2017年4月28日金曜日

2つの Les Halles

レ・アールが、
6年の改装工事を終え、
約1年前に新装オープンしたのは記憶に新しいところです。
まだ見てないわたしにとっては、
今後行くのが楽しみな場所です。
canapée と名付けられたガラスの天蓋も見たいし。

http://ovninavi.com/%E6%96%B0%E3%83%AC%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%81%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%80%82/

なにしろレ・アールは、
パリの臍ですから。

今日、

La vie au ranch(2010)

https://www.youtube.com/watch?v=x03hN0VSEvQ

という映画を見たのは、
ただ一点、
あの Paris

http://tomo-524.blogspot.jp/2016/03/paris-6-episodes.html

でトランスジェンダー役を演じていた、
Sarah Jane Sauvegrain が見たかったからです。
映画は、
元気で裕福な若者たちの、
お気楽でイケイケの「青春」を描いていて、
2010年作とは思えない古めかしさで、
まあ、特にどうということはなかったのですが、
Sarah(パメラという女性を演じています)が友達を住んでいるのが、
Place Maurice Quintin(モールス・カンタン広場)の目の前のアパルトです。
この広場は、
レ・アールの北側の入り口、
Porte du Pont Neuf を半円形に取り囲むように広がっています。

で、Google Map で見てみたら、
小さな面白いことが起こりました。
この辺りには2本の、
ごく近接したストリート・ヴューのラインがあり、
それが、はっきり時代違いなのです。
つまり、古いほう、つまり工事前のレ・アールが見えるほうが、これ。

https://www.google.co.jp/maps/@48.8611125,2.3449155,3a,75y,34.55h,93.74t/data=!3m6!1e1!3m4!1sZzm7pwowBeucrQMJcH_KTQ!2e0!7i13312!8i6656



そして新しいほう、工事中のが、これ。


https://www.google.co.jp/maps/@48.8612754,2.3449963,3a,75y,36.82h,92.34t/data=!3m6!1e1!3m4!1siDF8vyLrjDpxQBF-jxieAg!2e0!7i13312!8i6656

Google Map も時間が経ち、
年代を設定して見られるようになれば
(というか、なるのでしょうけど)
さらに研究しやすくなるし、
なんといってもおもしろい!
(100年後、200年後の人も、
この画像を見ることになるのでしょう……)

GWにお勉強

以前も書いた気がしますが、
もう一度。

Journal en français facile  (やさしいフランス語ニュース)

https://savoirs.rfi.fr/fr/apprendre-enseigner/langue-francaise/journal-en-francais-facile

は、RFI(エレフィ←エール/エフ/イをアンシェヌマンで)
が提供するニュースです。
10分ほどの短いニュースナンスが、
これ、一聴すると、
そんなに「やさしい」わけじゃありません!
でも、RFI の通常放送に比べると、
明らかにわかりやすい。
語彙や表現が限定されているから、なんでしょう。
スピードも、人によっては、
あきらかにゆっくりめにしゃべっていたり。
(人によっては、まったくノーマル。)

そしてこのニュースの最大のメリットは、
トランスクリプションが付いていること。
(それぞれの日の、マイクの画像をクリック)
わからなかったところを、
目で確かめられるんですね。

毎日更新されます。
GWの勉強に!

第2回へ

さっき見たフランスのニュースによると、
第1回でメランションに投票した人は、
第2回に……

マクロンに投票 45%
ルペンに投票   16%
棄権        39%

この、16%の人たちは、
左端から右端に乗り換えるわけです。
そこにある共通点は……

2017年4月24日月曜日

Monsieur "et en même temps"

