2017年7月31日月曜日

「お金ないから大学行けない」

「(……)7000億円の予算で、
大学生の奨学金完全無利子化や、
大学・専門学校の授業料の
公立高校並みへの引き下げができる」

じゃあ、やりましょうよ!

http://mainichi.jp/articles/20160204/dde/012/100/005000c

1週間ほど前に、
朝日新聞にデイヴィッド・ブルックスが書いていましたが、
アメリカでは、
あの手この手で、
格差の固定化が図られているそうです。
日本が、
教育の無償化に取り組まないのも、
いわゆる上位層が、
自分たちの層の人間を増やしたくないからじゃないのかと、
思ってしまいますね。
少なくとも、
結果的にはそうなっているわけです。

2017年7月30日日曜日

Ma première fois

1週間ほど前に、
マリー=カスティーユ・マンシオン=シャールの
le ciel attendra
について書きました。
で、この監督の以前の作品を見てみました。

Ma première fois  (2012)

副題は、
On n'oublie jamais son premier amour.
(初恋は忘れない)
で、当然、そんな話です。
(監督がマンシオン=シャールじゃなければ、
おそらく見なかったでしょう。)

https://www.youtube.com/watch?v=3MSHFiSM-os

初々しい恋愛ものとしては、
悪くないのでしょう。
主役の二人はたしかにヨーロッパ系白人の美男次女で、
ただしその分、
「よろしいんじゃないでしょうか」という、
やや疎外された(?)気分にもなります。

わたしから見て一番のネックは、
この二人のワカモノが、
ともに金持ちの子供であること。
ミドルクラスの上のほう、
ないしブルジョワなのでしょう。

なぜ、マンシオン=シャール監督はこれを撮ったか?
ふつうに考えれば、
彼女がこの階層の出身だからなのでしょう。

*以下ネタバレ

この映画、まず冒頭に「現在」があり、
最後にそこに戻るという、
ベタな時間の扱いをしています。
ただその「現在」において、
主人公の一人ザックが連れているのは、
アフリカ系の子供です。
はっきりした説明はありませんが、
おそらく、養子をとったのでしょう。
それは、相手の女性、サラが望んでいたことでした。

そしてそのサラは、
最後の最後、
乗馬の事故で命を落とします。
この展開、必然性はゼロです。
(タイトルを忘れてしまったのですが、
高見順の小説に、
最後の最後、
ヒロインが交通事故に合うというのがありました。
その場合も、必然性はゼロでした。)
たしかに事故は起こることがありますが、
ドラマツルギーとしてどうなんでしょう?

期待が高すぎた?

2017年7月29日土曜日

2 ou 3 choses

今週見た L'ascention は、
La Courneuve の4000というシテを舞台にしていました。
で、
この4000を舞台にした大先輩、ゴダールの

2 ou 3 choses que je sais d'elle (1967)
(『彼女について私が知っている二、三の事柄』)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=UKm0hZU16x8

この映画を見るのは、30年ぶりくらいなんですが、
やっぱりこれは、「映画」ではない印象でした。
それが、新しいものの創出であり、
素晴らしいことであるのか、
ナルシスティックな夢であるのかは、
意見の分かれるところでしょう。

「青春について」

昨日の金曜日は、
午前中に会議があり、
午後からは、
N君と二人で、前期最後のゼミでした。
見たのは、増村保造の『氾濫』という映画です。
佐分利信演じる成功した化学者と、
川崎敬三演じる駆け出しの化学者とが、
対比的に描かれます。

この映画は、伊藤整の同名小説が原作なのですが、
伊藤と言えば、わたしは、
高校の教科書に載っていた「青春について」が思い出されます。
そこでは、ボードレールの「敵」が引用されていました。

  Ma jeunesse ne fut qu'un ténébreux orage,
  Traversé çà et là par de brillants soleils;
  Le tonnerre et la pluie ont fait un tel ravage,
  Qu'il reste en mon jardin bien peu de fruits vermeils.
                   L'Ennemi (第一連)

わたしの青春は闇にとざされた嵐でしかなかった、
輝かしい太陽が、そこここに顔をのぞかせはしたが……
(traversé が男性単数なので、orage にかかるわけですね。)

