2012年9月30日日曜日

Dans la vie

Dans la vie という映画を見てみました。
もちろん、In the life ということですね。

主役は、フランス南東部に暮らす2人の女性。
共通点は、おそらく60~70歳くらいであること、
そしてアルジェリア出身であること。
違いは、一人がユダヤ人(エステル)で、
一人がムスリム(アリマ)であることです。
エステルは車椅子生活で、看護を必要としていますが、
希望のなさからくるわがままのため、
介護するアシスタントが長続きしません。
そんなとき訪問看護に来たセリマは、
途方に暮れるエステルの息子に対し、
自分の母親、アリマを紹介するのです。
ここから、アリマがエステルを介護する日々が始まります。

http://www.allocine.fr/video/player_gen_cmedia=18798655&cfilm=127409.html

ユダヤ人とムスリム。
しかもテレビからは、ガザ地区での戦闘のニュースが流れ……
喧嘩もしますが、
結局二人は、人間的な深みのどこかで繋がることができます。

地味な映画です。
その最大の理由は、音楽が控えめなせいでしょう。
また画質も、2007制作にしては、明るさが足りない感じ。
しかも主演の二人は素人なのです。

でもトータルとして見れば、
悪くない作品だと思います。
なんといっても、アルジェリア出身の二人の女性、
ユダヤ人とムスリムを出会わせたという点が重要です。
そして、
アリマは年配なのに、
自分で働いてそのお金で巡礼に行きたい、
しかも目の前に困っている女性がいるんだから、
それを助けるのは当然のこと、
彼女がユダヤ人かどうかなんて、今は関係ない……
と主張します。
これは他の作品では、若い世代が言うセリフである気がします。
アリマが言うと、新鮮です。
たとえ近所のうるさがたが「ユダヤ人の金で巡礼かい?」と揶揄したり、
息子が「恥を知りなよ」なんて言っても、
堂々と自分の主張を展開します。

共生、と言ってしまえばそれまでですが、
「生活」のレベルで、それを体現する女性たちの話でした。

*小さなことですが、
映画冒頭、ある家庭を訪問したセリマは、
患者である白人男性から、
 « Je n’aime pas les gens comme vous »
と、「アラブ人」差別を露骨に表明されます。

また、セリマとエステルの会話の中で、
アルジェリアではユダヤ人とムスリムは仲良く暮らしていたことが確認されますが、
エステルは、
「でもわたしたちアルジェリアのユダヤ人は、
結婚だけは、自分たち同士でしかしなかった。
モロッコのユダヤ人とも、チュニジアのユダヤ人ともしなかった」
と発言します。
この点は、いつかどこかに繋がりそうな気がします。