2017年7月27日木曜日

Hope


その名も、

Hope (2014)

という映画を見ました。
ちょっと前にDVD を買って、
「積読」になっていたのですが、
今日、なんとなく手に取って見てみたら、
とても引き込まれました。

https://www.youtube.com/watch?v=kZy9XibvFj0 

↑ 全編版。フランス語字幕あり。お勧めします。
 (この字幕、DVDのそれよりみっちり付いてる!)

主人公は、ナイジェリアから、
一人ヨーロッパを目指す若い女性、Hope。
そして彼女の(いろんな意味で)パートナーになるのが、
カメルーンから来たLéonardです。

ヨーロッパを目指す移民のグループに加わっていたHopeは、
ある時、彼女が女性であることがばれて、
男たちにちょっかいを出され始めます。
またある時は、どこぞの兵士たちに止められ、
彼女だけ暗がりに連れ込まれ……
しかもそのあと、
彼女が路上(といっても土ですが)に放り出されたとき、
男たちは彼女を置いて先を急ごうとするのです。
その時、ただレオナールだけが道を引き返し、
Hope を助けます。
そして二人はやがて、
アルジェリア北部の、砂漠の町に到着します。

その町は、けれども、
密航しようとするものたちにとっては危険で、
彼らは町はずれの「ゲットー」に身を隠します。
そしてこの「ゲットー」が、
なんというか、国別になってるんです。
カメルーン人、ナイジェリア人、コートディヴォワール人……

ナイジェリア人であるHopeは、
レオナールについてカメルーンの「ゲットー」に入りますが、
やがて事情が発覚し、
Hope に懇願されたレオナールは、
彼女を助けるべく、お金を支払います。
でも彼は、そのお金を、
体を使って金を稼いで返せ、とHopeに迫り、
Hope はそれを受け入れるどころか、
自ら(危険を冒して)町に出て娼婦となり、
金を稼ぎ、
レオナールと二人さらにヨーロッパへの旅を続けようとします。
彼らが目指しているのは、
あのメリリャです……

http://www.huffingtonpost.jp/2016/02/17/north-africa-refugee_n_9250156.html

話しは、この後も続き、
さて二人はヨーロッパへ渡れるのか、
というサスペンスもあり、
ロードムーヴィー的な要素もあり、
アフリカ文化と資本主義の混成状況の描写もあります。
ただ、もちろん一番の肝は、
ヨーロッパを目指す移民たちを待ち受ける過酷な状況です。
これは以前、
映画『サンバ』の原作小説の中でも、
かなりみっちり書き込まれていたことです。
このHope という映画と合わせて、
イメージが濃くなりました。

ただ、このHopeは、
英語版のDVDさえありません。
こんなにいい作品、
(日本語版は無理だとしても)
英語版はあってしかるべきだとわたしは思いました。

*上の画像は、パスポート用の写真を撮ったアルジェリアの店で、
しつこく勧められ、
エッフェル塔を背景に(疑似)記念写真を撮ったところ。