というわけで、
まあ、予想通りの二人が、
finalistes になったわけですが……

日本の新聞、テレビ、
またそれらを引っ張ってきただけのネットニュース、
そのどれを見ても、
違和感があります。
いろいろありますが、
一番目立つのは、
<グローバリズム=善>という視点からの解説です。
マリーヌは、
わたしは反グローバリズムだ、
と言っているわけで、
それを<G=善>という視点から切れば、
結論は見えています。
マクロンを批判している人たちは、
彼を(浅い感じの)グローバリストだ、と指摘しているわけです、
もちろんマイナスの意味で。
にもかかわらず、日本では、
彼はエリートで、高収入で、史上一番若くて、弁舌巧み、
だと紹介します。
たしかに(弁舌以外は)そうでもあるでしょう。
でも、そんな表面的なことでいいのでしょうか?
言葉を換えれば、
大企業寄りで、
経済のこと以外思想はなく、
庶民感覚からはるかに遠い人物、
とも言えるわけです。
そしてついたあだ名が、
Monsieur "et en même temps"
(ミスター<そしてそれと同時に>
→ミスター<どっちやねん!>とも訳せそう。)
あることを言った後に、
「そしてそれと同時に……」
と言いながら、それまでとは矛盾することを言うのが得意だというわけです。
言葉が軽い人、ということですね。

マリーヌとトランプは、
たしかに比較したくなるけれど、
やっぱりずいぶん違いもあります。
マリーヌはあんなにウソつきじゃないし。
それに、極右と言われますが、
まあ、自民党程度だとも言えるでしょう。

日本のメディアの浅さが、
実感されるのでした。
(残念!)

2017年4月23日日曜日

3本

『パリ警視庁:未成年保護部隊』の監督、マイウェンの、
見てなかった2つの監督作を見てみました。

Pardonnez-moi (2006)
Le Bal des actrices (2009)

https://www.youtube.com/watch?v=0GqtBI1kyqo
https://www.youtube.com/watch?v=u_Id_AHibv0

前者は、実質的なデビュー作。
母親や父親との関係を描きます。
また後者は、
カリン・ヴィアールやマリナ・フォイス、
さらにはあのシャルロット・ランプリングなど、
何人もの女優たちの仕事とプライベートを追ったものです。

両作ともに共通した点は、
まず、ヒロインであるマイウェンが、
さまざまなことをカメラで撮り続けることが、
タイム・ラインになっているということ。
そして、そうして撮っている彼女自身も映されていること、
また、要所に俳優が配置されることで、
どこまで現実でどこからが虚構か、
まったくわからなくなっていること、です。
後者の女優たちは、
みな本人役で出ているわけですが、
その夫は役者が演じていたり。
まあ、メタ構造とも言えるのでしょう。

そしてついでに(?)もう1本、
これは戦争映画の、

『レバノン』(2009)

も見てみました。
1982年の、レバノン戦争開戦の第1日を、
イスラエル兵の視点から描いているのですが、
実はこの兵士たちは、
映画の時間ずっと、
戦車から出ることはありません。
戦闘中の外界は、すべて、
戦車の照準越しに提示されます。

https://www.youtube.com/watch?v=AUDCp-Spuog

評価が高いようですが、
たしかに、娯楽性を追求せず、
兵士の煩悶と閉塞感をうまくとらえていると感じました。

途中、ファランヘ党の兵士として現れた男は、
アシュラフ・バルフムが演じていました。
(『シリアの花嫁』では、ナンパなあんちゃん役、
Héritage では弁護士役でした。)

2017年4月22日土曜日

Champs-Elysées

シャン・ゼリゼでのテロ。
しかも、選挙直前というタイミング。

この事件で、
得票数を増やす候補者がいるとすれば、それは、
ふつうに考えて、
マリーヌということになるのでしょう。
それを、IS がわからないとも思えない。
となると、
IS は彼女を当選させたがっていて、
自分たちとの対決姿勢を強めてもらって、
でも自分たちは(少なくとも簡単には)負けないし、
一方フランスの分断は深まり、
国民は疲弊し、
ひいてはヨーロッパも疲弊する……
これが、IS の考えていることだとしたら、
やっぱり、とてもイヤな感じです。

文藝春秋のインタヴューを読むと、
マリーヌは、
トランプと違って、
(思想的には共鳴できませんが)
そんなに変な人でも変わった人でもない印象があります。
でも、やっぱり、
マリーヌに勝って欲しいとは思えません。

