2017年4月23日日曜日

3本

『パリ警視庁:未成年保護部隊』の監督、マイウェンの、
見てなかった2つの監督作を見てみました。

Pardonnez-moi (2006)
Le Bal des actrices (2009)

https://www.youtube.com/watch?v=0GqtBI1kyqo
https://www.youtube.com/watch?v=u_Id_AHibv0

前者は、実質的なデビュー作。
母親や父親との関係を描きます。
また後者は、
カリン・ヴィアールやマリナ・フォイス、
さらにはあのシャルロット・ランプリングなど、
何人もの女優たちの仕事とプライベートを追ったものです。

両作ともに共通した点は、
まず、ヒロインであるマイウェンが、
さまざまなことをカメラで撮り続けることが、
タイム・ラインになっているということ。
そして、そうして撮っている彼女自身も映されていること、
また、要所に俳優が配置されることで、
どこまで現実でどこからが虚構か、
まったくわからなくなっていること、です。
後者の女優たちは、
みな本人役で出ているわけですが、
その夫は役者が演じていたり。
まあ、メタ構造とも言えるのでしょう。

そしてついでに(?)もう1本、
これは戦争映画の、

『レバノン』(2009)

も見てみました。
1982年の、レバノン戦争開戦の第1日を、
イスラエル兵の視点から描いているのですが、
実はこの兵士たちは、
映画の時間ずっと、
戦車から出ることはありません。
戦闘中の外界は、すべて、
戦車の照準越しに提示されます。

https://www.youtube.com/watch?v=AUDCp-Spuog

評価が高いようですが、
たしかに、娯楽性を追求せず、
兵士の煩悶と閉塞感をうまくとらえていると感じました。

途中、ファランヘ党の兵士として現れた男は、
アシュラフ・バルフムが演じていました。
(『シリアの花嫁』では、ナンパなあんちゃん役、
Héritage では弁護士役でした。)