2014年6月27日金曜日

『ゾンビ革命』2

で昨日の続きですが、
たとえばこの映画を、
「キューバ人」をテーマとしている作品だと考えてみると、
わりと視界が開けるようです。
というのも、主人公フアンは、
ふだんはキューバ人らしく(?)、わりとグータラしてるのですが、
ゾンビたちが出現した危機には、
とてもしぶといサヴァイヴァーとしての能力を発揮します。
そしてその方法は、基本的にローテクなんですが、
同時に、金儲けにもつなげてみせるあたり、
いい意味でしたたかだと言えるのでしょう。
彼は、キューバ人が持つとされる、
サヴァイヴする能力を体現しているようです。

一方ゾンビたち、彼らもまた、
キューバ人のアレゴリーであるようです。
というもの、いわばマンネリ状態に入った社会主義政権下において、
やや思考停止的な状態に入る部分が、
キューバ人にはないとは言えないからです。
しかもゾンビたちは、革命広場に集まったりします。
この場所は、政府が主導するデモが行われる場所なのです。
政府の言いなりに、デモに参加する人々は、
ゾンビ的だと言えるのかもしれません。
そしてそれもまた、キューバ人の一面であるわけです。
(学生情報によれば、
一般にゾンビたちは、ショッピングセンターに集まるそうです。
それはそこに人間たちがいるからであり、
また、人間だった時の習慣が残っているからだ、
と説明されます。)

B級映画なんですが、
キューバを足掛かりに、
スペイン、アメリカ、ロシア、アンゴラまで話が広がり、
とても面白い授業でした。