2014年2月11日火曜日

Métisse

カソヴィッツが、
あの『憎しみ』の2年前(=1993)に発表した
『カフェ・オ・レ(Métisse)』、
もう20年前の映画ということになりますが、
見てみました。
そうですねえ、たぶん15,6年ぶりという感じでしょうか。

https://www.youtube.com/watch?v=iozLJsvKHDs

この映画の構図は、単純な三角関係にあります。
マルチニック出身で、クリスチャンで、まだ学生である女性、
外交官の息子で、裕福で、ムスリムで、やはり大学に通う黒人男性、
ワーキング・クラスで、貧乏で、ユダヤ人で、ヨーロッパ系白人の男性、
この3人です。
お話は、女性の妊娠が分かったところから。
わがままな彼女は、
どちらかの男性を選ぶことをせず、
3人で暮らすことを選びます。
また男二人が、いろいろありはするものの、
この提案に乗っていって。

正直言って、
なんだかなあ、という気はします。
(その最大の理由は、やはり女性の造形が浅いし弱いこと。)
ただ、
物語全体が、ユダヤ人フェリックスや彼を取り巻く家族を通して、
主にユダヤ人的な視点から見られているところに、
おもしろさを感じました。
アフリカ系の彼のムスリム感はとても薄いのに、
このユダヤ性は映画全体に漂っています。
(カソヴィッツ監督は、ハンガリー系ユダヤ人移民の息子です。
『憎しみ』も、かなり「ユダヤ的」とも言える映画でした。)