高校生にとっては、
「青春」とは、
たしかにそうしたものだったので、
印象に残っています。

今読むと、どんな気がするんでしょうねえ?
(で調べたけれど、全集を見るしかなさそう……)

2017年7月27日木曜日

Hope


その名も、

Hope (2014)

という映画を見ました。
ちょっと前にDVD を買って、
「積読」になっていたのですが、
今日、なんとなく手に取って見てみたら、
とても引き込まれました。

https://www.youtube.com/watch?v=kZy9XibvFj0 

↑ 全編版。フランス語字幕あり。お勧めします。
 (この字幕、DVDのそれよりみっちり付いてる!)

主人公は、ナイジェリアから、
一人ヨーロッパを目指す若い女性、Hope。
そして彼女の(いろんな意味で)パートナーになるのが、
カメルーンから来たLéonardです。

ヨーロッパを目指す移民のグループに加わっていたHopeは、
ある時、彼女が女性であることがばれて、
男たちにちょっかいを出され始めます。
またある時は、どこぞの兵士たちに止められ、
彼女だけ暗がりに連れ込まれ……
しかもそのあと、
彼女が路上(といっても土ですが)に放り出されたとき、
男たちは彼女を置いて先を急ごうとするのです。
その時、ただレオナールだけが道を引き返し、
Hope を助けます。
そして二人はやがて、
アルジェリア北部の、砂漠の町に到着します。

その町は、けれども、
密航しようとするものたちにとっては危険で、
彼らは町はずれの「ゲットー」に身を隠します。
そしてこの「ゲットー」が、
なんというか、国別になってるんです。
カメルーン人、ナイジェリア人、コートディヴォワール人……

ナイジェリア人であるHopeは、
レオナールについてカメルーンの「ゲットー」に入りますが、
やがて事情が発覚し、
Hope に懇願されたレオナールは、
彼女を助けるべく、お金を支払います。
でも彼は、そのお金を、
体を使って金を稼いで返せ、とHopeに迫り、
Hope はそれを受け入れるどころか、
自ら(危険を冒して)町に出て娼婦となり、
金を稼ぎ、
レオナールと二人さらにヨーロッパへの旅を続けようとします。
彼らが目指しているのは、
あのメリリャです……

http://www.huffingtonpost.jp/2016/02/17/north-africa-refugee_n_9250156.html

話しは、この後も続き、
さて二人はヨーロッパへ渡れるのか、
というサスペンスもあり、
ロードムーヴィー的な要素もあり、
アフリカ文化と資本主義の混成状況の描写もあります。
ただ、もちろん一番の肝は、
ヨーロッパを目指す移民たちを待ち受ける過酷な状況です。
これは以前、
映画『サンバ』の原作小説の中でも、
かなりみっちり書き込まれていたことです。
このHope という映画と合わせて、
イメージが濃くなりました。

ただ、このHopeは、
英語版のDVDさえありません。
こんなにいい作品、
(日本語版は無理だとしても)
英語版はあってしかるべきだとわたしは思いました。

*上の画像は、パスポート用の写真を撮ったアルジェリアの店で、
しつこく勧められ、
エッフェル塔を背景に(疑似)記念写真を撮ったところ。

Arthur Harari の

つい2週間前、
Diamant noir という映画について書きました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2017/07/diamant-noir.html

で、たまたまですが、
この映画の監督であるArthur Harariが、
日本人俳優を募集しているのが目に留まりました。

**********************************************
【映画キャスティング】
Arthur Harariの次の映画のメイン俳優の一人を探してます。
24歳から30歳日本人男性、ヨーロッパの在住権ビザを持っている方、
カンボジアでの撮影で2017年12月末から10から12週間撮影予定のため
その期カンボジアに行ける方。
ご興味のある方はsoone.cast@gmail.comに
英語またはフランス語で写真と年齢、連絡先を記入の上ご連絡ください。
*********************************************

どなたか!?