最後の5行

これはびっくり。
朝日(東京版)で読んでいて、
とても印象に残っていたのですが、
こんなオチがあるとは。

https://twitter.com/asunokaori/status/855211138778136577

2017年4月20日木曜日

Babysitting & Babysitting 2

英語題のフランス映画、

Babysitting & Babysitting 2
(『真夜中のパリでヒャッハー!』
 『世界の果てまでヒャッハー!』)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=ysvDWlq84zE

それなりに笑いはあります。
(どちらか言えば、『真夜中』のほうが面白いです。)
そして両作とも、メインになる事件が、
現場に残されたカメラに録画されている、
そしてそれを、
警察官たちが見る、
という形で進むところに新奇さがあります。
ただ、
新奇ではありますが、
これはいわば、
すべてが回想シーンとして語られていることでもありますから、
その点では、
作劇の上、やや安易だという気もします。
この物語を、
時間軸に沿って作るほうが、
はるかに大変でしょうから。
また、さまざまな民族や人種に対しての、
冗談としての差別表現がふんだんに出てきます。
ただ、ヨーロッパ系白人に対するそれが少ないのは、
やはり問題でしょう。
特に『世界の果て』における、
黒人に対する表現は、いただけません。
白人に対して、
その優しさや失敗が細かく描かれているのに対して、
黒人に対しては、
きわめて類型的で、
大雑把な表現にとどまっています。

2017年4月18日火曜日

French Kiss

一昨日、
中野キャンパスの購買部で、
お茶を買っているとき流れていた、この曲。

https://www.youtube.com/watch?v=3-GVRJr72LU

カワイイ!

それにしても、
フランス語の歌が流れているなんて、
珍しいことでした。

『オマールの壁』

見たかった映画、
『オマールの壁』
のDVDが出たので、見てみました。
(原題は『オマール』)

https://www.youtube.com/watch?v=y5-lZMtHCSo

イスラエルの、
パレスチナ自治区を取り囲む、いわゆる「分離壁」。
その内側に住むオマールには、
その側に暮らす恋人ナディアがいます。
そして彼女の兄タレクとオマール、そして幼馴染のアムジャドは、
パレスチナ解放運動を進める同志でもあります。
ある日この3人は、
夜闇に乗じて、
一人のイスラエル兵を射殺します。
そして、
(密告があり)
オマールは捕まり、
一生獄中で暮らすか、
スパイになるかを迫られます……

<以下、ビミョーにネタバレします>
いい映画だとは思うのです。
ただ、息苦しい。
社会の歪みと、
人間存在の根底にある歪みが、
ともに露出しているから、なのでしょう。
誠意や愛情もたしかにあります。
でもそれらは、
いわば、抹殺されてしまいます。
評判の良かった『パラダイス・ナウ』も、
実はわたしは、
息苦しかった記憶があります。
もちろん、敢えてそうしているのでしょうし、
そういう作品もあっていいとは思いますが、。

2017年4月15日土曜日

1週間

大学院、そして大学の、さらにはリバティーの授業が始まり、
また昨日は今年度最初の「会議日」をこなし、
これでわたしにとっての今年の<一週間>が出揃いました。

で昨日は、恒例の4つの会議の後、
新任の先生たちを囲む会が、
大学近くの洋風居酒屋で行われました。
文系の教員は、
わたしを入れて二人だけで、
あとは全員理系の先生たちだったんですが、
なんといっても同じ大学所属ですから、
話しはいくらでもあって、
なかなか盛り上がりました。

