、
CD も付いています。
テーマごとに30課あって、これで1800円てことは……
1課=60 円! 
杉山先生(&NHK出版)、がんばりました!

初級をまとめつつ、次のステップを目指したい方、
ほんとにお勧めします!

2012年2月5日日曜日

寒い立春


お騒がせしましたが、
今日(厳密には昨日になりましたが)から、
日常復帰を果たしました。

大学では、入試も本番を迎えます。
受験生のみなさんは、特に風邪やインフルに気をつけて!

さ、また明日から、元気に飛ばすぞ!(オー!)

2012年2月3日金曜日

『混成世界のポルトラーノ』のこと


『混成世界のポルトラーノ』のこと、少し書かせてください。
ちょっと長くなるかも。

左右社のHPには、こんな紹介が;

「テクストと写真で描く、現代世界を旅するための航海図。

北京、南台湾、ボルネオ        林ひふみ

大連、モントリオール、パリ       清岡智比古

ダッハウ、ネヴァダ、タスマニア   波戸岡景太

デリー、大東島、洛山          倉石信乃

ヒロ、ラハイナ、ホノルル         管啓次郎

文化と文化が出合う地を、旅人の視線で歩き、研究者として捉え直す。」

この通りなんですが、もう少し詳しく言うと……

まず最初の林さんの北京、いきなり引きこまれます。
林さんは、中国語圏では有名作家(新井一二三)なんですが、
その理由がはっきり分かる力の漲った文章です。

1つのキーは「ユーラシア」。
この大きな視点へと広がる瞬間ははっとさせられますが、
それは同時に、街中のなんでもない風景に向けられた視線と隣り合うことで、
全体が、こちらの胸の中にぐっと落ちてきます。
この文章は信用できる、と思えるのです。
たとえばこんな場面、

「建物の中は暖房もあまりきいておらず、
客はみな分厚い綿入れのコートを着込み、
人民帽と呼ばれたカーキ色のキャップか、
毛皮の耳当てがついたロシア人のような帽子をかぶり、
背中を丸めてテーブルを囲んでいた。
照明も薄暗く、店内は鍋から立ち上る湯気で白っぽく霞んでいた。」

丸まった「背中」が、湯気の向こうから迫ってきますね。

ただ林さんの文章の困る点は、お腹がすくこと!
どうしてこうも美味そうなものを集めて来られるのか?
彼女は普段からはっきり言っています。

「人間はね、食べたものでできてるの!」

おっしゃる通り。
ただこれが、「美食」に堕落することなく、
まあなんというか、大げさに言えば、
生命の源を目指す旅になっていること。
それが林スタイルです。

そしてもう1つ、これは管さんの文章などにも顕著なのですが、
1つのエッセイの中に、時間の遠近法がすでにしまいこまれているという、
訓練された「大人」にしか実現できない骨格があります。
これは若い人にも、今後持ちえるかもしれない視点として、
ぜひ若いうちに感じておいて欲しいと思います。
(わたしもそうしてればなあ……)

ところで、この本では5 人が、
いわばバラバラな場所のことを書いている、という印象があるかもしれませんが、
そんな単純な話でもないんです。

まず、今の時代、ある場所とちゃんと向き合おうとすれば、
どうしてもさまざまな場所からの波音が聞き分けられてしまう、
という事情があります。
これがこの『混成世界のポルトラーノ』を読んでいただくときの、
醍醐味の1つになっていれば、と思っています。

また、もっと具体的に、15 の場所は、響き合ってもいます。
たとえば、林さんが

「日本女性を母に持つ鄭成功の像が立つ台南駅(1936年竣工)のデザインは、
東京の上野駅(1937年)にそっくりだ。
中国東北地方で日本人が建設した旧満鉄大連駅とも。」

が書くとき、それはわたしの担当部分の、若い女性のセリフ、

「あ、大連駅を過ぎました。」

というなんでもない1文と、呼応しているわけです。
そしてもう少し大きな文脈で言うなら、
「ダッハウ」も、「大東島」も、もちろん関係がありますし、
最初の大東島踏査が行われた1885年、
「ハワイ島」には、944人の日本人が、
「官約移民」第1号として到着しているのです。

そして5 人の中で1番若い波戸岡さんの文章の始まり近く、
こんな印象的な一節が置かれています。

「ダッハウはダッハウではない、と詩人が言う。(……)
それが本当なら、私はその「ダッハウではないダッハウ」の方を旅したかった。」

ナチの強制収容所のある町として知られるダッハウ。
けれどもそこにそれが置かれる以前のその町は、
おそらくありふれた、それでいてちょっとした個性はあるにちがいない、
田舎の町だったのでしょう。
それが置かれさえしなければ、「世界史」に登場することもなかったような。

波戸岡さんは、その2つのダッハウの裂け目に滑り込もう、
そしてその空白じみた時間/空間から、
もう1度21世紀に帰る旅を試みているように見えます。

そして波戸岡さんが素晴らしいところは、
それが極度に個人的な試みを、社会的なものにもして見せることです。
彼は、友人たちの言葉を思い出します。

「そうだね、誰でも一度はあそこに行くべきだと思うよ。
その一言を口にすることは、
ホロコースト以後を生きる私たちの最低限のモラルだ。」

さっき、「空白じみた」と書きましたが、
波戸岡さんのデビュー作は、
『オープンスペース・アメリカ――荒野から始まる環境表象文化論』です。
このタイトルは、わたしのような年代の場合、吉本さんの、
『空虚としての主題』を思い起こさせるところもあります。
ポルトラーノからちょっとそれますが、
ここまできたらちょっと触れておきたいですね。