2017年7月26日水曜日

「現代社会と宗教」

おもしろそうです。

http://www.titech.ac.jp/event/pdf/event_16359.pdf

中島さんと初めて会ったのは、
たしか高円寺あたりのライブハウスだったような。

日本の公務員

ここまで少ないとは知りませんでした。

https://twitter.com/otsujikanako/status/889085715350409216

もっと増やさないと。

La fille inconnue

日本でも、この3月に公開された映画、

La fille inconnue  (『午後8時の訪問者』)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=3Bo_1jpF4y0

日本語の公式サイトがあります。

http://www.bitters.co.jp/pm8/intro.html

もろもろの情報は、このサイトにありますが、
中では、小野正嗣さんのこのコメントがさすがです。

*************************************************

ダルデンヌ兄弟の作品が、
いつどんなときでも「いまこそ見るべき」と感じられるのは、
僕たちの「いま」が、
見過ごされ忘却された無数の痛みに貫かれていることを
思い出させるからだ。

*************************************************

おっしゃる通り。

舞台はベルギーのリエージュ。
そしてタイトルでもある「身元不明の少女」は、
やがて、ガボン系だと判明します。
わたしが記憶している限りでは(とエライ人たち風)、
ガボン系移民がクローズアップされるのは、
初めてである気がします。

主演のアデル・エネル。
わたしにとって印象的だったのは、これ。


そして、これでしょうか。

http://tomo-524.blogspot.jp/2015/05/suzanne.html

あと、実はこの映画のフロリアンヌ役も彼女でした。

http://tomo-524.blogspot.jp/2015/06/blog-post_89.html

こうして並べると、
3本とも、もう一度見たくなりますねえ……

2017年7月25日火曜日

Débarquement immédiat

日本でもスマッシュ・ヒットになった、『最高の花嫁』。
この映画を撮った フィリップ・ドゥ・ショーヴロンのその次の作品、

Débarquement immédiat (2016)

を見てみました。
これもコメディーです。

https://www.youtube.com/watch?v=GtJfIbpqQGk

主人公ジョゼは、スペイン系フランス人。
彼は、不法滞在者を本国に送還する仕事をしています。
そして今回の送還者は、
アフガニスタン人のカザウイ。
(ただし彼は、本当はアルジェリア系のサン・パピエ(不法滞在者)で、
たまたま酔っ払いから盗んで持っていた身分証が、
指名手配中のカザウイのものだったのでした。)

さて、カザウイを連れたジョゼは、
相棒のギーとともに、
アフガンのカブールに向けて飛び立つのですが、
途中で飛行機が故障。
やむなくマルタ島に着陸し、
そこに2日間足止めされます。
で、
当然カザウイは脱走。
ジョゼはそれを追い、
やがて、
カザウイがアルジェリアに向かおうとしていた漁船を発見。
船は出ますが、
なんとか捕まえたと思ったのも束の間、
船長も含めたいざこざから船は炎上し、
3人は海へ……
そして気づくと、
そこはランペドゥーザ島。
そうです、マルタ島とチュニジアの中間位に位置し、
アフリカから最も近いヨーロッパ領と言われるあの島です。
ジョゼとカザウイは、
アラブ系の密入国者として、
その収容所に入れられていたのです……

前半の、ジョゼの相棒ギーを中心とするナンパ物語は、
特に意外性もなく、
ただ風景が美しいという感じなのですが、
ランペドゥーザ島が出て来るあたりから、
がぜんアクチュアルな雰囲気が立ち昇り、
新しいコメディの肌合いに変わりました。
コメディだからこそ可能なアクチュアリテ(時事性)、
という印象を受けました。

で俳優たちですが、
ジョージ・クルーニーに似たジョゼ役は、
『最高の花婿』でユダヤ人を演じたアリ・アビタン。
(彼はリアルにも、北アフリカ系ユダヤ人だったわけですが。)
彼は、Tout ce qui brille では、
レイラ・ベクティの、モロッコに帰った父親として、
写真だけで登場し、
また Tellement proches では、
足の臭いユダヤ人として登場していました。
そしてカザウイ役は、
やはり『最高の花婿』でアラブ人を演じたメディ・サドゥーン。
彼は、なんといっても Les Kaïra  です。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/04/les-kaira.html

