2012年4月9日月曜日

『時計回りで迂回すること 回送電車Ⅴ』


堀江敏幸さんの「回送電車シリーズ」も、
気づいてみたらもうvol. Ⅴなんですね。題して、

『時計回りで迂回すること 回送電車Ⅴ』

編集者の人たちと話をしていて、
本が売れない、というのは、もうほとんど挨拶のようなものですが、
中でも動かないのが、エッセイ、というのも、
みなさんが異口同音に口にすることです。
兼好法師やら鴨長明やら、近くは薄田泣菫も含めて、
エッセイ文化の中で生きてきたようなわたしたちなのに、です。

でもそうした中で、この「回送電車シリーズ」は、
現代のエッセイの醍醐味を味わわせてくれる、貴重な作品です。
みなさん、堀江さんの声、ご存知でしょうか。
たくさんあるのでしょうが、たとえばこれ。

http://www.youtube.com/watch?v=V1soIuDrhVg

これは、わたしも隅で聞かせてもらった、おもしろいイベントでした。
でもそれはともかく、この回送電車を読んでいると、
とても強く、堀江さんの声が聞こえてきます。
(小説の場合より、はるかに強く。)
ここ数日、夜になるとこれを読んでいたのですが、
毎晩堀江さんと話しているような、そんな気分でした。

とにかく、印象的な「お話し」がたくさんあります。
とてもおもしろかったです。