2017年4月1日土曜日

Just like a woman


わたしから見ると、
5歳年上に当たるRachid Bouchareb 監督。
彼の作品としては、

http://tomo-524.blogspot.jp/2014/04/london-river.html

などがあります。

その彼の、
2012年の年末にテレビで放送されたいわゆる téléfilm で、
のちにアメリカで劇場公開された作品、

Just like a woman

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=5TJth5Rfl9E

この作品は、全編英語(ときどきアラビア語)です。
(わたしはフランス語字幕で見ました。)
結論から言うと、
とてもよかったです💛

舞台はシカゴ。
小さなドラッグストアを経営している、アラブ系夫婦。
(夫はラシュディ・ゼム。英語を話しています。
これは、London River と同じ状況です。)
彼らには子供がなく、
同居している夫の母親は、
そのことについて息子の妻モナを責めます。
(この理不尽な責めに対して、
夫は妻を守り切れていません。)
一方、このドラッグストアの常連の一人に、
20代後半の女性、マリリンがいます。
彼女は、電話交換手として7年も働いてきたのに、
ある日、何の予告もなく、解雇されます。
で、怒りの内に帰宅すると、
失業中でグータラしている夫が、なんと浮気中。
しかも、「わたしたちのベッドで!」。
マリリンは速攻家出します。

ところでマリリンには、
目指しているものがありました。
ダンサーです。
それも、アラブ音楽に合わせて踊る、ベリー・ダンス。
で、レッスンを受けている先生から、
強く勧められていたオーディションを受ける決意をし、
その会場、サンタ・フェにクルマで向かいます。

その頃モナの家では、大変なことが起きていました。
夫の母親が、急死したのです。
でもその原因は、どうやら、
薬を用意したモナの不注意のよう。
決してわざとではないのですが、
こわくなったモナは、衝動的に家を飛び出します。
そして、モナとマリリンは……

アメリカの、
アラブ系の夫婦と、
ワーキングクラスの夫婦。
そのそれぞれの、夫と妻の関係。
そして、妻である女性同士の、連帯。
その背景には、アラブに対する偏見があり、
先住民がおり……というわけで、
たしかにシカゴが舞台なんですが、
その肌合い、
つまり、問題意識の所在や、社会を見る視線、
は、むしろ「フランス移民映画」的なものでした。

Rachid Bouchareb は、とてもいい監督だと思います。