あの怪作、
また見たくなりました。

2017年7月24日月曜日

L'ascension

今年の初めに公開されたヒット作、

L'ascension

が、早くもDVDになったので、
見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=5dGyDzZIbXI 全編版

https://www.youtube.com/watch?v=uJ0RxrQjrqE  予告編

これはとても単純な話です。
舞台は、パリの北東 La Courneuve にある有名なシテ、4000。
そこで、今は失業中のセネガル系青年サミーと、
スーパーで働いているアラブ系のナディアは、
実際は「両想い」です。
でも、サミーを失うのが怖くて素直になれないナディアは、
サミーが一所懸命に誘っても、
なかなかいい返事をしてあげません。

「君のためなら、エヴェレストでも昇るよ!」
「ほんとに? じゃあ、昇ってから言ってよ!」

で、サミーは昇ることにします(!)
お金のないサミーは、
なんとか地元でスポンサーを見つけ、
また地元FM局にも大注目されながら、
世界の屋根に挑みます……

あまりに単純な話なので、
半ば気を抜いて見ていたら、
あれよあれよという間に、
サミーが頂上に近づいてゆき……

これ、実話なんですね。
ただリアルには、主人公はセネガレではなく、
アルジェリア系だったようです。

1つ、よくわからないままに面白かったのは、
ネパール人の気のいいシェルパの一人が、
口癖のように、
On va s'arranger.   なんとかなりますよ。
と言うのですが、
それに対してサミーは、
もしかしてモロッコ系の親戚いない?
と(何度か)尋ねるのです。
きっと、モロッコ系の人のお気に入りのセリフなんでしょうね。

*4000 を舞台にした映画と言えば、

http://tomo-524.blogspot.jp/2016/07/papa-was-not-rolling-stone.html

2017年7月23日日曜日

国境なき医師団、医療施設再開

RFI の今日のニュースでは、
これがトップでした。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017072300127&g=soc

こうした活動が、
日本でももっと認知されるといいと思います。

2017年7月22日土曜日

le ciel attendra

Les Héritiers(『奇跡の教室』)を撮った、
マリー=カスティーユ・マンシオン=シャールの新作、

le ciel attendra (2016)

を見てみました。
この作品は、去年の東京国際映画祭で、
『ヘヴン・ウィル・ウェイト』というタイトルで公開されたようです。

https://www.youtube.com/watch?v=cxr0pAi3gIw

17歳のソニアと、16歳のメラニー。
二人の、「ふつう」の、可愛らしい少女たち。
彼女らは、それぞれに、
IS の「勧誘係」に篭絡され、
両親を、友達を、フランスを嫌い、
ついには、シリアに向かう決心をします。
ただしソニアは、アクシデントから出発が遅れ、
その後、「勧誘係」がテロ容疑で捕まったのを契機に、
彼女もまた監視下におかれます。
そしてメラニー。
よりナイーヴで、心優しく繊細なメラニーは、
ネットで出会った「プリンス」に洗脳され……

この映画は、とてもこわい。
「ふつう」の少女が洗脳される過程を、
そして、その洗脳から復帰する難しさを、
またその復帰しようとする本人の、
強い不安を描いているからです。

洗脳されたソニアを前にして苦悩する父親を演じるのは、
おなじみのZinedine Soualem。
つまり、ソニアの父親はアラブ系だということになります。
つまり、IS と「アラブ」は、決して「同じ」ではないのですね。

途中、「脱洗脳センター」を取り仕切る女性が出てきますが、
これは、Dounia Bouzarが「本人」を演じています。
イスラムが専門の宗教人類学者として知られる彼女は、
まさにこの映画に描かれているような、
少年少女へのISの勧誘などの専門家でもあります。

今探したら、Dounia Bouzar のこんな記事がありました。
シュピーゲルに載った記事の英語版です。

http://www.spiegel.de/international/europe/france-struggles-to-deal-with-young-jihadist-exodus-to-syria-a-1001254.html