この「オープンスペース」というのは、
実は分かるようで分からない何物かです。
だって、空き地、なわけですから。
(言語学の定番ネタに、「穴」の定義、というのがあります。
穴には実体がなく、穴以外によってのみ説明できる空虚、なんですね。
それに近い?)
でもたとえばこれは、ごく単純に考えて、
モダン建築の並ぶ町、あるいは、
ほんとにどこにでもあるような新興住宅地、
というようなものだと言っても、そう的外れではないのではないでしょうか。
そこには、家も庭もアスファルトもあるわけですが、
(つまり本当の「空き地」ではないわけですが、)
今その住宅地を眺め渡している「私」にとって、
それは「なにもない空間」なわけです。
そしてもし、このなにもない、荒涼とした場所にこそ、
どうしようもない親しみを、懐かしさを感じるとしたら……

波戸岡さんは来年度から、ドイツで研究される予定です。
どんなオープンスペースを見出し、
そこから何を見ることになるのでしょう?
わたしも1読者として、とても楽しみにしています!

そして、日本の写真論を牽引する倉石さんは、
実はARICA というシアター・カンパニーで、
テキストとコンセプトを担当なさってもいます。
(いいなあ、才能のある人たちは!)
最初に置かれた「デリー」は、
このARICAのインド公演の体裁を取っています。
倉石さんが「デリー」で見せる文章は、ほとんど散文詩のよう。
楔のような、捩じられた鋼索のような、スリップする氷の塊のような文章なんです。

(わたし以外の4 人は、お世辞じゃなくて、みんな文章が上手。
そしてみんなお互いに似てない! 面白いですよ~)

たとえば冒頭の1行はこうです;

濃霧のインディラ・ガンディー国際空港に降り立った時には深夜零時を過ぎていた。

いいですねえ。霧は、気配の化身なのでしょうか?

そしてリハーサルの合間、カフェテリアで一服した倉石さんは、
「ターバンを頭に巻きアーガイル地のセーターの上にツイードの背広を着た
髭の濃い初老の男」に声をかけられます。
彼はどうやらヨガの行者らしいのですが、
なんと彼が話し始めたのは……

そして後半では、ニューデリーからオールドデリーへ。
小型オート三輪から降り立つ「わたし」。

「すると手ぶらのあるいは荷物を担いだ群衆が次々に視野のフレームに
飛び込んでくる。それは止まない。心の中にひとりでにスナップ写真が
いくつもできあがるのだ。」

そして倉石さんは、「群衆」を「むしろぼんやり」眺めることになるのですが、
その結果、

「多段階的な速度が視野のフレームの中に出入りしわだかまる。」

はあ。なるほど……
これを書ける人は、倉石さんしかいないでしょう。

本当は、倉石さん(だけじゃくみんなそうですが)の文章は、
もっともっと内容豊かなんですが、
それはぜひ、本文をお読み頂ければと願っています。

トリは管さんです。
これは日経に連載されていたものです。(改稿あり)
管さんは今や日本を代表する書き手の1人なので、
ここでご紹介するまでもないでしょう。
ただ今回の文章は、モトが新聞だけに、
間口を広く取ってある印象です。
(奥行きはいつも通りの深さです。)

ハワイの神話、アロハ・シャツ、ウクレレ、サーフィン……
こうして並べると定番にさえ見えかねない材料も使いながら、
織られた文章の綾は……

そしてわたしも知らなかったこの歌唱;

http://www.youtube.com/watch?v=nj70xlYGmEI

こんなことまで教えてくれます!!

……というわけで、
微熱の中での「一気書き」なので、
著者のみなさま、的外れ&失礼の節はどうぞお許しを。

そしてここを読んでくださっているみなさん、
騙されたと思って、最初から最後まで、
ぜ~んぶ読んでみてください。
いい本だと、思っていただけると、確信しています。
長々すみませんでした!

どこまで

今朝起きた感じは good で、ヤレヤレと思って食事をし、
(いつも通りグレープフルーツも欠かさず食べ、)
その後、寝ている間の「夢」だった近所のスーパーでの買い物へ。
あれこれまとめ買いしているうち、なんだか寒~~くなってきたので、
まだ早かったけれど、すぐ隣のラーメン屋で昼ご飯(ワンタンメン・麺固め)。

で全部食べて暖かくなって、帰宅。
でも、あれ、また寒くなってきたなあ、座ってられないくらいだるいし……
でまごまごだらだらし、まさかと思いつつ体温を測ると37.5度。
あらら。またですかい!
(もちろん、ハーハー言うほどの状態じゃありませんけど。ワンタンメン食えるし。)

2012年2月2日木曜日

ダラダラ

今朝の熱は37度。
そして午後10時には37度。(悪寒付き)
あれ? 変わってない?
こういう風にダラダラ風邪が長引くあたり、

♪ もう若くないさと、君に言い訳したね

な気分です。
(もしかして意味不明?
モトは、「いちご白書をもう1度」です。)

でも今日は、1日中『混成世界のポルトラーノ』を再読。
風邪なのに、旅して、たらふく食ってきた満ち足り感があります。

2012年2月1日水曜日

pas encore...

熱は一進一退。
そろそろ起きたいところですが。