新任の先生たちは、若くて、
「全力で」がんばります、という言葉も、
初々しくて、いい感じ💛でした。
春は、気持ちがリセットされていいですね。


2017年4月13日木曜日

Les Petits Princes

Les Petits Princes、と言っても、
星の王子様たち、じゃありません。
2013年公開の映画です。

https://www.youtube.com/watch?v=1mLBVZsCxR0

サッカーの大きな才能に恵まれた、16歳のJB。
彼は有力クラブの、育成センターに入れることになりました。
が、
実は彼は、心臓に問題を抱えていて、
医者から、激しい運動はしないように、と指示されています。
これがバレたら、
もちろんセンターには入れません。
JBは偽の書類をでっちあげて、提出します。
彼には、サッカーしかなかったからです……。
センターには、
さまざまな出自の同輩たちがいて、
たがいにライヴァルとして張り合っています。
ただその中でも、
JBの才能は抜きんでており、
それを見込んだコーチ(レダ・カテブ)は彼に、
(監督に知られないように)
特別練習を受けさせます。
やがてJBはキャプテンとして、
大事な試合に臨みますが、その試合中に……
というお話。

丁寧に作られていて、
感じのいい小品だと感じました。
JBのカノジョになる少女も、
堂々としていて感じがよかったです。

Jean-Luc Mélenchon

「フランスのバーニー・サンダース」
とも言われる、Jean-Luc Mélenchon.
どこまで行けるのでしょう。

http://melenchon.fr/2017/03/18/defile-6e-republique-18-mars-a-paris/

やっぱり、レピュブリック広場ですね。

2017年4月12日水曜日

さくらばな

今日は、
大学での「フランス語の授業」の初日。
しかも、リバティー・アカデミーの初日でもありました。
いい天気だったし、
快調な滑り出し!(たぶん)

そして生田キャンパスでは、
まだまだ桜が咲いています。


さくらばな陽に泡立つを目守りゐる
この冥き遊星に人と生まれて          (山中智恵子)


「目守りゐる」は「まもりゐる」。
「冥き」は「くらき」。

そういえば昨日、
青森出身だという学生が、
「生田のさくらはヴォリュームが足りない、
わたしの地元のさくらに比べると」
と言っていましたが、
それが本当なら、
どんなに「泡立」っていることでしょう。

2017年4月10日月曜日

体育の時間(?)


でもそれじゃ走れないでしょ!

授業開始

さて今日から、
2017年度の授業開始です。
赤飯を食べるわけでもありませんが、
(昼は丸亀うどんだったし)
また新年度のスタートです。

今日、月曜の授業は、
今年から中野キャンパスでの大学院の授業です。
おお、そうだ、ということは、
総合芸術系も、めでたく今日から授業が始まったことになります。
(パチパチパチ!)

今日の授業は、「映画と都市」。
わたしにとっては、今は、一番好きなテーマです。
都市計画を専門にしている理系の院生も二人いたので、
まず今日は、文系的な語彙の確認から。
民族とか、人種とか、ユダヤ人とか。
(ついでに、トランプ大統領以降の、
アメリカのイスラエル政策の変化も。)
院の授業なので、あまり手加減しませんが、
やはり理系と文系では、
ベースになる知識が違うのは、
ある程度仕方ないのでしょう。
ぜひこの授業で、
いいバランスにして欲しいと思います。

明日は生田キャンパスでの始動です。

2017年4月9日日曜日

大統領候補者 Tシャツ


フランス大統領選まであと2週間ほど。
エマニュエル・マクロンとマリーヌの優位は動きませんが、
最近は、メランションが支持ポイントを上げつつあるようです。

上の画像は、半年くらい前の、
あのシャルリ・エブドの表紙です。
右なの左なの? でもあんた誰なの、エマニュエル?
というわけです。
もちろんこのポーズは、
エマニュエル夫人のそれですね。
(日本には、こんなことをするシャルリのような雑誌はないわけですね、
今更ですが。)

で、候補者たちのセリフ入りのTシャツです。

https://wanted.the-shop.co/fr/

売れるの!?

2017年4月8日土曜日

Americano ~I'm so tired of you, America.