彼女は実際、子どもが「過激化」した時の、
親たちのためのホットラインを開設した、とあります。
そしてそこには、
毎週約5件の相談があり、
友だちがおかしい、という子供たちからの相談もあると。

以前触れたこの映画も、
これに近いテーマでした。

http://tomo-524.blogspot.jp/2016/05/ne-mabandonne-pas.html

どちらの映画も、
これを描かなければ、という、
強い思いが伝わってきます。

   ◆

個人的には、舞台がクレテイユであることも、
とても気になりました。
市役所や、クレテイユ湖や、
「カリフラワー」と呼ばれるクレテイユ名物の建物も映っています。
監督のマンシオン=シャールは、クレテイユの祖母の家に、
よく遊びに来たのだと語っています。
で、
なんと迂闊でさっき気づいたのですが、
やはりクレテイユを舞台にした映画、

La Première étoile

http://tomo-524.blogspot.jp/2015/07/la-premiere-etoile.html

の脚本は、彼女が書いているのでした!
彼女はかなり、
クレテイユな人のようですね。

最後になりましたが、
この映画の「時間」の扱い方は独特で、
おもしろい試みだと思いました。
二人の少女が交差する感じを、
うまく形にしていると言えるでしょう。

2017年7月21日金曜日

廃止賛成

EUでは、すでに廃止。

https://this.kiji.is/258416532590937591

https://twitter.com/ambafrancejp_jp/status/885461659430526976

アメリカの製薬会社の中には、
「死刑執行に用いる薬品は販売しない」
と宣言するところも。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/04/post-7440.php


2冊

気になっていたブレイディみかこの本を、
2冊読んでみました。

『ヨーロッパ・コーリング』
『ザ・レフト ~UK左翼セレブ列伝』

おもしろい!
「地べた」からみたイギリスの(政治)状況が、
とてもリアルに伝わってきます。
前者は、時評集であり、
ネットで読めるものも多いようですが、
やっぱりこうして本で読むほうがずっといいです。
分節化、というか、切り分けるその視点が鋭利で、
勉強になります。
また後者は、
Mr.ビーンを演じたローワン・アトキンソンや、
『ハリーポッター』のJ・K・ローリングなどが、
どんな点で「左翼」であり、
彼らはイギリスでどんなポジションにいるのか、
が書かれています。
初めて知ることも多く、
どんどん読めました。
『パレードへようこそ』なんかも出てきて、
授業で使えそうなネタでした。

次は、『子どもたちの階級闘争』を読んでみます。

ところで日本には、
「左翼セレブ」は……いない?


2017年7月20日木曜日

授業終了

というわけで、
前期(正式には春学期)の授業が終了しました。
あとは、テストの採点と、レポート読み。
それが終わって、
大学院の(夏の)入試が終われば、
やっと少しほっとできそうです。
(あ、でも今年は入試の後に、
海外の大学を招いてやるワークショップがあるんでした。
これはただ、わたしは途中までの参加です。
出張の出発日が来てしまうので。)

そういえば先日、クルマがちょっと故障したのですが、
それを直したのもつかの間、
またもや同じような不具合が発生!
まあ二度目なので、今度は、
「また!?」
という感じです。
明日、クルマ屋さんに再度持ち込みです。

ずいぶん前、
ある作家同士の対談を読んでいたら、
先輩作家が後輩に、
「クルマを運転すると、世界の見え方が変わるよ」
とアドヴァイスしていました。
今はもうそんなことはしなくなりましたが、
夜中にちょっと思い立ってラーメン食べに行ったり、
カラオケに行ったりするには、
クルマはたしかに便利ですから、
小説を書く人にとってみれば、
それは、作品「世界」が「変わる」ことに繋がるのかもしれません。

前回クルマ屋さんと話していたときのこと。
「今はもう、ほとんど2000cc以下のクルマが中心で、
3000cc以上となると、
スポーツ選手とか、芸能関係とか、
そんな感じですね」
ああ、やっぱりそうなんですね。

