2013年1月5日土曜日

『トニ』

あのジャン・ルノワールが1934年に制作した『トニ』。
これは日本版DVD が出ているので、ちょっと見てみました。

http://www.youtube.com/watch?v=2-vopT_1UxI

(この予告じゃあ、よく分からないですね。)

パッケージの解説には、
「三角関係のもつれによる情痴殺人」とあって、
これはどうかな? と思いつつ見たんですが、
この解説文はほとんどデマでした。

舞台は1920年代の南仏。
スペインからの移民であるトニは、1年後、
彼が下宿した家の娘マリと同棲状態に。
けれどもトニは、ジョゼファとの結婚を望んでいる。
そしてジョゼファは、マリの存在を知りつつもトニを誘い、
しかも、トニが働く現場の主任と寝てしまう……

これで話の3分の1くらい。
ただわたしにとってのポイントは、
そうした関係の錯綜ではなく、
この1930年代という時代に、
はっきりと移民の生活が描かれたいた、という事実のほうです。
この時代は、ヨーロッパ系の移民が多かったわけですね。

この作品、イタリアン・ネオリアリズモの先駆、という評価もあるようです。