アニエス・ヴァルダを母に、
ジャック・ドゥミを父に持つ、
マチュー・ドゥミ。
彼にとって唯一の監督(&主演)映画である、

Americano (2011)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=Y5dMvHrnhbY

パリで恋人と暮らすマルタン。
ある夜更け、カリフォルニアから電話があります、
彼の母親が亡くなったというのです。
彼は、幼いころに3年間、アメリカで母と暮らし、
その後フランスから父親が迎えに来た時、
母はあっさりと、彼を父親に託しました。
だから彼は、自分は母に愛されていない、と思って育ちました。
でも、
いざカリフォルニアに着くと、
当時の記憶の断片がいろいろ浮かび上がってきます。
そんな中、
自分も子供時代に遊んだことがあり、
その後もずっと母親と仲良くしていた女性、
ローラの存在を知ります。
母は彼女にこそ、
小さな家を相続させるつもりだったのです。
ただしローラは不法移民(メキシコ人)であるため、
今はメキシコの、ティフアナにいるといいます。
で、
マルタンはローラを探しに、その国境の街に出かけてゆきます。

ローラは、そうとうヤバイ地区の、
それもどん詰まりのキャバレーで、
ダンサーとして働いていました。
でも彼女は、
彼の母親の話を一切したがりません。
そしてやがて、その理由が判明し……

とこの後の展開が、
おもしろいと言えばおもしろい、
でも、
かなりあざとい感じがあるのは否めません。
この辺りが、
監督として作品を発表し続けていない理由なのでしょうか。

この作品は、全体としては監督の手が見えすぎるのですが、
グッと引き込まれる個所もいくつかあります。
その一つが、
ローラがキャバレーで歌う場面。

https://www.youtube.com/watch?v=YoOr6okPJ0U

おお、これは、
モントリオール育ちのルーファス・ウェインライの、
Going to a town
です。

https://www.youtube.com/watch?v=o2wKv-c53vQ

この歌には、印象的なフレーズが。

I'm going to a town that has already been burnt down
I'm going to a place that has already been disgraced
I'm gonna see some folks who have already been let down
I'm so tired of America

(……)

I'm so tired of you, America.

Tell me, do you really think you go to hell for having loved ?
Tell me, enough of thinking everything that you've done is good
I really need to know, after soaking the body of Jesus Christ in blood
I'm so tired of America.

I really need to know
I may just never see you again, or might as well
You took advantage of a world that loved you well
I'm going to a town that has already been burnt down
I'm so tired of you, America

これを、
アメリカから追われ、
夢をあきらめ、
でも息子だけはアメリカに送り出そうと懸命に働く女性が、
キャバレーのステージで歌うのです。

この曲は、
最近では、リリー・アレンが、
ロンドンで行われた女性の権利のための行進のときに、歌いました。

https://www.youtube.com/watch?v=5NeqyLBHkCQ

でも、ふと、
America を、
別の国名で置き換えたくなる瞬間もあります。
(でも、そうは言いませんけど。)

桜は、
毎年井の頭公園のボートから眺めるのが習慣になっているのですが、
今年はどうも、
開花具合と天候のマッチングがビミョーで、
様子をうかがっていたのですが、
昨日の午後、
ついに行ってみました。
天気予報では、
多摩市、八王子市あたりは午後3時だけは「晴れ」でしたが、
武蔵野市はずっと「曇り」にだったので、
ちょっと不安でしたが。

でも、結局いい天気になりました!


桜は、9.5分咲き、くらいでしょうか。
見たからってどうということはないのですが、
新学期の授業前の、
ルーティーンというところです。
でも、
いいルーティーンでした。

2017年4月7日金曜日

La voie de l'ennemi

ここ数日、
Rachid Bouchareb のことを書いていますが、
今日も一本、彼の作品を見てみました。
最新作、ということになるのでしょう。

La voie de l'ennemi

https://www.youtube.com/watch?v=EHxQS3kTsEg

保安官補佐殺しによる、
18年の懲役を勤め上げ、
ついに出所した黒人のウイリー。
彼には、監視役の白人観察官がつきますが、
彼女は一見厳しいようで、
実は「信頼」をこそ重んじる誠実な女性です。
でも、
殺された補佐官とともにいた白人保安官は、
なんと5期も当選して今もその地位にあり、
ウイリーが幸福になるのを許すことができません。
また、
かつてのワル仲間で、
ウイリーが黙秘したおかげで収監を逃れた(おそらくはメキシコ系の)テレンスは、
今ではムスリムに転向し、
恋人もでき、
新たな人生を歩もうとしているウイリーに、
執拗に付きまとい、
ついには恋人に脅しをかけて……