2017年7月17日月曜日

「安倍首相よ、即刻辞任しなさい」(白井聡)

https://mainichi.jp/sunday/articles/20170710/org/00m/010/004000d

「自発的隷従」という言葉も、
かなり広がってきましたね。

美貌と最高殊勲

先週と今週の総合芸術系のゼミでは、
『美貌に罪あり』と
『最高殊勲婦人』
という、
増村保三の2本の初期作品を見ました。
前者はなかなか興味深く、
後者は、やや浅いかな? という印象でした。

そして両者に共通しているのは、
(監督や脚本もそうなんですが)
なんといっても主演の、若尾文子です。
今見ても魅力があります。

https://www.youtube.com/watch?v=RKmyh5584hw

↑ でもそうですが、
やっぱり、『青空娘』は外せませんね。

2017年7月15日土曜日

「今夜もごちそう様!」

こんなツイートが。

https://twitter.com/today_gochisou

Diamant Noir

Arthur Harari という若い監督の、

Diamont Noir (2016

という映画を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=k8u9SlPuqWY

アントウェルペン(アントワープ)でダイヤモンド業を営むユダヤ人一家。
そこに、長く音信不通だったピエールが戻ってくる。
彼は、ユダヤ一家の主人ジョゼフの甥にあたるのだが、
実はピエールは、
かつてこの家を追われた父の復讐を目論んでいた。
しかし、ダイヤモンド業に親しみ、
一家と親密になるにつけて、
彼の心は揺らいでゆく……
というお話。

ダイヤモンド業界の内実、
活躍するユダヤ人、インド人(ジャイナ教徒)。
そしてアントウェルペンの街。
ほとんど知らなかった世界で、
興味深かったです。
展開自体はゆっくりですが、
画面には(ハードボイルド的な)緊張感があって、
地味ですが、よくできた映画だと思いました。

29.9%

Enfin, 30%を切りました。
これもまた、「レッドライン」なのでしょう。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071400769&g=pol

Le 14 juillet

Get Lucky !

http://www.programme-tv.net/news/buzz/121607-defile-du-14-juillet-la-fanfare-joue-du-daft-punk-emmanuel-macron-et-le-public-ravis-video/


https://www.youtube.com/watch?v=h5EofwRzit0

2017年7月13日木曜日

Pour Walou

これはそれほど気に入っているわけじゃないんですが、
歌詞の途中に

japonais

が、しかも目立つところに入っているので、
一応挙げておくことにします。

https://www.youtube.com/watch?v=qUvj_Dgl_5M

On s'envoie des Snapchat depuis des mois
Arrête tes manières, il serait temps qu'on se voit
Tu me trouves des excuses à chaque fois
Tu me dis que ton genre de boug, non c'est pas les renois
Pourtant t'as liké toutes mes photos
Tu dis que j'suis beau gosse à ta poto
Et, pourquoi tu rages quand j'suis avec mes pine-co?
Tu sais pas c'que tu veux j'en deviens loco, eh

Mais à chaque fois, tu m'dis t'es pas libre
J'regarde ta story et j'vois que tu galères
Arrête de mentir, tu sais, j't'ai cramé
Mes amis me disent qu'tu m'prends pour un taré
Elle parle japonais et thaïlandais, même coréen
C'est une chinoiserie
Japonais et thaïlandais, même coréen
C'est une chinoiserie

Elle sort en club, pour walou
T'as un gros boule, pour walou 

何か月の前から Snapchat を交換する女の子がいるのだけれど、
しかもオレの写真にはどれも like を押してくれたのに
どうしても彼女がデートしてくれない。
で、オレのダチたちは言うのさ、
彼女はおまえをアホだと思ってる、
彼女は日本語もタイ語も、韓国語だって話すんだぜ、
わけわかんない女さ……

Mask off / Future

もう、何十回もラジオで聞いた曲、Future の

Mask off

まあ、単純と言えば単純ですが、
耳に残るメロディーではあります。
そして今日、近所のサブウェイでも流れていて、
やっぱりヒット曲はちがうな!
と思いつつも、
歌詞の内容を思うと、
東京郊外のサラリーマンたちも来てる店の雰囲気と、
あまりにかけ離れているのでちょっとクラクラ……

https://www.youtube.com/watch?v=xvZqHgFz51I

サビの部分の歌詞は、

Percocets, molly, Percocets
Percocets, molly, Percocets
Rep the set, gotta rep the set
Chase a check, never chase a bitch
Mask on, fuck it, mask off
Mask on, fuck it, mask off
Percocets, molly, Percocets
Chase a check, never chase a bitch
Don't chase no bitches 

