2012年4月6日金曜日

イラン




先日、ペルシャ語を専門にしていて、
今博士論文を準備している若い友人と、
色々おしゃべりする機会がありました。

ペルシャと言えば、今のイラン。
イランと言って、みなさん、何を思い浮かべるでしょうか?
最近では、ややきな臭い感じで、
最近のガソリン高騰の一因も作っているわけです。
先日もここで書きましたが、
イスラエルとの緊張は、今も続いています。

イランはイスラム国家。
イスラムにはいろんな宗派があり、
イランの場合はシーア派が優勢だそうです。
そしてこのシーア派は、イスラムの中でも、
イスラム以前からペルシャの地に根付いていたゾロアスター教の、
はっきりした影響があるそうです。
「イスラム化したゾロアスター」と呼ばれることさえあるとか。
イスラム国家だからと言って、国民がそのルーツを、
必ずしも「純イスラム」に求めているわけではないことが分かります。

また、イスラムと言えばムハンマドですが、
イランではむしろ、アリーの人気が高いそうです。
彼はムハンマドの娘・ファティマの婿で、初代イマームですね。

シーア派では、このイマームは、預言者並みに権威があり、
「イマームは神と人の仲保者であり、人は神を直接知ることはできず、
イマームを通してのみ神を知り得、イマームなしには人は神の意志を知り、
それに従って生きることもできない」(Yahoo 百科辞書)だそうです。

そして12第目のイマームは、今は(いわば)姿を隠しているけれど、
やがてこの世の終わりには、救世主として再臨するというのです。
(かつてホメイニ師が、この12番目のイマームでは? 
と言われた時期もあったそうです。)

そしてアリーですが、画像があります。


イスラムでは、偶像禁止のはずなんですが……
これは最近つくづく思うのですが、
偶像は禁止なのではなく、禁止ということになっている、わけですね。
イランにも、こうした絵は実際はあるそうです。
(日本にだって、ないことになっているけれど実際には在るもの、
なんてたくさんあるでしょう。銃も、麻薬も……)

そしてぜひみなさんに見て頂きたいのが、
このYouTube です。
イランの女性たちの、ファッションを紹介したものです。
(これもさっきの友人に教えてもらいました。)

http://www.youtube.com/watch?v=V9GeAR5VXZU

たしかにヘジャブは付けていますが、どうでしょう、
ずいぶんおしゃれな感じのものもあるし、
新鮮なのは彼女らの表情です。

解説はこちら:http://www.pointdujour.fr/fiche.php?fiche=318&theme=17&rub=programme

当たり前ですが、イランにも、イスラム国家をやめて、
世俗国家にしたい、民主主義国家にしたい、
と思っている人はたくさんいるわけです。
イスラム的な戒律なんて、そんなに重要じゃない、と思っている人も。
つまり、色んな考えの人たちがいるわけです、当たり前ですけど!

この当たり前のことを、つい忘れてしまうことがあります。でも、
「イラン」と言われて、なにか不穏な空気だけ思いだすのでは、
あまりに実際から遠いのでしょう。

もしあなたがおしゃれが好きならば、
その一点に置いて、彼女らに共感することもできますね。