やや重い映画で、
風景以外、
風が通る場面がほとんどありません。
印象に残ったのは、
観察官を演じるブレンダ・ブレッシン。
London river で主演した彼女もよかったですが、
ここでも存在感がありました。

もう一つだけ、やや屈折した印象を残したのが、
ウイリーと母親の関係です。
この母親は、息子が収監されていた18年間、
一度も面会に現れませんでした。
で、観察官の手配で、
この母子が再会する場面があるのですが、
この母親が、アイルランド系の白人だったのです。
白人の母親と、黒人の息子。
そこに父親の姿はありませんでしたが、
もともと母子家庭なのかもしれません。


ではせっかくなので(?)、
このブログに登場したRachid Bouchareb の作品をまとめておくことにします。

Hors-la-loi
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/10/hors-la-loi.html

Little Sénégal
http://tomo-524.blogspot.jp/2011/04/little-senegal.html

Indigènes(『デイズ・オブ・グローリー』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2010/01/indigenes.html

London River(『ロンドン・リバー』)
http://tomo-524.blogspot.jp/2014/04/london-river.html

Just like a woman
http://tomo-524.blogspot.jp/2017/04/just-like-woman.html

『ロンドン・リバー』は、
日本版が出ているので、
今年度の映画の授業で使うつもりです。

2017年4月6日木曜日

Omar Sy 新作へ!

つい数日前、
Rachid Bouchareb のJust a woman について触れました。
(思い出して考えるたび、いい映画だと感じています。)

で、
そのRachid Bouchareb の、かねてから予定されていた新作があるのですが、
ついに、その撮影が始まったようです。

http://www.programme-tv.net/news/cinema/112743-exclu-omar-sy-en-plein-tournage-a-paris-du-flic-de-belleville-photos/

驚きなのは、主演がOmar Sy であること。
というのも、実は、以前からずっと、
主演は Jamel Debbouze だとされていたからです。
このキャストの変更を、
わたしは今回初めて知ったのでした。

これは、期待するなというほうがムリですね!

2017年4月4日火曜日

ガイダンス

今日の東京はいい天気で、
先日の大学院に続いて、
理工学部のガイダンスがありました。
今年の1年生は、全部で約1100人。
それを午前と午後二部に分けて、
一番大きな階段教室でやります。
わたしも、
一般教育科目&外国語科目の説明のため、
参加しました。

といっても、
何単位取ればいいか、
といううようなことは、別に説明されるので、
わたしたちはもっと、
どうして教養科目が大事なのか?
というような、
いわば本質的な話をすることになっています。

持ち時間は10分。
で、
ポイントは2つに絞りました。
多様性とリテラシーです。
特に多様性については、
自分の中に多様性を育てる、みたいな話を、
言語の多様性や、文化の多様性・多層性と絡めて、
わりとマジでしてしまいました。

新入生の大半とは、
今日が一期一会。
何人かが、
何年後かに、
ちらりとでも思い出してくれれば!