で、わたしは調べるまで知らなかったのですが、
Percocets も molly も麻薬(としても使われる薬)の名前で、
要は、Future がかつてはそういった世界にいたのだけれど、
その後歌手として自立し、
そういった世界からは足を洗った、
という物語を歌っているようです。
だからタイトルの Mask off とは、
その時代の仮面を脱いで、
というニュアンスもあるのでしょう。

『日曜日の散歩者 わすれられた台湾詩人たち』

こんな映画が公開されるんですね。

https://www.youtube.com/watch?v=LSfaEf8qgBA


今朝のニュースから

今朝、France2 のニュースを見ていたら、
フランスで減税が提案されていると伝えていました。
ただしこの減税、
所得が多い人ほど恩恵を受ける度合いが強く、
「不服従のフランス」などは、
もちろんその点を批判しています。
当然ですね。

またドイツでは、保護主義的な法案が議論されています。
つまり、
外国企業が、ドイツ企業を買収するのを制限しようというのです。
これは、明らかにネオリベ的価値観とは逆行しています。

そういえばボルドーでも、
ワインを造っている企業が、
中国系企業に買収され、
その結果ブドウ栽培業におけるフランス人就労率が下がっている、
という話を聞いたことがあります。
ドイツは、
こうしたことが起きるのを危惧しているのでしょう。

土地と人との結びつきを無視することなど、
ネオリベにとっては何でもないこと。
これがグローバリズムだとしたら……

2017年7月9日日曜日

18%

各種世論調査で、
現政権の支持率が急激に下がっています。
たとえば、NNNの調査だと、

支持する :31.9%
支持しない:49.2%

となっていて、
ふつうに考えれば「末期的」な数字です。
しかも、もう少しだけ詳しく見てみると、

*********************************************

[ 問2] [問1で「(1)支持する」と答えた方へ]安倍内閣を支持する理由は何ですか?
  (1)安倍総理の人柄が信頼できるから14.4%
  (2)閣僚の顔ぶれに期待がもてるから2.2%
  (3)支持する政党の内閣だから17.4%
 (4)政策に期待がもてるから12.6%
 (5)他に代わる人がいないから42.2%
 (6)特に理由はない7.0%
 (7)その他2.6%
 (8)わからない、答えない1.7%

**********************************************

つまり、
支持している 31.9%のうちの42.2%が、
消極的な支持だということになります。
ということは、
ちゃんと支持しているのは、
全体の18%程度だということになりますね。

2017年7月8日土曜日

2040までに

2040年までに、ガソリン&ディーゼル車の販売終了へ、
というニュースをフランス2のニュースで見たときには、
おお! でもそんなことができるの?
と思いましたが、
やっぱりこのニュースは、
日本やアメリカなどでも大きめの扱いのようです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170707-00000005-jij_afp-env

実は今、主に通勤に使っているクルマが故障中で、
用意してもらった代車(2400cc)を使っているのですが、
これがなんと、自分のクルマ(1600ccのコンパクトカー)より運転しやすい!
やっぱり、排気量って正直です。

(でもまあ、一人で移動することが多くて、
そのたびに大きなクルマごと移動するのもムダなので、
サイズを変えようとは思わないんですけどね。)


2017年7月7日金曜日

盧溝橋事件

80年前の今日、
盧溝橋事件が起きました。

印象的な記事が二つ。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201707/0010347640.shtml

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170707-00000100-jij-cn

実は来週の「ワールド映画ゼミ」では、
『覇王別姫』を見る予定です。

https://www.youtube.com/watch?v=wDm8UIOox6s

この映画を見るには、
いろんな背景を知っていることが必須なのですが、
盧溝橋事件もその一つです。

80年、ですね……

2017年7月6日木曜日

Happy

というわけで、
リバティー・アカデミーの春の講座、
今日で最終回を迎えました。
で、
恒例のポトラックですが、
これはいつも通り、かなり豪華版💛
みなさんの手作りのラタトゥイユやサラダやケーキを頂いていると、
やっぱり、
料理というものがどれほどクリエイティヴで、
人間の生活の根っこの部分に繋がっているのかを、再認識させられます。
料理というのは、素晴らしいです。
もちろん、こうした素晴らしい料理を持ち寄ってくださる生徒さんたちも。
Merci beaucoup !

