2013年4月15日月曜日

自分のこととして

先週は北朝鮮に振り回された感のある1週間でした。
そして日本が、
ある危険のなかにあった(ある)のは事実ですが、
それとは別のものも感じます。
つまり、3つの大国が、
それぞれの利益を最大限にするという1点を目指して、
今後のアジアのバランスを取ろうとしているということです。
今ある危険を目一杯クローズアップすることで、
自分たちの意図を達成しようというかのように。
そういう感じを持った人は、少なくないと思います。

公共工事を正当化するには、
想定される地震の恐怖を煽ること。
危険な巨大施設、
それを運営する能力に疑問符がつく企業、
それらから目を逸らすためには、
景気の好転を言い立てること。
メディアは、権力の側の意図のブースターではないはずですが。

今回の株価の上昇で「儲けた」人が、
いったいどれだけいるのでしょう。
メディアは、そうした人を取材し紹介するとき、
彼らが全体の何%にあたるかは言いません。

文部科学の相大臣は、
「子どもたちに日本に生まれてよかったと思ってもらえるような歴史認識も
教科書に書き込むことが必要だ」
と話したそうです。 

日本人が、日本に誇りを持つことはいいことでしょう。
でも、それと、
「日本に生まれてよかった」という感覚は、だいぶ違います。
できれば、
「人類の幸福に貢献したいと思ってもらえるような教科書」
と言って欲しかったですね。

さ、明日は初「ワールド映画ゼミ」です。
動き続ける世界の、その断片だけでも、
自分のこととして考えて欲しいと思います。