2017年4月3日月曜日

「リヨンに漂う不安」

フランス大統領選挙まで、
あと3週間ほどですね。

http://globe.asahi.com/news/2017032500002.html

明日は、学部のほうの、新入生ガイダンス。
なにしろ1000人もいるので、
午前と午後の二部制です。
新入生たちと、初顔合わせです。


2017年4月1日土曜日

『その他の外国語 エトセトラ』

黒田龍之助さんの新しい文庫、

『その他の外国語 エトセトラ』

が出ました。
まあ、黒田さんの本ですから、
問題なくおもしろい&ためになる、のですが、
今回は、さらに特徴があります。

黒田さんは、かつて、
今わたしが所属している、
理工学部の総合文化教室の教員の一人でした。
で、その後フリーになられたのですが、
今回の文庫は、
彼が総文に在籍していたころに書かれたものがもとになっているので、
どうしても、
総文の他の先生たちも顔を出します。
しかも、解説を書いておられるのが、
ミスター・ハプスグルグ、菊池良男先生
(研究室は、わたしの研究室の隣の隣)
なんです。

語学をやっている、すべての方に推薦できる本です。

Just like a woman


わたしから見ると、
5歳年上に当たるRachid Bouchareb 監督。
彼の作品としては、

http://tomo-524.blogspot.jp/2014/04/london-river.html

などがあります。

その彼の、
2012年の年末にテレビで放送されたいわゆる téléfilm で、
のちにアメリカで劇場公開された作品、

Just like a woman

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=5TJth5Rfl9E

この作品は、全編英語(ときどきアラビア語)です。
(わたしはフランス語字幕で見ました。)
結論から言うと、
とてもよかったです💛

舞台はシカゴ。
小さなドラッグストアを経営している、アラブ系夫婦。
(夫はラシュディ・ゼム。英語を話しています。
これは、London River と同じ状況です。)
彼らには子供がなく、
同居している夫の母親は、
そのことについて息子の妻モナを責めます。
(この理不尽な責めに対して、
夫は妻を守り切れていません。)
一方、このドラッグストアの常連の一人に、
20代後半の女性、マリリンがいます。
彼女は、電話交換手として7年も働いてきたのに、
ある日、何の予告もなく、解雇されます。
で、怒りの内に帰宅すると、
失業中でグータラしている夫が、なんと浮気中。
しかも、「わたしたちのベッドで!」。
マリリンは速攻家出します。

ところでマリリンには、
目指しているものがありました。
ダンサーです。
それも、アラブ音楽に合わせて踊る、ベリー・ダンス。
で、レッスンを受けている先生から、
強く勧められていたオーディションを受ける決意をし、
その会場、サンタ・フェにクルマで向かいます。

その頃モナの家では、大変なことが起きていました。
夫の母親が、急死したのです。
でもその原因は、どうやら、
薬を用意したモナの不注意のよう。
決してわざとではないのですが、
こわくなったモナは、衝動的に家を飛び出します。
そして、モナとマリリンは……

アメリカの、
アラブ系の夫婦と、
ワーキングクラスの夫婦。
そのそれぞれの、夫と妻の関係。
そして、妻である女性同士の、連帯。
その背景には、アラブに対する偏見があり、
先住民がおり……というわけで、
たしかにシカゴが舞台なんですが、
その肌合い、
つまり、問題意識の所在や、社会を見る視線、
は、むしろ「フランス移民映画」的なものでした。

Rachid Bouchareb は、とてもいい監督だと思います。

新学期


今日から新学期。
今年度から開講する大学院、
建築・都市学専攻、総合芸術系でも、
ガイダンスという名の顔合わせが行われました。
(@中野キャンパス)
今年はわたしの研究室にも、N君が入りました。
彼は、戦後の日本映画を研究する予定です。
修士の2年間ありますが、実際はあっという間なので、
ゆっくり急いで欲しいです。
(Manon も応援しています!)

o-east

今日は、またしても冷たい雨の中、
渋谷の o-east まで、
岡崎体育のライブを見に行ってきました。

過剰なほどのサービス精神があり、
笑いも、もちろんイケテル音楽もありで、
なかなか楽しかったのですが、
彼の表現の中に、
PC的に?
という点が、
少なくとも2点はありました。
(1つはトーク、1つは即興の歌の歌詞。)
ビッグになって欲しいので、
こんなことでつまずかないことを祈っています。

関係者席のすぐ後ろだったのですが、
それはつまり、
エビ中のメンバーたちのすぐ後ろ、
という位置でした。