また、秋からの講座でお目にかかりましょう!

2017年7月2日日曜日

Enfin, il a perdu.

藤井四段、
ついに負けてしまいました。
今日は休みだったので、
昼食の時にちょっと中継を見たばっかりに、
結局、ついさっき終わるまで、
とりあえず i-pad ではAmeba に合わせていました。
将棋ですから、
長考の局面も当然あり、
そのときは、違うことをしながら、
時々確認するという感じで。

そう遠くない将来、
彼がタイトル戦に臨む時を、
楽しみにしたいと思います。
特に、将棋ファンならだれでもそうでしょうが、
羽生三冠との対決は、
ぜひ実現してほしいです。
その時は、朝から見ます!

2017年7月1日土曜日

A moi seule

レダ・カテブ主演という一点で見てみたのは、

A moi seule  (2012)

です。
これは「風変りな」映画で、
ふだんなら、わたしはまず見ないタイプのストーリーです。
10歳の時に誘拐され、8年間監禁されていた少女が、
ある日、なぜか、解放されます。
彼女は当然保護され、母親も駆けつけます。
でも、彼女がこの新しい現実と折り合うのは、
簡単ではなく……

https://www.youtube.com/watch?v=_-R3TFR6uqY

映画は、この重苦しいストーリーのわりには、
見ていてすごくつらい、というほどではありません。
というのも、物語の冒頭に少女は解放され、
監禁されていた時間は、
回想としてしか描かれないからです。
しかも、犯人は、暴力的な面を抱えながらも、
自分をヴァンサンと呼ばせ、
tu で話しかけさせ、
レイプしたりはしないのです。

ラスト、
解放された少女は、新しい「現実」とも、
8年間の「現実」ともうまくやっていくことができず、
ついに、入院していた刑務所のような病院を逃げ出し、
(今度は逃げるのです、(受動的に)解放されるのではなく)
彼女にとってのほんとうの「現実」を探しにゆきます。

レダ・カテブは、いつも通り、よかったです。
(ただファンなだけ!?)
また、少女の母親として、
ノエミ・ルヴォヴスキ Noémie Lvovsky が出ていて、
こちらの演技も素晴らしかったです。

Demain tout commence

去年公開された、オマール・シーの新作、

Demain tout commence

を見てみました。
(日本でも、『あしたは最高のはじまり』というタイトルで、
9月9日から公開のようです。)

https://www.youtube.com/watch?v=Rg3ZfTtDzT4

この予告編を見れば、
だいたいのストーリーはわかります。
(が、伏せられている大事なこともあります。)

フランスではヒットしたし、
ALLOCINEでの観客の評価も高いです。
オマール・シーは、今やフランスを代表する俳優だから、
彼が主演で、そこそこ楽しめる映画なら、
ヒットはするのでしょう。
ただ、映画として見たら、『最強のふたり』には遠く及ばないかな?
これはオマール・シー自身のせいではないですが。

舞台のほとんどはロンドンなのですが、
この魅惑の都市を、
もっともっとチャーミングに見せられた気もします。
また、『ハリ・ポタ』シリーズでブレイクしたクレマンス・ポエジーも、
今回は華がないような。

細かいところで面白かったのは、
オマール・シーが、Lowell という英語圏の男性を紹介された場面。
彼の返事は

Je préfère l'OM. Désolé.

であり、Lowell さんは「?」となるのですが、
これは、発音上、
Lowell ≒ L'OL(=L'Olympique Lionnais)
を踏まえて、
オレはL'Olympique Marseille のほうが好きだ、
という意味なのでした。
(字幕はどうなっているのでしょうか!?)